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相続放棄の費用相場|弁護士・司法書士の依頼費用を解説

川村 勝之
監修記事
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相続放棄でかかる費用は「自分で手続きをおこなう場合」や「司法書士・弁護士に依頼する場合」など、パターン別でそれぞれ違います。

自分で手続きをすると、場合によっては専門家に依頼をしたときの10分の1程度の費用で済むこともあります。

しかし、複雑な手続きに自分で対応しなければならないなどのデメリットがあります。

本記事では、主に以下のポイントについて解説します。

  • 自分で相続放棄の手続きをした場合の費用
  • 司法書士・弁護士に相続放棄を依頼した場合の費用
  • 相続放棄の費用が高くなるケース

相続放棄で何より気をつけないといけないことは、相続放棄の手続きには「自己のために相続の開始があったことを知ってから3ヵ月以内」という期限があることです(民法915条第1項)。

必要書類を全て準備できる方であれば、自分で相続放棄の手続きをすることも可能です。

一方、自力では書類を集められない方・書類を集める作業を任せたい方・時間に追われている方は、司法書士や弁護士などに依頼したほうがスムーズな手続きが可能なのでおすすめです。

相続放棄の費用が心配なあなたへ

相続放棄を検討していても、どれくらい費用がかかるの?自分で手続きするのと弁護士に依頼するのはどっちが安いの?と費用面で悩んでいませんか。

 

結論からいうと相続放棄でかかる費用は弁護士の無料相談で知ることができます。依頼するか決めていなくても、まずは相談してみることが、あなたの悩みを解決することにつながるでしょう。

 

弁護士へ相談することで、以下のようなメリットを得られます。

  • 相続放棄でかかる費用を教えてもらえる
  • 弁護士に依頼すべきかどうか判断できる
  • そもそも相続放棄すべきか相談に乗ってもらえる
  • 相続放棄の手続きについて教えてもらえる

ベンナビ相続では、相続問題を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。 無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。

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相続放棄にかかる費用の相場

相続放棄にかかる費用相場

自分で手続きする場合

約3,000円~約5,000円

司法書士に依頼する場合

約3万円

弁護士に依頼する場合

約5万円以上

相続放棄でかかる費用は、弁護士や司法書士に依頼する場合と自分でおこなう場合で、それぞれの相場が異なります。

まずは、相続放棄でかかる費用がいくらになるのかをケース別に確認していきましょう。

自分で相続放棄の手続きをおこなう場合|3,000円~5,000円程度

相続放棄の手続きを自分でおこなう場合にかかる費用の目安は、相続人ひとりにつき3,000円~5,000円程度です。

費用の主な内訳は、相続放棄の申述書に添付する印紙代と戸籍などの書類の取り寄せにかかる費用です。

取り寄せ先の役所によっては取り寄せ費用が異なる場合もありますが、そこまで大きな金額差はないので、ひとりにつき3,000円程度と思っておいてよいでしょう。

詳しい費用の内訳は以下のとおりです。

相続放棄の手続きでかかる費用の内訳

相続放棄の申述書に添付する印紙代

800円分の収入印紙(申述人1人)

連絡用の郵便切手代

400円~500円程度(家庭裁判所によって異なる)

相続放棄を申し立てる人の戸籍謄本の取得費用

450円

被相続人の住民票除票または戸籍附票の取得費用

300円程度(市区町村によって異なる)

被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本の取得費用

750円

※上記の費用は最低限かかる費用です。事情によっては資料の追加提出が必要となります。

相続放棄の手続きの流れ

自分で相続手続きをおこなう場合は、相続放棄手続きの流れを確認しておきましょう。

相続放棄の手続き方法の流れは、以下のとおりです。

相続放棄手続きの流れ

  • 相続人調査と相続財産調査をおこなう
  • 相続放棄に必要な書類と費用を準備する
  • 家庭裁判所へ相続放棄に必要な書類を提出して、手続きをする
  • 家庭裁判所から照会書が届くので、記入して家庭裁判所に返送する
  • 相続放棄が認められれば、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が届く

