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公開日:2019.8.14 

遺言書とは|残すべきケースと無効にならない書き方

川崎相続遺言法律事務所
関口 英紀 弁護士
監修記事
Pixta 16938013 s
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遺言書(いごんしょ・ゆいごんしょ)とは、自分の死後に財産を自由に処分するために残す書面の事です。

遺言書でよくある疑問

「遺言書(遺言状)は自分でも簡単に書けるの?

無効にされない遺言書を書きたい!

「遺言書の内容は誰にも知られたくない」

「そもそも遺言書って残した方がよいの?」 など

遺言書を書く理由はさまざまかと思いますが、遺言書を書くなら法的きちんと効力を発揮するものを書くべきですし、子供や孫たちが相続トラブルとならないために財産をきちんと分けられる内容で用意することがおすすめです。

ただ、どんな人でも遺言書が必要ということではありませんので、「本当に遺言書を残すべきか?」はよく考えて残すようにしましょう。

遺言書を残すのが有効なケース
  1. 夫婦の間に子供がいない場合
  2. 相続人が一人もいない場合
  3. 家業を継がせたい人がいる場合
  4. 相続財産に不動産が含まれている場合
  5. 内縁関係にある・認知していない隠し子がいる方
  6. 財産を渡したくない人がいる場合 など

くわしくは「遺言書で発揮できる9つの効力」で解説。

遺言書を残す際にもっとも簡単な方法は『自筆証書遺言』という方法で、自分ひとりで書き残すことができます。しかし、開封時に裁判所の検認が必要であったり、法的なことを知らないと『遺留分を侵害していたり』、かえって「争族」となるケースもあります。

また、偽造・変造をされる可能性もゼロではありませんので、この記事では『遺言書の正しい書き方』やどういった内容で書き残しておけばトラブルを回避できるのかを解説しますので、法的に効力のある遺言を書くための手助けになれば幸いです。
 

遺言書に関する基礎知識

遺言書の種類について

遺言書の効力とは?

遺言と遺留分の関係とは?

自筆証書遺言とは?

公正証書遺言とは?

秘密証書遺言とは?

遺言執行者について

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遺言書の書き方と例

遺言書をどうやって書くのかを知るために、まずは遺言書の完成形を見ていただこうかと思います。

どんな状況で、どのような項目が必要になるのかは人それぞれでしょうから、下記の内容で、実際に自分には不要だと思われる部分は消してください。
 

遺  言  書


 
   遺言者アシロ太郎は、この遺言書によって、妻アシロ花子、長男アシロ次郎、(次男や長女がいれば都度追加していく)に対して次の通りに遺言する。

 ※特定の誰かに遺産を相続させる場合
 1. 遺言者アシロ太郎は妻アシロ花子に全ての遺産を相続させる
 


 
 ※配偶者や子供に相続財産の指定をする場合
 1. 現金●●万円を妻アシロ花子に相続させる
 2. 現金●●万円と●●の自動車(ナンバー:●●●●●●)を長男アシロ次郎に相続させる
 


 
 ※財産が複数あり、相続財産を一部指定したい場合
 1. 現金●●万円を妻アシロ花子に相続させる
 2. 現金●●万円と●●の自動車(ナンバー:●●●●●●)を長男アシロ次郎に相続させる
 3. 残りの財産の全てを長女●●に相続させる
 


 
 ※不動産や土地、預金の相続分を指定する場合
 1. 妻アシロ花子に下記の不動産を相続させる。
  (1)土地
   所在 東京都新宿区西新宿●-●●-●●
   地番 ●●●番●
   地目 ●●●
   地積 ●●●平方メートル
 
  (2)建物
   所在 東京都新宿区西新宿●-●●-●●
   家屋番号 ●●番●
   種類 ●●
   構造 ●●●●●●
   床面積 ●階 ●●平方メートル
       ●階 ●●平方メートル
 
