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相続放棄の失敗が不幸を招く!6つの失敗例と6つの対策をチェックしよう

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相続が発生したものの多額の債務がある、ほかの相続人と関わりたくないなどの理由から、相続放棄をしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

弁護士に依頼することは、今のところあまり積極的に考えていない方も少なくありません。

失敗して大変な目に遭いたくないので、あらかじめ失敗例を知っておき、確実に放棄しようと考えるのは当然です。

ただし、相続放棄に関しては注意点も多くあります。

相続放棄について迅速に解決するためにも、早い段階で専門家に相談するのがおすすめです。

本記事では、相続放棄に関するよくある失敗例、相続放棄で失敗しないためのポイントについて解説します。

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相続放棄をする際のよくある6つの失敗例

相続放棄とは、相続人が相続財産を受け取らないことを意味します。

相続放棄をすると、相続債務だけでなく、相続財産も放棄することになります。

そのため、相続放棄については慎重に対応しなければなりません。

ここでは、相続放棄をする際のよくある失敗例6つをそれぞれ解説します。

1.相続放棄の期限である3ヵ月を経過してしまった

相続放棄をする場合は、自分に相続の開始があったことを知ったときから3ヵ月以内に必要な手続きを完了させなければなりません

この3ヵ月という期間は、相続放棄の意思を十分に考えるためのものです(熟慮期間)。

しかし、相続人が多かったり、遺産分割協議が難航したり、遺産の中に借金が含まれていたりする場合など、3ヵ月では相続放棄の判断ができないこともあります。

そのような場合は、家庭裁判所に相続放棄の熟慮期間の延長を申し立てることが可能です。

なお、この申し立ては、3ヵ月の期限内におこなわなければなりません。

>相続放棄の期限について詳しく知る

2.家庭裁判所へ申述申立をしなかった

相続放棄をする場合は、家庭裁判所に書面で申し立てる必要があります。

相続放棄の効力は、家庭裁判所に申し立てた時点から発生します。

相続人や債権者に口頭で相続放棄を伝えるだけでは、法的には相続放棄になりませんので、手続きを忘れないように注意しましょう。

3.裁判所からの照会書に回答しなかった

相続放棄をするには、被相続人の最終居住地の家庭裁判所に申述書と必要書類を提出しなければなりません

必要書類はケースによって異なりますが、一般的には被相続人の住民票除票や戸籍附票、相続放棄者の戸籍謄本、被相続人の除籍謄本などが必要です。

提出した書類に不備がある場合は、家庭裁判所から連絡がありますので、その指示に従って追加提出をおこなうことで相続放棄できます。

しかし、迅速に相続放棄をしたい場合は、事前に家庭裁判所に問い合わせて必要書類を確認するのがおすすめです。

また、申述書の提出後に家庭裁判所から「相続放棄の照会書」が届くことがあります。

これは家庭裁判所が相続放棄の意思や事情を確認するための文書で、「いつから相続開始を知っていたか」「申述は本人の真意か」などの質問があります。

この照会書には速やかに回答して返送する必要があります。

回答しない場合、申述が却下される可能性があるでしょう。

4.単純承認とみなされる行動をしてしまった

相続財産を自分の支出に使ってしまうと、単純承認(相続を承認したこと)としてみなされる可能性があります。

その場合、相続放棄はできません。

相続財産の分配が決まるまでは、自分の費用に相続財産を使わないようにしましょう。

>単純承認について詳しく知る

5.ほかの相続人に債務を負担させることになってしまった

親が多額の借金を残して亡くなった場合、相続放棄をすることで借金の責任を免れることができます。

しかし、相続放棄をした人だけが借金から解放されるだけで、相続放棄をしなかったほかの相続人には、借金の返済義務が発生します。

そのため、相続放棄をする場合は、ほかの相続人にもその旨を伝える必要があります。

また、可能であれば相続人全員で一斉に相続放棄をすることが望ましいでしょう。

そうすることで、借金の回収を諦めた債権者からの督促や嫌がらせを防ぐことができます。

相続放棄をすると、その人の子どもや孫など、次の順位の相続人に相続権が移ります。

そのようなことも考慮して、相続放棄の手続きをおこないましょう。

>相続順位について詳しく知る

6.本来なら無用の相続争いが起こった

相続放棄の失敗によって、本来なら無用の相続争いが起こってしまうこともあります。

遺言書が不明確だったり、遺産の分配に関する条項が曖昧で、相続人同士で解釈が食い違っていたりするなど、理由はさまざまです。

その結果、法的な手続きや調停を経ても、和解に至らないまま長期化する可能性もあるでしょう。

このような事態を防ぐためには、相続放棄に関する十分な準備と専門家のサポートが必要になります。

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相続放棄に失敗しないための5つのポイント

