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2019年09月26日

相続放棄の手続きを自分で行う方法とラクに済ます知識

川崎相続遺言法律事務所
関口 英紀 弁護士
監修記事
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「相続放棄」が得意な弁護士に相談して悩みを解決
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  • 相続放棄の手続きって自分でできるの?
  • 相続放棄にかかる期間を知りたい
  • 相続放棄の3ヶ月の期限が過ぎそうなのだけど対処法はないの? など

 

被相続人の残した借金の放棄をしたいけど、やり方がわからない人は少なくないでしょう。相続放棄について調べるなら、手続き方法のほかに注意点なども知りたいですよね。

 

ここでは、誰でもわかるように手続きの仕方流れの他に、【かかる時間費用書類・注意点】などについてまとめました。

 

相続放棄のやり方について悩んでいる方の疑問解消のお手伝いができれば幸いです。

 

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相続放棄の期限は3ヶ月です。申告期限が迫っている、すでに過ぎてしまった場合は、出来るだけはやく弁護士に相談しましょう

相続放棄は相続開始から3ヶ月という限られた期間に、多くの必要書類を揃えて裁判所に申立をしなければなりません。弁護士に相談する最も大きなメリットは代理人として裁判所とのやりとりや、債権者からの催促があっても「弁護士に相続放棄を依頼してある」ということで全て代行してくる点です。

 

このような、相談者の代理人となって紛争処理や手続きをしてくれるのは弁護士しかおらず、法的なアドバイスや経験に基づく対応は他の専門家では難しいでしょう。

 

当サイトでは、相続放棄について相談できる弁護士を都道府県ごとに掲載しています。相続放棄について、『無料相談』をしたい方はお近くの地域から、相続放棄を得意とする弁護士に相談してみてください。

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相続放棄の手続きを行う際の前知識

相続放棄とは、簡単に言えば「相続権を持つ法定相続人が被相続人の残した財産の一切の相続を拒否すること」です。一切の相続を拒否するということは、相続財産のなかのプラスの財産(現金や不動産)とマイナスの財産(借金など)の両方を一切受け取らないということを意味します。

 

相続放棄とは

 

相続放棄を検討すべきケース

一般的に、相続財産のなかでプラスの相続財産よりもマイナスの相続財産のほうが多いことがはっきりしており、相続人が借金など不利益を被ることが明らかな場合に相続放棄を検討します。

 

(関連記事:相続放棄の必要書類すべてと相続放棄をすべきでないケース)

 

またマイナスの財産を相続したくないという理由のほか、相続に関しての争いに関わりたくない、そのようなわずらいを受けたくないというような場合も相続放棄が検討されます。

 

相続放棄のメリットとデメリット

相続放棄のメリット

相続放棄のメリットは相続によって相続人が不利益を被ることを防げる点です。相続で財産が得られると思っていたのに、被相続人が残した借金を肩代わりすることになってしまっては、その後の人生設計に狂いが生じてしまいます。また先ほどご紹介したように、遺産分割などの、相続人同士の争いに巻き込まれることがないということも相続放棄のメリットです。

 

相続放棄のデメリット

一方、相続放棄のデメリットは、財産調査を十分に行っていない段階で放棄をすると損をしてしまう可能性がある点です。相続をしてもデメリットしかないと考えて相続放棄をしたものの、後になってプラスの相続財産が見つかっても、相続の権利はもうありません。

 

また、相続放棄をすることによって相続人が変わってしまうということもデメリットとして考えられます。相続放棄をすることによってほかの相続人に負の財産が移行してしまうわけですから、ほかの相続人に対して、しわ寄せがいくという場合もあります。

 

相続放棄のメリットとデメリットから、相続を放棄するかどうかを判断するためには、被相続人の財産調査が非常に重要であることがわかります。

 

相続放棄の判断が難しい場合は限定承認制度

プラスの財産とマイナスの財産のどちらのほうが多いのかはっきりしない場合は、限定承認制度を利用することができます。限定承認制度とは、相続を受けた人がプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を引き継ぐことができる制度のことを言います。

