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弔慰金の相場と特別弔慰金の支給対象者となる遺族範囲まとめ

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
Tyouikin
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弔慰金(ちょういきん)とは、死者を弔い遺族を慰める意味で贈る金銭のことです。

葬儀などでお香を持ち寄って故人に手向けたことが発祥といわれており、お香や供花の代わりに渡すお金という意味合いがあります。

また、「戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律」に基づき、戦没者などの遺族に対しては数年ごとに特別弔慰金が支給されています。

最近では、第11回特別弔慰金の支給がおこなわれていましたが、2023年3月31日をもって請求受付は終了しています。

弔慰金には「個人が支出する比較的少額のもの」と「企業や国などが支出するまとまった額のもの」の2種類があり、この記事では主に後者の弔慰金について、支給対象者や相場などを解説します。

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この記事に記載の情報は2023年12月05日時点のものです

特別弔慰金の支給対象者と順位

特別弔慰金は、2020年4月1日の時点で「恩給法による公務扶助料」や「戦傷病者戦没者遺族等援護法による遺族年金」などを受ける方がいない場合に、次の順番で遺族の一人だけが支給対象となります。

  1. 戦傷病者戦没者遺族等援護法による弔慰金の受給権を取得した方
  2. 戦没者等の子
  3. 戦没者等の父母(1)・孫(2)・祖父母(3)・兄弟姉妹(4)
  4. 1~3以外の戦没者等の三親等内の親族(甥・姪など)

順位

対象者

支給要件

1

弔慰金受給権者
(弔慰金受給権者とみなされる者を含む)

配偶者の場合、次の要件を全て満たすこと
1:弔慰金の受給権取得後、遺族以外の者と改氏婚や事実婚をしていないこと
2:戦没者等の死亡後、遺族以外の者と事実上の婚姻関係にあって弔慰金の受給権を取得した配偶者は、弔慰金の受給権取得時に戦没者等の子ども・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹がいないこと

2




子ども

 

3

父母

次の要件を全て満たすこと
1:戦没者等の死亡当時、戦没者等と生計関係を有していること
2:基準日において、遺族以外の者の養子になっていないこと
(戦没者等の死亡日前の養子縁組を除く)
3:基準日において、遺族以外の者と改氏婚及び事実婚をしていないこと
(戦没者等の死亡日前の婚姻関係を除く。)

4

5

祖父母

6

兄弟姉妹

7

父母

上記3以外の者

8

上記4以外の者

9

祖父母

上記5以外の者

10

兄弟姉妹

上記6以外の者

11

上記以外の三親等内親族

戦没者等の死亡時まで引き続き1年以上は戦没者等と生計関係を有していた者で、かつ戦没者等の葬祭をおこなった者

12

上記以外の三親等内親族

戦没者等の死亡時まで引き続き1年以上は戦没者等と生計関係を有していた者で、戦没者等の葬祭をおこなわなかった者

支給対象遺族は、戦没者等の死亡当時に生まれていなければなりません。

また、基準日において次のいずれかに該当するときは、特別弔慰金の受給権がありません

  1. 死亡している者
  2. 日本国籍を有していない者
  3. 離縁により戦没者等と親族関係が終了している者

【ケース別】支給される弔慰金の相場

特別弔慰金以外に企業などから支給される弔慰金については、企業によって金額のバラつきが大きく、企業が加入する団体保険の有無によっても左右されます。

支給方法としては、「一律定額で支給」と「勤続年数に応じて支給」の2種類あります。

弔慰金の相場としては以下のとおりです。

社員が業務中に死亡した場合

 

一律定額
支給の場合

勤続年数に応じて支給する場合

満1年

満5年

満10年

満20年

満30年

最高額

3,500万円

950万円

1,000万円

1,000万円

5,000万円

5,000万円

最低額

2万円

1万円

1万円

2万円

3万円

3万円

中位額

100万円

10万円

10万円

20万円

30万円

30万円

社員が業務外で死亡した場合

 

一律定額
支給の場合

勤続年数に応じて支給する場合

満1年

満5年

満10年

満20年

満30年

最高額

1,000万円

500万円

800万円

800万円

2,500万円

2,500万円

最低額

2万円

1万円

1万円

2万円

3万円

3万円

中位額

30万円

10万円

10万円

20万円

25万円

30万円

社員の親族が死亡した場合

 

一律定額支給の場合

社員の配偶者

社員の子女

社員の両親
(同居)

社員の両親
(別居)

社員の配偶者の両親
(別居)



50万円

10万円

10万円

10万円

10万円



5,000円

5,000円

5,000円

5,000円

5,000円





5万円

2万円

2万円

2万円

1万円



4万1,746円

2万5,000円

2万4,201円

2万3,054円

1万5,321円

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特別弔慰金を受ける際の手順

ここでは、特別弔慰金の支給を受ける際の手順を解説します。

なお、以下で解説する必要書類や支給金額などは「第11回特別弔慰金」のものですが、すでに2023年3月31日をもって請求受付は終了しています。

弔慰金の請求に必要な書類

  1. 戦没者等の遺族に対する特別弔慰金請求書 
  2. 第十一回特別弔慰金国庫債券印鑑等届出書 
  3. 戦没者等の遺族の現況等についての申立書
  4. 特別弔慰金請求同意書(同順位者がいる場合)
  5. 2020年4月1日(基準日)現在の請求者の戸籍抄本

請求書類などは、各市区町村の援護担当課に備え付けがあります。

なお、提出書類は「請求者が過去に特別弔慰金の請求をしたことがあるかどうか」でも異なり、詳しくは各市区町村の援護担当課などに確認するのが確実です。

弔慰金の支給金額

25万円(5年償還)の記名国債の支給となります。

償還金の受け取りは郵便局などで可能です。

弔慰金の請求期限

2020年4月1日から2023年3月31日までが請求期間です。

請求期限を過ぎると特別弔慰金は受け取れません

請求先

請求先は、各市区町村の援護担当課です。

詳しい場所は「市区町村の援護担当課一覧」で確認できます。

弔慰金を受け取っても相続税の対象にならない

「弔慰金は相続税の対象になるのか」という問題ですが、基本的に国から支給される弔慰金は相続税の対象にはなりません

被相続人の死亡によって受ける弔慰金・花輪代・葬祭料などについては、通常相続税の対象になることはありません。

相続税の対象となる場合もある

しかし、以下のように相続税の対象となる場合もあります。

  1. 被相続人の雇用主などから弔慰金などの名目で受け取った金銭などのうち、実質上、退職手当金などに該当すると認められる部分は相続税の対象になる。
  2. 次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額とし、その金額を超える部分に相当する金額は退職手当金などとして相続税の対象とする。
    (1)被相続人の死亡が業務上の死亡であるとき:被相続人の死亡当時の普通給与の3年分に相当する
    (2)被相続人の死亡が業務上の死亡でないとき:被相続人の死亡当時の普通給与の半年分に相当する額

ここでいう普通給与とは、俸給・給料・賃金・扶養手当・勤務地手当・特殊勤務地手当などの合計額を指します。

特別弔慰金を騙った詐欺に注意

厚生労働省などが、弔慰金などの振り込みをATMで依頼するようなことは絶対にありません

特別弔慰金の支給のために手数料や登録料などの振り込みを求めることも絶対にありませんので、そのような内容の電話などが来た際は注意してください。

最後に

弔慰金の受け取りについて、さほど特別な手続きは必要ありませんが、特別弔慰金については請求期限が定められています。

特別弔慰金の支給が開始した際は、速やかに期限内に手続きを済ませましょう

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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