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成年後見人制度とは?利用するメリット・デメリット
2019年09月18日

成年後見人制度とは?利用するメリット・デメリット

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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両親が高齢になり、物忘れが増えたり、認知症になってしまったりした場合、「成年後見人制度(こうけんにんせいど)」の利用を検討しなければなりません。

成年後見制度とは、認知症などで財産管理能力を喪失した者の財産を保護するための制度です。

 

この記事では、後見人を検討する際に知っておくべき基礎知識から、申し立て方法について分かりやすく紹介します。

 

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成年後見制度とは

成年後見制度とは、冒頭でお伝えした通り、認知症や精神障害などで財産管理能力を失った方を対象とした制度です。

成年後見制度の2つの分類

成年後見制度には「法定後見」と「任意後見」の2つに分類されます。

 

法定後見

法定後見とは、家庭裁判所の決定により成年後見人を選任する制度です。配偶者や相続人が家庭裁判所に成年後見人の選任を申し立てることで手続が開始されます。

               

任意後見

任意後見は、今後認知症の発症が不安な方が、元気なうちに自分で後見人を選任しておき、実際に判断能力の低下・喪失となった場合に、家庭裁判所に申し立てることで手続が開始されます。

 

 

成年後見人の選任方法|成年後見人になれる人・なれない人

成年後見人の選任については、任意後見人は任意で選択することができますが、法定後見人は家庭裁判所が適格者を選任します。したがって、法定後見の場合は希望した者が必ず後見人になれるわけではありません。なお、制度上、以下のような者は不適格とされています。

 

法定後見制度の場合

  • 未成年者
  • 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
  • 破産者
  • 本人に対して訴訟をしている人、その配偶者、その直系血族
  • 行方の知れない者

 

任意後見制度の場合

  • 未成年者
  • 家庭裁判所で解任された法定代理人、保佐人、補助人
  • 破産者
  • 行方の知れない者
  • 本人に対して訴訟をし、又はした者及びその配偶者並びに直系血族
  • 不正な行為、著しい不行跡その他任意後見人の任務に適しない事由がある者

 

法定成年後見制度の3つの類型と業務内容

法定成年後見制度に類似した制度で「保佐人」「補助人」という制度があります。対象者の判断能力によってそれぞれ権限が異なります。

 

成年後見人は対象者の判断能力が著しくて生かした場合に選任されますので、権限の範囲は最も広くなります。同意が✕なのは、同意は対象者が主体となって行動することを予定しているところ、成年後見の場合そのような自体が想定されないためです。

 

基本的に、成年後見人は、成年被後見人の行う取引行為全般について取消権・代理権がありますが、場合によっては成年後見監督人を選任しなければならない場合もあります

成年後見人の主な職務について簡単に紹介します。

 

本人の診療・療養介護・福祉サービスなどの利用契約の締結

本人の財産や収入を把握した上で、医療費や税金などの支払管理を行います。必要があれば、本人の介護サービス利用契約や診療、老人ホーム施設への入退所契約といった契約を代理して行います

 

本人の預貯金や不動産などの財産管理

成年後見人は成年被後見人の財産(預貯金、不動産、生命保険など)を把握し、これを管理する権利・義務があります

具体的には、成年被後見人の財産について目録を作成し、その財産処理の内容を裁判所に定期的に報告するなどが仕事です。

 

財産目録の書式サンプル

(引用:東京地方裁判所の財産目録書式)

 

成年後見人にできない業務内容

成年後見人の権限は財産管理行為に限られ、以下のような身分行為や本人意思が重要となる行為はできません。

  • 戸籍に関する契約の変更(婚姻・離婚・離縁・養子縁組・認知等)
  • 遺言書の作成
  • 医療行為(軽度の診察・緊急を要するものを除く)への同意

 

また、財産管理行為であっても不動産の処分など重要な取引行為については、別途、裁判所の許可が必要となります。

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成年後見制度を利用するメリット・デメリット

成年後見制度には、メリットとデメリットがありますので、制度を利用する前に必ず確認しておきましょう。

成年後見制度を利用するメリット

法定後見制度を利用するメリット

  • 家庭裁判所において適格と認められる者が成年後見人に選任される
  • 成年被後見人の財産管理を適切に行うことができる。
  • 成年被後見人の判断能力がなくなっても必要な取引を進めることができる。

 

法定後見制度を利用し、後見人になっておくことで財産などを管理・保護できるため、相続が発生した際にも財産把握が容易ということもあります。

 

任意後見制度を利用するメリット

上記に加えて任意後見人を選任するメリットは、被相続人が後見人が選べることです。また、複数の後見人を選びつつ、それぞれの役割・権限を分けることもできます。

 

成年後見制度を利用するデメリット

成年後見人を利用するデメリットは特にありませんが、強いて言えば手続が煩雑であること、一度選任された場合に柔軟な対応や事実上の対応が難しくなる可能性があることくらいでしょう。

 

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成年後見人が受け取れる報酬と弁護士に依頼した場合の費用

成年後見人はその職務について家庭裁判所の判断により報酬を受け取ることが可能です。ここでは、報酬としていくら受け取ることができるのか、また弁護士に後見人を依頼した場合の費用についてもご紹介します。

後見人が受け取れる基本報酬

後見人が受け取れる報酬は、2~6万円/月が一般的で、地域の物価や被後見人の財産額によって変動します。

被支援者の管理財産 報酬月額

1,000万円以下

2万円

1,000万円以上、5,000万円以下

3〜4万円

5,000万円以上の場合

5〜6万円

 