限定承認とはこの制度を使えば、万が一マイナスの財産がプラスの財産よりも多いような場合でも、引き継ぐマイナスの財産はプラスの財産の範囲内に抑えることができます。ただし、この限定承認制度はすべての相続人が「共同」で行わなければならず、また清算手続きが必要となるなど極めて使いにくいというデメリットもあります(相続放棄は各相続人単独で可)。

 

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相続放棄の手続きと全体の流れ

では、相続放棄を行う際の手続きの流れを確認していきましょう。一般的な相続放棄の流れは以下の通りです。

 

①相続放棄にかかる費用を準備する

相続放棄には以下の費用がかかるので用意しましょう。

 

  1. 収入印紙代:800円
  2. 郵便切手代:裁判所によって金額が異なる

 

相続放棄手続きの代行を依頼した場合の費用

相続放棄手続きの代行費用は、安い事務所では1人につき3万円程度のところもあります。相続放棄の手続きを相続を得意としている弁護士などに依頼する場合には、【こちら】からご検索いただくのが早いかと思います。

 

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②相続放棄に必要な書類を用意する

相続放棄には3種類の書類が必要です。

 

  1. 相続放棄申述書(※)(相続放棄の意思表示を記した書類)
  2. 被相続人の住民票除票又は戸籍附票
  3. 申し立てる人の戸籍謄本

 

(※)相続放棄申述書

 

以下には、相続放棄申立人である相続人と被相続人との関係によって必要となる書類を記載します。

 

申立人が被相続人の配偶者の場合

上記の①〜③に加えて、「被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本」が必要になります。

 

申立人が被相続人の子供や孫(代襲者)の場合

上記の①〜③に加えて下記の書類が必要になります。

  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 申立人が孫の場合、本来の相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
     

申立人が被相続人の両親や祖父母(直系尊属)の場合

上記の①〜③に加えて下記の書類が必要になります。

  • 被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の子供で死亡者がいれば、その子供の出生時から死亡時までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の直系尊属に死亡者がいれば、その者の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

 

申立人が被相続人の兄弟姉妹や甥姪の場合

上記の①〜③に加えて下記の書類が必要になります。

  • 被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の子供で死亡者がいれば、その子供の出生時から死亡時までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  • 申立人が甥姪の場合、本来の相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本

 
(関連記事:相続放棄の必要書類すべてと相続放棄をすべきでないケース)
 

③相続放棄の全体スケジュール

必要な費用・書類が準備できたら家庭裁判所に対して申述書等を提出して、申立てます。

 

なお、申述手続きを行うまでの時間は、簡単な事案であれば、実働2時間もあれば完了するでしょう。

 

相続手続きの内容と作業時間の目安

相続放棄の手続き内容

作業時間の目安時間

役所で戸籍謄本等を集める

20分

相続放棄申述書記入

20分

切手、印紙購入

10分

裁判所へ相続放棄申述書を提出してから裁判所で相続放棄の意思確認

30分

 

相続放棄の手続きから手続き完了までの期間

相続放棄の手続き期間

内容

約1日

相続放棄申述書をコピー
切手・印紙購入
戸籍謄本の収集
相続放棄申述書の作成

約1日

必要書類を全て提出
相続放棄の意思を確認

約1週間

裁判所に資料を提出してから3〜4日後に、郵送で『相続放棄申述受理通知書』が届きます。

 
簡素な事案で、かつスムーズに進めば約1週間前後で相続放棄の手続きは完了すると思われます。

 

④財産調査を行う

相続人となったらまずは相続財産の調査を行いましょう。相続財産には大きく分けて、

 

  • 預貯金
  • 不動産

 

があります。預貯金は預金通帳や金融機関からの郵送物により確認し、不動産は固定資産税通知書や名寄帳により確認することができます。

また、マイナスの相続財産についても調べなければなりません。この場合も郵便物や預金通帳から確認することができます。預金通帳に定期的な支払いがあるような場合には注意しましょう。

 

相続をするかしないかの判断は、相続財産の内訳でプラスとマイナスどちらの方が多いのかが焦点となります。

 