失敗例はわかりましたが、それでは実際にどのようなことに気をつければよいのでしょうか。

こちらでは、相続放棄に失敗しないためのポイント5つをそれぞれ解説します。

1.相続放棄手続きは早めにおこなう

相続が発生したら、まずは故人の資産や負債の状況を把握することが重要です。

相続放棄するかどうかを決めるまでの期限は3ヵ月間ですが、そのあいだに葬儀や喪主の手続きなどで忙しくなることもあります。

そのため、早めに資産の調査をおこない、相続に関する意思決定をすることがおすすめです。

故人の銀行口座や不動産の価値を正しく把握することで、相続税の負担や相続人同士のトラブルを防ぐことができます。

資産調査が難しい場合は、弁護士などの相続の専門家に相談することも検討しましょう。

期限内に手続きできそうにないなら期間延長手続きも検討する

相続放棄の期限は、自分に相続の開始があったことを知ったときから3ヵ月です。

しかし、この期限に間に合わないと困る場合や、相続放棄の判断に迷っている場合などは、家庭裁判所に「相続放棄の期間伸長」を申し立てることができます。

家庭裁判所は、相続放棄の期間伸長の申し立てを受けて、必要があれば期限を1ヵ月~3ヵ月ほど延ばしてくれます。

これにより、相続放棄の手続きを円滑におこなえるでしょう。

>相続放棄の手続きを自分でおこなう方法を知る

2.相続財産調査をしっかりおこなう

相続が発生した場合、財産調査を適切におこなうことが重要です。

相続放棄を検討している方も、弁護士に依頼して財産調査をしてもらうと借金だけでなく、有利な財産も発見される可能性があります。

相続財産を取得するためには、相続放棄をせずに受け入れる必要があります。

財産調査は自分でおこなうこともできますが、債務の存在や不動産の詳細、預金の場所など、専門的な知識が必要なことも多くあります。

そのような場合は、財産調査の経験とスキルをもつ弁護士や専門家に依頼するのがおすすめです。

>相続財産の調査方法を詳しく知る

3.遺産に手をつけない

相続放棄を検討している場合、遺産に手をつけないようにしましょう。

たとえば、被相続人の預金を引き出したり、被相続人の借金を返済したりした場合、相続放棄が認められなくなるおそれがあります。

したがって、相続放棄をするかどうか決めるまでは、被相続人の財産や債務に一切触れないようにしましょう。

>相続放棄前にやってはいけないことを詳しく知る

4.相続関係を把握しておく

相続人が子のみの場合、子が全員相続放棄をしたら、次に相続権が移転するのは直系尊属(父母など)です。

直系尊属がすでに亡くなっていたら、被相続人の兄弟姉妹に相続権が発生します。

兄弟姉妹も亡くなっていたら、甥や姪が相続権をもちます。

このような順序を理解しておかないと、相続放棄をしても意図しない結果になる可能性があります。

特に、財産だけでなく負債も相続することになるので注意が必要です。

>相続順位について詳しく知る

5.少しでも不安な点があれば弁護士に相談する

相続放棄をすることができない場合の一例として、相続人が借金の存在に気づかずに、相続財産を売却したり分割したりしてしまったというケースがあります。

しかし、借金の存在に気づかなかったことについて正当な理由があり、かつ相続財産から葬儀費用など必要最低限の支出しかしていない場合は、相続放棄が認められる可能性があります。

相続に関する問題は複雑であり、トラブルを防ぐためには、弁護士や司法書士などの専門家に相談し、財産の調査や手続きを依頼することが望ましいでしょう。

相続放棄に失敗した場合はどうする?2つの対処法

相続放棄に失敗してしまった場合は原則、どうすることもできません。

相続放棄の制度は、相続人が相続財産を受け取らないことを選択できるものですが、その申し出は被相続人の死亡もしくは自分が相続人であると知った時点から3ヵ月以内にしなければならないからです。

ただ、この期限を知らずに過ぎてしまった場合、家庭裁判所に特別な事情があると認められれば、相続放棄ができる可能性があります。

しかし、この手続きは一般的な相続放棄よりも複雑で時間がかかるため注意が必要です。

ここでは、相続放棄に失敗した場合の対処法を2つそれぞれ解説します。

1.間に合わなかった合理的な理由を裁判所に説明する

「相続放棄の期限を過ぎてしまったが、それはやむを得ない事情があったからです」と家庭裁判所に主張する場合、単に「知らなかった」という理由だけでは不十分です。

それは相続人の不注意によるものであり、やむを得ず遅れたとはいえません。

したがって、期限後の相続放棄を認めてもらうためには、ほかの理由も併せて示す必要があります

やむを得ない事情があったことを裏付ける理由を、できるだけ多く提出しましょう。

家庭裁判所に「相続放棄が遅れたのは仕方がなかった」という印象をもってもらうことが重要です。

申述手続きには理由説明も含まれるので、裁判所を効果的に説得するには弁護士に依頼することが望ましいでしょう。

>相続放棄の期限に間に合わなかったときの対処法を詳しく知る

2.即時抗告をおこなう

相続放棄の申述をおこなったにもかかわらず、家庭裁判所から却下されたという事態に直面した場合、その判断に納得がいかなければ、2週間の期限内に高等裁判所へ即時抗告することができます

