大切な家族が亡くなってしまった場合は、遺産分割をおこなうことになります。
遺産分割では「誰がどの遺産を相続するか」「不動産をどのように分割するか」など、親族全員にとって重要な論点が多く、トラブルが発生することも少なくありません。
遺産分割をめぐるトラブルが発生した際、相続人同士の話し合いで解決しようとすると、話がまとまらなかったり、不満の残る結果に終わったりする可能性があります。
遺産分割問題に直面した際は、法的な観点から解決を図ることができる弁護士への依頼をおすすめします。
本記事では、遺産分割について弁護士に相談・依頼するメリットや、弁護士の選び方、弁護士費用の相場や支払えない場合の対処法などを解説します。
遺産分割のトラブルでお悩みの方へ
遺産分割・相続トラブルに関する不安や悩みがある方は、まずは弁護士との無料相談を利用してみることをおすすめします。
遺産相続では、親族間での争いや相続手続などで大変なこともありますが、弁護士のサポートを得ることで以下のようなメリットが望めます。
- 相続手続のやり方を助言してくれる
- 相続財産の適切な分け方についてアドバイスが得られる
- 遺産分割協議を代行してくれる・親族と顔を合わせずに済む
- 遺産分割において自分の希望を反映させることができる など
当サイト「ベンナビ相続」では、相続手続や相続トラブルが得意な全国の弁護士を掲載しています。
初回相談無料・電話相談可能などの弁護士も多数掲載しているので、まずは気軽にご相談ください。
遺産分割を弁護士に相談・依頼する際の費用相場
遺産分割を弁護士に相談・依頼する場合、主に以下のような費用が発生します。
ここでは、弁護士費用の内訳や相場について解説します。
相談料|30分あたり5,000円〜1万円程度
遺産分割を弁護士に相談する際、必要となるのが相談料です。
相談料は時間ごとに発生し、相場としては30分あたり5,000円〜1万円程度かかるのが一般的です。
ただし、初回相談に関しては無料で利用できる法律事務所も多くあります。
着手金|相続財産によって異なる
実際に遺産分割の対応を弁護士に着手してもらう際は、着手金が必要となります。
着手金の金額は相続財産によって変化し、遺産額に一定の率(300万円までは8%、3,000万円までは5%など)を乗じて算出するのが一般的です。
なお、遺産分割では「争いがあるのは遺産の一部だけ」というケースもあります。
争いのない部分については、3分の1などに減額して一定の率をかけるという扱いがされることもあります。
どれくらいの着手金が必要となるのか、相談時に前もって確認しておきましょう。
報酬金|獲得金額によって異なる
弁護士の介入によって依頼した案件が解決した場合、報酬金を支払う必要があります。
基本的に報酬金は遺産分割で受け取る経済的利益の額に応じて決まり、「回収金額の何%」という形で発生します。
なお、現在では弁護士費用は自由化されていますが、かつては「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」という報酬基準がありました。
参考までに、旧報酬基準での金額は以下のとおりです。
経済的利益の額 |
報酬金 |
300万円以下 |
経済的利益×16% |
300万円を超え3,000万円以下 |
経済的利益×10%+18万円 |
3,000万円を超え3億円以下 |
経済的利益×6%+138万円 |
3億円超え |
経済的利益×4%+738万円 |
着手金と同様に、依頼前にはどのような金額設定になっているのか確認しておきましょう。
実費|数千円~数万円程度
上記のほかにも、弁護士が案件対応する際にかかった実費なども支払う必要があります。
遺産分割を依頼した場合にかかる実費の一例としては、交通費・郵便切手代・裁判所への申立て費用などがあります。
実費の額は依頼状況によっても変動しますが、一般的な相場としては数千円~数万円程度です。
日当|3万円~5万円程度
弁護士が案件対応のために事務所を離れる場合には、日当が発生することがあります。
たとえば、弁護士に遺産分割調停や遺産分割審判を依頼する場合には、裁判所への出廷が必要となって日当が発生する可能性があります。
日当の額は弁護士の拘束時間によっても変動しますが、半日拘束の場合は3万円程度、1日拘束の場合は5万円程度かかるのが一般的です。
