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2020年06月16日

家族信託とは家族が行う財産管理|手続や認知症対策などの事例を解説

虎ノ門第一法律事務所
鏡味 靖弘 弁護士(左) 櫻庭 知宏 弁護士(右)
監修記事
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家族信託(かぞくしんたく)とは、自分の老後や介護等に備え、保有する不動産や預貯金などを信頼できる家族に託し、管理・処分を任せる家族の為の財産管理のことです。

最近NHKなどでも、認知症対策などに使えると頻繁に取り上げられている、比較的新しい制度ですが、家族信託自体のメリットは認知症だけに特化したものではなく、相続が発生した場合などにも、遺言書以上に幅広い遺産の承継を可能にします。

ひと目でわかる家族信託イメージ図

▶︎家族信託を行うメリット

コスト面も、信頼できる身内に財産の管理を託すため、高額な報酬は通常発生しないのが特徴です。したがって、資産家の方のみを対象にしたものではなく、誰にでも気軽に利用できる仕組みといっていいでしょう。

そこで今回は、家族信託の仕組みや手続、実際に利用した場合の費用について詳しく解説していきます。

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目次

家族信託とは|基本的な概要と仕組み

家族信託は、信託の仕組みを利用した家族への財産管理の委託や遺産の承継のことを指します。平成19年に施行された改正信託法によって、高齢者の財産管理や遺産の承継に信託を利用しやすくなった背景があり、最近注目されている制度です。

家族信託の仕組み

遺言作成や後見制度の利用に代えて、あるいは遺言作成や後見制度の利用とあわせて家族信託を利用することで、より被相続人本人の希望に添った財産管理や遺産の承継をすることが可能になっています。
 
とは言っても、まだまだ家族信託は法律の専門家にもあまり浸透していない制度で、一般家庭にも認知されているとは言い難いですが、高齢化が進む日本では、家族信託は高齢者の財産管理や相続を考える際に、注目され始めています。 

家族信託は家族の希望に添った財産管理・遺産承継の仕組み

信託の一般的なイメージは、信託銀行が行う年金信託や投資信託だと思いますが、この場合は「受託者=信託銀行」となります。信託を事業として行うことは、信託業法の免許・登録を受けた信託銀行、信託会社にしかできません。
 
しかし、信託会社(信託銀行)による受託は、基本的に資産運用を目的としたものであり、また受託者である信託銀行に信託報酬を払わなければならず、委託者ご本人や家族のニーズに応えられないことが多くなっています。
 
そこで、同居家族や親戚などの信頼できる人に受託者になってもらい、財産管理を委ねるというのが、家族信託基本的な仕組みであり、「受託者=家族」になっています。
 
家族信託の主な登場人物は「委託者」「受託者」「受益者」の3者です。これに場合によっては「信託監督人」「受益者代理人」などが加わりますが、イメージとしては下記のような図になります。

 

家族信託が注目される理由とは?

家族信託が注目され始めた最も大きな理由は、超高齢化社会における国民の長寿化により、相続対策がより重要となったこと、認知症等病気のリスクに備える必要が出てきたことです。

1:認知症への備え

2015年に厚生労働省が発表した推計によれば、2025年には認知症患者は約700万人に上り、65歳以上の実に5人に1人が認知症という世の中になると言われています。

認知症は相続問題でも度々取り上げられますが、認知症や脳梗塞などで本人の判断能力が低下すると、有効に資産を管理・処分できる人がいなくなってしまい、相続対策にも着手しにくくなります(いかに近しい家族であっても、本人の委任もなく預金を引き出したり、資産を管理・売却したりすることはできないからです)。

2:任意後見制度の利用に限界を感じるため

この認知症対策の一つとして、任意後見制度の利用が考えられます。任意後見制度は、資産を持つ人が元気なうちに、自己が判断能力を失ったときに財産を管理する後見人を予め選定(任意後見契約の締結)しておく制度ですが、実際に機能するのは判断能力が低下してからになります。
参考:任意後見制度とは|利用目的や手続きのギモンを徹底解説​
 
また、任意後見人による財産管理は、裁判所の監督下のもとでの財産保全が求められますので、現実的には本人の理想通りには活用しづらい面があります。このため、任意後見制度は実際にはあまり頻繁に利用されているとはいえません。

