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遺産分割協議書の全て|サンプルと正しい書き方
2016年08月23日

遺産分割協議書の全て|サンプルと正しい書き方

Isanbunkatsukyougisyo

遺産分割協議書(いさんぶんかつきょうぎしょ)とは、相続人が遺産分割協議で合意した内容を書面に取りまとめ、相続人全員の合意書として成立させる書類の事で、「相続人全員の合意を明確にする」「あとで起きうるトラブルを避ける」「不動産・預貯金・株式等の名義変更」「相続税の申告書に添付する」などの効果があります。

遺産分割協議書には特定の書式や記載のルールがあるわけではありませんが、相続人の権利義務が明確となるものでなければ、その内容について疑義が生じ、トラブルとなる可能性がありますので、遺産分割協議書の作成には深い相続知識とノウハウが必要になります。
 
また、より現実的な問題として、遺産分割協議書は「不動産の相続登記」「預貯金や株式、自動車の名義変更の手続き」に必須です。したがって、相続内容に従って財産を処理する場合に遺産分割協議書の作成は避けては通れないといえます。

今回は、遺産分割協議書の書き方と書き損じを防ぐためのチェック項目をご紹介するとともに、せっかく作った協議書が後になって無効と判断されないようにするための方法をお伝えしますので、今後の参考にしていただければ幸いです。
 

遺産分割協議書の作成は
弁護士への事前相談がオススメ

遺産分割協議書について弁護士からアドバイスがもらえる

遺産相続の場面において遺産分割協議書を作成する時、自分たちで遺産分割協議書を作成するのは大きな危険が伴います。

・遺産分割協議書の作成でミスをすると相続人同士でトラブルになる危険が高い
・相続財産を正確に確認する事が難しく遺産分配に正確性がなくなる
遺産分割協議が纏まらないと相続税の優遇措置を受けらなくなる
・時間の経過による事実関係や権利関係の調査が難しくなる
・遺産分割協議書がないと不動産や預貯金の名義変更ができない
・作成した遺産分割協議書に対して文句をいう相続人が出てくる など 

自分たちで遺産分割協議書を作成すると、上記のようなトラブルが起きる可能性が非常に高くなります。そのため、遺産分割協議書の作成の前に、「協議書を作る際にどのようなトラブルが起きるのか?」「争いが起きないそうにするにはどういった手順を踏めば良いのか?」など、相続トラブルに対する事前の対策をするために、弁護士に相談して判断を仰ぐ事が必須になります。

当サイト『厳選 相続弁護士ナビ』相続争いの解決を得意とする弁護士のみを掲載しており、事務所への電話は【通話料無料】でご連絡が可能で、電話での無料相談や面談による相談を無料にしている事務所もあります。

まずは、相続問題の解決が得意な、お近くの弁護士を探して相談してみましょう。

 

  目次
遺産分割協議書の書き方と注意すべきポイント
遺産分割協議書の書式・サンプル
遺産分割協議書には必ず割印・捨印・契印を押す
遺産分割協議書は必ず作成したほうが良い
遺産分割協議書を公正証書にすべき理由
遺産分割協議全体の流れを再確認しておく
まとめ

 

 

遺産分割協議書の書き方と注意すべきポイント

遺産分割協議書の書き方には特定の決まりはありませんが、以下のことに気をつけて頂くと良いかと思います。
 
・書く際は手書き、パソコンのどちらでも作成が可能
・相続人の名前・住所だけは手書きの方が望ましい
・住所、署名は自筆の方が適切・押印は実印
・相続人の数と同じ通数を作成し、相続人全員が各自一通ずつ原本を保管
・タイトルは「遺産分割協議書」とすると良い
・被相続人の名前、相続日(死亡日)、協議した相続人は明記すること
・相続財産の処分内容を具体的に記載
・不動産の記載は登記簿謄本や権利証により、自動車は登録証により、正確に特定する
(土地なら所在と地番。建物なら所在と家屋番号)
・預貯金、株式、生命保険解約金等の金融商品は証券や通帳に照らして正確に特定する
・代償分割の場合は代償内容と支払期限を明確にする

 

