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みなし相続財産とは|みなし相続財産について押さえておくべき事

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遺産相続を受けると、受け取った遺産の額に応じて相続税が課税されます。

それでは「遺産の額は少ないが多額の保険金が支払われた」というケースでは、小額の遺産にだけ相続税が課税されるのかというと、そうではありません。

被相続人の死亡によって生じた保険金や退職金などは「みなし相続財産」という扱いになり、相続税の課税対象になります。

相続では、みなし相続財産にあてはまるものに相続税が課税されるので注意が必要です。

この記事では、みなし相続財産にあたるもの・あたらないもの、みなし相続財産を相続する際の注意点などを解説します。

どのような財産がみなし相続財産に含まれるか知りたいあなたへ

どのような財産がみなし相続財産に含まれるかわからず悩んでいませんか?

結論から言うと、生命保険金、死亡退職金、弔慰金、定期金などがみなし相続財産に含まれます。

みなし相続財産の取り扱いや発生する税金について知りたい場合、まずは弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

また、弁護士に相談することで以下のようなメリットを得ることができます。

  • どのような財産がみなし相続財産に含まれるか教えてもらえる
  • 依頼すれば、みなし相続財産をめぐる相続トラブルを未然に回避できる

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みなし相続財産とは?相続財産との違い

「みなし相続財産」とは、相続や遺贈などで継承された財産ではないものの、それらと同じような経済的効果をもつ財産をいいます。

つまり、「相続財産ではないが、法律によって相続財産と同じように扱われる財産」のことです。

(相続又は遺贈により取得したものとみなす場合)
第三条 次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該各号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなす。この場合において、その者が相続人(相続を放棄した者及び相続権を失つた者を含まない。第十五条、第十六条、第十九条の二第一項、第十九条の三第一項、第十九条の四第一項及び第六十三条の場合並びに「第十五条第二項に規定する相続人の数」という場合を除き、以下同じ。)であるときは当該財産を相続により取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当該財産を遺贈により取得したものとみなす。
一 被相続人の死亡により相続人その他の者が生命保険契約(保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第三項(定義)に規定する生命保険会社と締結した保険契約(これに類する共済に係る契約を含む。以下同じ。)その他の政令で定める契約をいう。以下同じ。)の保険金(共済金を含む。以下同じ。)又は損害保険契約(同条第四項に規定する損害保険会社と締結した保険契約その他の政令で定める契約をいう。以下同じ。)の保険金(偶然な事故に基因する死亡に伴い支払われるものに限る。)を取得した場合においては、当該保険金受取人(共済金受取人を含む。以下同じ。)について、当該保険金(次号に掲げる給与及び第五号又は第六号に掲げる権利に該当するものを除く。)のうち被相続人が負担した保険料(共済掛金を含む。以下同じ。)の金額の当該契約に係る保険料で被相続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分
二 被相続人の死亡により相続人その他の者が当該被相続人に支給されるべきであつた退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与(政令で定める給付を含む。)で被相続人の死亡後三年以内に支給が確定したものの支給を受けた場合においては、当該給与の支給を受けた者について、当該給与
三 相続開始の時において、まだ保険事故(共済事故を含む。以下同じ。)が発生していない生命保険契約(一定期間内に保険事故が発生しなかつた場合において返還金その他これに準ずるものの支払がない生命保険契約を除く。)で被相続人が保険料の全部又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が当該生命保険契約の契約者であるものがある場合においては、当該生命保険契約の契約者について、当該契約に関する権利のうち被相続人が負担した保険料の金額の当該契約に係る保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分
四 相続開始の時において、まだ定期金給付事由が発生していない定期金給付契約(生命保険契約を除く。)で被相続人が掛金又は保険料の全部又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が当該定期金給付契約の契約者であるものがある場合においては、当該定期金給付契約の契約者について、当該契約に関する権利のうち被相続人が負担した掛金又は保険料の金額の当該契約に係る掛金又は保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分
五 定期金給付契約で定期金受取人に対しその生存中又は一定期間にわたり定期金を給付し、かつ、その者が死亡したときはその死亡後遺族その他の者に対して定期金又は一時金を給付するものに基づいて定期金受取人たる被相続人の死亡後相続人その他の者が定期金受取人又は一時金受取人となつた場合においては、当該定期金受取人又は一時金受取人となつた者について、当該定期金給付契約に関する権利のうち被相続人が負担した掛金又は保険料の金額の当該契約に係る掛金又は保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分
六 被相続人の死亡により相続人その他の者が定期金(これに係る一時金を含む。)に関する権利で契約に基づくもの以外のもの(恩給法(大正十二年法律第四十八号)の規定による扶助料に関する権利を除く。)を取得した場合においては、当該定期金に関する権利を取得した者について、当該定期金に関する権利(第二号に掲げる給与に該当するものを除く。)