なお、報酬金を受け取るには、家庭裁判所に報酬付与の申し立てを定期的に行う必要があります。家族が任意後見人となる場合、報酬処理をしないことが実務的にはほとんどでしょう。

 

状況に応じて付加報酬もある

身上監護を行う上で、以下のような特別に困難な事情があった場合は、家庭裁判所の判断で基本報酬額の50%の範囲内に相当する追加報酬が支払われることがあります。

  • 被支援者が多数の収益不動産を所有しており、管理が複雑である場合
  • 親権者の間で意見の対立があり調整をしなければならない場合
  • 成年後見人の不正が発覚し、新たな成年後見人がその対応を行った場合

 

弁護士などの専門家に後見人を依頼した場合の費用

弁護士などの専門家に依頼した場合でも、成年被後見人の選任や報酬管理は家庭裁判所が行います。

 

成年後見監督人の報酬

任意後見の場合は、成年後見監督人が選任されますが、その場合にも家庭裁判所の判断で報酬が発生します。

管理財産額 報酬額

5,0000万円以下

1~2万円/月

5,0000万円以上

2万5,000円~3万円/月

 

法定成年後見制度の利用方法

法定成年後見制度は、下図のような流れで進んでいきます。

 

 

1:家庭裁判所への申し立て

法定後見人を利用する場合、まず被後見人が住んでいる地域を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。申立てられるのは、「本人」「配偶者」「四親等内の親族」「弁護士などの法定代理人」のみです。

 

1.5:申し立ての際の必要書類と費用

書類

内容

申立書及び診断書

用紙は家庭裁判所で入手できます。裁判所ウェブサイト、家事手続情報サービスから入手することもできます。

本人の戸籍謄本

本人の本籍地の市区町村役場でお取りください。

  • 成年後見人候補者の戸籍謄本
  • 住民票
  • 身分証明書
  • 登記事項証明書各1通

費用

収入印紙

800円/件

登記手数料

2,600円

郵便切手

800円〜

※各案件により異なりますので裁判所にご確認ください

鑑定料

※まれに判断能力を医師に確認してもらうことがあります

5万円〜10万円

2:調査官による事実調査

申立て後に、本人・申立人・成年後見人の候補者が家庭裁判所に呼ばれ、調査官より事情を聞かれたり、候補者に対する意見を聞いたりします。

 

3:選任の可否についての審判

家庭裁判所の判断により成年後見人が選任されます。審判に不服がある場合は、審判書受領後2週間以内に不服申立て(即時抗告)を行うことができます。

なお、不服申立てを行った場合でも、必ずしも自身の希望通りの人が後見人になるとは限りませんので、ご注意ください。

 

4:通知と法定後見開始

裁判所から審判調書が送達されますので、これにより法定後見人選任の可否について知ることができます。また、成年後見開始の事実は登記されます。

 

成年後見人は年に1度の頻度で財産目録と収支状況を家庭裁判所へ報告します。その際、報酬を請求することが可能です。

 

5:成年後見業務が終了した場合

被後見人が死亡するなどして業務が終了した場合、申立てを行った裁判所へ業務終了報告書を財産目録とともに提出し、本人の財産の引渡しを行い終了です。その後は、各相続財産に合わせて相続手続きを行います。

 

任意後見制度の利用方法

こちらでは、任意後見人制度の利用方法についてご紹介します。任意後見制度は、以下のような流れで進みます。

 

 

1:交渉役場で公正証書を作成する

任意後見制度は、後見人と任意後見人になろうとする者の間で任意後見契約を締結します。この契約は公正証書で作成する必要がありますので、最寄りの公証役場に行き、公正証書の作成を依頼しましょう。

 

1.5:公正証書を作成する際に必要になる書類

書類

内容

本人に関するもの 

  • 戸籍謄本もしくは住民票
  • 印鑑登録証明書
  • 運転免許証等身分を証明する物

任意後見受任者に関するもの 

  • 住民票(法人の場合は登記簿謄本)
  • 印鑑登録証明書
  • 運転免許証等身分を証明する物

その他 

診断書や財産目録

※不動産の登記簿謄本などが必要な場合もあるので公証人に確認してください

費用

任意後見契約書作成の基本手続き料

11,000円

登記嘱託手数料 

1,400円

登記に納付する印紙代 

2,600円

その他 証書代 登記嘱託書郵送用切手代など

 

2:家庭裁判所へ申し立て

被後見人の判断能力が失われた場合、裁判所に任意後見制度の利用を申立てます。

 

3:任意後見開始と監督人の選任

家庭裁判所が任意後見開始を認めると、任意後見人となろうとする者は任意後見人となり、同時に、任意後見監督人が家庭裁判所により選任されます。任意後見監督人は家庭裁判所が適格と認める者を選任しますので、自由に選ぶことはできません。

 

任意後見開始後は、任意後見人は職務内容について任意後見監督人に対して適宜報告することになります。

 

4:任意後見業務が終了した場合

本人が死亡するなどして終了した場合、任意後見監督人に対して報告書と財産目録を提出して任務を終了します。

 

まとめ

成年後見制度とは、被後見人の財産や健康を守るための制度です。任意後見にと法定後見人がありますのでどちらを選択するかは慎重に検討しましょう。

 

成年後見制度の利用を検討しているがいまいちわからない、できれば専門家に依頼したい方はお気軽に弁護士へご相談ください。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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