3:家族信託は財産の承継に安心感がもてる

家族信託の場合は、信託契約の時点で受託者により定められた目的に従った資産の管理と運用が始まりますので、資産の管理や運用状況をご本人(委託者)が見届けられるというメリットがあります。そのため、自分が元気な内に、資産が承継できるという安心感があります。
参考:成年後見制度とは?成年後見人を選出すべきケース・なれる人・申立て手続きの方法​

任意後見契約をすべきか、家族信託を利用するかの判断や具体的な手順については、少々複雑で難しい部分も多くありますので、もし迷われた場合は、相続問題が得意な弁護士などの無料相談を活用していただくのが良いかと思います。

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家族信託の活用事例

ここで、実際に家族信託を活用した事例をご紹介していきます。
 

事例1:父の認知症に備える(後見代用信託)

父が判断能力を失えば不動産を売ることができなくなり、預金を下ろすことも困難になる。父は資産を運用して利益を得たり、相続税の納税資金をつくるために不動産の一部を処分したりしたいと考えているが、将来自分が認知症等の病気になった場合にそれができなくなる不安を感じている。

家族信託による解決

父が元気なうちに息子などを受託者として家族信託契約を結んでおけば、もし父の判断力の低下がみられた場合でも、息子が父の生活費などを信託財産から支出できますし、契約内容によっては納税資金のために信託財産たる不動産を処分することも可能になります。
 
後見制度の利用もできますが、あくまで本人の財産管理の為の制度ですので、リスクのある資産運用や不動産の処分はできません。この点、家族信託であれば、信託目的に従ってこのようなニーズにも応えることができます。
 

事例2:障がいのある子に財産をのこす(死亡後の信託)

障がいがあって自分では財産管理ができない子どもがいる場合、自分たち両親が死んだ後にひとりで生活していけるのかという不安もあるでしょう。そこで、夫婦が委託者となり、信頼できる親戚を受託者にしておくことで、将来障がいを持ったお子さんが受益者となるような信託を組むことが考えられます。 
 

家族信託を行うメリット

ここで改めて家族信託のメリットと思われるものを確認しておきましょう。

1:後見制度に代わる柔軟な財産管理が実現できる

成年後見制度は、後見人の負担と制約が多く、毎年家庭裁判所への報告義務があったり、資産(財産)の積極的な活用や生前贈与などの相続税対策がしにくかったりといったデメリットがあります。
 
また、任意後見契約を結んだ成年後見人(予定)は、本人の判断能力が衰えるまでは財産の管理はできませんが、家族信託であれば判断能力があるうちから、本人の希望する人に財産管理を任せることができます。そして、もし本人が判断能力を失った場合でも、本人の意向に沿った財産管理をスムーズに実行できます。

2:親の財産管理が容易に行える

2つめのメリットとしては、高齢な親の財産管理が容易に行えるという点です。例えば、父親が元気な間に財産の名義を長男に移しておき、その財産を自分のために使って欲しい場合、父親を委託者兼受益者、長男を受託者とする家族信託をしておくことで老後の資産管理を安心して長男に任せられます。

3:遺言書ではできないことが可能

3つ目は、遺言書の代わりとして使える効力を持っているという点です。遺言書を遺そうと思った場合、民法の定める遺言書の方式・作成方法に従う必要があります。(参考:遺言書の書き方)この形式面・手続面の厳格さが、一般的に遺言書作成をためらわれる要因になっている可能性もあります。
 
家族信託であれば、委託者と受託者(信頼できる家族)との契約で行うので、遺言書作成のような厳格な方式によらず、自分の死後に発生した相続について財産を承継する者を指定することができます。

4:財産承継の順位づけが可能になる

遺産相続における相続順位の指定も可能になります。一般的な相続対策には「生前贈与」や遺言書の作成(遺贈)がありますが、生前贈与や遺贈をした財産に対しては、その次に相続が開始した場合の相続人を指定できません。

一方、家族信託を利用すれば、最初に指定した受益者が万が一亡くなってしまった場合でも、その次の受益者を誰にするかを指定できます。
参考:事業承継とは|手続きの流れと後継者へ相続する際の手順​

事業継承の際に活用できる理由

株式の評価が高い段階で相続が発生した場合、相続税の支払いが大変になってくるため、株式の評価がほとんど無い時期に株式の承継をしたいというニーズが考えられます。

しかし、現経営者が元気で、これからも引き続き会社の経営を行っていくつもりであれば、この段階で株式の贈与や譲渡をして経営から撤退するのは躊躇するでしょう。そこで、株式の評価がゼロに近い時期に委託者と受託者を本人(現経営者)、受益者を相続人という自己信託(家族信託の一類型)を行うことで、贈与税をかけずに株式(受益権)を子ども等に承継させ、かつ自身も変わらず議決権を行使して経営に参加することが可能になります。事業承継をお考えの方は自己信託を行うことも検討してみる必要があるでしょう。

