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公開日:2019.11.7  更新日:2021.3.26

成年後見人の費用は?自分で手続きする場合と弁護士・司法書士への依頼報酬

ゲートウェイ東京法律事務所
髙橋 和史 弁護士
監修記事
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成年後見人を利用する場合、収入印紙・切手代・登記手数料・鑑定費用・成年後見人への報酬など、さまざまな費用が発生します。

また、司法書士や弁護士にも依頼可能ですが、その際は依頼費用も支払わなければなりません。

ここでは、成年後見人を利用する際の費用や、司法書士・弁護士に依頼した場合の費用などについて解説します。

成年後見制度弁護士費用を知りたい方へ

​成年後見人制度における弁護士への依頼費用は、下記でも述べるように、相談料:5,000円~、成年後見人の依頼費用:15万円〜25万円程度ですが、実際は弁護士によって異なります。

よって、具体的な金額を知りたい方は、弁護士に見積を依頼しましょう。

また、相続に詳しい弁護士ならば、成年後見制度を活用した相続のアドバイスも可能です。

当サイトでは、全国各地の「成年後見に注力している弁護士」を多数掲載しており、比較検討してあなたにピッタリの弁護士を探せます。

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成年後見人の選任申立て費用と必要書類

成年後見人の選任を申し立てる際の費用は、主に以下の5つから成り立っています。

  • 収入印紙
  • 切手代
  • 登記手数料
  • 鑑定費用
  • 成年後見人となった人への報酬

なお、成年後見制度は後見型・保佐型・補助型の3種類あり、それぞれで費用が異なるので知っておきましょう。

収入印紙代

収入印紙代は、後見型・保佐型・補助型それぞれで以下の通り異なります。

後見型の場合

  • 後見開始の申立て:800円

保佐型の場合

  • 保佐開始の申立て:800円
  • 保佐開始の申立て+同意権追加付与の申立て:1,600円
  • 保佐開始の申立て+代理権付与の申立て:1,600円
  • 保佐開始の申立て+同意権追加付与の申立て+代理権付与の申立て:2,400円

補助型の場合

  • 補助開始の申立て+同意権追加付与の申立て:1,600円
  • 補助開始の申立て+代理権付与の申立て:1,600円
  • 補助開始の申立て+同意権追加付与の申立て+代理権付与の申立て:2,400円

切手代

裁判所によって異なりますが、おおよそ3,000〜5,000円程度です。

登記費用手数料

戸籍の記載・住所変更・契約解除などをした場合には、登記という登録手続きが必要です。そのための費用として2,600円かかります。

鑑定費用

成年後見制度を利用する場合、本人の精神状態について鑑定が行われることもあります。 もっとも、2020年の裁判所統計によると、実際に鑑定が行われたのは全体の約6.1%に過ぎません。

なお、鑑定費用は5万円以下というケースが全体の約53.9%を占めており、10万円以下というケースが全体の約93.2%だったようです。

成年後見人の報酬

後見人の報酬について、民法では「後見人及び被後見人の資力その他の事情によって、被後見人の財産の中から、相当な報酬を後見人に与えることができる」と定められています(民法862条)。

報酬額については以下がそれぞれ目安となりますが、厳密に規定されているわけではありません。そのため、なかには以下の範囲内に収まらないこともあります。

基本報酬

  • 成年後見人が通常の後見事務を行った場合:月額2万円
  • 管理財産額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合:月額3~4万円
  • 管理財産額が5,000万円を超える場合:月額5~6万円

