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公開日:2020.6.16  更新日:2021.6.30

家族信託とは|メリット・デメリット・手続き・相談先を解説

虎ノ門第一法律事務所
鏡味 靖弘 弁護士(左) 櫻庭 知宏 弁護士(右)
監修記事
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家族信託(かぞくしんたく)とは、自分の老後や介護時に備え、保有する不動産や預貯金などを信頼できる家族に託し、管理・処分を任せる財産管理の方法のことです。遺言書以上に幅広い遺産の承継が可能であるほか、信頼できる身内に財産の管理を託すため、基本的に高額な報酬が発生しない点なども特徴です。

もっとも、比較的新しくできた制度で、「どういった人が利用すべきなんだろう」「デメリットはないんだろうか?」「どういった手順で進めればいいの?」といった疑問を持っている人も少なくないはずです。

また、家族信託自体は知っていて利用したいけれど、どうやったらいいかわからない、専門家に依頼したいという人もいるでしょう。

そこでこの記事では、家族信託の仕組みやメリット・デメリット、手順や費用などほか、弁護士に家族信託を依頼するメリットを解説します。

この記事を参考に家族信託への理解を深め、家族信託をするかどうかなどの判断をしてください。

安心して家族信託を行いたいなら弁護士への相談が有効

家族信託は比較的新しくできた制度で、裁判例や判例が少なく、法的に不確実な点もあります。家族信託を依頼するなら弁護士に相談しましょう。以下のように多角的な視点からあなたをサポートしてくれます。

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この記事に記載の情報は2021年06月30日時点のものです
目次

家族信託とは|概要と仕組み

まずは、家族信託とはどのようなものか解説します。

家族信託とは

家族信託とは、自分で財産を管理できなくなった時のために、自分の財産の管理をする権限を家族に与えておくことを言います。

例えば、不動産を例にとってみましょう。

不動産の所有者には、所有権があります。

所有権とは、所有物を自由に使用、収益及び処分する権利をいいます(民法第206条)。

(所有権の内容)

第二百六条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

引用:民法|206条

もちろん、所有権者は所有物の管理を第三者に委託することもできます。

家族信託では、所有物の管理を家族に委託します。不動産の管理を家族に委託することで、家族が不動産を管理できるようになるのです。

家族信託は遺言書作成や後見制度の利用に代えて、あるいは遺言書作成や後見制度とあわせて利用することで、より自由度の高い財産管理を行うことが期待できます。

家族信託の仕組み

家族信託は「委託者」「受託者」「受益者」の3者の間で行われます。

委託者は自身が保有する財産の管理を受託者に任せます。受託者は財産の管理を行います。そして、財産の管理で利益があった場合は、受益者がその利益を得ます。

なお、財産を委託する委託者と利益を得る受益者が同じ人になることもあります(実務的にはこのケースが多いです)。

イメージとしては下記の通りです。家族信託の仕組み

委託者

委託者とは、財産管理をお願いする人のことです。財産管理する方法や処分方法などをあらかじめ決定する権限のほか、受託者の選任・解任の権利も有しています。

受託者

受託者とは、委託者から任されて財産の管理をする人のことです。財産管理について多くの権利を有している一方、「善管注意義務」「忠実義務」「分別管理義務」などの義務を負います。

受益者

受益者とは、財産管理によって発生する利益を得る日とのことです。委託者が受益者となることが通常ですが、受益者を家族複数人に設定することも可能です。

家族信託が注目される理由

家族信託が注目され始めた理由としては、主に以下が挙げられます。

1:認知症等の病気リスクに備える必要が出てきたため

日本では長寿化が進む一方で、認知症等の病気リスクに備える必要性が高まっています。2019年に厚生労働省が発表した「認知症施策の総合的な推進について」によると、2025年には認知症患者が約700万人にのぼり、65歳以上の約5人に1人が認知症という世の中になるとされています。

いかに近しい家族であっても、本人の委任なく預金を引き出したり、資産を管理・売却したりすることはできません。そのため認知症や脳梗塞などで本人の判断能力が低下してしまうと、有効に資産を管理・処分できる人がいなくなってしまい、相続対策にも着手しづらくなるリスクがあります。