家庭裁判所が却下する理由としては、一般的には、相続人が単純承認をしてしまっている場合や、相続放棄の申述をするための3ヵ月の期間が経過している場合が多いです。

しかし、特殊な事情があって、単純承認ではないと主張できる場合や、3ヵ月の期間の計算方法について異議を唱えることができる場合もあります。

なお、このようなケースでは、相続法に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

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相続放棄の失敗例についてよくある質問と回答

相続放棄については、事前に把握しておいたほうがよい項目がいくつかあります。

ここでは、相続放棄の失敗例に関してよくある以下の質問について解説します。

相続放棄の期限後に債務が見つかりました。相続放棄はできませんか?

相続放棄ができる場合がありますが、その条件と手続きについては、専門家に相談することをおすすめします。

相続放棄は、相続人が相続財産を受け取らないことを意味しますが、それには一定の期限や要件があります。

相続放棄をすると、相続人は相続債務だけでなく、相続財産も放棄することになります。

したがって、相続放棄のメリットとデメリットをよく考えてから、決断する必要があるでしょう。

被相続人の家がゴミ屋敷でした。掃除すると相続放棄ができなくなりますか?

相続放棄を選択した場合、遺品整理は基本的におこなえません

その理由は、遺品を処分したり分配したりすることが、相続を承認した(単純承認した)と解釈される可能性があるからです。

したがって、相続放棄をする場合は、市場価値のあるものや家具などの整理ができないのが通常です。

ただし、相続放棄をしたとしても、次の相続人が管理を始めるまでは管理責任が残ります。

周囲に迷惑をかけたり、損害賠償を請求されるなどのトラブルを防ぐためにも、ゴミの腐敗や腐乱が進んでいる場合は清掃をしたり、悪臭のもとを片付けたりしましょう。

相続放棄をしたら死亡保険金や遺族年金は受け取れなくなりますか?

相続放棄をした場合でも、生命保険金は受取人の財産として受け取ることができます

ただし、被相続人が自分自身を受取人として指定していた場合は例外です。

この場合、生命保険金の請求権は被相続人財産の一部となります。

したがって、相続放棄をした相続人は、生命保険金を受け取ることができません。

生命保険金の受取人の指定方法によっては、相続放棄をしても生命保険金が受け取れないことがありますので、注意が必要です。

>相続放棄後の死亡保険金の受け取りについて詳しく知る

さいごに|相続放棄の失敗が不安なら弁護士に相談を

相続放棄が発生した場合、期限が過ぎてしまったり、単純承認とみなされてしまったりと、さまざまな失敗を招く可能性があります。

財産調査もおこなう必要がありますし、遺産に手をつけてしまうと相続放棄ができなくなるおそれもあります。

ただ、相続放棄に関する全ての手続きを相続人自らがおこなうのは難しいでしょう。

そのため、相続放棄の可能性が出てきた段階で、専門家に相談する必要があるでしょう。

トラブルを防ぐためにも、早めに相続放棄の手続きをおこなうのがおすすめです。

そして、弁護士を探す方法のひとつに「ベンナビ相続」の活用があります。

ベンナビ相続は、相続問題を解決するために、専門的な知識と経験をもつ弁護士を紹介するポータルサイトです。

全国各地の相続問題を得意とする弁護士が登録されており、自宅や職場から近い弁護士を簡単に検索することが可能です。

地域や相続問題の種類などの条件によって、ご自身に合った弁護士を探せます。

さらに、平日の昼間に相談できない方のために夜間・休日の相談や、オンラインでの相談も可能な法律事務所もあります。

相続放棄が発生した場合には、なるべく早めに弁護士へ相談してみることをおすすめします。

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この記事の監修者
井澤・黒井・阿部法律事務所 東京オフィス
黒井 新 (第二東京弁護士会)
2002年弁護士登録。15年以上の実績のなかで多くの相続問題に取り組み、その実績を活かし、相続分野における著書執筆や不動産の講演・セミナーへ登壇するなど、活動の幅は多岐に渡る。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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