【ケース別】遺産分割を依頼した場合の弁護士費用の具体例
ここでは、遺産分割を弁護士に依頼した場合の費用について、「(旧)日本弁護士連合会報酬等基準」を参考にいくつかケースを挙げて解説します。
遺産分割協議を依頼して3,000万円の遺産を獲得したケース
「弁護士に遺産分割協議を依頼した結果、3,000万円の遺産を獲得できた」というような場合、弁護士費用の計算例としては以下のとおりです。
項目 |
金額 |
相談料 |
1万円 |
着手金 |
159万円(3,000万円×5%+9万円) |
報酬金 |
318万円(3,000万円×10%+18万円) |
実費 |
約3万円 |
総額 |
約481万円 |
遺産分割調停を依頼して1,000万円の遺産を獲得したケース
「遺産分割協議を依頼したものの解決せずに遺産分割調停に移行し、4回の調停期日を経て、最終的には1,000万円の遺産を獲得できた」というような場合、弁護士費用の計算例としては以下のとおりです。
項目 |
金額 |
相談料 |
1万円 |
着手金(遺産分割協議) |
59万円(1,000万円×5%+9万円) |
着手金(遺産分割調停) |
29万5,000円(1,000万円×5%+9万円÷2) |
報酬金 |
118万円(1,000万円×10%+18万円) |
実費 |
約10万円 |
日当 |
約10万円 |
総額 |
約227万5,000円 |
遺産分割協議だけでなく遺産分割調停の対応も続けて依頼する場合、上記のとおり遺産分割調停の着手金は2分の1となるのが一般的です。
ただし、これらの金額はあくまでも一例であり、法律事務所によっても料金体系・金額設定は異なります。
必ずしも上記の範囲内に収まるとはかぎらないため、あくまでも参考程度に留めてください。
遺産相続で遺産分割以外にかかる弁護士費用の相場
弁護士なら遺産分割以外の相続手続も依頼できますが、その際も弁護士費用が発生します。
ここでは、遺産分割以外の相続手続にかかる弁護士費用の相場について解説します。
なお、弁護士費用は依頼先事務所によってもバラつきがあるため、正確な金額を知りたい場合は直接事務所にご確認ください。
遺言書作成を依頼した場合の費用|10万円~20万円程度
遺言書の作成を弁護士に依頼した場合には、手数料がかかります。
相場は10万円~20万円程度で、特別な事情がある場合や公正証書遺言の作成を依頼する場合などは、さらに追加で費用が加算されることもあります。
遺言執行者への就任を依頼した場合の費用|相続財産によって異なる
遺言執行とは、被相続人の遺言内容を実現するために、相続財産の管理や手続きなどをおこなうことを指します。
弁護士なら、遺言執行者として各手続きを進めてもらうことも可能です。
遺言執行者への就任を弁護士に依頼した場合、遺産の額に一定の割合をかけて算出した金額が弁護士費用となるのが一般的です。
そのため、遺言の対象となる財産の金額が大きいほど、弁護士費用も高額になるでしょう。
相続放棄を依頼した場合の費用|5万円~10万円程度
相続放棄の手続きを弁護士に依頼したときにかかる費用は、5万円~10万円程度です。
弁護士なら相続放棄の手続きも依頼でき、相続財産の調査や必要書類の取得などを代わりに対応してくれます。
なお、弁護士によっては債権者とのやり取りまで対応してくれるケースもありますが、その際は追加料金が発生することが多いため注意しましょう。
遺産分割協議書の作成のみ依頼した場合の費用|約10万円~
すでに遺産分割協議をおこなって、協議内容に相続人全員が合意できている場合、「合意内容をまとめた遺産分割協議書の作成のみを弁護士に依頼する」という選択肢もあります。
遺産分割協議書の作成のみを依頼する場合、依頼者が受ける経済的利益の額などで費用は変動しますが、最低額は10万円からが多いようです。
遺留分侵害額請求を依頼した場合の費用|経済的利益の額によって異なる
遺留分侵害額請求を弁護士に依頼したときにかかる費用は、遺留分侵害者への請求額によって変動します。
遺産分割協議と同じように着手金・報酬金が発生し、基本的には請求額に応じた一定の割合をかけて算出します。
なお、交渉で解決しなかった場合は調停や裁判に移行することになりますが、その際はさらに追加費用が発生するのが一般的です。
遺産分割にかかる弁護士費用は誰が支払う?