プラスの財産とマイナスの財産のどちらが多いか

 

意思決定をする前に、被相続人が利用していた金融機関や所有している不動産などの調査を念入りに行いましょう。

 

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⑤家庭裁判所に相続放棄を申し立てる

財産調査の結果、プラスの相続財産より、マイナスの相続財産が多ければ、「被相続人の住民票の届出のある場所を管轄する家庭裁判所」へ相続放棄を申し立てましょう。

 

(関連記事:相続放棄の申述書|申述書の書き方と手続きに必要な書類)

 

相続放棄の申述を行う人

原則的に、相続放棄の申立ては相続人本人が行います。もし相続人が未成年である場合は、その親などの法定代理人によって申し立てることになります。

 

相続放棄の申立先

被相続人の最後の住所地の家庭裁判所になります。管轄裁判所を調べたい方は「こちら」をご覧ください。

 

また、相続放棄の申立てには、相続が始まったことを知ってから3ヶ月以内に行わなければならないというタイムリミットがあるため注意が必要です。このタイムリミットの詳しい点については後述します。

 

▶︎相続放棄の手続きに関する期限は3ヶ月
 

⑥相続放棄申立後に照会書が届く

家庭裁判所に相続放棄を申立てると、約10日後に家庭裁判所から相続放棄に関する照会書が送付されます。送付書には回答を記入する点があり、必要事項を記入し家庭裁判所へ再送する必要があります。

 

⑦相続放棄が許可されれば相続放棄申述受理通知書が届く

その後約10日間が経過すると、家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が送付されます。これにより、相続放棄が正式に認められたことになります。

 

相続放棄申述受理証明書というものある

相続放棄申述受理通知書とは、相続放棄の手続きが完了したことを書面で残すために交付されますが、もし紛失しても再発行は一切できません。ただし、通知書を紛失してしまった場合でも、「相続放棄申述受理証明書」を別途発行してもらえば問題ありませんので、ご安心ください。

 

(関連記事:相続放棄申述受理証明書を提出してマイナス財産の名義変更をしよう)

 

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相続放棄の手続きをする際の注意点

相続放棄の手続きは、民法に定められる「単純承認」事由がある場合には認められません。具体的に言うと、

 

  • 相続人が相続財産の全部、または一部を処分した
  • 3ヶ月内に限定承認または相続放棄をしなかった
  • 相続財産の隠匿

 

このような場合には単純承認とみなされプラスの財産とマイナスの財産両方を相続することになります。

 

 

相続放棄の手続きに関する期限は3ヶ月

基本的に、相続放棄の申し立てを行う期限は相続の開始を知って(被相続人が亡くなった日)から3ヶ月以内になります。しかし、相続財産の財産調査がスムーズに進まないケースでは、3ヶ月以内に相続放棄するかどうかの判断が難しい場合があります。以下の状況についてそれぞれ見ていきましょう。

 

3ヶ月の期限を過ぎそうな場合

財産調査が困難を極めるなど、やむをえない事情によって3ヶ月以内に相続放棄の判断が難しい場合には、「相続放棄のための申述期間伸長の申請」を家庭裁判所へ行いましょう。

 

相続放棄のための申述期間伸長の申請

 

伸長=延長』と考えていただいて問題ありませんが、この申請は相続することを知ってから3ヶ月以内に行う必要があります。


申立てには以下の書類が必要です。
 

  • 申立書

  • 被相続人の住民票除票又は戸籍附票

  • 利害関係人からの申立ての場合は利害関係を証する資料(親族の場合、戸籍謄本等)

  • 伸長を求める相続人の戸籍謄本

 

相続放棄申立人と被相続人との関係によっては、別途必要となる書類を追加する必要があります。その書類は、相続放棄申述申立てに必要な書類と同様です。

 

(関連記事:相続放棄の必要書類すべてと相続放棄をすべきでないケース)

 

3ヶ月の期限を過ぎてしまった場合

申請期間である3ヶ月を過ぎてから相続放棄を行うことは、非常に難しいと言わざるを得ません。事情によっては相続放棄が認められる可能性があるため、弁護士などの専門家に相談しましょう。