自力で相続放棄をおこなうことで、依頼費用を抑えられるというメリットはあります。

ただし、相続の知識がない方の場合、申立ての際に不備があって却下されたり、被相続人の遺産を処分したことで相続放棄が認められなくなったりするおそれがあります。

できるだけ失敗のリスクを回避したいのであれば、事前に弁護士や司法書士などに相談することをおすすめします。

<司法書士に相続放棄を依頼する場合|約3万円

司法書士は、遺産相続では土地や建物などの不動産を受け継ぐ際の「相続登記」などに主に対応していますが、相続放棄手続きの代行を依頼することもできます。

司法書士に相続放棄の代理を依頼する場合、相続放棄の期限である3ヵ月以内なのか、それとも3ヵ月が過ぎたあとなのかで費用が変わります。

相続放棄の期限を過ぎていない場合

相続放棄の手続き期限をまだ過ぎていない場合にかかる司法書士費用の相場は、以下のとおりです。

【期限内】相続放棄を司法書士に依頼した場合にかかる費用相場

相談料

0円~5,000円程度/1時間あたり

申述書作成代理費用

3,000円~6,000円程度(戸籍謄本取得・実費含む)

代理手数料

2万円~3万円程度

相続放棄の期限を過ぎている場合

相続放棄の手続き期限を過ぎている場合にかかる司法書士費用の相場は、以下のとおりです。

【期限後】相続放棄を司法書士に依頼した場合にかかる費用相場

相談料

0円~5,000円程度/1時間あたり

申述書作成代理費用

3,000円~6,000円程度(戸籍謄本取得・実費含む)

代理手数料

3万円~5万円程度

なお、金額はあくまで目安なので、詳しくは司法書士事務所に直接問い合わせてみましょう。

弁護士に相続放棄を依頼する場合|5万円以上

相続放棄を弁護士に依頼したときにかかる費用は、5万円以上かかることが多い傾向にあります。

費用の内訳は以下のとおりです。

相続放棄を弁護士に依頼した場合にかかる費用相場

相談料

0円~1万円程度/1時間あたり

申述書作成代理費用

5,000円~1万円程度(戸籍謄本取得・実費含む)

代理手数料

5万円~10万円程度

成功報酬

なし

上記はあくまで目安であり、法律事務所によって費用は異なります。

費用はほかの専門家と比べると高くなることもありますが、弁護士なら相続放棄の手続きを確実に進めてもらえるうえ、相続放棄後のトラブル防止などの相談にも乗ってもらえます。

初回無料で相談できる弁護士も多いので、まずは相談してみることをおすすめします。

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相続放棄の費用が高くなるケース

状況によっては、相続放棄でかかる費用が加算されるケースもあります。

ここではどのような場合に高くなるのか、3つのケースを紹介します。

1.相続放棄の期限を過ぎている場合

相続放棄には、自己のために相続開始があったことを知ってから3ヵ月以内という期限があります。

この熟慮期間を経過してしまった場合、基本的に相続放棄は認められません。

ただし、期限を過ぎてしまった理由や事情を説明する「上申書」を家庭裁判所に提出することで、相続放棄が認められる場合があります。

上申書は弁護士や司法書士に依頼することで作成してもらえます。

ただし、通常よりも対応が複雑になることから、その分の費用が加算されます。

2.相続財産の調査を依頼する場合

相続放棄をする場合、被相続人にどのような遺産があるのか確認する「相続財産調査」をおこなう必要があります。

きちんと相続財産を調査しておかないと、あとで把握していなかった財産が見つかり、相続放棄したことを後悔する恐れがあります。

相続財産調査は司法書士や弁護士などに依頼でき、その場合は追加料金を請求されるのが通常です。

3.相続財産清算人を選任する場合

相続財産清算人とは、被相続人の親族などの代わりに相続財産を管理する人のことです。

たとえば、「相続権を持つ法定相続人全員が相続放棄した」というようなケースでは、相続財産清算人の選任手続きが必要です。

相続財産清算人の選任では、必要書類を準備したうえで、亡くなった方の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをおこなう必要があります。

