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公開日:2019.2.18 

遺産分割とは|親族と揉めず有利に進める方法を解説

みらい総合法律事務所
山内 亘 弁護士
監修記事
Isanbunkatsu
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遺産分割(いさんぶんかつ)とは、被相続人が遺言を残さずに死亡した場合に、一旦は相続人全員の共有財産となったものを、各相続人へ話し合いによって具体的に分配していくことを言い、相続税の申告期限は別にして、遺産分割の時期ついては決まった期限はありません。

しかし、共有状態のまま遺産を相続することも可能ですが、相続したものが土地や不動産の場合など、具体的に分ける方法が曖昧なもののケースですと、のちのちトラブルの原因となる可能性もあります。そのようなトラブルが起こった際にはどのように対処していけば良いのでしょうか?

また、トラブルを未然に防ぐ方法はあるのでしょうか?

今回は、遺産分割の流れや手続き方法と併せ、遺産分割においてよく起こる問題をご紹介いたしますので、相続人間の無用な争いを避ける参考にしていただければ幸いです。

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遺産分割の3つの手続き

遺産分割には「遺産分割協議」「遺産分割調停」「遺産分割審判」の3つの方法があり、基本的には「1:遺産分割協議」→「2:遺産分割調停」→「3:遺産分割審判」の順で進めていくことになります。もしこの段階で「遺言書の存在が確認できている場合」は、【1:遺言書の有無を確認】をご覧ください。

遺産分割協議

遺産分割協議とは、相続が発生した際、被相続人による遺言書がない場合に相続人全員で遺産分割に関する話し合い(協議)を行うことを、遺産分割協議と言います。相続人同士の話し合いで遺産の分割方法や、だれが何を相続するかを決めるための第一歩になります。

詳細は「遺産分割協議の進め方|親族で揉めない為の手順とは?」で解説していますので、ご確認いただければと思います。

遺産分割調停

遺産分割調停とは、遺産分割協議において相続人の間では話合いがつかない場合などに、家庭裁判所において、調停委員に間に入ってもらい話し合いによる解決を目指す手続です。

遺産分割調停では各相続人からの事情を確認し、必要に応じて資料等を提出してもらうなど、事情をよく把握したうえで、

  • 各相続人がそれぞれどのような分割方法を希望しているか、
  • その分配比率などはどうしてほしいのか

を聴取し、合意を目指し話合いが進められます。

詳細「遺産分割調停の完全手引き|遺産獲得を有利に進める方法」で解説していきます。

遺産分割審判

遺産分割調停でも話がつかなかった場合、遺産分割審判に自動的に移行されます。別途で審判申し立てをする必要はありませんので、そのまま調停員の指示に従ってください。

ちなみに、遺産分割事件には調停前置主義(いきなり裁判をすることはできず、まず調停をして解決できなかった場合に初めて裁判を起こせるという制度)はありません。

初めから「調停」または「審判」の手続きを申立てることも可能ですが、いきなり審判を申立てようとしても、まずは調停を申し立てて、裁判所の関与の下でできるだけ話し合いによる解決を図るよう促される可能性が高いです。

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遺産分割における4種類の分割方法

 

現物分割(げんぶつぶんかつ)

この家は長男に相続し、あの車は長女にあげようといったように、その名のとおり遺産そのものを現物(そのまま)で分ける方法です。

現物分割では現物の性質上各相続人の相続分をきちんと分けることは難しいため、相続人の間で取得格差が大きい場合は一部の資産を売却してその代金で調整したり、沢山相続した人が自己資金で調整(代償分割※後述)したりします。

換価分割(かんかぶんかつ)

相続財産を売却し、お金に換えて綺麗に分割する方法です。現物分割では難しい各相続人の法定相続分を、きっちり分割したい場合などは便利ですが、この場合は処分費用や譲渡取得税などを考慮する必要があります。

代償分割(だいしょうぶんかつ)