 

(関連記事:相続放棄の期限は相続開始から3ヶ月以内|期限が過ぎた場合の対処法)

 

 

  1. 相続放棄の期限が迫っている!
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相続放棄の手続きをする際に知っておくべきこと

最後に、相続放棄を行う際に知っておくべきことを見ていきましょう。

 

相続放棄手続きは郵送のみでも可能

相続放棄の手続きを行う上で必要な書類が全て揃っていれば郵送でも問題はありません。ただし、裁判官が審理をするにあたって面接などを求めてきた場合は従わなければなりませんので、その場合は裁判所へ出向く必要は出てきます。

 

相続放棄と生命保険金や遺族年金の受け取りについて

相続放棄を選択し、被相続人が所有していた一切の相続財産を放棄した場合であっても、生命保険金や遺族年金の受け取りは可能です。その理由は、生命保険金や遺族年金は、相続人に直接支払われるもので、相続財産に含まれるものではないからです。

 

受取人が指定されている生命保険金と、受給権者を遺族と定めている遺族年金は、受取人と受給権者それぞれの固有の財産となります。そのため、相続放棄を選択しても生命保険金と遺族年金の受け取りは可能なのです。

 

相続放棄を原因とする場合、代襲相続は発生しない

もし相続放棄をした場合、その相続人は初めから相続権を持っていなかったことになります。そして、死亡と異なり、当該相続人が相続開始前に死亡した場合のように、相続放棄を原因として代襲相続が起きることはありません。例えば「父親が亡くなり配偶者と子供が法定相続人となった場合」、先に子供が亡くなっていた時はその子供(孫)が代襲相続します。しかし、このケースで子供が死亡したのではなく、単に相続放棄をした場合は、その子供(孫)は法定相続人にはなれません。

(関連記事:相続放棄をした場合に代襲相続はできない|再代襲相続の条件)

 

不動産を相続する場合は不動産査定の結果を見て判断すべき

もし不動産と借金のどちらも相続する可能性がある場合、不動産の価値がわからなければ相続放棄の決断も難しくなります。不動産査定の結果、高く売却できそうであれば当然相続放棄はしないほうが有利になるでしょう。

 

ただし、相続放棄の期限は3ヶ月ですので、もし時間がない場合はすぐに不動産の査定かから依頼すべきだとは思います。もし判断に迷った場合は、相続放棄に詳しい弁護士に相談されるのが良いでしょう。

 

相続人全員が相続放棄した場合、財産は国のモノになる

相続放棄をして行き場のなくなった財産が、最終的にプラスとなるのであれば、その財産は国のものになります。そうなる前に財産を分け与えるべき人がいないかを調べたり、残された財産のなかから借金を平等に返済したりする必要が生じます。

(関連記事:相続人全員が相続放棄をした場合はどうなるのか?)

 

相続放棄の手続きをラクに済ませる方法

相続放棄の手続きは3ヶ月という期限のなかで以下のことを行わなければなりません。

 

  • 財産調査(不動産の評価を含む)
  • 相続放棄申述書の作成
  • 相続放棄の申し立て

 

相続が発生すると様々な手続きや行事で非常に忙しくなります。

 

  • 相続放棄に時間を割くことが難しい
  • 相続放棄をするかどうかの判断が難しい
  • 提出書類がわからない

 

などの事情があれば、相続問題を得意とする弁護士に相談することでラクに相続放棄を済ませることができます。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

相続放棄をするかどうかのポイントはプラスの財産とマイナスの財産、どちらが多いかというところです。この判断をするための不動産の評価や財産調査はある程度時間がかかります。相続放棄の申し立ては3ヶ月という期限があるため相続が開始したら直ぐに取り掛かりましょう。もしご自分で期限内に申し立てを行うことが難しいようであれば、相続問題を得意とする弁護士にご相談ください。

 

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この記事の監修者
川崎相続遺言法律事務所
関口 英紀 弁護士 (神奈川県弁護士会)
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本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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