5:家族信託には倒産隔離機能がある

家族信託には、将来自分(委託者)や受託者が「信託財産に関係のない多額の債務を負ってしまった場合でも、信託財産は差押えられない」という倒産隔離機能がありますので、将来万が一何かがあった場合に対する備えになります。

注:ただし、信託財産は受益者の「信託受益権」に形を変えていますので、受益者が強制執行などを受ける際には、差押えられてしまうことに注意して下さい。 
参考:倒産隔離機能|金融経済用語集 - iFinance
 

6:配偶者の認知症対策に活用できる

例えば、被相続人になる方が遺言書を書く時点ですでに配偶者の判断能力が無くなっていた場合、自分の死後の配偶者の生活費の出所が心配になります。

老人ホームなどに入っていれば月々の費用もかかりますが、配偶者に財産を相続させることはできても、すでに判断能力がないので賃貸借契約やその更新ができないというリスクがあります。
 
そこで、家族信託で「自分が亡くなったら受益者は妻に変更する」と定めておくことで、受益者の変更に遺言書遺産分割協議書を必要とせずに、配偶者の生活ために財産を利用することが可能になります。

7:不動産の共有問題・将来の共有相続への紛争予防に活用できる

共有不動産は、共同相続人全員が協力しないと処分できないので、将来的に複数の相続人が不動産を共同相続してしまうと管理処分権の問題が生じます。共有者としての権利・財産的価値は平等を実現しつつ、家族信託によって管理処分権限を共有者の一人に集約しておくことで、不動産の“塩漬け”を防止することができます。 

8:二次相続が指定できる

家族信託は、二次相続を想定した相続対策としても非常に有効な選択肢となります。相続割合等の指定に関して言えば遺言書でもできますが、遺言書で指定できるのは、遺言者である被相続人が亡くなった時の一次相続の方法についてのみです。
 
たとえば、一次相続の被相続人Aは財産をBには相続させたいが、Bの相続人であるCには相続させたくないという場合、遺言書ではAの希望を実現することは困難です。Bが亡くなった場合の相続については、Bが遺言を残す必要があるからです。 


しかし、家族信託を利用すれば、AはBを財産の受益者とし、Bが死亡した後はCではなくDを受益者とする仕組みを作ることが可能です。これを「受益者連続信託」と呼びます。このように、遺言書よりも自由度が高く、個々の被相続人や相続人の意向に応じた相続の仕組みを作ることができるのが「家族信託」のメリットといえます。

家族信託のデメリット

次に家族信託のデメリットについてご紹介していきます。
 

1:成年後見や遺言でないとできない事もある

家族信託は財産の管理や処分に必要な行為を家族に委ねるものですが、成年後見制度は民法で身上配慮義務(858条)が規定され、本人の財産管理のほか身上監護も念頭においている点が大きな違いです。
 
家族信託には身上監護に関する内容を含めることも可能ですが、本人の法定代理人として活動する成年後見人でなければ、身上監護に必要な契約等が十分にできない場合があります。

2:受託者を誰にするかで揉める可能性がある

家族信託は、財産を適切に管理・処分できて、かつ信頼できる家族(親族)がいるかどうかが大きなポイントとなります。また、受託者に財産の名義が変わるということは、委託者に判断能力があるうちから利用できるというメリットではあるのですが、自分の財産が自分名義でなくなることに抵抗感を持つ人もいるでしょうし、信頼して任せたのにずさんな管理をされた場合には、相続人の中から不満の声が上がり、トラブルになる可能性もあります。

3:節税効果は期待できない

家族信託を行うことで、節税効果があるわけではありません。受益者となった方が財産を取得するわけではないのに、財産を取得したとみなされるので、税金的な観点からみたら受益者の負担は大きいといって良いかもしれません。
参考:みなし相続財産

4:遺留分侵害額請求(旧:遺留分減殺請求)の対象となる可能性がある

信託は自分の死亡後に残った財産の承継者を指定できます。このとき、遺留分侵害額請求の対象となることがありますが、信託の性質から遺留分侵害額請求の対象とならないという見解もあり、意見が別れる部分でもあります。