引用元:相続税法第3条

ここで注目したいのが、「みなし相続財産を規定しているのが相続税法である」という点です。

相続税法は、相続や贈与について公平で適正な納税を確保することを目的としています。

つまり、みなし相続財産は「相続税法上の考え方」なのです。

相続財産との違い

相続に関して規定しているのは民法です。

民法は、相続について「なるべく公平な遺産分割が実現するように」という性格をもっており、現金・預貯金・不動産などを対象としています。

みなし相続財産は相続税法上の考え方であり、その目的は公平・適正な納税の確保です。

それぞれの目的が明確に異なるため、相続財産とみなし相続財産では対象範囲が異なります

みなし相続財産にあてはまるもの一覧

一例として、みなし相続財産にあてはまるものは以下のとおりです。

  • 生命保険金
  • 被相続人の死亡前3年間で贈与された財産
  • 死亡退職金
  • 弔慰金
  • 定期金
  • 特別縁故者への分与財産
  • 公共法人等から受ける利益
  • 信託受益権
  • 債務の免除 など

生命保険金

被相続人が生命保険に加入しており、死亡によって遺族が死亡保険金を受け取った場合は、保険金がみなし相続財産となります。

保険金は、被相続人がもともと持っていた財産ではないため相続財産ではありませんが、「遺産は小額だが多額の保険金を受け取った」というようなケースでは税の公平性が保たれません。

そのため、保険金はみなし相続財産として扱われ、相続税の課税を受けることになります。

また、被相続人が保険料の負担者であり、かつ保険金の受取人である場合でも、保険金はみなし相続財産となって相続税が課税されます。

生命保険の被保険者と支払人が異なる場合

「生命保険の対象となる被保険者が妻で、保険料を夫が支払っていた」というケースも多いでしょう。

この場合、夫が死亡すると、生命保険契約の権利はみなし相続財産となります。

生命保険契約に関する権利がみなし相続財産になった場合の課税評価額は、これまで支払ってきた保険料ではなく解約返戻金の金額です。

生命保険金の非課税額の計算方法

生命保険金の非課税額を算出するには、特殊な計算が必要です。

まずは「500万円×法定相続人の数」で非課税限度額を計算します。

そのうえで、次の数式をあてはめて、各相続人の非課税額を求めます。

保険金の非課税限度額×それぞれが受け取った保険金÷全ての相続人が受け取った保険金の総額(相続放棄した者は除く)=その相続人の非課税額

たとえば、死亡保険金5,000万円の生命保険に加入している被相続人が亡くなったとします。

相続人は配偶者と子どもで、受け取った金額は配偶者が3,000万円、子どもが2,000万円です。

この場合、まず非課税限度額は「500万円×法定相続人2人」なので1,000万円です。

次に、これを上の数式にあてはめて、妻と子どもの非課税額を計算してみましょう。

【妻の非課税額】

非課税限度額1,000万円×受け取った保険金3,000万円÷保険金の総額5,000万円

=非課税額600万円

 

受け取った保険金3,000万円-妻の非課税額600万円

=2,400万円がみなし相続財産として相続税が課税される

【子どもの非課税額】

非課税限度額1,000万円×受け取った保険金2,000万円÷保険金の総額5,000万円

=非課税額400万円

 

受け取った保険金2,000万円-子どもの非課税額400万円

=1,600万円がみなし相続財産として相続税が課税される

死亡退職金

被相続人の死亡によって支払われた退職金などのうち、被相続人の死亡後3年以内に支給が確定した手当はみなし相続財産になります。

ただし、死亡退職金には非課税枠が設けられています。

「500万円×法定相続人の数」を超えない場合は相続税が課税されません

死亡退職金の額が非課税枠を超える場合は、次の数式をあてはめて税額を算出します。

相続人が受け取った退職手当金の金額-非課税限度額×(相続人が受け取った退職手当金の金額/全ての相続人が受け取った退職手当金の同合計金額)=相続人が課税される退職手当金の金額

