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2020年03月23日

内縁の妻/夫は相続可能?内縁関係でもパートナーの財産を承継できる方法

いろどり法律事務所
松島 達弥 弁護士
監修記事
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何らかの事情で入籍をせず、内縁関係を維持する人は少なくありません。

内縁関係をめぐる法律問題の一つとして、パートナーが死亡した時、その財産を相続できるのかできないのかという問題があります。

愛するパートナーを失い、心の支えが失われた状況で、さらに経済的な負担まで重なると本当につらい状況に陥ります。できるなら少しでいいので財産を相続したいことでしょう。

ここでは、内縁関係でもパートナーの財産を相続できる2つの方法について紐解いていきます。

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内縁とは|まずは知っておきたい内縁と愛人の違い

内縁とは、事実上は婚姻関係にあるものの、婚姻届が未提出であるために、法律上では配偶者として認められていない関係を意味します。

パートナーと生活を共にするうえで、婚姻届を提出するかどうかは本人たちの自由です。同居している男女が婚姻届を提出しなければいけないという法律もありません。

ただし、婚姻届を提出しないことによって、法律においては民法上の「配偶者」という立場になりません。法律上の「配偶者」という立場について認められる税金・保険・年金などの優遇制度を受けることができません。

ちなみに、一般に「愛人」と表現される関係は、交際相手が既婚者であることを知った上で交際を続けている場合が多く、これはいわゆる不倫関係ということになります。これは内縁とは全く異なります。

内縁関係は、あくまで、法律上の婚姻に準ずる関係です

そのため、民事紛争の世界でも、法律上の婚姻関係に準じて一定の権利や利益が保護される場合があります。

内縁の者の法律上における位置づけ

内縁関係には、法律において「民法上の夫婦」と同等の権利・義務が認められている項目と、「民法上の夫婦」と同等の権利・義務が認められていない項目があります。

夫婦と同等の権利義務

①貞操義務
②同居・協力・扶助の義務(民法752条)
③婚姻費用分担の義務(民法760条)
④日常家事の連帯責任の義務(民法761条)
⑤帰属不明財産の共有推定(民法762条)
⑥財産分与(民法768条)
⑦嫡出の推定(民法772条2項)

特別法で夫婦と同様にみなされる項目

①遺族補償年金を受ける者としての配偶者の権利
②労働災害の遺族補償を受ける労働者の配偶者の権利
③退職手当を受ける者としての配偶者の権利

夫婦とは区別され内縁関係には認められない権利義務

①夫婦の同姓(民法750条)
②成年擬制(未成年者が結婚によって成人として扱われる制度|民法753条)
③準正(非嫡出子が父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する制度|民法789条)
④配偶者の相続権(民法890条※ただし958条の3)

内縁関係における相続について

上記でご紹介したように、内縁関係においては、相続権がありません。長期間に渡り同居して事実上の夫婦として疑いがない状況であったとしても、婚姻届提出の有無によって相続権が認められるかどうかが変わってきます。

これは、権利として一切認められていないため、不服を申し立てる裁判を行っても結果は変わりません。

なお、例えば、男性が内縁の妻と生活するためにアパートを借りていた場合、内縁の夫が亡くなった後でも内縁の妻はそのままアパートに住み続けることができます。


内縁の妻であっても、内縁の夫が亡くなったからといって、生活の場所を奪ってしまうことは権利の濫用にあたるという考え方に基づきます。


そのため、内縁の妻はただちにアパートから引き上げる必要はありません。


もっともこれは、正確には賃借権の相続が認められたわけではなく、「内縁の夫の賃借権の援用が認められる」と表現することが多いといえます。いずれにせよ、内縁の妻は内縁の夫と暮らしたアパートに住み続けることができる場合が多いといえます。

なお、借地借家法36条により、内縁者が賃借権や借地権を承継できる場合があります。借地権の詳しい相続方法は「借地権を相続した時に覚えておくと便利な7つのコト」をご覧ください。

内縁者が特別に相続を受けられる2つの方法

内縁関係であっても、特別にパートナ―の財産を承継できる方法があります。

まずは、「生前に贈与してしまうという方法です。

当然のことですが、生前に財産の贈与を受けておけば、その財産をパートナーの死亡後も利用することができます。

また、「遺言書を作成しておく」という方法も大変有効です。

パートナーが、生前に遺言書を作成しており、その遺言書で「一定の財産を内縁関係者に遺贈する」等、財産の承継が明確に記載されている場合には、その遺言書に沿った遺産の承継が可能となります。