法改正により遺留分減殺請求は「遺留分侵害額請求」として名前も制度内容も改められましたので、ご注意ください(2019年7月1日施行)。

家族信託と遺留分

家族信託を設定した時点の、

  1. 受益者を夫

  2. 夫の死亡後の第2受益者を妻

  3. 妻の死亡後の第3受益者を長男

とした場合、夫の死亡時に妻の取得する受益権と将来、長男が取得する受益権が他の相続人の遺留分侵害の対象となると考えられています。遺言で他の相続人の遺留分を侵害すれば遺留分侵害額請求の対象となることは当然ですが、夫の死亡がきっかけとはいっても、夫の遺言に基づいて受益権を承継したわけではないので、この辺りで議論が別れる部分ではあります。

生命保険の契約者と被保険者が同じである場合、受取人の保険会社に対する保険金支払請求権は受取人固有の権利であって遺留分減殺請求はできないのが原則ですが、これに似ている面もあります。
 
現時点でまだ明確な判例等はありませんので、取得した受益権が遺留分減殺の対象になるものとして備える必要はありますが、今後の動向を見守っていきたいと思います。
参考:角田・本多司法書士合同事務所

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家族信託の手続とかかる費用

次に、家族信託の手続方法と、家族信託にかかる費用について見ていきましょう。

手続の流れ

 家族信託の大まかな手続の流れは、次のとおりとなります。

  1. 家族間(委託者・受託者・受益者間)で、信託の目的と内容を話し合う。
  2. 信託契約書を公正証書で作成する。
  3. 信託財産である不動産を受託者名義に変更する(信託登記)。
  4. 新たに受託者名義の専用口座を開設し、委託者の金銭を信託する。
  5. 受託者による財産管理を開始する。

家族信託にかかる費用

家族信託は、信頼できる家族間の契約ですので、基本的には高額な費用等のかかるものではありません。もっとも、公正証書を作成する場合、不動産登記を必要とする場合などには別途そのための費用が発生します。

①信託契約書を公正証書にする場合の公証役場の実費

信託の目的となる財産の価額に応じて、概ね1~5万円程度の手数料がかかります。また、公正証書作成を専門家に依頼すればその費用(報酬)が必要になります。 

②信託財産に不動産がある場合の登録免許税及び司法書士費用

固定資産税評価額の1000分の4。ただし、土地信託の場合は固定資産税評価額の1000分の3。また、登記申請を司法書士に依頼した場合にはその費用(報酬)が発生します。

③コンサルタント報酬

信託契約を締結するにあたって専門家のコンサルティングを依頼した場合には、その手数料がかかります。コンサルティング費用は各専門家に決められるため一律ではありませんが、信託財産が1億円以下の部分は1%、それ以上の部分は0.5%あたり相場になっています。

④その他信託監督人や受益者代理人を置く場合の報酬等

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家族信託を行う際に整理しておくこと

家族信託制度は大切な「資産」の管理・処分を信頼できる家族に託す制度ですので、家族信託制度の利用を検討される際には、以下の点を整理しておくと良いでしょう。

信託する財産は何か

資産の中で、どの財産を信託財産として託すかを決める必要があります。
 

誰に信託するか

専門的な知識を持っているかよりも、信頼できるかどうか、委託者の意図を理解してくれるかどうかで決めるのが望ましいと言えます。

何のために信託契約を結ぶのか

誰に対し、どのような利益を期待するのかを決めましょう。

信託監督人の設置等も検討する

家族信託はいわば身内同士の契約であるため、受託者による資産の管理・運用の実態が外からは見えにくいという問題もあります。
 
そこで、受益者のために信託事務が適切に遂行されているかを、受益者に代わって監督する「信託監督人」を設定しておくことも大切です。また、受託者を2人設定しておけば、お互いが相談しながら財産を管理・運用していくため、相互のチェック機能が生まれます。

家族信託を弁護士に依頼するメリット

これまでご説明してきたとおり、家族信託は、基本的には信頼できる家族間の話し合いによって行われるものでですが、専門家である弁護士に相談・依頼した方が、よりスムーズかつ適切な財産の継承が行えます。

なせ弁護士に依頼した方が良いのか?