土地や建物を跡取りである長男が取得する代わりに、長女に500万円、次男に600万円支払うなど、相続分以上の財産を取得する代償として他の相続人に自己の財産(金銭等)を交付する方法です。

共有分割(きょうゆうぶんかつ)

不動産や有価証券といった各遺産を、相続人の間で共有する分割方法です。

この方法を取ると、共有者が死亡した場合に新たな相続人の名義が加わっていくということになります。そのため、将来的な売却の際に、手続きが複雑になってしまう可能性があります。

その場では解決したと思っても、結果的に問題の先送りになってしまうケースがあるため、あまり良い分割方法とはいえません。

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遺産分割を行う流れ

遺産分割に決まった順番などはありませんが、流れを追っていくことが早期解決につながる一番の近道になりますから、以下の一般的な手順を確認していただくのが良いかと思います。

1:遺言書の有無を確認

まずは被相続人が遺言書などを残していないかを確認しましょう。

もし遺言がある場合は、遺産分割協議を待たず、遺言の内容を優先する必要があるからです。遺言の残し方にもいくつか種類があり、遺言の種類によってはその内容や書き方が正当かどうかを判断する必要があります。
参考▶︎遺言書があるのか無いのか確認する方法

2:相続財産の確認

遺言の有無が確認できたら、次は遺産相続の全財産がどの程度あるのかを知る必要があります。プラスもマイナスも全てを含めた財産を洗い出し、土地や不動産に関しては金額に換算する作業が発生する場合もあります。

相続財産を確認する方法については「相続財産となるものとその確認方法」を、ご覧いただければと思います。

3:相続人の確定

遺産相続の際、誰がどの財産を相続するかは、相続人全員の同意を得る必要があります。話し合いの場自体に全員が顔を突き合わせる必要はありませんが、同意が1人でも欠けると遺産分割協議そのものが無効になってしまいます。


そのため、場合によっては被相続人の出生から死亡までの戸籍をもとに、代襲相続などにも注意しながら相続人を確定していく必要があります。

もし、連絡のとれない相続人がいる場合は、後述の「連絡のとれない相続人がいるのですが・・・」をご覧ください。

4:遺産分割協議を行う

遺産分割において、まず初めに行う分け方の話し合いです。ここで全ての相続人が納得できる話し合いができれば円満解決となりますので、お互いの譲歩や過度な自己主張をしないようにするのがポイントです。


必ず全員が顔を合わせて協議をしなければならないというわけではないので、遠方や疎遠等の理由で分割協議への参加を渋る相続人がいる場合は、書面でのやりとりや調停・審判も視野に入れるのが良いでしょう。​
参考:「遺産相続でトラブルを避ける全手法

5:話し合った内容を遺産分割協議書にまとめる

相続人同士で話し合って決めた内容は「遺産分割協議書」としてまとめておくことで、のちのちの言った言わないなどのトラブルを未然に防ぐことができますので、必ず作成しておきましょう。

また、遺産分割協議書がないと「不動産の相続手続」ができませんので、用意しておくとことをおすすめします。
参考▶︎遺産分割協議書の全て|サンプルと正しい書き方

6:話がまとまらない場合は調停(裁判)を行う

遺産分割協議で話がまとまらない場合、遺産分割調停か遺産分割審判を申立てることになります。申立てに必要な書類や費用、手順などの詳細は「遺産分割協議が不成立なら遺産分割調停を申し立てる」をご確認ください。

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遺産分割協議が不成立なら遺産分割調停を申し立てる

遺産分割協議とは違い、調停や審判(裁判)には費用やその都度必要な書類が違ってきますので、簡単にご紹介しておきます。

遺産分割調停に必要な書類

  1. 申立書1通及び、その写しを相手方の人数分
  2. 標準的な申立添付書類
  3. 被相続人の出生時から死亡時までのすべての除籍戸籍・改製原戸籍謄本
  4. 相続人全員の戸籍謄本
  5. 相続人全員の住民票又は戸籍附票
  6. 遺産に関する証明書(登記事項証明書や預貯金等の残高証明書など)

