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贈与契約書の書き方|ひな形付きで記載例や注意点を解説

司法書士法人永田町事務所
加陽麻里布(司法書士)
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贈与契約書(ぞうよけいやくしょ)とは、確実に贈与があったことを第三者や税務署が見ても証明できるように、贈与者と受贈者間で結ぶ書面のことをいいます。

贈与をする際、あまり贈与契約書の存在を意識することは少ないですが、この契約書があることで税務署からつっこまれるというリスクが少なくなるので、作成しておくことで有効な証明手段になるでしょう。

今回は、そんな贈与契約書の書き方やサンプルを紹介するとともに、贈与をおこなう際の注意点を紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

*本記事の専門家による監修日は2023年7月12日です。

生前贈与について

弁護士に相談するメリットとは?

生前贈与は、相続前に財産を減らすことで、節税効果が期待できるという大きなメリットがある一方、相続人の間におけるトラブル原因にもなりやすいです。

 

その点、弁護士は、相続トラブルを解決する立場にあるため、生前贈与絡みの案件も扱うことが多く、豊富な経験を元に「どのような策をとればよいか」アドバイスをすることが可能です。

 

・生前贈与に関する相続トラブルを未然に防ぎたい

・生前贈与が絡んだ相続トラブルに悩んでいる

 

このような方は、まず無料相談などを気軽に活用してみましょう。

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この記事に記載の情報は2023年12月05日時点のものです

贈与契約書を用意する必要性

まずは、贈与契約書を作成する必要性やメリットについて紹介します。

贈与が確実にあったことを証明するために有効

民法550条では、書面を残さない贈与は撤回できるとされています。

したがって、贈与者が口頭で贈与をしたい旨を受贈者に伝えても、受贈者側から単独でその契約を撤回できてしまうのです。

贈与者が確実に贈与をしたいという意思があるならば、必ず書面にてその意思を残しておく必要があります。

そこで重要となるのが贈与契約書です。

(書面によらない贈与の撤回)

第五百五十条  書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。

引用元:民法第550条

税務署から贈与を否認される危険性を防ぐ

贈与は生前から少しずつ子どもや孫に財産を渡していく、暦年贈与が一般的で、毎年1月1日から12月31日までの間に110万円までの財産贈与なら非課税になるという仕組みです。

この110万円の範囲内であれば、財産の贈与に関して贈与税がかからないのですが、毎年同じ時期に継続して贈与していると、最初からまとまった贈与するつもりだったとみなされてしまう可能性があります。

税務署に贈与を否認されると、それまで110万円の非課税内で贈与してきた財産に贈与税がかかるという事態にもなりかねないので、贈与契約書を作成しておくことで、まとめて贈与していると言われる事態を防ぐことができます。

名義預金とされる可能性をなくす

名義預金とは、親族に名義を借りて預金していることをいい、たとえば・・・

  1. 税務署「奥さんは働いていましたか?」

  2. あなた「いいえ、専業主婦でした

  3. 税務署通帳に5,000万円の残高がありますがこれはどうしたんですか?」

  4. あなた「生活費として夫からもらって貯めていました。」

  5. 税務署「では、5,000万円はご主人からの贈与なので贈与税の支払いがあります」

と、なり得るのが名義預金です。

通常、贈与には生活費などを渡すことは贈与税の対象にはならないとされています。

ここでいう生活費は、その人にとって通常の日常生活に必要な費用のことをいいますので、それを預金したり、株式や不動産などの買入資金に充てている場合には贈与税がかかるとされています。

つまり、夫婦間の贈与であっても貯金をしていると贈与税の扱いになりますし、孫への贈与でも同じようなことがいわれます。

「名義預金」とされないよう、いつでも受贈者本人が口座からお金を引き出せる状態であるという事実が必要ですし、都度契約書に残しておくことが大事です。

名義預金が課税対象になることを防ぐことについてより詳しく知りたい場合はこちらの【名義預金として相続税の課税対象になる事を防ぐ3つの方法】もご覧ください。

贈与する種目別|贈与契約書の書き方と文例

次に、贈与契約書にどんなことを書いておくべきなのか、サンプルと一緒に見ていきましょう。

贈与契約書に記載すべき項目

贈与契約書を自分で作るとき、以下のポイントに気を付けましょう。

  1. 贈与をおこなった日付

  2. 誰から誰へ贈与したか

  3. 贈与したものはなにか?