家族信託も「信託契約」の一部ですので、契約自体は口頭で合意が得られれば成立します。ただ、信託契約には「委託者」「受託者」「受益者」の3人が存在する上、契約外の他の家族の利益にも影響する重要な合意ですので、信託内容を明らかにする意味でも、契約書の存在は重要でしょう。

この契約書を作成する際には、法的観点から注意すべき点が多くあります。

  • 契約内容の適法性や正当性、整合性を判断しなければいけない
  • 後々起こる可能性のあるトラブルに備えた条項を明記しておく必要がある
  • どのような事前の対策を必要としているのか(信託の目的)を念頭に置いた規定にしなければならない など

どのような信託契約の内容にすれば、委託者その他の家族にとって一番良い結果が得られるのか、契約内容に違法・不当な点はないか、条項に漏れがないかなどを法的な面から考えてくれるのは法律の専門家である弁護士しかいないのです。

遺留分の侵害についてアドバイスがもらえる

遺留分は法定相続人に最低限保障された相続財産のことで、下記の遺留分割合に応じ、侵害された相続人が遺留分侵害額請求を行うことで遺産の一部を取り戻すことができます。

相続人 

総財産に対する遺留分の合計 

各相続人の具体的な遺留分

配偶者

子供

父母

兄弟

配偶者のみ

1/2

1/2

×

×

×

配偶者と子供

1/2

1/4

1/4

×

×

配偶者と父母

1/2

2/6

×

1/6

×

配偶者と兄弟

1/2

1/2

×

×

×

子供のみ

1/2

×

1/2

×

×

父母のみ

1/3

×

×

1/3

×

兄弟のみ

×

×

×

×

×

 参考:遺留分の計算方法と割合|本来の遺留分を獲得する方法​

民法上、遺留分は相続人に与えられた権利で、侵害された分は遺留分侵害額請求をすることができますが(民法第1042条)、家族信託を信託法で考えると、遺留分は無視しても良いという旨の説明がなされる場合があります。

しかしながら、家族信託の場合、もし遺留分を侵害されていたら下記のように考えるのが通説とされています。

  • 遺言代用信託の場合も遺留分の問題は生じる
  • 後継ぎ遺贈型受益者連続信託の、委託者の死亡時点で受益権を持つ人に対しては遺留分の問題は生じる
  • 後継ぎ遺贈型受益者連続信託の、委託者ではない受益者Aの死亡によって受益権が消滅し、他のBが新たに受益権を取得した時に、死亡したAの相続についてBがAの法定相続人の遺留分侵害の問題は生じ得ない

引用元:遺留分の侵害要件についてアドバイスがもらえる

この問題に関しては事例も少なく、判例も示されていないので、法律の専門家の意見が必須になるでしょう。

他にも弁護士に相談するメリットは多くありますので、「家族信託を弁護士に相談する必要性と依頼した際の費用・メリットまとめ」を参考に、詳しい内容を把握しておくことをおすすめします。

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まとめ

家族信託はまだまだ始まったばかりの制度ですので、信託契約の内容は家族の意思や状況によって柔軟に設計する必要があります。遺言や成年後見制度との組み合わせも考慮しつつ、弁護士などの専門家とよく相談することを強くおすすめします。

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この記事の監修者
虎ノ門第一法律事務所
鏡味 靖弘 弁護士(左) 櫻庭 知宏 弁護士(右) (鏡味:第一東京弁護士会 櫻庭:東京弁護士会)
相続全般の問題解決で豊富な実績があり、多くの解決パターンを提案できる経験値が強み。税理士など他の士業や専門家とも連携するほか、司法書士資格を持つ弁護士も在籍するなど、ワンストップで対応できる体制。

相続トラブルに巻き込まれてしまった方へ

何かと相続トラブルに発展するのは遺産の割合に不満がある・納得いかないケースです。

例えば、下記などが該当します。

・思ったより相続される遺産が少なかった
・揉めたくないので、泣く泣く遺産の配分に納得した
・遺言書に他の兄弟姉妹に遺産を多く渡す旨が書かれていた

遺産相続では法定相続分といって、民法で定められている割合の通りに遺産を公平に分割しましょうという一応の定めがありますが、生前に被相続人(亡くなった人)の介護をしていた、被相続人の事業を手伝っていれば寄与分という制度で多くの財産をもらう権利があります。

また、他の相続人が生前に財産を多く受け取っていたのであれば、遺産分割協議の際に相続財産を減らすこともできます。ただ、こういったルールは相続人全員が知っているわけではありませんから、あなたが主張しても聞く耳をもたれない可能性もあります。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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