申立てにかかる費用

  • 被相続人1人につき1200円の手数料(収入印紙)
  • 郵便切手(裁判所によって異なる)各地の裁判所一覧

弁護士を調停の依頼をした場合の費用

  • 相談料:5,000円~/30分(初回相談無料の事務所も多いです)
  • 着手金:300,000円程度~(遺産の額によって異なるのが通常です)
  • 報酬金:取得できた財産の4~16%程度

もちろん弁護士に頼まなくても進めることは出来ますが、相続人同士で話し合いがつかなかったからこそ、調停や裁判に発展しているわけですので、弁護士の活用を検討いただくのが無難であると思います。

参考▶︎相続問題の弁護士費用の相場とできるだけ安く抑える方法

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遺産分割終了後に遺言書が出てきた場合

遺言の存在を知らずに遺産分割が成立していたとしても、遺言の内容に反する部分があった場合は無効になります。

しかし、相続人全員がその遺言内容を無視して遺産分割するというのであれば、相続人全員の合意があれば遺言を無視した分割協議が優先されます。

相続人のうち1人でも異議を唱える者がいる場合は、やはり改めて遺言書に沿った再分割をしなければなりません。

遺産分割で良くある質問と回答

最後に、遺産分割でよく出てくる問題をご紹介します。

遺産分割協議書は絶対に必要なのか?

絶対かと言われれば、そんなことはありません。しかし、相続人同時で取り決めた内容を必ず守る、守られる意味でも作成はおすすめします。ちなみに、家屋や土地の遺産分割には遺産分割協議書の作成は必須となります。

借金を相続したくない場合はどうする?

遺産相続には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3パターンがあり、借金も全部相続するのか、プラスの財産の範囲内で借金も相続するのか、全部捨てるのかを選ぶことが出来ます。したがって、借金がプラスの財産を上回る場合には、借金だけを相続しないという方法は取れません。

詳細は「遺産相続で覚えておくべき3つの方法とその特徴」をご覧ください。

生前に被相続人の世話をしたら多く遺産をもらえる?

被相続人の財産の形成に生前から貢献していたり、世話をしてくれた人がいた場合など、被相続人に貢献した相続人には「寄与分」という貢献分があります。

ただし、この「寄与分」はいくらが妥当であるかは簡単に算出されるものではありませんので、貢献した人に相続財産を確実に渡したいのであれば、遺言書を作成しておくべきだと言えます。

すでに遺産をもらっている者がいた場合の分け方は?

被相続人の生前に多額の援助を受けた者がいた場合、相続分どおりに遺産を分けるともらい過ぎのように思えますので、このような不公平を是正する為にあるのが「特別受益」といわれる制度です。

※特別受益者とは

相続人のなかで、被相続人から遺贈を受けたり、婚姻や養子縁組のため、または生計の補助として生前に贈与を受けた人のこと。不公平のないように相続分を事前に受け取った分を減額して調整することを民法では「特別受益制度」と呼びます。

出展:遺留分減殺請求の順序

連絡のとれない相続人がいるのですが・・・

相続人全員で協議しなければ、その協議は無効となりますので、連絡の取れない兄弟などがいる時は、まずはその人の居所を見つけなければなりません。弁護士等は職権で相続人の住所地を調べ、その住所地に遺産分割協議へ応じてくれるように手紙を送ることも可能です。

不動産の分け方がわからず困っている

遺産を分割するには、一般的に大きく分けて4つあります。法定相続の場合であってもそうでなくても基本となる遺産分割の方法です。

詳しい説明は「土地を相続する際に絶対に抑えておくべき3つのポイント」をご覧ください。

内縁の者に対しても遺産を渡さないといけない?