2:任意後見制度の利用に限界を感じるため

認知症対策の一つとしては、任意後見制度の利用なども考えられます。任意後見制度は資産を持つ人が元気なうちに、自己が判断能力を失ったときに財産を管理する後見人を予め選定(任意後見契約の締結)しておくという制度で、成年後見制度の一つです。しかし、これが実際に機能するのは判断能力が低下した後になります。

また任意後見人による財産管理は、裁判所の監督下のもとでの財産保全が求められるため、現実的には本人の理想通りに活用しづらいという面もあります。したがって、家族信託に比べると限界を感じてしまうこともあるでしょう。

3:家族信託では財産の承継に安心感をもてるため

家族信託の場合、信託契約の時点で、受託者により定められた目的に従った資産の管理と運用が始まります。したがって、資産の管理や運用状況を委託者本人が見届けられるというメリットがあります。そのため、身体が元気なうちに資産を承継できるという安心感があります。

任意後見契約をすべきか、それとも家族信託を利用するべきかの判断については、自身だけでは難しい部分もあるでしょう。もし迷った場合は、相続問題に注力する弁護士などの無料相談を活用することをおすすめします。

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家族信託の活用例

例えば以下のようなケースの場合、家族信託の利用が有効でしょう。

親の認知症に備えたいケース

親が認知症により判断能力を失えば、不動産を売ることができなくなり預金を下ろすことも困難になります。

まだ元気なうちに子供などを受託者として家族信託契約を結んでおくことで、もし親の判断力の低下がみられた場合でも、子供が親の生活費などを信託財産から支出できるほか、契約内容によっては納税資金のために信託財産である不動産を処分することなども可能になります。

また任意後見制度を利用することもできますが、これはあくまで本人の財産管理のための制度ですので、リスクのある資産運用や不動産の処分などはできません。この点、家族信託であれば、信託目的に従ってより幅広いニーズに応えられます。

成年後見制度を利用したいケース

親族以外の人が受託者となる、報酬が必要となる成年後見制度と異なり、家族信託では原則家族を受託者にできますし、報酬が発生することも防げます。

成年後見制度のマイナス面をカバーしながら信託をしたいというケースにも適しています。

親の居住用不動産を将来売却したいケース

親が将来的に認知症になり施設に入居するなどして、現在居住用の不動産を売却したいといったケースでも家族信託は有効です。

家族信託では、親が認知症になったときでも自由なタイミングで不動産を売却できます。

障がいのある子どもに財産を残したいケース

障がいがあって自分で財産管理できない子どもがいる場合、「自分たち両親が死んだ後にひとりで生活していけるのだろうか」という不安があるでしょう。

そこで、夫婦が委託者となって信頼できる親戚を受託者にしておくことで、将来的に子どもが受益者となるような信託を組むこともできます。 

家族信託を行うメリット

家族信託を行った場合、以下のようなメリットがあります。

1:任意後見制度に代わる柔軟な財産管理が実現できる

任意後見制度では、後見人の負担と制約が多く、毎年家庭裁判所への報告義務があったり、資産(財産)の積極的な活用や生前贈与などの相続税対策がしにくかったりなどのデメリットがあります。

また任意後見契約を結んだ後見人(予定)は、本人の判断能力が衰えるまでは財産の管理はできません。一方、家族信託であれば、判断能力があるうちから本人の希望する人に財産管理を任せることができます。そして、もし本人が判断能力を失った場合でも、本人の意向に沿った財産管理をスムーズに実行できます。

2:親の財産管理が容易に行える

2つめのメリットとしては、高齢な親の財産管理が容易に行えるという点です。例えば、父親が元気な間に財産の名義を長男に移しておき、その財産を自分のために使って欲しい場合、父親を委託者兼受益者、長男を受託者とする家族信託をしておくことで老後の資産管理を安心して長男に任せられます。

