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110万円の贈与で節税をする際に知っておくべき6つのこと
2016年02月12日

110万円の贈与で節税をする際に知っておくべき6つのこと

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相続税に多少なりとも関心がある方は、「毎年110万円を贈与することで相続税が抑えられる」という内容を耳にしたことがあると思います。しかし、この情報だけを鵜呑みにして、毎年110万円を贈与し始める人も少ないでしょう。
 
しっかりと、生前贈与と相続税の仕組みを理解した上で、節税に移らないと、後々思わぬ相続税が生じてくることも考えられます。ただ、他のサイトを見てみても、相続税に関する内容はずいぶん難しく書かれていることが多く、理解しづらい部分があるのも確かでしょう。
 
今回は、生前贈与で節税をする際の仕組みと注意点をなるべく分かりやすく解説していきたいと思います。

 

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生前贈与に関する決まり

それではまず、相続と生前贈与の違いを簡単にご説明しましょう。相続とは、ご存知の通り被相続人が亡くなった際に、残った遺産を相続人(親族)に分配することです。一方、生前贈与は、被相続人が生前のうちから、親族に資産を譲り渡す事です。

 

相続や贈与など、まとまった金額を本人以外に渡す際は税金が関わってきます。それぞれ相続税と贈与税です。

 

それぞれ基礎控除がある

そして、それぞれの税金に基礎控除があります。相続税は3,000万円+(600万円×法定相続人数)で、贈与税は1月1日から12月31日の1年間の間で110万円です。相続は突然訪れます。

 

例えば、1億円の多額の資産がある方が、亡くなってしまえばその1億円に相続税が関わってきます。そこで、定年後から毎年10年間110万円ずつ贈与することで、贈与税をかけずに相続する資産を減らし、結果的に相続税を抑えられます。

 

生前贈与は複数の人物に対して可能

確かに生前贈与は、控除額110万円となっており、多額の貯金などをまとめて贈与すると贈与税が掛かってしまいます。毎年毎年ちまちまと110万円ずつしか贈与できないのでしょうか?

 

しかし、生前贈与は❝1人あたり❞の控除額が110万円です。これは相続人となり得る人物であれば複数の人物に贈与が出来るということです。

 

つまり、妻と子供が二人いたのであれば、年間それぞれ110万円、合計で330万円まで控除額で贈与することが出来ます。贈与できる相手は、子供の配偶者や孫にまで可能ですので、1年間で大人数にそれぞれ贈与することも可能です。

 

通常の相続と110万円贈与の税金の違い

では、具体的に例をあげてみましょう。相続税に関して詳しくは「相続税を簡単に計算する方法」をご覧ください。
 

贈与をしていなかった場合

Aさんが3億円の資産を所有したまま亡くなりました。そして、法定相続人は妻・子供2人の合計3名です。基礎控除が3,000万円+600万円×3名になるので、4,800万円となります。

 

よって、基礎控除後の遺産が2億5,200万円です。2億円以上3億円以下の相続税率が45%と控除額が2,700万円です。なので、2億5,200万円×0.45-2,700万円=8,640万円。つまり、この場合、8,640万円が相続税となります。

 

 

 

 

10年間、毎年110万円を法定相続人3人に贈与していた場合

一方、Bさんも3億円を所有しています。Bさんは生前から法定相続人になる妻・子供2人にそれぞれに毎年110万円ずつ合計10年間贈与をしました。つまり、合計で3,300万円を贈与したことになります。

 

このことから、Bさんが亡くなった時の遺産は2億6,700万円です。そこから基礎控除額4,800万円を引き、2億1,900万円が相続税の課税対象になります。そこに税率と控除額を引くと、2億1,900万円×0.45-2,700万円=7,155万円。7,155万円が相続税となります。

 

 

 

 

 

 

 

 

AさんとBさんの税金の差は1,485万円

Aさん(8,640万円)とBさん(7,155万円)の相続税を比較すると、相続税が1,485万円も違ってきます。確かに所有の資産が多いということもありますが、生前贈与をしていることで節税が出来ることは確かです。

 

相続税の基礎控除は3,000万円からですので、なかなか規模の大きな話に感じられますが、持ち家を持っている場合、資産が3,000万円を超えることも十分に考えられるでしょう。

 

銀行に眠っていて、後で相続税としてかかってくるお金があるのであれば、生前から110万円の贈与を行ない、税金を抑えることが賢い方法と言えるでしょう。

 