弔慰金

弔慰金とは、企業・団体などの雇用主が故人の功労に対して支給する金銭です。

勤続年数などの条件にしたがって、企業や団体が定めた金額が支給されます。

弔慰金のほか、雇用主からの花輪代や葬祭料は、名目にかかわらず一定額を超えると死亡退職金として扱われます

弔慰金などが死亡退職金として扱われるのは、次の要件を満たした場合です。

  • 被相続人の死亡が業務上の死亡であるとき:被相続人の死亡当時の普通給与×3年分
  • 被相続人の死亡が業務上の死亡ではないとき:被相続人の死亡当時の普通給与×半年分

定期金

定期金とは、個人年金などのように定期的に支給されるものをいいます。

被相続人が個人年金の掛け金を支払っていて、年金の受取人が配偶者や子どもになっていた場合は、年金もみなし相続財産です。

被相続人が死亡した時点では年金の給付が決定されていない場合でも、相続税が課税されます。

特別縁故者への分与財産

身体の不自由な被相続人の世話をしていた知人などは、家庭裁判所への請求によって「特別縁故者」として認められれば遺産の分与を受けられます。

(特別縁故者に対する相続財産の分与)

第九百五十八条の二 前条の場合において、相当と認めるときは、家庭裁判所は、被相続人と生計を同じくしていた者、被相続人の療養看護に努めた者その他被相続人と特別の縁故があった者の請求によって、これらの者に、清算後残存すべき相続財産の全部又は一部を与えることができる。

2 前項の請求は、第九百五十二条第二項の期間の満了後三箇月以内にしなければならない。

引用元:民法第958条の2

特別縁故者として遺産の分与を受けた場合の扱いは「遺贈」となり、みなし相続財産として相続税が課税されます。

なお、遺産の分与を受けた特別縁故者は、被相続人の配偶者や一親等の血族には該当しないため、相続税の2割加算を受けるという点には注意が必要です。

公共法人等から受ける利益

公益を目的とする法人に対して財産を遺贈した場合で、その法人が施設の利用や余裕金の運用について特定の者に特別の利益を与える法人であるときは、特別の利益を受けた者が「利益分の遺贈を受けたもの」とみなされます

信託受益権

信託とは、遺産を信託銀行などに預けて管理・運用を任せることをいいます。

被相続人が信託し、その利益を相続人などが受け取る場合は、みなし相続財産として相続税の課税対象となります。

債務の免除

「遺言によって被相続人に対する借金が帳消しになった」「遺産で第三者からの借金を肩代わりしてもらった」というケースでは、免除された債務がみなし相続財産となります。

【参考】相続財産一覧

相続財産とは、被相続人が所有していた財産のうち、金銭による見積もりができて経済的な価値をもつ全てのものを指します。

一例として、相続財産になるものは以下のとおりです。

  • 土地
  • 家屋
  • 借地権
  • 株式
  • 預貯金
  • 現金
  • 貴金属
  • 宝石
  • 書画
  • 骨董品
  • 自動車
  • 電話加入権
  • 立木
  • 金銭債権 など