3:遺言書のような効力を持っている

3つ目は、遺言書の代わりとして使える効力を持っているという点です。遺言書を遺そうと思った場合には、民法で定める遺言書の方式・作成方法に従わなければならず、手続きは厳格です。

家族信託であれば、委託者と受託者(信頼できる家族)との契約で行うので、遺言書作成のような厳格な方式によらず、自分の死後に発生した相続について財産を承継する者を指定することができます。

4:財産承継の順位づけができる

遺産相続における相続順位を指定できるという点もメリットです。一般的な相続対策としては生前贈与や遺言書の作成(遺贈)などがありますが、生前贈与や遺贈をした財産に対しては、その次に相続が開始した場合の相続人を指定できません。

一方、家族信託を利用すれば、最初に指定した受益者が万が一亡くなってしまった場合でも、その次の受益者を誰にするか指定できます。

 

また事業承継の際にも活用でき、株式の評価がゼロに近い時期に委託者と受託者を本人(現経営者)、受益者を相続人という自己信託(家族信託の一類型)を行うことで、贈与税をかけずに株式(受益権)を子ども等に承継させ、かつ自身も変わらず議決権を行使して経営に参加することが可能になります。事業承継を検討している方は、自己信託なども検討するとよいでしょう。

5:倒産隔離機能がある

家族信託には、将来自分(委託者)や受託者が「信託財産に関係のない多額の債務を負ってしまった場合でも、信託財産は差押えられないという倒産隔離機能があり、将来万が一何かがあった場合に対する備えになります。

ただし注意点として、信託財産は受益者の「信託受益権」に形を変えているため、受益者が強制執行などを受けるケースでは差押えられます。 

6:配偶者の認知症対策に活用できる

例えば「被相続人になる方が遺言書を書く時点で、すでに配偶者の判断能力が無くなっていた」というような場合には、自身の死後の配偶者の生活費の出所などが心配になるでしょう。

老人ホームなどに入っていれば月々の費用もかかりますが、配偶者に財産を相続させることはできてもすでに判断能力がないため、賃貸借契約や更新などの手続きができないというリスクがあります。

そこで、家族信託で「自分が亡くなったら受益者は妻に変更する」と定めておくことで、受益者の変更にあたって遺言書や遺産分割協議書も必要とせず、配偶者の生活のために財産を利用することが可能になります。

7:不動産の共有問題・将来の共有相続への紛争予防に活用できる

共有不動産については、共同相続人全員が協力しないと処分できません。したがって将来的に複数の相続人が不動産を共同相続してしまうと、管理処分権の問題が生じる可能性があります。

共有者としての権利や財産的価値は平等にしたまま、家族信託によって管理処分権限を共有者の一人に集約しておくことで、いわゆる「不動産の塩漬け」を防止することができます。 

8:二次相続が指定できる

家族信託は、二次相続を想定した相続対策としても非常に有効な選択肢です。相続割合の指定などは遺言書でもできますが、遺言書で指定できるのは「遺言者である被相続人が亡くなった時の一次相続の方法についてのみ」です。

たとえば「一次相続の被相続人AはBに財産を相続させたいと考えているが、Bの相続人であるCには相続させたくない」という場合、遺言書ではAの希望を実現することは困難です。Bが亡くなった場合の相続については、Bが遺言書を残す必要があるからです。 

しかし家族信託を利用すれば、AはBを財産の受益者とし、Bが死亡した後はCではなくDを受益者とする仕組みを作ることが可能です。これを「受益者連続信託」と呼びます。

このように、遺言書よりも自由度が高く、個々の被相続人や相続人の意向に応じた相続の仕組みを作ることができるのが家族信託のメリットといえます。

家族信託のデメリット

次に家族信託のデメリットについて解説します。

1:成年後見制度でないとできないこともある

家族信託は財産の管理や処分に必要な行為を家族に委ねるものですが、成年後見制度では民法にて身上配慮義務(第858条)が規定されており、本人の財産管理のほか身上監護も念頭においているという点で大きく異なります。

家族信託でも身上監護に関する内容を含めることも可能ですが、本人の法定代理人として活動する成年後見人でなければ、身上監護に必要な契約等が十分にできない場合があります。