 2. 長男アシロ次郎に下記の預金を相続させる
   ●●銀行●●支店 口座番号●●●●●●●
 


 
   ※遺言執行者の選任をする場合
   遺言者アシロ太郎は、遺言書の執行者として下記の者を指定する

   住 所 東京都新宿区西新宿●-●●-●
   職 業 弁護士(弁護士に限らず友人や司法書士でも、成人していれば誰でも選任は可能
   遺言執行者  ●●●●

 



平成◯◯年◯◯月◯◯日
 
住 所  東京都新宿区西新宿●-●●-●
 
遺言者  アシロ 太郎   印

基本的な遺言書の形はこれになります。あとは相続財産の有無によって、それぞれ誰にどの遺産をどの割合で相続させるのかを明記していきましょう。

遺言書の効力を確実に生じさせるためには弁護士への依頼がオススメです

遺言書は、好き勝手に書いてしまうと本来の効力を生じないリスクがあります。民法の方法に従って作らなければ、せっかくの遺言書が無効になってしまう可能性があります。

また、被相続人が重度の認知症で遺言を作成する能力がなかったり、遺言能力がないのに作成された公正証書遺言も無効になりますが、これらを争うためには裁判手続きが必要になるケースも多々あります。

相続人としても、遺言書を見つけて勝手に開封してしまうと罰金に課せられるリスクがありますから、検認など裁判所での手続きをきちんとこなさなければなりません。

  1. 遺言書が有効かどうか分からない
  2. 遺言書が原因でトラブルになるか心配
  3. 正しい遺言書を作りたい など

このようなケースの場合には、相続問題に詳しい弁護士に相談することで、問題の解決につながる可能性が高いです。当サイト『相続弁護士ナビ』は相続争いの解決を得意とする弁護士を掲載しております。

事務所への電話は【通話料無料】でご連絡が可能で、電話での無料相談や面談による相談を無料にしている事務所もあります。まずは​下記よりお近くの弁護士を探して相談してみましょう。

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遺言書の書き方は3つの種類によって異なる

遺言書の書き方に関してですが、遺言書の3つの種類によってその書き方などが変わってきますから、ここでは遺言書の種類別にご紹介していこうと思います。
 

自筆証書遺言の場合

自筆証書遺言(じひつしょうしょゆいごん)とは、自筆によって作成する遺言書です。これは、「自筆証書によって遺言をするには、遺言者がその全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない」と、民法第968条で規定されています。
 
自分で文字が書けて、押印ができる状態であれば作成できるため、最も簡単な遺言方法と言って良いでしょう。ただし、遺言能力は必要なので、15歳以上であることが必要です。また、家庭裁判所の「検認」が必要になります。

自筆証書遺言を書く際のポイント

・自分の直筆で書くこと(代筆、PCでの作成は不可。法改正により、財産目録は自筆でなくても可能になりました。)
・録音や映像で残すと無効
・遺言書がいつ書かれたのか明記する
・署名と押印を必ず行う
・夫婦の共同遺言はNG

ちなみに、押印は実印でなくても認印や拇印(ぼいん)でもOKです。遺言書本文の自署名下に押印がなくても、遺言書本文の入れられた封筒の封じ目に押印があれば足りるとされています(最判平成6年6月24日)。

そのため、封筒の封じ目にも押印をしておくのがおすすめです。氏名に関しても、同一性を示せれば、芸名やペンネームも可です。

自筆証書遺言のメリット

  • 自筆することができて、印鑑があればいつでも作成可能

  • 手続きがないので費用がかからない

  • 書き直しや修正も自由

  • 所定のフォーマットもないので書き方は自由

自筆証書遺言のデメリット

  • 書き方を間違えると無効になる危険がある

  • 家庭裁判所での『検認』手続が面倒

  • 検認をせずに開封すると過料で5万円とられる(検認に関する弁護士の回答はこちら

  • 自筆できない場合は利用できない

  • 滅失・偽造・変造のおそれがある

詳しい内容は「自筆証書遺言の書き方と遺言書が無効にならない為の注意点まとめ」をご覧いただければと思います。
 

公正証書遺言の場合

公正証書遺言(こうせいしょうしょゆいごん)は、自筆証書遺言とは違い遺言者が公証役場の公証人に遺言内容を伝えて、公証人は遺言者から聞いた内容を遺言書に落とし込むという、共同で作っていく遺言方法です。
 