遺産分割にかかる弁護士費用は、原則として依頼者本人が支払う必要があります。
相手側に非があるようなケースでも、基本的に弁護士費用を支払わせることはできません。
相続トラブルでは「相手に弁護士費用を支払ってもらえないか」などと考えてしまいがちですが、基本的には自己負担になると理解したうえで依頼することが大切です。
遺産分割トラブルを弁護士に相談・依頼する8つのメリット
遺産分割トラブルを弁護士に相談・依頼するメリットとしては、以下の8点が挙げられます。
遺産分割を弁護士に依頼するメリット
- 相続人同士の話し合いによるストレスから解放される
- 遺産分割の割合や適切な分け方がわかる
- 遺言が有効か無効か法的視点から判断してくれる
- 遺留分侵害のアドバイスや遺留分侵害額請求を進めてくれる
- 最適な不動産の分割方法をアドバイスしてくれる
- 相続人を正確に調査してもらえる
- 多額の遺贈や生前贈与があった場合も適切に対処できる
- 遺産分割調停・遺産分割審判になった場合も有利に進めてくれる
以下では、それぞれのメリットについて解説します。
1.相続人同士の話し合いによるストレスから解放される
被相続人の遺言書がない場合、相続人である親族全員で「遺産分割協議」をおこなうことになります。
遺産分割協議では、話し合いの相手が親族であるがために、思うように本音を伝えることができなかったり、嫌味を言われて傷ついたりなど、ストレスの元になってしまうことも少なくないでしょう。
遺産分割協議を弁護士に依頼すれば、弁護士は自身の「代理人」という立場で対応を進めてくれるため、依頼後は親族と直接顔を合わせる必要がなくなり、ストレスを感じずに遺産分割協議を終えることができます。
なお、交渉の代理は弁護士のみに認められた業務であり、司法書士・税理士・行政書士などの専門家では対応することができません。
2.遺産分割の割合や適切な分け方がわかる
法律の知識なくして、遺産の分割方法や適切な割合などを全て判断するのは至難の業です。
また、なかには相手がもっともらしい理由を述べて多くの権利を主張してきたりして、自分だけで対抗するのは困難なことも多々あります。
法律の専門家であり、経験も豊富な弁護士に依頼すれば、自分が不利益を被ることがないように尽力してくれて、適切な遺産分割が望めます。
大部分を相続したいと主張する相続人がいる場合でも、法定相続分に則った遺産分割が望める
遺産分割の際、非常に重要となる知識のひとつが法定相続分です。
法定相続分とは、法律によって定められた遺産分割の割合であり、相続人の立場によって変わります。
たとえば「遺産の大部分を相続したい」と主張する相続人がいるケースでも、弁護士が法定相続分に則った遺産分割を提案することで、「法律で定められているなら仕方がない」などと納得してくれる可能性があります。
寄与分の主張をしたい場合も有利に進めることができる
寄与分とは、「被相続人の介護を長年請け負っていた」などの財産の維持や増加について特別の寄与をした人に、より多くの遺産を分配する権利を認めるというものです。
弁護士に依頼することで、寄与分の主張が認められるかどうか見通しを立てることができ、寄与分の主張についても有利に進めることが可能です。
3.遺言が有効か無効か法的視点から判断してくれる
被相続人が遺言を残していた場合、相続人の中には「本物なのか疑わしい」「遺言書を書いたときは認知症だったはずだから、そもそも無効なのではないか」などといった疑問を呈する人が出てくることもあります。
弁護士が詳しく事情を聞いたりすることで、遺言書が無効になる可能性があるか否かをある程度判断することができます。
また、相続発生前の段階であれば遺言書の作成サポートなども依頼でき、不備なく適切な形式での遺言書作成が望めます。
4.遺留分侵害のアドバイスや遺留分侵害額請求を進めてくれる
遺留分とは、一定の相続人に認められている遺産相続での最低限の取り分のことです。
たとえば、遺言に「遺産は全て親族ではなく知人に譲る」と書いてあった場合、残された相続人としては、相続の権利があるにもかかわらず遺産を得ることができず、遺留分を侵害されたということになります。
遺留分の侵害が発生した場合、遺留分を侵害した人に対して遺留分侵害額請求をおこなうことで、自分の不足分を取り戻すことができます。