2:受託者を誰にするかで揉める可能性がある

家族信託では、財産を適切に管理・処分できて、かつ信頼できる家族(親族)がいるかどうかが大きなポイントとなります。

財産名義が受託者に変わるということは「委託者に判断能力があるうちから利用できる」というメリットではあるものの、自分の財産が自分名義でなくなることに抵抗感を持つ方もいるでしょう。

また信頼されて任されたにもかかわらず、財産管理がずさんな場合には、相続人の中から不満の声が上がってトラブルになる可能性もあります。

3:節税効果は期待できない

家族信託を行ったとしても、節税効果があるわけではありません。受益者となった方が財産を取得するわけではないのに「財産を取得した」とみなされるため、むしろ税金的には受益者の負担が大きいといってよいかもしれません。

4:遺留分侵害額請求(旧:遺留分減殺請求)の対象となる可能性がある

遺留分とは法定相続人に最低限保障された相続財産のことで、これを侵害するような不平等な分配がされた場合には遺留分侵害額請求という請求手続きが可能です。

家族信託の場合も、遺留分侵害額請求の対象となることがあります。ただし信託の性質上、遺留分侵害額請求の対象とならないという見解もあり、意見が分かれる部分でもあります。

家族信託と遺留分

例えば、以下のようなケースで家族信託を設定したとします。

  • 受益者:夫
  • 夫の死亡後の第2受益者:妻
  • 妻の死亡後の第3受益者:長男

上記の場合、夫の死亡時に妻が取得する受益権と、将来的に長男が取得する受益権が他の相続人の遺留分侵害の対象になる可能性があります。

遺言で他の相続人の遺留分を侵害した場合には、当然遺留分侵害額請求の対象になります。しかし上記の場合、夫の死亡がきっかけとはいっても夫の遺言に基づいて受益権を承継したわけではないため、判断が難しいところではあります。詳しくは弁護士に相談することをおすすめします。

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家族信託の手続きの流れ

家族信託の手続きの流れとしては以下の通りです。自分自身で行うことも不可能ではありませんが、後々のトラブルを防ぐためにも弁護士などの専門家に依頼することをオススメします。

信託契約を締結する

まずは委託者と受託者が契約書を交わして家族信託の内容について取り決めを行います。

契約では、信託の対象とする「財産の範囲」「財産の管理方法」のほか、「信託の目的」「受益者が誰か」などを取り決めてください。

個人同士で契約を結ぶと後々トラブルになることもありますし、記載内容は決まったものがあるわけではありません。弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。

また、必須ではありませんが信託契約書は公正役場で証書にしておきましょう。契約書が破棄されるなどのトラブルを防げます。

信託用口座の開設

次に信託管理を行うための「信託専用の銀行口座」を開設しましょう。信託財産に預金や賃貸収入などで利益を得る際に利用します。

必ず作る必要はありませんが、受託者には分別管理義務があるため、「受託財産用の口座」と「受託者本人の口座」は分けておいた方が良いです。

なお、信託銀行などでは「民事信託口座」という家族信託専用の口座を開設することが可能です。

信託登記を行う

信託財産の中に不動産がある場合には、名義人を委託者から受託者に変更しなければなりません。

登記は法務局で行います。

信託に関する登記は個人で行うのは難しいので、必要に応じて司法書士に依頼するようにしてください。

家族信託運用の開始

口座の開設と登記が終わったら、受託者による財産管理が開始します。

家族信託の費用

家族信託は信頼できる家族間の契約であるため、基本的に高額な費用がかかるものではありません。もっとも公正証書を作成する場合や不動産登記が必要な場合などには、別途そのための費用が発生します。

信託契約書を公正証書にする場合

信託の目的となる財産の価額に応じて、公証役場での実費として1~5万円程度の手数料がかかります。

信託財産に不動産がある場合

登録免許税として、固定資産税評価額の1000分の4にあたる額を支払う必要があります。ただし土地信託の場合は、固定資産税評価額の1000分の3にあたる額になります。