自分ひとりで書いた自筆証書遺言に比べ、専門家のチェックが入る分確実性があり、遺言が無効になる可能性が低いのが特徴です。また、一般的には相続財産がきちんと特定されること、裁判所の検認が不要、というメリットがあります。

公正証書遺言のメリット

公正証書遺言のデメリット

・遺言書として無効になりにくい
・遺言内容が正確になる
・書き方の不備がない
・検認が必要ない
・改ざんなどの心配もゼロ

・作成に時間がかかる
・費用が発生する
・証人2名の立会いが必要
・存在や内容を秘密にできない など

 
無効になる可能性が低いため、被相続人が残せる遺言としては、効力の確実性という面で優れた方式と言えます。ただ、公正役場の公証人に依頼する必要があるため費用がかかり、すぐに作成出来ないという点は、デメリットです。

公正証書遺言を書く際のポイント

公正役場の公証人と一緒に作成していきますから、いくつかの手順を踏んで行く事になり、基本的には下記の手順で進行して行くと思って良いでしょう。そもそも公証人って誰なの?という部分に関しては、「日本公証人連合会」では下記の様に説明しています。

公証人は,多年,裁判官,検察官等の法律実務に携わってきた法律の専門家で,正確な法律知識と豊富な経験を有しています。したがって,複雑な内容であっても,法律的に見てきちんと整理した内容の遺言にしますし,もとより,方式の不備で遺言が無効になるおそれもありません。公正証書遺言は,自筆証書遺言と比べて,安全確実な遺言方法であるといえます。
引用元:公正証書遺言とはどのようなものですか? そのメリットとデメリットを教えて下さい。

 
もっと詳しく知りたい方は「公証人法の第11条」をご覧頂ければと思います。
 

1:基本的には遺言者が遺言内容を口答で伝える

どんな内容の遺言しようかなども相談にのってもらえますので、公証人と相談しながら遺言内容を決定していきます。「民法第969条」にもありますが、「遺言の趣旨を公証人に口授(くじゅ)すること」とありますので、口で伝える方法が原則と思っておいてください。

もし、ある程度遺言内容が決まっているのであれば、そのメモ書きを持って行くのも良いでしょう。
▶︎公正役場の場所を調べる場合(平成28年11月15日時点)
 

証人を2名選んでおく

公正証書遺言の作成には証人が2人必要になりますので、公正役場に行く際に予め一緒に付いてきてくれる方を選んでおきましょう。証人になれる方は、以下の要件に該当しない方とされています。
 

第九百七十四条  次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。
一  未成年者
二  推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三  公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人
引用元:民法第974条

 
要約すると、「20歳以上」で「自分の親族ではなく」「財産の贈与を受けた事が無い、あるいは受ける予定の無い人」という事になりますね。つまり、友人などが良いのではないかと思います。
 
もし信頼のおける友人が居ない場合は、弁護士などの法律家か、公正役場の公証人にお願いする事も出来ます。
 

公正証書遺言の作成にかかる費用

公正証書の手数料について定めた「公証人手数料令第9条」によれば、相続財産の価額に応じて算出するとしています。
 

(法律行為に係る証書の作成の手数料の原則)
第九条  法律行為に係る証書の作成についての手数料の額は、この政令に特別の定めがある場合を除き、別表の中欄に掲げる法律行為の目的の価額の区分に応じ、同表の下欄に定めるとおりとする。
引用元:公証人手数料令第9条