成年後見監督人報酬

成年後見監督人とは、家庭裁判所による成年後見人の監督を補う者のことで、家庭裁判所が選任します。

成年後見監督人が通常の後見監督事務を行った場合、報酬額の目安は以下の通りです。

  • 管理財産額が5,000万円以下の場合:月額1~2万円
  • 管理財産額が5,000万円を超える場合:月額2万5,000円~3万円

付加報酬

成年後見人等の後見等事務において身上監護等に特別困難な事情があった場合には、基本報酬額の50%の範囲内で報酬が付加されることがあります。

また、成年後見人等が「報酬付与申立事情説明書」に記載されているような特別の行為をした場合なども、付加報酬が発生する可能性があります。

【報酬付与申立事情説明書に記載されているような特別の行為】

  • 訴訟・非訟・家事審判

  • 調停・訴訟外の示談

  • 遺産分割調停

  • 保険金請求

  • 不動産の処分・管理

なお、これらの報酬を払うことで本人の生活が危うくなるような場合には報酬額を下げられることもあります。

また、自治体によっては成年後見の費用について補助制度を利用できます。

例えば、東京都港区の場合、申立手数料・後見登記手数料・家庭裁判所に提出する郵便切手代・診断書作成費用・鑑定費用等の経費として15万円まで助成しています(令和3年3月時点)。

成年後見人制度の申立てに必要な書類 

成年後見人制度を申し立てる際は、以下の書類が必要です。

  • 申立書及び診断書:家庭裁判所・裁判所HP・家事手続情報サービスから入手できます。
  • 本人の戸籍謄本:本人の本籍地の市区町村役場で入手できます。
  • 成年後見人候補者の戸籍謄本・住民票・身分証明書・登記事項証明書:本人の本籍地の市区町村役場で入手できます。

詳細の流れなどは、以下のリンクをご覧ください。

成年後見人を専門家に頼んだ場合の費用

成年後見人・保佐人・補助人は原則として家庭裁判所が選任しますが、その際は家庭裁判所が独自に司法書士や弁護士などを選任することが多いようです。

特に、親族間で争っている場合などは、第三者である司法書士や弁護士を選任することがほとんどでしょう。

司法書士に依頼した場合の費用

司法書士に依頼した場合、おおよその費用は以下の通りです。具体的な金額については直接事務所に確認してください。

  • 相談料:5,000円/時間(初回無料の事務所もあります)
  • 成年後見人の依頼費用:15万円〜20万円程度

弁護士に依頼した場合の費用

弁護士に依頼した場合、おおよその費用は以下の通りです。具体的な金額については直接事務所に確認してください。

  • 相談料:5,000円/時間(初回無料の事務所もあります)
  • 成年後見人の依頼費用:15万円〜25万円程度

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成年後見人制度の概要

ここでは、成年後見人制度の概要について解説します。

成年後見人になれる人

成年後見人になれる人は、制度によって以下の通り異なります。

任意後見制度の場合

任意後見制度では、契約でお願いされた人がなります。この時、申し立てができるのは本人・配偶者・四親等内の親族のみです。

なお「四親等内の親族」とは、以下の者を指します。

  • 親・祖父母・子・孫・ひ孫
  • 兄弟姉妹・甥・姪
  • おじ・おば・いとこ
  • 配偶者の親・子・兄弟姉妹

法定後見制度の場合

法定後見制度では、誰になって欲しいか希望を伝えることはできますが、最終的には家庭裁判所が選任します。

なお、2020年の裁判所統計によると、親族が選任されたのは全体の約19.7%にすぎず、全体の約80.3%は弁護士や司法書士などの親族以外が選任されています。 

成年後見人になれない人

成年後見人になれない人も、制度によって以下の通り異なります。

任意後見制度の場合

任意後見制度の場合、以下の者については成年後見人になることができません。

  • 未成年者

  • 家庭裁判所で解任された法定代理人・保佐人・補助人

  • 破産者

  • 行方の知れない者

  • 本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族

  • 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者

法定後見制度の場合

法定後見制度の場合、以下の者については成年後見人になることができません。

  • 未成年者

  • 家庭裁判所で解任された法定代理人・保佐人・補助人

  • 破産者

  • 本人に対して訴訟をしている人、その配偶者、その直系血族

  • 行方の知れない者

成年後見人選任の申立て手順

まずは必要書類や費用を準備したのち、家庭裁判所へ申し立てます。

その後、法定後見制度であれば事実調査や審判、任意後見制度であれば任意後見監督人の選任などが行われ、各後見業務が終了した際は家庭裁判所へ報告書を提出して以上となります。