遺産分割協議書の基本形

相続人が2名の場合は以下のように書かれるのが良いかと思いますが、相続人が増えればその分記載する相続人の名前が増えていくことになりますが、長くなる場合は2枚になっても構いません。

 

遺産分割協議書の書式・サンプル

次に、遺産分割協議書がどういったものかを確認する為に、遺産分割協議書のサンプルから見ていきましょう。
 

遺 産 分 割 協 議 書

 
 
  被相続人 アシロ太郎(昭和●●年●●月●●日)
  死亡日  平成●●年●●月●●日
  本籍地  東京都新宿区西新宿●-●●-●
 
  平成●年●月●日、被相続人アシロ太郎の死亡によって開始した遺産相続を、アシロ太郎の相続人全員で遺産分割協議を行った結果、下記のとおりに遺産を分配、取得することに合意したことを認める。
 
  1. 下記の不動産は妻アシロ花子が相続する
    所在   東京都●●区●●
    家屋番号 ●●番●
    種類   ●●
    構造   ●●●●
    床面積  ●階 ●㎡
 
  2. 下記の預貯金は長男アシロ次郎が相続する
    ●●銀行●●支店 
    普通預金 口座番号●●●●●●●
    ●●●●万円
 
  3. ●●銀行●●支店からの借入金(●●万円)は長女アシロ圭子が負担する
 
  4. ここに記載のない財産については、次男アシロ士郎が取得することで同意する
 
  以上の内容で、相続人全員による遺産分割協議が成立したため、本協議書を2通作成し、署名押印のうえ、各自1通ずつ所持する。
 
 

 
平成●●年●月●日
 
住所 東京都新宿区西新宿●-●●-●
生年月日 昭和●●年●●月●●日
相続人 (妻)アシロ花子  実印
 
住所 東京都新宿区西新宿●-●●-●
生年月日 昭和●●年●●月●●日
相続人 (長男)アシロ次郎  実印
 
住所 東京都新宿区西新宿●-●●-●
生年月日 平成●●年●●月●●日
相続人 (長女)アシロ圭子 実印
 
住所 東京都新宿区西新宿●-●●-●
生年月日 平成●●年●●月●●日
相続人 (次男)アシロ士郎 実印

 

遺産分割協議書は手書きでもワードなどのパソコンでも作成が可能ですので、パソコンを使用する場合はコピーしてご利用頂いても結構です。

ただ、遺産分割の対象となる財産はケースバイケースであり、必ずしも上記事例がそのまま適用されるということもないと思います。上記の記載例は協議書の書き方のイメージとして、ご参考として頂ければと思います。

もしあなたが、

  • 関係者が多すぎて、どのような遺産分割協議書を作成すればよいか検討もつかない。
  • 相続人の中に自分勝手な人がいて、トラブルになりそう or トラブルになっている。
  • 後々のトラブルを防ぐためにしっかりとした遺産分割協議書を作成したい。

上記のいずれかに当てはまるのであれば、法律の専門家である弁護士に相談することを強くオススメします。

 

 

 

遺産分割協議書には必ず割印・捨印・契印を押す

遺産分割協議書を作成したら、割印や契印などを必ず押印する様にしましょう。
 

印鑑を押す意味

印鑑とはもともと、判子を押したときにできる印章のことですが、この印章を市役所に登録することで「実印」になり、「実印」を押してあることでその書類は印鑑登録証明書になります。役所に届け出ているため、本人確認や住所登録の意味を踏まえたものになりますので、印鑑登録証明は大変重要な証明になります。
 

遺産分割協議書で実印を使用する重要性は?