弁護士なら、遺留分侵害額請求の対応を一任することも可能です。
また、なかには「家は自分以外の兄弟姉妹に相続させ、自分には預金だけ相続させる」というような、遺留分を請求できるかどうかわかりにくいケースもあります。
弁護士に相談すれば、自分では判断が難しいケースでも遺留分の請求可否について適切なアドバイスを得ることができます。
5.最適な不動産の分割方法をアドバイスしてくれる
不動産の遺産分割をおこなう際も、弁護士に依頼するメリットは大きいでしょう。
預金などとは違って、不動産はその性質上、分割することが非常に難しいため、不動産の遺産分割に際して多くのトラブルが発生する可能性があります。
弁護士なら細かい事情に沿って、最適な不動産の分割方法を提案することができます。
6.相続人を正確に調査してもらえる
弁護士に依頼することで、相続人を明確にしたうえで遺産分割に臨めるというのもメリットです。
相続関係が複雑なケースでは、「そもそも誰が相続の権利を持っているのか」という疑問が生じてしまうこともあります。
遺産分割協議では、相続人全員の合意がないと協議が無効となってしまうため、弁護士が相続人の実態を調査して相続関係を明確にすることは非常に有効です。
代襲相続が発生した場合も正確に調査してくれる
「本来相続人の立場にある人が、被相続人よりも先に死亡していたりして遺産を相続できない」というような場合、相続権は子どもへと移ります。
このような相続のことを「代襲相続」といいます。
たとえば「祖父が亡くなって相続が開始し、すでに祖父よりも先に父親が亡くなっていた」というケースでは、父親の相続権は子どもへと移ります。
代襲相続では相続関係が複雑になることもありますが、弁護士なら漏れなく正確に調査してくれます。
婚外子の存在が発覚した場合も対処してくれる
なかには「遺産分割協議の段階になって初めて、被相続人が親族の誰にも明かしていなかった婚外子(非嫡出子)の存在が明らかになる」というようなケースもあります。
「遺産分割協議を終えてしまったあとに婚外子が見つかり、また遺産分割協議をやり直さなければならなくなった」といった事態は避けたいところです。
予期せぬ複雑な問題が発生した際も、弁護士であれば冷静な対応が可能です。
7.多額の遺贈や生前贈与があった場合も適切に対処できる
被相続人から親族などに対して遺贈や生前贈与がおこなわれて、遺産が減ってしまうというケースもあります。
主な対処法としては、遺留分侵害額請求を検討するほか、ほかの相続人に多額の生前贈与がなされた場合には、生前贈与された財産を一旦遺産に戻して遺産額を計算し、それを前提に遺産分割をすることもあります。
弁護士に依頼すれば、どの方法が適切か判断してもらったうえで、請求手続の代行や財産の持ち戻しの計算などにも対応してもらえます。
8.遺産分割調停・遺産分割審判になった場合も有利に進めてくれる
もし遺産分割協議で合意に至らなかった場合は、遺産分割調停や遺産分割審判に移行して解決を図ることになります。
もし調停や審判になってしまった場合でも、弁護士なら引き続き力強くサポートしてくれます。
素人では、不慣れな調停・審判の場で適切に対応できずに不利な状況になってしまうおそれがありますが、弁護士なら豊富な法律知識や経験を活かして的確に主張・立証してくれて、納得のいく形での決着が望めます。
遺産分割の弁護士費用が支払えない場合の対処法・安く抑える方法
なかには「遺産分割を依頼したいけど、弁護士費用を支払う余裕がない」という方もいるでしょう。
ここでは、弁護士費用の支払いが厳しい場合の対処法や、弁護士費用を安く抑える方法を解説します。
無料法律相談を活用する
弁護士との法律相談では、30分あたり5,000円〜1万円程度の相談料が発生します。
ただし、現在では初回相談無料の法律事務所も多くあり、少しでも費用負担を抑えたい場合は無料相談可能な事務所に絞って依頼先を選びましょう。
また、弁護士費用は事務所によってもバラつきがあるため、各事務所で見積もりを出してもらって比較することで比較的安いところが見つかる場合もあります。
分割払い・後払い可能な法律事務所に依頼する
弁護士費用は一括払いが原則ですが、法律事務所によっては分割払いや後払いが可能なところもあります。