内縁者には基本的に相続権はありませんが、遺言書で適切に指定されていれば、財産を相続できる可能性があります。「妻と子と愛人及び愛人の子の場合」などをご覧いただいて、どんな場合に遺産を渡すことになるのかを確認しましょう。

遺言には絶対に従わないといけないのか?

遺言の内容は優先度の高いものではありますが、法定相続人全員が同意すれば、必ずしも遺言に従う必要はありません。
また、特定の誰かに全財産を相続させるといった他の相続人の遺留分を侵害するような内容の場合は、侵害された遺留分権利者は減殺請求によって自己の最低限の取り分を守ることができます。

遺言で遺産を全額第三者に持って行かれたのですが・・・

本来受け取るはずだった遺産が、全額「社会団体への寄付」「愛人への遺贈」などが行われた場合、残された相続人は「遺留分現殺請求」を行い、最低限の遺産を取り戻すことが出来ます。

詳しい手順などは「遺留分の全て|遺留分減殺請求を確実に成功させる全手順」をご覧ください。

まとめ

遺産分割については以上になります。

遺産分割を行う上で参考になれば幸いです。

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相続トラブルを解決し遺産を多く受け取る方法とは?

相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。

 

これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。

 

相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。

 

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。

 

遺産分割に関する調停事件の推移

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

 

相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?

相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。

 

相続人の数

<参考資料:国税庁 統計年報>

 

相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。

 

トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。

 

弁護士を介入させると費用が高くつくイメージがありますが、結果的にはトラブルを解消できるだけではなく、相続面でも優位に働き、金銭的にもメリットを得られることが多くなります。

 

 

相続に強い弁護士の選び方と相続相談の具体例

相続に際し、雇うのは弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
最大のメリットが得られる弁護士の選び方は、以下を参考にしてください。

 

 

  • 1、相続が得意な弁護士を選ぶ

    相続トラブルの解決実績が豊富だったり、相続問題に注力していたりする弁護士を選びましょう。

  • 例えば、医者に「内科」「外科」「皮膚科」「耳鼻科」…と専門分野があるように、弁護士にも「相続」「離婚」「借金」「企業法務」…といった得意分野があります。

  • 相続があまり得意でない弁護士に依頼しても十分なメリットを受けられない可能性があるため、相続を得意とする弁護士に依頼することが大切です。

  • 2、初回相談料の安い弁護士を選ぶ

    初回相談は自分と相性の良い弁護士を選ぶチャンスですので、1件だけではなく複数と話をしてみましょう。

  • 件数を重ねるために初回の相談料を必ず確認しましょう。(相談無料〜3000円程度をオススメします)

  • 3、近隣の弁護士を選ぶ

    相続の弁護士は全国対応していることも多いのですが、やはり対面での関係性構築や急な事態に対応できる近隣の弁護士事務所が最善策といえるでしょう。

 

 

相続で弁護士が介入するデメリットは、あまりありません。

 

あえて挙げるなら、依頼に費用がかかる点でしょうか。

 

しかし、以下の費用対効果の例をご覧いただけば、実際には費用がデメリットとはならないことが、おわかりいただけると思います。

 

不公平な遺言書に対し弁護士を通じて遺留分を主張した例

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費用対効果

自分が受け取ることができた遺産は375万円。弁護士費用は84万円。そのまま泣き寝入りしていれば1円も受け取ることができなかったが、結果的に弁護士費用を差し引いても291万円を手にすることができた。

また、相続トラブルに関しては、初期費用(着手金)はかかるものの、費用の大部分は成果報酬方式です。


つまり依頼料はデメリットにならないのです。

 

>>費用対効果の高い弁護士とは?

 

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この記事の監修者
みらい総合法律事務所
山内 亘 弁護士 (東京弁護士会)
遺産分割の方法や妥当な割合が分からず、知らない間に損をすることが無いよう、ご依頼者様の取り分が最大限確保される解決を目指している。著書に「相続のことがマンガで3時間でわかる本」(明日香出版)。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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