ここであげた財産の権利や義務は、相続や遺贈によって相続人や受遺者に継承されます。

現金・預貯金・土地・家屋といった目に見える財産だけでなく、借地権や電話加入権などの権利も相続財産に含まれることを覚えておきましょう。

また、借金や未払金といった債務も「マイナスの財産」として相続財産に含まれるという点には注意が必要です。

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相続税がかからない財産一覧

相続・遺贈によって取得した財産には、原則として相続税が課税されます。

ただし、社会政策的な見地や国民感情を尊重するために、次にあげる財産については相続税が課税されません

宗教的な理由から礼拝に用いるもの

墓地・墓石・仏壇・仏具・そのほか神を祀る道具などで日常礼拝に使っているものについては、相続しても相続税は課税されません。

自宅の庭に神事の祠などがあれば、その敷地も非課税となります。

ただし、骨董的な価値があるなどの投資の対象になるものについては、相続税が課税される可能性があるので注意が必要です。

お悔やみにまつわるもの

故人の功労に対して支払われる弔慰金や、葬儀に際しての花輪代・葬祭料といったお悔やみにまつわる金銭は、一定の範囲内であれば相続税が課税されません。

被相続人が業務上の死亡であれば普通給与の3年分、業務上の死亡でなければ普通給与の半年分を超えないかぎり非課税です。

生命保険・退職手当金の非課税枠

生命保険の死亡保険金や死亡退職金は、それぞれ「500万円×法定相続人の数」を超えないかぎり非課税財産となります。

損害賠償金

被相続人が事件や事故によって死亡した場合は、損害賠償金として「慰謝料」のほか、生きていれば獲得できたはずの収入にあたる「逸失利益」などが加害者から支払われます。

これらは、死亡した被相続人ではなく遺族に対して支払われるものなので、相続財産にはあたりません

ただし、被相続人が死亡する前に損害賠償金を受け取ることが決まっていた場合は、損害賠償金を受け取る権利が相続財産となり、相続税が課税されます。

寄附金

相続した財産そのものを、相続税の申告期限までに国・公共団体・公共法人に寄附した場合は、相続税が課税されません。

ただし、寄附金が非課税となるのは、次の条件を満たしている場合に限られます。

  • すでに設立されている公共法人である
  • 寄附を受けた公益法人はその財産を2年以内に公益事業に用いる
  • 上記の寄附をおこなった人やその親族の税金が不当に安くならない

みなし相続財産について知っておくべきこと

みなし相続財産の対象となれば、相続税が課税されます。

思いがけず相続税の課税対象になってしまうものもあるので注意が必要です。

みなし相続財産にあたる財産については、さらに次のようなポイントも知っておくべきでしょう。

みなし相続財産は相続放棄をしても課税される

みなし相続財産とは、契約などに基づく固有の権利を持つ人が、被相続人の死亡をきっかけに享受した経済上の利益と定義されています。

たとえば、相続人以外の人が保険金を取得した場合、「遺贈で財産を取得したもの」とみなされ、相続税が課税されます。

また、相続を放棄して本来の相続財産は取得していなくても、被相続人の死亡に起因する保険金などを受け取っている場合は、その保険金などについて「遺贈によって取得したもの」とみなされ、相続税が課税されます。

保険料負担者によって税が異なる

被相続人が自ら契約して掛け金も自分で負担し、保険金の受取人も自分に設定していた場合、保険金は被相続人の財産として相続財産になります。

ただし、相続人が契約して掛け金も相続人が負担していた場合、被保険者が被相続人であっても相続財産にはなりません。

少し内容が複雑なので、ここでは「父親が亡くなって妻と子どもが相続人になる場合」を想定して各パターンを比較しましょう。

掛け金の負担者

被保険者

保険金の受取人

課税される税金

父(被相続人)

父(被相続人)

妻・子ども(相続人)

相続税

妻(相続人)

父(被相続人)

子ども(相続人)

贈与税

妻(相続人)

父(被相続人)

妻(相続人)

所得税

「生命保険の掛け金を誰が負担していたのか」「誰が保険金を受け取るのか」によって、課税される税金の種類は変化します。

保険金を給付する保険会社からもアドバイスがもらえるので、確認しながら納税漏れがないように注意しましょう。

原則的に遺産分割の対象にはならない

みなし相続財産は相続税法上の考え方です。

「遺産は相続人の間で分割される」というのは民法の定めであり、相続税法は遺産分割を定めるものではありません。

みなし相続財産を相続した場合は相続税が課税されますが、民法上の相続財産ではないので遺産分割の対象とはなりません

たとえば、死亡保険金は被相続人の死亡によって受取人に指定された人が獲得する固有の財産なので、相続人の間で分割する必要はないのです。

遺産分割に支障をきたす恐れがある

実際の遺産分割では、みなし相続財産があることで相続人の間でトラブルになるケースが少なくありません。

たとえば、「長男には実家の土地や建物を、次男には現金を残したい」と考えた被相続人が、現金の代わりとして生命保険の受取人に次男を指定したとします。

実際に相続が発生すると、長男は実家の土地や建物を、次男は保険金を受け取ることになりますが、次男は民法上の相続財産がゼロの状態なので、土地や建物について遺留分の請求ができます。