法律行為の目的の価額

金額

100万円以下のもの

5000円

100万円を超え200万円以下のもの

7000円

200万円を超え500万円以下のもの

10000円

500万円を超え1000万円以下のもの

17000円

1000万円を超え3000万円以下のもの

23000円

3000万円を超え5000万円以下のもの

29000円

5000万円を超え1億円以下のもの

43000円

1億円を超え3億円以下のもの

43000円に超過額5000万円までごとに13000円を加算した額

3億円を超え10億円以下のもの

95000円に超過額5000万円までごとに11000円を加算した額

10億円を超えるもの

249000円に超過額5000万円までごとに8000円を加算した額

参考:公証人手数料令第9条
 
例えば、5000万円の遺産配偶者1人に相続させた場合の手数料は、29000円になりますが、遺言は相続人や受遺者別の個別に法律行為を行う事になっており、下記のように財産を分配した場合、個別に手数料が発生してしまう事には注意が必要です。
 
【遺産総額:1億円の場合】


配偶者:5,000万円 → 29,000円
子供1:3,000万円 → 29,000円
子供2:2,000万円 → 23,000円
合計:81,000円


参考:手数料(公正証書作成等に要する費用)
 
このように、遺言で指定する相続人が一人増える度に手数料が取られますから、注意が必要です。公正証書遺言について詳しくは「公正証書遺言を残して無効されない遺言を残す!作成費用と必要書類」をご覧下さい。
 

公正証書遺言作成に必要な書類

  • 遺言者本人の印鑑証明書
  • 遺言者と相続人との続柄がわかる戸籍謄本
  • 財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票
  • 遺産に不動産が含まれる場合には、登記簿謄本及び固定資産の評価証明など。

引用元:遺言公正証書を作成するにはどんな資料が必要ですか?

秘密証書遺言の場合

秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)とは、遺言者が遺言の内容を誰に知られたくない場合に利用する遺言方法で、自筆証書遺言と公正証書遺言を足して割ったような遺言書で、遺言者が自分で書いた遺言書を公正役場に持って行き、間違いなく本人のものである事を明確に出来るという特徴があります。
 

秘密証書遺言のメリット

秘密証書遺言のデメリット

・遺言書が本人のものである事を明確にできる
・遺言の内容を秘密にできる
 

・公証人も遺言内容を確認できない
・専門家のチェックが無い為不備が残る可能性がある
・紛争の火種が残ってしまう危険性がある
・家庭裁判所で検認手続が必要
・手数料で11,000円がかかる

参考:秘密証書遺言とは|秘密証書遺言の特徴とその書き方
 
結論から言ってあまりオススメは出来ません。遺言書の存在を誰にも知られたくないという気持ちも分からなくはありませんが、そもそも遺言書の存在は遺族に知らせないと意味がありませんので、遺言を行うのであれば自筆証書遺言か公正証書遺言を利用されるのが良いでしょう。
 
どちらかと言えば公正証書遺言の方が、手数料はかかるとは言っても確実に存在している事は明確ですし、内容に誤りもありませんから、利便性は高いと言えます。

ただ、必ず遺言を作成しなければならないワケではありません。「遺言信託」や「成年後見制度」、また最近注目をされている「家族信託」と呼ばれる方法もありますから、残された遺族にとって何が一番良い形なのかを、よく考えて頂ければと幸いです。

特別方式の遺言書というのもある

これまでご紹介してきた3種類の遺言書は「普通方式の遺言書」と呼ばれていますが、特別方式の遺言書は緊急時や、外界と隔離されている船の上など、特殊な状態の者が書く遺言書になります。(民法第976条)
 

(死亡の危急に迫った者の遺言)

第九百七十六条 疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは、証人三人以上の立会いをもって、その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。この場合においては、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これに署名し、印を押さなければならない。

2 口がきけない者が前項の規定により遺言をする場合には、遺言者は、証人の前で、遺言の趣旨を通訳人の通訳により申述して、同項の口授に代えなければならない。

3 第一項後段の遺言者又は他の証人が耳が聞こえない者である場合には、遺言の趣旨の口授又は申述を受けた者は、同項後段に規定する筆記した内容を通訳人の通訳によりその遺言者又は他の証人に伝えて、同項後段の読み聞かせに代えることができる。