生前贈与を110万円以内にする場合の注意点

いかがでしょうか。生前贈与を110万円に抑えることで、節税効果があることがご理解いただけたでしょうか。「生前、1年間に1人110万以内を贈与すれば、贈与税がかからずに資産を先に分配でき、結果的に相続税が抑えられる。」ということは間違いありません。

 

しかし、110万円の贈与をするにあたって、いくつかの注意点があります。こちらでは、その注意点を記載します。

 

贈与税の税率は相続税よりも高い

生前贈与に関して、110万円という金額が必ず出てきますが、これは、贈与税の基礎控除額が110万円で、その金額以内であれば税金がかからないということです。すなわち、110万円を超えると贈与税がかかります。更に、贈与税の税率は相続税より高く設けられています。管理が甘く、基礎控除額を超えてしまうと結果的に相続税を払うより損をしてしまうのです。詳しくは、以下の表をご覧ください。

 

 
基礎控除額後の金額

贈与税

 
相続税

右以外

直系尊属

税率

控除額

税率

控除額

税率

控除額

~200万円

10%

0円

10%

0円

 
 
10%

 
 
0円

200万~300万円

15%

10万円

15%

10万円

300万~400万円

20%

25万円

400万~600万円

30%

65万円

20%

30万円

600万~1,000万円

40%

125万円

30%

90万円

1,000万~1,500万円

45%

175万円

40%

190万円

15%

50万円

1,500万~3,000万円

50%

250万円

45%

265万円

3,000万~4,500万円

 
 
 
55%

 
 
 
400万円

50%

415万円

20%

200万円

4,500万~5,000万円

 
 
55%

 
 
640万円

5,000万~1億円

30%

700万円

1億~2億円

40%

1,700万円

2億~3億円

45%

2,700万円

3億~6億円

50%

4,200万円

6億円~

55%

7,200万円

 

 

現金・貯金の贈与はやり取りの証拠が必要

また、1年間で110万円以内の贈与となると、家や土地等の高額な資産を生前贈与すると、贈与税がかかってしまいます。そこで、生前贈与はほとんど、現金や預貯金のやり取りになるでしょう。

 

家や土地の場合、名義人が変わるのでしっかり形に残りますが、お金の場合、そうはいきません。贈与のやり取りが残っていないと、相続の際に贈与したはずのお金が被相続人のものとみなされ、相続税がかかることもあります。方法として、以下の様なものがあります。

 

贈与契約書を作成し、公証役場で日付を取っておく

送金した記録を銀行振込などで形に残す

基礎控除額を少し上回るようにし、贈与税の申請と納付をする

 

毎回形に残すこと

上記の内容に関連しますが、毎年110万円を決まって贈与するから、「3年に一回だけ書類を作成した」などと、横着をしてしまうと、まとめて贈与されたと判断され、相続税がかかるケースが出てきます。必ず、贈与をする度に形に残すようにして下さい。

 

贈与を受けた人も認識している必要がある

例えば、父親が贈与しようと一方的に息子の口座に贈与したとします。しかし、ここで贈与を受けた息子が「贈与を受けた」という認識が無ければ、「父親が息子の口座を借りて預貯金をしていた」とも判断されてしまいます。

 

そうなってしまうと、贈与したつもりのお金が相続税の対象になってしまいます。結果的に110万円の贈与は失敗です。そのような事態にならないためにも、贈与する側だけでなく、贈与を受ける側の認識も必要になります。

 

贈与後3年以内に相続があった場合は相続税に加算される

生前贈与の事を正式には「還暦贈与」と言いますが、将来相続が発生する(つまり、被相続人が亡くなる)事を見据えて、生前贈与を考える人もいるでしょう。還暦贈与は、相続開始の3年以内に贈与したものは相続財産として加算されてしまいます。

 

これは、相続直前で相続税を回避する事を防ぐためにこの制度があります。相続開始=被相続人が亡くなった日になり、それをコントロールすることは不可能です。なので、贈与による相続税の節税は、前もって計画的に行う必要があります。

 

 

 

まとめ

いかがでしょうか。毎年110万円以内の贈与をすることで、相続時の財産を減らし、相続税の節税に繋がります。しかし、前もってコツコツと行なう必要があり、大きな金額を一度に贈与できる訳ではありません。また、贈与したという証拠も形に残さなければなりません。

 

しかし、前もって準備をしておくことで節税だけではなく、相続時のトラブルも防げます。資産が多く、相続の事が心配な方は、早い段階から税理士などの専門家に相談し対策を取って下さい。

 

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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