各手続きについて、詳しくは「成年後見制度とは?成年後見人を選出すべきケース・なれる人・申立て手続きの方法」をご覧ください。

成年後見人を利用する前に

成年後見人は、高齢者や将来的に認知症になる可能性がある親族を助けるための制度ではありますが、デメリットもあります。

ここでは、成年後見人のメリット・デメリットについて解説します。

成年後見人のメリット

まず、成年後見人のメリットとしては以下の通りです。

  • 判断能力が減退した者の代わりに、財産管理や身上監護をしてもらえる
  • 不利益になる契約を締結してしまっても、後から取り消すことができる

成年後見人のデメリット

一方、成年後見人のデメリットとしては以下の通りです。

企業の取締役や資格者になれない

裁判所から「成年後見人が必要」と判断された場合、会社の取締役・法律を扱う弁護士・相続税の申告をする税理士など、高度な判断力が要求される職に就くことができません。

資産運用などの投資活動ができなくなる

成年後見人は、本人の財産を守るのが仕事であるため、たとえ本人の希望であったとしてもリスクのある資産運用はできません。

なお、アパートの管理については現状維持が原則であり、大規模な修繕などは投資活動と判断される可能性があります。

相続税対策ができなくなる

原則として、成年後見人は本人のために代理で財産管理を行います。

そのため、たとえ本人の希望であったとしても、不動産の買換え・賃貸アパートの建築・小口化不動産の購入や法人化・生前贈与などができなくなります。

つまり、成年後見人が就いた時点で相続税対策は諦めなければいけません。

専門職が成年後見人になると金銭負担が大きい

司法書士や弁護士が成年後見人になる場合、金銭負担も大きくなります。ケースにもよりますが、トータルで1,000万円以上の費用がかかることもあるでしょう。

相性の悪い成年後見人が就いても原則変えられない

成年後見人を決めるのは裁判所ですので、全く知らない第三者が成年後見人になることも珍しくありません。

その方と相性が良ければ問題ありませんが、たとえ相性が合わなかったとしても関係は一生続きます。

基本的に相性が合わないことを理由に成年後見人を変更することはできないため、苦労することもあるでしょう。

成年後見以外の制度とその落とし穴

成年後見人は本人を守ることに特化した制度ですので、すでに判断能力が著しく低下しているようなケースでは積極的に利用すべきでしょう。

しかし成年後見人を選択した場合、その後の活動で制限されることも多いため、十分考慮した上で選択する必要があります。

ここで重要なのは、成年後見人を利用せざるを得ない状況になるまで放置せず、早い段階から家族が将来のことを話し合い、様々な制度を比較検討して事前に準備しておくことでしょう。

ちなみに、成年後見制度の代わりになるものとして民事信託(家族信託という造語で呼ばれる場合もあります)という制度もあります。

民事信託(家族信託)には様々な仕組みがありますが、代表的なものとして、財産の名義だけを信頼できる家族に移して自分の代わりに財産の管理・運用をしてもらうというものがあります。

事前にルールを定めておけば、本人の判断能力が低下した場合でも資産運用や相続税対策ができますので、成年後見人のデメリットを解消できるでしょう。

ただし、信頼できる家族が適正に信託業務を行う保証はなく、信頼できる家族を監督する仕組みが不十分だと逆に本人の財産を守ることができない恐れもあります。

また、信託ありきで仕組みを作ると、過度に複雑になったり税務リスクが高くなったりすることもあり、「家族信託コンサルティング」名目のコンサル報酬は高額なケースも多いようです。

任意後見についても、必ずしも万能ではありません。任意後見は判断能力が低下してから任意後見監督人を選任する制度ですが、判断能力が低下したにもかかわらず任意後見監督人の選任申立てをせず、それを奇貨として任意後見受任者である親族が本人の財産を使い込む場合もあります。