コンサルタント報酬

信託契約を締結するにあたって外部にコンサルティングを依頼した場合には、その分の手数料がかかります。コンサルティング費用は各依頼先で決められるため一律ではありませんが、信託財産が1億円以下の部分は1%、それ以上の部分は0.5%あたりが相場になります。

その他信託監督人や受益者代理人を置く場合の報酬等

信託監督人や受益者代理人などを置く場合には、別途報酬等が発生します。相場としては月額1万円程度です。

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家族信託を行う際に整理すべきポイント

家族信託制度の利用にあたっては、あらかじめ以下のポイントを整理しておきましょう。

信託する財産

家族信託で信託できる財産には、現金、株式などの有価証券、不動産などさまざまなものがあります。信託の目的にそって、最適な財産を選ぶようにしましょう。

なお、信託できる財産は、財産上価値のある物です。借金や保証債務、一身専属権(生活保護受給兼や年金受給権)などは信託できませんので注意してください。

信託する相手

信託を受託する相手である「受託者」は、専門的な知識を持っているかどうかだけではなく、「信頼できるかどうか」「委託者の意図を理解してくれるかどうか」も考慮して決めるのが望ましいでしょう。

受託者は財産管理権という大きな権利を持つことになりますので、ケースによっては使い込みなどのデメリットが発生する可能性があるからです。

信託する財産が大きい場合には、受託者を監視する「信託監督人」や、受益者の補助をする「受益者代理人」を選任するなどして、受託者の権利濫用を防ぐようにすることも検討しましょう。

信託契約を結ぶ目的

認知症の対策や老後に介護が必要になった時のための管理、体に障害を負って日常生活さえ困難になった場合の対策など、信託契約を結ぶ目的はご家族の事情によってことなります。

どういった目的で家族信託をするのかについては、関係者同士でしっかりと考え、合意を得ておく必要があります。

信託監督人の設置等

家族信託はいわば身内同士の契約であるため、受託者による資産の管理・運用の実態が外から見えにくい、という問題もあります。

そこで、受益者のために信託事務が適切に遂行されているかを受益者に代わって監督する「信託監督人」を設定しておくことも大切です。また受託者を2人設定しておけば、お互いが相談しながら財産を管理・運用していくため、相互のチェック機能なども生まれます。

家族信託を弁護士に依頼するメリット

家族信託の相談は弁護士に行うことをオススメします。次のようなメリットがあるからです。

信託契約について相談できる

一口に家族信託といっても、信託の目的によってどういった契約にすべきかは異なります。あなた自身での判断は難しいケースもあるでしょう。

特に、どのように財産を管理するかは重要なポイントです。契約締結後にすぐ財産の管理を任せることもできますし、認知症などで判断力が低下したときに初めて委託するといったことも可能です。

さらに、誰が受託者になるか、信託財産はどれかについても慎重に選ばなければなりません。

弁護士に依頼することで、将来発生するであろうトラブルなども考慮しながら、目的に沿って最適な信託契約を結べるようになります。

契約書作成のサポートが受けられる

家族信託も「信託契約」の一部ですので、口頭でも合意が得られれば契約は成立します。ただし信託契約には「委託者」「受託者」「受益者」の3人が存在するうえ、契約外の他の家族の利益にも影響する重要な合意であるため、信託内容を明らかにするためにも契約書は必要でしょう。

しかし契約書を作成する際は、以下のように法的観点から注意すべきポイントがあります。

  • 契約内容の適法性や正当性、整合性を判断しなければいけない
  • 後々起こる可能性のあるトラブルに備えた条項を明記しておく必要がある
  • どのような事前の対策を必要としているのか(信託の目的)を念頭に置いた規定にしなければならない など

弁護士であれば、上記のポイントを踏まえて法的視点からの作成サポートを依頼できるため、不備なく適正な契約書作成が望めます。

遺留分の侵害についてアドバイスがもらえる

遺留分については、以下のように相続人ごとに遺留分割合が定められています。

相続人 

全遺留分の合計 

各相続人の具体的な遺留分(相続財産に占める割合)