4 前三項の規定によりした遺言は、遺言の日から二十日以内に、証人の一人又は利害関係人から家庭裁判所に請求してその確認を得なければ、その効力を生じない。

5 家庭裁判所は、前項の遺言が遺言者の真意に出たものであるとの心証を得なければ、これを確認することができない。

引用元:民法第976条

特別方式の遺言書の種類

意味

一般危急時遺言

疾病やその他の理由で死亡の危機がある場合に、3名以上の証人の立会いの下で行う遺言。

難船危急時遺言

遭難中の船舶の中で死亡の危機がある場合に、証人2名以上の立会いの下で行う遺言。

一般隔絶地遺言

伝染病などで外界との接触を断たれた場所にいる者が、警察官1名と証人1名以上の立会いの下で行う遺言。

船舶隔絶地遺言

船舶中で外界から隔絶されている者が、船舶関係者1名及び証人2名以上の立会いの下で行う遺言。

参考:特別方式の遺言書とは?

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遺言書で発揮できる9つの効力

遺言書の書き方がわかったところで、次に遺言書ではどのような事ができるのかを確認していきたいと思います。遺言書の主な効力は遺産相続に関することです。たとえば特定の人を相続人から外したり、遺産分割の割合を指定する行為が該当します。  

遺言書の執行に関する効力

残された子がまだ未成年であったり、父母がいないなど、遺言者の死亡により親権者が不在となる場合などは、遺言者は第三者を後見人とすることで未成年者の子の財産管理等を委ねる事が出来ます。

相続分の指定

相続人ひとりひとりの相続分は法定相続分という一応の規定がありますが、遺言者である被相続人は遺言書で自由に相続分を指定することが出来ます。法定相続分に関しては「法定相続分の割合と法定相続分で分割されないケースまとめ」をご覧ください。

相続人の廃除

相続人となる予定の人を相続対象から廃除すること。生前、被相続人に対する虐待や重大な侮辱、その他非行などの法定の廃除事由が認められた場合には、該当する相続人の相続権を消失させることが出来ます。
 
相続人廃除に関して詳しくは「相続欠格|相続権を剥奪する相続欠格と相続人廃除の全て」をご覧下さい。

相続人の身分に関する効力(認知)

たとえば婚約をしていない女性(内縁の妻)との間に出来た隠し子がいる場合、遺言者は遺言書でこれを『認知』(正式に自分の子であると認める)することで、自分の子として相続人に加える事が可能になります。
 

相続人相互の担保責任の指定

遺産相続をしたのに財産が他人の物であったり、何らかの欠陥があった場合、法律では他の相続人は担保責任を負うことになります。遺言者は、当該担保責任の負担者や負担割合についても、遺言により指定する事が出来ます。

相続財産の処分

遺言者の財産は原則として法定相続人(配偶者や子など)に相続されますが、遺言者は、法定相続人とならない第三者や団体に対し、相続財産を遺贈する事が出来ます。(遺贈・財産処分)

遺言執行者の指定または委託

遺産相続の結果、財産の名義変更(相続登記)が生じる場合、事務手続が必要となる場合があります。遺言者は、このような遺産相続を実施する上で必要となる手続を行う人(遺言執行者)を指定、第三者に指定を委任することが出来ます。
参考:遺言執行者に選任された人が知っておくべき仕事内容

遺産分割方法の指定と分割の禁止

民法第908条で、遺言者は遺産分割の方法を決めることや、その遺産分割方法を第三者に委託すすることも可能です。さらに、相続開始の時から五年を超えない期間で、遺産の分割を禁ずることもできます。

遺留分減殺方法(※)の指定

相続人には遺言書でも排除できない最低限の相続分(遺留分)が定められています。もし、遺言の内容が遺留分を侵害する場合には、遺留分減殺請求により侵害された遺留分部分を無効と受け取った者に請求することが出来ます。
 
また、遺言者が遺留分を害する場合には、遺言書によってこれを解消する方法も指定することが出来ます。詳しくは「遺言書の5つの効力と無効になる15の事例」をご覧下さい。