ただし、生前贈与や遺言書での遺産の承継に関しては、法律上の遺留分権者から遺留分侵害額を支払えとの請求が行われる場合があります。

遺留分侵害額請求(旧遺留分減殺請求)とは、一定の法定相続人に対して相続財産の一定を確保するために設けられた制度です。
 
故人の一定の範囲の財産について、それが生前贈与や遺贈等によって第三者や特定の法定相続人のものとなってしまった場合、遺留分権利を侵害された方が、その侵害額を回復するための財産的請求を行うことができるという制度です。
 
この請求は、遺留分権者が本来持っている権利を回復するための正当な権利行使なです。そのため、遺留分侵害額請求をされて内縁者がもめることのないように、遺留分を除いた相続財産を内縁者に承継させる内容の遺言書を作成する方法がベストではあります。しかし、遺言書を作成するタイミングで、自分が死亡した時の財産状況を完全に予測することは困難であり、どの程度の遺留分侵害となるのかは把握困難といえます。
 
そこで、遺留分侵害額請求に対応しなければならない可能性があることを、事前に内縁のパートナーにアナウンスしておき、万が一に備えた準備をしておくよう伝えることが安心でしょう。
 
なお、遺留分の請求については「遺留分減殺請求」という呼び名でご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、法改正により遺留分減殺請求は「遺留分侵害額請求」として名前も制度内容も改められましたので、ご注意ください(2019年7月1日施行)。
 
遺留分侵害額請求に関しては「遺留分とは相続人が必ずもらえる財産|割合と取り返す方法」をご覧頂ければと思います。

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配偶者がいない場合は愛人でも特別縁故者になれる

もし被相続人に配偶者がいない場合は、愛人でも内縁関係として扱われ、特別縁故者になれる可能性もあります。

しかし、愛人の場合は遺言・遺贈以外で自分の死後に遺産を渡すのは難しいと思われます。したがって、愛人に対して遺産を渡したい場合は、若干の贈与税を支払う必要が発生する、生前贈与という形で行い、数年に渡って譲っていくのが最も確実です。

あえて贈与税を支払う形にする理由としては、「愛人が勝手に財産を使いこんだり、預貯金などの名義変更を行ったりしたと訴えられないようにする対策」とお考えください。

もちろんこの場合も、遺留分を侵害しての贈与は認められないため、遺留分を侵さないことも、安全に遺産を渡すためのコツになります。

特別縁故者として財産を受領できる場合

特別縁故者となると、被相続人の法定相続人が1人もいない場合には、亡くなった被相続人の身の回りの世話をしていた人が相続財産を受け取ることができます

特別縁故者になるためには、家庭裁判所への特別縁故者の申立てが必要です。

ちなみに、申立てを行っても家庭裁判所が認めなければ、特別縁故者とはなれません。法定相続人が1人もいない状況とは、法定相続人が死亡した場合だけでなく、法定相続人全員が相続放棄した場合を指します。


実際に相続を受けられるかどうかは家庭裁判所の判断に委ねられますが、内縁の妻/夫が特別縁故者となるケースは十分にありえることです。

ただし、結局、特別縁故者という立場は、法的に極めて不安定な立場です。

結局のところ、パートナー間で適切に財産の承継を行いたいのであれば、生前贈与や遺言書等の、明確な意思表示による財産移転の方法を準備しておく必要が極めて高いといえます。

なお、特別縁故者として相続を受けた場合は、相続税の手続が必要です。税金に関するご相談は信頼できる税理士にお問合せください。

まとめ


法律上の婚姻関係とは異なり、内縁関係のもとでパートナーをいくら支えていても、法定相続権が発生するわけではありません。

しかし、「生前贈与」や「遺言書作成」を上手に活用することによって、お互いに財産を承継することは可能です。

また、特別縁故者としての権利を主張できる状況が整っていれば、その立場で一定の財産を承継することもできなくはありません。

しかし、内縁関係者に確実に財産を残したいと考えるのであれば、判断能力が衰える前に、財産移転の方法や内容を決定し、それを実現できるための適切な方法により万全の準備を行う必要があります。

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相続トラブルを解決し遺産を多く受け取る方法とは?