配偶者

子供

父母

兄弟

配偶者のみ

1/2

1/2

×

×

×

配偶者と子供

1/2

1/4

1/4

×

×

配偶者と父母

1/2

2/6

×

1/6

×

配偶者と兄弟

1/2

1/2

×

×

×

子供のみ

1/2

×

1/2

×

×

父母のみ

1/3

×

×

1/3

×

兄弟のみ

×

×

×

×

×

民法上、遺留分は相続人に与えられた権利であるため、侵害された分について遺留分侵害額請求をすることができます(第1042条)。しかし家族信託を信託法で考えた場合、「遺留分は無視しても良い」という旨の説明がされる可能性もあります。

しかしながら、家族信託の場合、もし遺留分を侵害された際は下記のように考えるのが通説とされています。この点は判断が難しいところですので、詳しくは弁護士に相談することをおすすめします。

  • 遺言代用信託の場合も遺留分の問題は生じる
  • 後継ぎ遺贈型受益者連続信託の、委託者の死亡時点で受益権を持つ人に対しては遺留分の問題は生じる
  • 後継ぎ遺贈型受益者連続信託の、委託者ではない受益者Aの死亡によって受益権が消滅し、他のBが新たに受益権を取得した時に、死亡したAの相続についてBがAの法定相続人の遺留分侵害の問題は生じ得ない

家族信託後のトラブルにも対応してもらえる

家族信託後に、受託者の使い込みなどトラブルが発生することもあり得ます。さらに、受託者が亡くなると相続が開始されますが、このときも相続人間でトラブルに発展することもあり得ます。

弁護士であれば、家族信託後に発生したトラブルや相続時のトラブルにも対応してもらえます。家族信託を締結するときだけでなく、長期的なサポートが弁護士には可能です。

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まとめ

家族信託は、保有する財産を信頼できる家族に託し、管理処分を任せる財産管理の方法です。

任意後見制度に比べ自由度が高く注目されている制度ですが、利用が開始されてからまだ時間がたっておらず、裁判例やトラブルなどがいまだに整備されておらず、利用には十分な注意が必要でしょう。

家族信託を利用する際は、契約内容について家族の意思や状況に応じて柔軟に設計する必要があります。場合によっては遺言書や成年後見制度との組み合わせなども考慮しつつ、弁護士などのサポートを得ながら行うことをおすすめします。

 

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KL2021・OD・157

この記事の監修者
虎ノ門第一法律事務所
鏡味 靖弘 弁護士(左) 櫻庭 知宏 弁護士(右) (鏡味:第一東京弁護士会 櫻庭:東京弁護士会)
相続全般の問題解決で豊富な実績があり、多くの解決パターンを提案できる経験値が強み。税理士など他の士業や専門家とも連携するほか、司法書士資格を持つ弁護士も在籍するなど、ワンストップで対応できる体制。

相続トラブルに巻き込まれてしまった方へ

何かと相続トラブルに発展するのは遺産の割合に不満がある・納得いかないケースです。

例えば、下記などが該当します。

・思ったより相続される遺産が少なかった
・揉めたくないので、泣く泣く遺産の配分に納得した
・遺言書に他の兄弟姉妹に遺産を多く渡す旨が書かれていた

遺産相続では法定相続分といって、民法で定められている割合の通りに遺産を公平に分割しましょうという一応の定めがありますが、生前に被相続人(亡くなった人)の介護をしていた、被相続人の事業を手伝っていれば寄与分という制度で多くの財産をもらう権利があります。

また、他の相続人が生前に財産を多く受け取っていたのであれば、遺産分割協議の際に相続財産を減らすこともできます。ただ、こういったルールは相続人全員が知っているわけではありませんから、あなたが主張しても聞く耳をもたれない可能性もあります。

その場合、弁護士に相談することで法的な観点から主張をしてくれますし、トラブルになっている場合はその仲裁に一役買ってくれるでしょう。

当サイトでは、無料相談(一部)を行っている弁護士事務所を数多く掲載しています。

まずは下記よりお近くの弁護士を探して相談してみましょう。

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相護士ナビ編集部

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