(※)「遺留分減殺請求」は、法改正により「遺留分侵害額請求」となりました。

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遺言書で知っておくと役立つ5つこと

最後に、遺言書に関して知っておくと便利な知識をご紹介します。

遺言の保管をするサービスも存在する

例えば「◯◯銀行」に遺言書を預けるといった遺言信託というサービスが存在します。

公正証書遺言を公証人経由で銀行に預けることができ、定期的な遺言内容の変更や確認、有事の際には遺言執行者として、遺言書の執行のために必要な手続をとり、遺言者が死亡したあとは相続財産の管理、名義変更、引渡しなど、相続人・受遺者の方に遺産の分配までを行ってくれます。
参考:遺言信託で確実な遺言の執行をするために知っておくべきこと

遺言執行者の指定ができる

遺言執行者とは、遺言書の内容を実現するために選任された相続人の代理人とも言える人です。民法第1006条以降に規定があります。通常は推定相続人などがなるケースが多いですが、もしいない場合は家庭裁判所に遺言執行者選任を請求することもできます。

遺産に土地や不動産が含まれている場合は分け方でトラブルとなるケースが考えられますので、司法書士や弁護士などの専門家を指定しておくのが無難かもしれません。

遺言書はいつ書けば良いのか?

遺言書は死期が近づいてから書く物であると多くの方が考えていますが、人はいつ何があって死亡するか分かりません。もし今この瞬間に死んでしまうことがあった場合でも、残された遺族が困らないよう配慮して作成しておくのが望ましいと言えます。
 
また、今は元気で判断能力があっても、死期が近くなると判断能力も衰えてきて遺言書を残すことも難しくなりますので、できれば早く作成した方が良いでしょう。

一度書いた遺言書の内容を変更や撤回をしたい場合

遺言書を一度書いたものの、やっぱり内容を変更したい場合もあるでしょう。そう言った場合の遺言書変更や撤回の手順をご紹介します。
 

遺言の撤回や取り消しは自由にできる

遺言書は遺言者の最後の意思を尊重するものですので、訂正、書き直し、破棄も遺言者の自由に行うことが出来ます。
 

遺言書を書き直したい場合はまず古い遺言書を破棄する

自筆証書遺言書や秘密証書遺言書の場合、遺言書を破棄すれば遺言内容は取り消されたことになります。単純に破って捨てれば良いという事ですね。
 

公正証書遺言の場合

ただ、公正証書遺言の場合は公正証書遺言の原本が公正役場に保管されていますので、手元にある公正証書遺言をまず破棄し、「前回の遺言を撤回する」という旨を書いた、新しい遺言書を作成する必要があります。
 

内容を変更した新しい遺言書の作成をする

古い遺言書を破棄せず、「前回の遺言内容を撤回する」と記載した遺言書を作成する事でも、遺言書は取り消されたという扱いになります。
 

2回目の遺言書の種類はどれでも構わない

前の遺言書が自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言のいずれかでも、遺言内容の変更・取り消すために新しく作成する遺言方式に制限はありません。
 
ただ、前の遺言書が存在することによるトラブルを避けるためにも、古い遺言書はちゃんと破棄し、専門家のアドバイスはもらった方が良いでしょう。

2人以上の共同で遺言は作れない

民法第975条には『共同遺言の禁止』というものがあり、【遺言は二人以上の者が同一の証書ですることができない】とされています。

この制度の趣旨としては「共同遺言を禁止することで、遺言者の最終の意思表示を確保し、また遺言者の遺言の撤回を自由になさしめること」とされており、「同一用紙に夫婦が全く独立の自筆証書遺言を書いた場合」や、「両人の別々の自筆証書遺言が同一の封筒に入れてある場合」などは共同遺言にあたりません。

ただ、同一の証書に2人の遺言が記載されており、一方に氏名を自署しないなどの書き方に違いがあるときは、共同遺言にあたるとされた判例はあります。(最判昭和56年9月11日)

少々難しい問題ですが、遺言書は新しい方を優先すると覚えておくとよいでしょう。もし一緒に遺言書が入っており、どちらを優先するべきか迷われた場合は、弁護士や専門家の意見を参考にされるのが無難かと思います。

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【迷っている方へ】弁護士に相談するとどんな風に相続問題が解決する?