遺産分割協議書は、相続人同士の話し合いの結果を単純にまとめたものではありますが、「遺産分割をちゃんとしました、この内奥で遺産分割をします」と書き残す以上、全ての相続人がその内容を守ってもらう必要があります。

つまり、一種の契約書のようなものになりますから、実印の署名捺印があることで、のちのち話し合ったことを反故にされないようにする意味と、相続人の存在証明を踏まえた意味合いがあります。
 
そのため、遺産分割協議書で利用するのは「実印」であり、必ずすべての相続人の印鑑登録証明書が必要になってくるわけです。
 

遺産分割協議書が2ページ以上なら契印を押す

遺産分割協議書がA4サイズまたはA3サイズ1枚なら署名捺印のみでも結構ですが、もし協議書が2枚以上になったら、一つの遺産分割協議書として見せるために、ページのつなぎ目に契印が必要になります。

 

遺産分割協議書が2通以上なら割印が必要になる

遺産分割協議書が1通だけなら割印は不要ですが、すべての相続人が原本として遺産分割協議書を保管する場合(というか持つべきです)には、すべての遺産分割協議書が同じものであるという証明が必要になりますので、その際には「割印」が必要になります。
 
 
不動産の所有権を移転させる為だけに必要だから、一通しか作成しないケースもあるかもしれませんが、これは、後々の争いになったときにそれぞれが持っていたほうが争点は少なくなり、早期解決にもつながりますので、持っておくことおすすめします。
 
ちなみに製本テープで作成された遺産分割協議書が複数通ある場合には、表紙または裏表紙において同じように割印をすることになるでしょう。

 
 

遺産分割協議書は必ず作成したほうが良い

ワンポイント
 

遺産分割協議書はなぜ必要なのか?

被相続人が亡くなった場合、まずは相続人全員で協議して、誰が、どんな財産を相続するのかを決めるというのが通常です。もしも相続の際に不動産や預貯金の名義変更は必要ないということであれば、遺産分割協議書は必須とまでは言えません。

しかし、相続発生直後は必要ないと考えていても、後々相続でトラブルになった際に「あの時ちゃんと協議して取り決めておけばよかった」と後悔しても後の祭りです。したがって、遺産分割協議書は基本的には作成する方がベターといえます。
参考:「遺産分割協議を円滑に進める手引き
 

作成を後回しにするデメリット

遺産分割協議が遅れるということは、相続財産についての処理が遅れることを意味します。当然、相続財産で負担されるべき費用(葬儀代や納骨にかかる費用)についても未精算のまま残存することも有り得ます。

また、一定期間経過しても遺産分割協議がまとまらないと、相続税の優遇措置を受けられず、本来払う必要のない余分な税金を支払うことになる可能性もあります。また、時間の経過により事実関係や権利関係の調査が難しくなるにつれ、相続トラブルに発展する可能性も増大します。
 
こういった、「あとあと面倒になる事態」を避ける為にも、「先にやっておくことで大きなトラブルを回避できるもの」になるのが遺産分割協議書ですので、今面倒でもやっておくことをおすすめします。
参考:「遺産相続には期限あり|遺産相続の期限別で行う7個の手続き一覧
 

 

 

遺産分割協議書を公正証書にすべき理由

公正証書とは、公証人法に基づいて法務大臣が任命した公証人が作成する、公文書のことです。公証人は、裁判官や検察官、法務局長など元々法律の専門家であった者が就任することが多いため、的確なアドバイスを受けることができます。

また、公証人が作成した「公正証書」は通常の合意書面に比して証明力が強く、また裁判に依らずに強制執行可能となるなど、特別な効力もあります。
 

公正証書にするメリット

1:あらゆる相続手続きがスムーズになる

遺産分割協議公正証書は、内容の正確性が担保されているとされるため、自主的に作成した協議書に比して信頼性が高いといえます。したがって、遺産分割協議公正証書の方が、不動産の登記、預貯金口座の名義変更、相続税の申告など各種手続がスムーズといえます。
 

2:紛争の予防になる

遺産分割協議公正証書は、公証人が間に入り、相続人全員の意思を確認して作成します。そのため、協議書の内容について後々争いとなる可能性はまずありません。
 

3:安全性が高い

遺産分割協議公正証書の原本は、公証役場に20年間もの間保管されますので、紛失の心配も皆無です。 
 

公正証書のデメリット

1:目的価格に応じた費用がかかる
2:公証人が間に入るため作成まで時間がかかる など

 
もっとも、費用はそれほど高額のものではありませんし、時間も後々トラブルになる可能性を考えればそれほど負担となるものではありません。そうすると、これらデメリットを踏まえても、遺産分割協議書を作成するのであれば公証人に依頼することは検討に値すると思われます。
 