  4. 贈与者と受贈者の住所と氏名

    1. 不動産の場合は「住所」ではなく「所在・地番」

    2. 200円の収入印紙を貼る

  5. 贈与者の実印を使用

  6. 受贈者が未成年なら受贈者名と受贈者の親権者名を書く

  7. 公証役場で「確定日付」をもらうとベスト

この7項目を念頭において、書いていただければ隙のない贈与契約書になるでしょう。

預金(現金)を贈与する場合のサンプル

贈 与 契 約 書

贈与者 アシロ太郎(以下「甲」という)は、受贈者 アシロ花子(以下「乙」という)と、下記条項により贈与契約を締結する。

第1条 甲は、現金500万円を乙に贈与するものとし、乙はこれを受諾した。

第2条 甲は、第1条に基づき贈与した現金を、20●●年●●月●●日までに、乙が指定する銀行預金口座に振り込むものとする。

この契約を締結する証として、この証書2通を作成し、甲乙双方が記名捺印

のうえ、各1通を保有するものとする。

令和__年__月__日

 

(甲)住所  東京都新宿区●—●●—●●  

氏名  アシロ太郎         印

 

(乙)住所  東京都新宿区●—●●—●●  

氏名  アシロ花子         印

不動産を贈与する場合

贈 与 契 約 書

贈与者 アシロ太郎(以下「甲」という)は、受贈者 アシロ花子(以下「乙」という)と、下記条項により贈与契約を締結する。

第1条 甲は、甲の所有する下記の財産を乙に贈与するものとし、乙はこれをした。

(土地)

所在 ●●区●●丁目

地番 ●●●●●●●●

地目 ●●●●●●●●

地積 ●●●●平米

持分 10分の1

(建物)

所在   ●●区●●丁目●●

家屋番号 ●●●●●●●●

種類   住宅

構造   木造●●●●

床面積  ●●●●平米

第2条 甲は、第1条に基づき贈与した財産を、20●●年●●月●●日までに、乙へ引き渡し、かつ、本件不動産の所有権移転登記手続をおこなう。

なお、所有権移転登記の申請手続きに要する費用は乙の負担とする。ただし、本物件の贈与に要する所有権登記名義人の住所、氏名の変更登記に関する費用は甲の負担とする。

第3条 本件不動産に賦課される公租公課は、引渡日を基準とし、引渡日前日までは甲、引渡日以後は乙の負担とする。

第4条 甲は、乙に対し、本件不動産が契約の内容に適合しない場合又は本契約前に滅失している場合であっても、その責任を負わない。 

この契約を締結する証として、この証書2通を作成し、甲乙双方が記名捺印

のうえ、各1通を保有するものとする。

令和__年__月__日

(甲) 住所  東京都新宿区●—●●—●●  

    氏名  アシロ太郎         印

 

(乙) 住所  東京都新宿区●—●●—●●  

    氏名  アシロ花子         印

株式を贈与する場合

贈 与 契 約 書

贈与者 アシロ太郎(以下「甲」という)は、受贈者 アシロ花子(以下「乙」という)と、下記条項により贈与契約を締結する。

第1条 甲は、甲の所有する下記の財産を乙に贈与するものとし、乙はこれを受諾した。

(1)●●●●●●株式会社    ●口

(2)●●証券          ●株

第2条 甲は、第1条に基づき贈与した財産を、20●●年●●月●●日までに、乙へ引き渡すとする。

第3条 贈与者及び受贈者は共同して、贈与日以降速やかに、会社に対し株主名簿記載事項の書換の請求をおこなうものとする。 

この契約を締結する証として、この証書2通を作成し、甲乙双方が記名捺印

のうえ、各1通を保有するものとする。

令和__年__月__日

 