遺言書について弁護士に相談すべき場合

遺言書の内容があまりにも自分にとって理不尽な内容であった場合や、相続人の遺留分を無視した内容が遺言書に書かれていた場合。(例:長男には一切の遺産を渡さないなど)
 
相続人全員の同意があれば遺言書の内容を破棄することができます。しかし、相続人全員の同意を得るのはなかなか難しいので、この場合は一度弁護士などに相談してみるのが良いかと思います。
 
遺留分が侵害されていた場合、直ちに遺留分減殺請求を行い、本来受け取るべき最低限の遺産だけでも取り返す手続きを行うことができます。
 
詳細は「遺留分の全て|遺留分減殺請求を確実に成功させる全手順」をご覧ください。

遺言書に関する内容を弁護士に相談するメリット

  • ・遺言書の書き方についてアドバイスがもらえる

  • ・遺言書を見つけた場合の開封手順がわかる

  • ・遺言書で防げるトラブルが把握できる

  • ・遺言書の効力について正しい知識が得られる

  • ・遺言書の有無も把握できる

  • ・間違った遺言書を残す危険性が減る

  • ・遺言書を本当に用意すべきかの判断ができる

  • ・遺言書の保管方法についての相談ができる など

 
ざっと列挙しましたが、これ以外にも「特定の相続人に遺産を集中させたい」「遺産を渡したくない相続人がいる」「相続人以外にも財産を渡したい」など、こういったケースではどのような遺言書を残せば良いのかの相談もできます。

費用の面からも弁護士の方が結果的に便利な可能性が高い

もし、遺言書が不完全な形で残された場合、相続人の間で紛争が生じる可能性も高くなります。しかし、弁護士に依頼しておくことでミスの無い遺言書を書く事ができます。
 
遺産相続で紛争になっている場合、司法書士では交渉の代理人にはなれませんから、遺言内容で揉めるようなことがあっても、最初から弁護士に相談しておくことで、争いもスムーズに収束させられる可能性は高いでしょう。

まとめ

遺言書に関する内容は以上になります。

遺言書に関わることは、人生でそう何度もあることではありません。だからこそ、遺言書、遺産相続で嫌な思いをしない為にも、今回の内容がお役に立てば幸いです。

遺言書が得意な弁護士を探す

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【迷っている方へ】弁護士に相談するとどんな風に相続問題が解決する?

相続トラブルを解決し遺産を多く受け取る方法とは?

相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。

 

これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。

 

相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。

 

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。

 

遺産分割に関する調停事件の推移

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

 

相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?

相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。

 

相続人の数

<参考資料:国税庁 統計年報>

 

相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。

 

トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。

 

弁護士を介入させると費用が高くつくイメージがありますが、結果的にはトラブルを解消できるだけではなく、相続面でも優位に働き、金銭的にもメリットを得られることが多くなります。

 

 

相続に強い弁護士の選び方と相続相談の具体例

相続に際し、雇うのは弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
最大のメリットが得られる弁護士の選び方は、以下を参考にしてください。

 

 

  • 1、相続が得意な弁護士を選ぶ

    相続トラブルの解決実績が豊富だったり、相続問題に注力していたりする弁護士を選びましょう。

  • 例えば、医者に「内科」「外科」「皮膚科」「耳鼻科」…と専門分野があるように、弁護士にも「相続」「離婚」「借金」「企業法務」…といった得意分野があります。

  • 相続があまり得意でない弁護士に依頼しても十分なメリットを受けられない可能性があるため、相続を得意とする弁護士に依頼することが大切です。

  • 2、初回相談料の安い弁護士を選ぶ

    初回相談は自分と相性の良い弁護士を選ぶチャンスですので、1件だけではなく複数と話をしてみましょう。

  • 件数を重ねるために初回の相談料を必ず確認しましょう。(相談無料〜3000円程度をオススメします)