公正証書にする為の書類

・相続人全員の印鑑証明書と戸籍謄本
・被相続人の出生から死亡時までの戸籍謄本・改正原戸籍、除籍謄本など
・不動産登記簿謄本と固定資産税評価証明書(不動産がある場合)
・預貯金の通帳または残高証明書
・有価証券の残高証明書、生命保険の解約返戻金証明書
・借入先の残高証明書

 
これらを用意して、お近くの公正役場を尋ねれば、必要な手順を教えてくれます。
 

費用

目的の価格

手数料

100万円以下

5,000円

100万円を超え 200万円以下

7,000円

200万円を超え 500万円以下

11,000円

500万円を超え 1,000万円以下

17,000円

1,000万円を超え 3,000万円以下

23,000円

3,000万円を超え 5,000万円以下

29,000円

5,000万円を超え 1億円以下

43,000円

1億円を超え 3億円以下

43,000円に5,000万円ごとに13,000円を加算

3億円を超え 10億円以下

95,000円に5,000万円ごとに11,000円を加算

10億円を超える場合

249,000円に5,000万円ごとに8,000円を加算

 
証書の枚数が4枚を超える場合、1枚ごとに250円が費用に加算されます。
 
 

遺産分割協議書を公正証書にすべき人

以下の項目に該当する方は遺産分割公正証書にしてみても良いかもしれません。
 
・遺産分割協議後のあらゆるトラブルを避けたい
・相続の手続きで万が一にも手間取る可能性を排除しておきたい
・遺産分割協議書の紛失を避けたい
・費用をかけてもいいので安心が欲しい
 
このようにお考えの方は遺産分割協議公正証書にすることをおすすめいたします。なお、公正証書は法的な妥当性があるかを厳密に判断されますので、遺産分割協議書を公正証書に残すことを検討されているのであれば、一度弁護士に相談しておくことも合わせておすすめします。
関連記事:遺産相続の無料相談先と相談事例|弁護士などの専門家を選ぶ基準

 



 

遺産分割協議全体の流れを再確認しておく

遺産分割協議書を書くことも大事ですが、相続をスムーズに行うには、遺産分割協議そのものの流れを把握しておくことも大事になります。
 
相続人全員と遺産をどう分け合うのか?」この段階から相続人とトラブルになることは本当に多く存在します。遺産分割協議は「いつまでにしなければならない」という期限もなく、遺言書で遺産分割を禁止していなければいつでも自由に行うことが可能です。
 
しかし、遺産分割協議に期限はなくても「遺産相続に期限のあるもの」もありますので、できれば早め早めの対応を心がけていただくのが良いでしょう。
 

遺産分割の流れ

遺産分割の流れ
 
参考:遺産分割協議を円滑に進める手引き
 
 
 

まとめ

時間が経つと記憶も曖昧になり、遺産分割協議で話した内容とは違うことを言いだす相続人が出てくる可能性もあります。早めに遺産分割協議書を作成すれば、精神的なストレスを軽くすることもできますので、あの時やっておけばよかったとならないように、事前の対応を心がけてみてはいかがでしょうか?
 

 

遺産分割協議書の書き方について弁護士からアドバイスがもらえる

遺産相続の場面において遺産分割協議書を作成する時、自分たちで遺産分割協議書を作成するのは大きな危険が伴います。

・遺産分割協議書の作成でミスをすると相続人同士でトラブルになる危険が高い
・相続財産を正確に確認する事が難しく遺産分配に正確性がなくなる
・遺産分割協議が纏まらないと相続税の優遇措置を受けらなくなる
・時間の経過による事実関係や権利関係の調査が難しくなる
・遺産分割協議書がないと不動産や預貯金の名義変更ができない
・作成した遺産分割協議書に対して文句をいう相続人が出てくる など

自分たちで遺産分割協議書を作成すると、上記のようなトラブルが起きる可能性が非常に高くなります。そのため、相続トラブルに対する事前の対策をするために、弁護士に相談して判断を仰ぐ事が必須になります。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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