相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。

 

これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。

 

相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。

 

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。

 

遺産分割に関する調停事件の推移

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

 

相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?

相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。

 

相続人の数

<参考資料:国税庁 統計年報>

 

相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。

 

トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。

 

弁護士を介入させると費用が高くつくイメージがありますが、結果的にはトラブルを解消できるだけではなく、相続面でも優位に働き、金銭的にもメリットを得られることが多くなります。

 

 

相続に強い弁護士の選び方と相続相談の具体例

相続に際し、雇うのは弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
最大のメリットが得られる弁護士の選び方は、以下を参考にしてください。

 

 

  • 1、相続が得意な弁護士を選ぶ

    相続トラブルの解決実績が豊富だったり、相続問題に注力していたりする弁護士を選びましょう。

  • 例えば、医者に「内科」「外科」「皮膚科」「耳鼻科」…と専門分野があるように、弁護士にも「相続」「離婚」「借金」「企業法務」…といった得意分野があります。

  • 相続があまり得意でない弁護士に依頼しても十分なメリットを受けられない可能性があるため、相続を得意とする弁護士に依頼することが大切です。

  • 2、初回相談料の安い弁護士を選ぶ

    初回相談は自分と相性の良い弁護士を選ぶチャンスですので、1件だけではなく複数と話をしてみましょう。

  • 件数を重ねるために初回の相談料を必ず確認しましょう。(相談無料〜3000円程度をオススメします)

  • 3、近隣の弁護士を選ぶ

    相続の弁護士は全国対応していることも多いのですが、やはり対面での関係性構築や急な事態に対応できる近隣の弁護士事務所が最善策といえるでしょう。

 

 

相続で弁護士が介入するデメリットは、あまりありません。

 

あえて挙げるなら、依頼に費用がかかる点でしょうか。

 

しかし、以下の費用対効果の例をご覧いただけば、実際には費用がデメリットとはならないことが、おわかりいただけると思います。

 

不公平な遺言書に対し弁護士を通じて遺留分を主張した例

3,000万円の遺産を遺して親が世を去った。全財産をほかの相続人に相続させる旨の遺言書があり、このままでは自分は一切遺産を受け取ることができない。

弁護士に依頼した結果

遺留分侵害額請求により、自分の遺留分割合である8分の1の遺産を受け取ることができた。

費用対効果

自分が受け取ることができた遺産は375万円。弁護士費用は84万円。そのまま泣き寝入りしていれば1円も受け取ることができなかったが、結果的に弁護士費用を差し引いても291万円を手にすることができた。

また、相続トラブルに関しては、初期費用(着手金)はかかるものの、費用の大部分は成果報酬方式です。


つまり依頼料はデメリットにならないのです。

 

>>費用対効果の高い弁護士とは?

 

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この記事の監修者
いろどり法律事務所
松島 達弥 弁護士 (京都弁護士会)
生前の遺言書作成から遺産の分割・取り分についての話し合いまで幅広く対応。税理士、司法書士、不動産鑑定士など他の士業との連携も得意としており、正確な知識・情報に基づいた解決案の提示には信頼が厚い。

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何かと相続トラブルに発展するのは遺産の割合に不満がある・納得いかないケースです。

例えば、下記などが該当します。

・思ったより相続される遺産が少なかった
・揉めたくないので、泣く泣く遺産の配分に納得した
・遺言書に他の兄弟姉妹に遺産を多く渡す旨が書かれていた

遺産相続では法定相続分といって、民法で定められている割合の通りに遺産を公平に分割しましょうという一応の定めがありますが、生前に被相続人(亡くなった人)の介護をしていた、被相続人の事業を手伝っていれば寄与分という制度で多くの財産をもらう権利があります。

また、他の相続人が生前に財産を多く受け取っていたのであれば、遺産分割協議の際に相続財産を減らすこともできます。ただ、こういったルールは相続人全員が知っているわけではありませんから、あなたが主張しても聞く耳をもたれない可能性もあります。

その場合、弁護士に相談することで法的な観点から主張をしてくれますし、トラブルになっている場合はその仲裁に一役買ってくれるでしょう。当サイトでは、相続トラブルを1人で解決できるか悩んでいる方へ無料電話・無料相談(一部)を行い、不安解消できるように努めています。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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