これらの対応は弁護士や司法書士などに依頼でき、その場合は追加料金を請求されるのが通常です。

相続放棄における弁護士と司法書士の違い

相続放棄の手続きは自分でもおこなえますが、不備なくスムーズに済ませたいのであれば弁護士や司法書士に依頼することをおすすめします。

ただし、専門家によって相続放棄に関する業務範囲が異なります。

希望するサポート範囲や相続手続きの状況によって、どちらに相談するべきかを決めるとよいでしょう。

専門家ごとの相続放棄の対応範囲の違い

弁護士

司法書士

「相続放棄手続きの代理」

・弁護士が代理人として裁判所への申立てや連絡をおこないます。

・債権者からの問い合わせがあった際「弁護士に問い合わせてほしい」と対応してもらうことが可能です。

・もし相続放棄が認められなかったときは弁護士にその通知があり、期限である2週間以内に不服申立て(即時抗告)手続きをします。

「書類の作成」

・裁判所への書類提出は本人がおこない、裁判所からの通知や電話も本人に対してなされます。

・相続放棄が認められなかった際の通知も本人に対してなされるので、期限である2週間以内に抗告申立書を用意して、自分で提出する必要があります。

弁護士|相続人同士で争いがある場合・相続放棄以外も相談したい場合

相続放棄を弁護士に相談すべき人

  • 相続放棄について相続人間で揉めている
  • 相続放棄以外にも相続問題を抱えている
  • 相続放棄をめぐってトラブルになる可能性がある

相続財産に借金があったり、兄弟姉妹などの相続人の間で何らかのトラブルがきていたりするようなケースでは、弁護士への相談を特におすすめします。

相続財産に多額の借金があった場合、債権者から執拗な催促がなされる可能性があります。

もし被相続人が生前に闇金などからお金を借りていた場合でも、弁護士が間に入れば取り立ての停止などができるので、精神的なストレスから解放されるというメリットは大きいでしょう。

これらは司法書士では代理権の制限があるため、司法書士ではなく弁護士に依頼したほうがよいです。

また弁護士は、遺留分の請求方法・遺言書の書き方・代襲相続の有無・相続順位・生前贈与といった相続相談にも対応しており、相続に関する全般的なサポートが望めるという点も大きな特徴です。

司法書士|書類の収集や作成のみサポートしてほしい場合

相続放棄を司法書士に相談すべき人

  • 相続人士での揉め事はなく、今後揉めることもなさそう
  • 書類の収集や作成だけをサポートしてほしい(除籍謄本や遺産分割協議書など)
  • 相続放棄にあまり費用はかけたくない

法律的な争いや相続人同士のトラブルもなく、債権者からの借金の取り立てもさほど厳しくないケースもあるでしょう。

その場合、費用を安くするために弁護士に依頼せずに司法書士に依頼することもひとつの選択肢です。

対応範囲に違いがありますが、相続放棄の手続きのために書類を用意したり、相続放棄の申述書を書いたりする手間が面倒な場合は、司法書士への依頼を検討しましょう。

相続放棄の依頼費用が用意できない場合の対処法

できるだけ弁護士費用・司法書士費用を安く抑えたい場合は、法テラスの民事法律扶助制度を利用するのが有効です。

民事法律扶助業務|法テラス」にある利用条件を満たしていれば、法テラスが依頼費用を一時的に立て替えてくれるため、今すぐ支払う余裕がない方でも依頼することができます。

また、相続放棄に関する弁護士費用・司法書士費用を一括で支払えない方は、分割払いに対応している事務所を選ぶのも有効なので検討してみてください。

民事法律扶助業務とは、経済的に余裕がない方が法的トラブルにあった時に、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、弁護士・司法書士の費用の立替えを行う(「代理援助」「書類作成援助」)業務です。
引用元:法テラス

さいごに|相続放棄の手続きが不安なら弁護士へ無料相談を

相続放棄が認められなかった場合、多額の債務を負ってしまうリスクもあります。

専門家の依頼費用の負担を抑えることを考えることも重要ですが、適切で確実な相続放棄ができるように自分の置かれている状況と照らし合わせて、最適な専門家を選びましょう。

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この記事の監修者
リフト法律事務所
川村 勝之 (千葉県弁護士会)
相談者に選択肢を提示し、最も理想に近い解決法を共に考えることを心がけており、コミュニケーションの取りやすさに定評あり。税理士・司法書士・公認会計士などの他士業と連携したトータルサポートも魅力。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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