  • 3、近隣の弁護士を選ぶ

    相続の弁護士は全国対応していることも多いのですが、やはり対面での関係性構築や急な事態に対応できる近隣の弁護士事務所が最善策といえるでしょう。

 

 

相続で弁護士が介入するデメリットは、あまりありません。

 

あえて挙げるなら、依頼に費用がかかる点でしょうか。

 

しかし、以下の費用対効果の例をご覧いただけば、実際には費用がデメリットとはならないことが、おわかりいただけると思います。

 

不公平な遺言書に対し弁護士を通じて遺留分を主張した例

3,000万円の遺産を遺して親が世を去った。全財産をほかの相続人に相続させる旨の遺言書があり、このままでは自分は一切遺産を受け取ることができない。

弁護士に依頼した結果

遺留分侵害額請求により、自分の遺留分割合である8分の1の遺産を受け取ることができた。

費用対効果

自分が受け取ることができた遺産は375万円。弁護士費用は84万円。そのまま泣き寝入りしていれば1円も受け取ることができなかったが、結果的に弁護士費用を差し引いても291万円を手にすることができた。

また、相続トラブルに関しては、初期費用(着手金)はかかるものの、費用の大部分は成果報酬方式です。


つまり依頼料はデメリットにならないのです。

 

>>費用対効果の高い弁護士とは?

 

簡単かつ早急に信頼できる弁護士を選ぶ方法

相続弁護士ナビは、相続問題の解決実績豊富な事務所を数多く掲載しています。


あなたのお住まいに近い事務所を選ぶことができ、ネット上の口コミに頼らず、相談に行きやすい優良な事務所を簡単に見つけられます。

 

使い方も簡単なので、近隣の事務所を確認だけでもしてみることをおすすめします。

 

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どれを選んでいいかわからない場合は、相続トラブルを選んでくされば対応できます。

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弁護士費用は決して安いものではなく、少なくとも50万円以上になることがほとんどです。

そんな弁護士費用を補償するのが、弁護士費用保険メルシーです。

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法的トラブルは身近に潜んでいて、いつ被害にあうか分かりません。

  • 子供がいじめで不登校になってしまった
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こんなとき、弁護士依頼で発生する費用を月額2,500円で補償できます。

追加保険料0円で子供や両親、配偶者も補償対象になり、自分以外の家族も守ることができます。

いざというときの弁護士費用を賄うために、まずは資料請求を。

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この記事の監修者
川崎相続遺言法律事務所
関口 英紀 弁護士 (神奈川県弁護士会)
遺産分割など揉めやすい問題の交渉、調停、訴訟から、生前の相続対策として遺言や家族信託の活用についてまで幅広く対応。相談者の事情に合わせたオーダーメイドの解決を目指しており、多くの実績がある。

子供に遺産や遺言を確実に残したいなら遺言書の作成を弁護士へ依頼しましょう

遺言書の作成を弁護士が代行するメリットは様々です。

・有効な遺言書を作れる(ルールを守らないと遺言書は無効になる場合もある)
・書いた遺言書が無効にならないようにチェックしてもらえる
・あなたに適した種類の遺言書を作成してもらえる
・遺言書を保管してもらえるため紛失を防げる

有効な遺言書を作成したい・紛失したくない・偽造を防ぎたいなら、弁護士へ遺言書の作成を依頼しましょう。
当サイト『相続弁護士ナビ』は下記の特徴を持つ、相続問題に特化した弁護士相談サイトです。

1:相続問題を得意とする経験豊富な弁護士を検索できる
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相続に特化した弁護士を掲載しているため、迅速な遺言書の作成の代行・遺言書の書き方の不明点を丁寧に分かりやすく相談にのってもらえます。
遺言書の作成に自信がない・自分で作成するのが不安な場合は、お近くの弁護士を探してまずは相談してみましょう。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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