まとめ

成年後見人は費用もかかりますが、本人を守るという点では有益な制度です。

一部では、成年後見人のデメリットを強調して民事信託(家族信託)や任意後見を宣伝する風潮もあるようですが、これらも魔法の制度ではないことを肝に銘じておきましょう。

認知症対策には様々な制度があり、いずれも一長一短あります。なによりも重要なのは、成年後見人を利用せざるを得ない状況になるまで放置せず、早い段階から家族が将来のことを話し合って様々な制度を比較検討し、事前に準備しておくことでしょう。

その際は、民事信託(家族信託)ありきで考えるのではなく、守るべきところは成年後見人が守るなど認知症対策についてしっかりプランニングしておくことが本人含め親族のためにもなるでしょう。

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相続トラブルを解決し遺産を多く受け取る方法とは?

相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。

 

これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。

 

相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。

 

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。

 

遺産分割に関する調停事件の推移

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

 

相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?

相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。

 

相続人の数

<参考資料:国税庁 統計年報>

 

相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。

 

トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。

 

弁護士を介入させると費用が高くつくイメージがありますが、結果的にはトラブルを解消できるだけではなく、相続面でも優位に働き、金銭的にもメリットを得られることが多くなります。

 

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相続に強い弁護士の選び方と相続相談の具体例

相続に際し、雇うのは弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
最大のメリットが得られる弁護士の選び方は、以下を参考にしてください。

 

 

  • 1、相続が得意な弁護士を選ぶ

    相続トラブルの解決実績が豊富だったり、相続問題に注力していたりする弁護士を選びましょう。

  • 例えば、医者に「内科」「外科」「皮膚科」「耳鼻科」…と専門分野があるように、弁護士にも「相続」「離婚」「借金」「企業法務」…といった得意分野があります。

  • 相続があまり得意でない弁護士に依頼しても十分なメリットを受けられない可能性があるため、相続を得意とする弁護士に依頼することが大切です。

  • 2、初回相談料の安い弁護士を選ぶ

    初回相談は自分と相性の良い弁護士を選ぶチャンスですので、1件だけではなく複数と話をしてみましょう。

  • 件数を重ねるために初回の相談料を必ず確認しましょう。(相談無料〜3000円程度をオススメします)

  • 3、近隣の弁護士を選ぶ

    相続の弁護士は全国対応していることも多いのですが、やはり対面での関係性構築や急な事態に対応できる近隣の弁護士事務所が最善策といえるでしょう。

 

 

相続で弁護士が介入するデメリットは、あまりありません。

 

あえて挙げるなら、依頼に費用がかかる点でしょうか。

 

しかし、以下の費用対効果の例をご覧いただけば、実際には費用がデメリットとはならないことが、おわかりいただけると思います。

 

不公平な遺言書に対し弁護士を通じて遺留分を主張した例

3,000万円の遺産を遺して親が世を去った。全財産をほかの相続人に相続させる旨の遺言書があり、このままでは自分は一切遺産を受け取ることができない。

弁護士に依頼した結果

遺留分侵害額請求により、自分の遺留分割合である8分の1の遺産を受け取ることができた。

費用対効果

自分が受け取ることができた遺産は375万円。弁護士費用は84万円。そのまま泣き寝入りしていれば1円も受け取ることができなかったが、結果的に弁護士費用を差し引いても291万円を手にすることができた。

また、相続トラブルに関しては、初期費用(着手金)はかかるものの、費用の大部分は成果報酬方式です。


つまり依頼料はデメリットにならないのです。

 

>>費用対効果の高い弁護士とは?

 

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この記事の監修者
ゲートウェイ東京法律事務所
髙橋 和史 弁護士 (東京弁護士会)
相続を中心に家族信託、不動産、非公開株式など関連性の強い分野に特化して業務を行っており、「揉める前」から「揉めた後」までしっかりサポート。遺留分と特別寄与料の請求は着手金・諸費用ともに無料で依頼可能。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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