(甲) 住所  東京都新宿区●—●●—●●  

    氏名  アシロ太郎         印

 

(乙) 住所  東京都新宿区●—●●—●●  

    氏名  アシロ花子         印

贈与契約書作成時や贈与をおこなう際に気をつけるべき注意点

次に、贈与契約書を書く際や、贈与をおこなう際の注意点を紹介します。

不動産を贈与する場合は印紙が必要

不動産などを贈与するときは200円の印紙を貼る必要があります。

不動産の印紙代は、契約金額によって金額が異なるので、場合によっては200円以上かかるケースもありますが、贈与をする際に金額を記載しなければ200円の印紙を貼っておけば問題ないとされています。

署名押印は自筆しておくほうが無難

全部パソコンなどで作ってしまうと、本人以外でも作成できてしまう契約書になりますので「本当に本人が契約したもの」という信憑性を持たせる意味でも、署名押印は自筆しておくのが良いでしょう。

連年贈与にならないように注意する

毎年繰り返し贈与をおこなうことで一括財産であったとみなされる危険性もあるので、下記のような対策をしておくとよいでしょう。

  • 贈与月日を毎年違う日にする

  • たまには違う財産を贈与する

  • 贈与額をちょっと変える など

元気なうちに贈与する

贈与がおこなわれてから3年以内に贈与者が亡くなってしまうと、贈与財産に加算され、相続税の課税対象となってしまいます。

2023年改正では、その期間が段階的に7年まで延長されます。

2023年12月31日までにおこなわれた贈与であれば、亡くなる3年までの間の贈与が生前贈与加算の対象となりますが、2024年1月1日以降におこなわれた贈与であれば、亡くなる4年から7年前までの贈与も対象とされてしまいます。

したがって、生前贈与契約によって贈与した日にちを明確にすること、さらには、なるべく早いうちに契約を交わし課税対象となるリスクを回避することをおすすめします。

贈与契約書の作成を専門家に依頼すべきケース

不動産を贈与する場合

不動産贈与は多くの場合で基礎控除額(110万円)を超えるケースが出てきます。

そのため、一般的な暦年贈与よりも、「相続時精算課税制度」や「配偶者控除」などを利用するのがよい一方、贈与契約・登記・贈与税の申告が一緒に迫ってきますので、手間なくスムーズにおこなうには、贈与契約書の作成を司法書士や税理士などの専門家に相談するのが無難です。

費用について心配な点もあるでしょう。

その際は【税理士に依頼した場合の費用の相場】の記事も参考にしてください。

過去分の贈与に対しても作成したい場合

過去分の贈与に対して贈与契約書を作るのは、税務署から明らかな税金逃れとみなされる可能性が高くなるので、あまりおすすめはできません。

ただ、どうしても作成したいとなった場合には、税理士などの専門家に相談し、どういった内容で作成すればよいかを聞いてみましょう。

株式を贈与する場合

株式を贈与する場合、たとえば同族会社の株式が贈与されると、「法人税申告書」「株主名簿」などの書類名義が変更になり、手続きが少々面倒になりますので、こういったケースでも専門家に相談したほうがよいでしょう。

今3パターンを例に挙げてみましたが、これ以外でも迷ったらまずは専門家に相談してみることをおすすめします。

贈与に詳しい知人などがいる方もそこまでいないでしょうので、正しい知識を得るという意味でも、プロの意見は聞いておくことをおすすめします。

まとめ

贈与契約書に関する内容は以上になります。

今回の内容を参考に、贈与契約書の作成のお役に立てば幸いです。

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この記事の監修者
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加陽麻里布(司法書士)
司法書士法人永田町事務所代表。東京司法書士会理事。上場会社からベンチャー企業の法務手続を幅広く扱う。上場準備、ファンド組成、ストックオプションの設計から発行まで、ワンストッ プで対応します。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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