家族のために遺産を残しても、相続財産とみなし相続財産のバランスを考えていないと相続争いの原因になってしまいます

トラブルを回避するためには遺産分割に関する知識が必要なので、以下の記事も参考にしながらしっかりと学習しておきましょう。

みなし相続財産は原則として遺留分算定の対象外

原則として、みなし相続財産は遺留分の対象外です。

上記の養老保険契約に基づき保険金受取人とされた相続人が取得する死亡保険金請求権又はこれを行使して取得した死亡保険金は,民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないと解するのが相当である。もっとも,上記死亡保険金請求権の取得のための費用である保険料は,被相続人が生前保険者に支払ったものであり,保険契約者である被相続人の死亡により保険金受取人である相続人に死亡保険金請求権が発生することなどにかんがみると,保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生ずる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には,同条の類推適用により,当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持戻しの対象となると解するのが相当である。

引用元:平成16年10月29日最高裁判決|裁判所

これは、「死亡保険金の受け取りを特別受益として遺産分割に組み込むべきだ」と主張した原告の訴えが否定された事件の判決です。

「みなし相続財産は遺留分の対象にならない」という原則を示した、有名な判例だといえます。

ただし、判示されているとおり、保険金の受取人になった相続人とほかの相続人との間に著しい不公平が生じた場合は、受取人固有の財産として容認するわけにはいきません。

みなし相続財産は、原則として遺留分の対象にはならないものの、著しい不公平が生じている場合は遺留分の対象になるため注意が必要です。

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相続税額を抑えて相続税申告するなら、相続税が得意な税理士に依頼

「誰が相続税の申告をおこなっても、納める相続税額は同じ」と思っていませんか?

実は、その考えは間違っています。

税理士業務のなかでも相続税の申告は非常に特殊で、相続税の専門的な知識が求められます。

税理士ごとに、計算される相続税額が異なることも少なくありません。

ここでは、相続税が得意な税理士に依頼することで、相続税を抑えることにつながる理由について紹介します。

税理士にも得意分野がある

医者に外科や内科などの専門分野があるように、税理士にはそれぞれ得意にしている分野があります。

税理士になるためには、所得税法・法人税法・相続税法・消費税法または酒税法・国税徴収法・住民税または事業税・固定資産税のうち、所得税法と法人税法を含む3つの科目に合格することが求められます。

つまり、相続税について十分に勉強しないまま税理士になったという人も数多くいるのです。

一般的な税理士の仕事は、法人税や所得税の申告です。

全国の年間の相続税申告件数が約10万件であるのに対し、税理士は約8万人います(税理士登録者数|日本税理士会連合会)。

つまり、税理士一人あたりの相続税に関する対応件数は年間で1~2件程度が実状です。

全国には企業が400万社以上あることからも、いかに相続税の申告業務が稀であるか理解できるでしょう。

そのため、相続税の申告を数多くこなしている税理士は少なく、相続税の対応に注力していない税理士に依頼すると、本来であれば支払う必要のない金額を支払うような事態にもなりかねません。

相続税を抑えるために必要なこと

相続税を抑えるためには、相続財産(特に土地や家屋)を正しく評価することや、特例・各種控除などを適用させることが必要不可欠です。

預金や株式といった金銭価値がはっきりしているものであれば問題ありませんが、土地・家屋・車などの一般動産や家財一式などの評価は難しく、税理士・税務署によって解釈が異なることもあり、遺産の価値を過大に評価してしまうこともあるのです。

また、相続税について利用できる特例・各種控除などは適用条件が複雑なこともあり、条件を満たしていることに気づかなかったり、利用できるかどうかの判断が困難であったりする場合もあります。

なお、もし本来の金額よりも少ない金額を誤って申告した場合は、税務調査がおこなわれて延滞税や加算税などの追微課税が発生し、結果的に高い税金を納めなければならないという事態にもなりかねないのです。

相続税の申告は相続税が得意な税理士に依頼

知識のない素人や経験の少ない税理士では、相続税を正しく申告できない恐れがあります。

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さらに、一次相続や二次相続までを考慮し、どのように遺産を配分すれば相続税を抑えられるかについて、最適な分割プランを提案します。

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最後に

民法上の相続財産にあたらないものでも、相続税法上のみなし相続財産に該当するものには相続税が課税されるため注意が必要です。

みなし相続財産の種類・仕組み・非課税枠などを正しく理解できていれば、相続税の課税を回避できるだけでなく、特定の相続人に対して有利な遺産相続も可能になります。

一方、みなし相続財産についての知識がないまま、相続財産と混同した状態で遺産を残してしまうと、相続人の間で争いに発展してしまうおそれもあります。

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この記事の監修者
弁護士法人本江法律事務所
本江 嘉将 (福岡県弁護士会)
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編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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