分割払い・後払いを利用する場合、分割回数・分割での支払い額・支払い期日などは弁護士と相談して決めることになります。
事務所ホームページに分割払い・後払いの記載がなくても、弁護士に相談すれば対応してもらえることもあるため、「すぐにでも弁護士に依頼したいけど、今はまとまったお金がない」というような方は一度相談してみることをおすすめします。
法テラスの民事法律扶助制度を利用する
法テラスとは、法律トラブルで悩んでいる方を手助けする公的機関です。
法テラスでは、経済的事情で弁護士に依頼できない方を対象に、民事法律扶助として「弁護士との無料法律相談」や「弁護士費用の一時立替え」などのサポートを提供しています。
無料法律相談の場合は「ひとつの問題につき約30分×3回まで」、弁護士費用の一時立替えの場合は「利用後に毎月5,000円~1万円程度の返済が必要」などの定めがあるものの、すぐに弁護士のサポートを受けられるという点は大きなメリットです。
ただし、法テラスの民事法律扶助制度を利用するためには、法テラスが定める資力基準などの利用要件を満たしている必要があります。
詳しくは「民事法律扶助業務|法テラス」をご確認ください。
遺産分割を相談・依頼する弁護士の選び方
遺産分割について相談・依頼する弁護士を選ぶ際には、以下のポイントを押さえておきましょう。
遺産相続・遺産分割の案件を得意としている
弁護士に相談・依頼する際は、遺産分割などの遺産相続の分野に力を入れている弁護士を選ぶことが大切です。
弁護士にはそれぞれ得意分野・不得意分野があり、遺産分割について対応経験の浅い弁護士を選んでしまうと、的確なサポートが受けられないおそれがあります。
事務所ホームページに記載されている、弁護士のこれまでの経験年数・解決実績・解決事例などを確認してみましょう。
年間で複数の相続案件を担当している弁護士であれば、ある程度の経験や知識を持っており、的確なサポートが望めます。
弁護士費用の仕組みがわかりやすい
弁護士費用の仕組みがわかりやすい法律事務所を選ぶことも大切です。
料金体系は法律事務所によっても異なり、しっかり説明してくれない事務所に依頼してしまうと、依頼後に予想以上の金額を請求されたりするおそれがあります。
料金体系がわかりやすく、説明が丁寧な法律事務所であれば「費用総額はいくらになりそうか」「どのような場合に追加料金が発生するのか」などを把握でき、余計なトラブルを避けることができます。
複数の法律事務所を比較検討する
弁護士を選ぶ際は、はじめからひとりの弁護士に絞り込もうとせずに、まずは複数の法律事務所で相談してみて対応を比較検討するのがおすすめです。
なぜなら、ひとりの弁護士に相談しただけでは、本当にその弁護士が自分に合っているのかどうか判断しにくいからです。
複数の法律事務所に足を運んで相談してみることで、より相性の良い弁護士や予算に合った弁護士が見つかることもありますし、さまざまな視点からアドバイスを受けることで新たな解決策が見つかることもあります。
遺産分割を弁護士に相談する場合によくある質問
ここでは、遺産分割を弁護士に相談する場合によくある質問について解説します。
弁護士との法律相談の流れは?
弁護士に法律相談する際の基本的な流れは以下のとおりです。
弁護士との相談の流れ
- 電話・メール・インターネットなどで相談予約をする
- 初回法律相談をおこなう
- より詳しくアドバイスを受けたい場合は、さらに法律相談をおこなう
- 弁護士に遺産分割の対応を依頼する場合は、着手金を支払って契約を結ぶ
基本的に弁護士との法律相談では事前予約が必要であるため、まずは電話・メール・インターネットなどで予約を取りましょう。
初回の法律相談では、「問題解決までにどれくらいの日数を要することになるのか」「具体的にどのような手順を踏むことになるのか」など、今後の流れについて説明してもらうとよいでしょう。
また、弁護士への依頼を検討している場合は、実際に依頼した場合にかかる弁護士費用の見積もりを出してもらったり、弁護士の人柄や雰囲気などをチェックしたりすることをおすすめします。
弁護士との無料相談は本当に無料?契約を迫られたりしない?
無料相談の利用を考えている方の中には「無料相談といっても、相談時間が長くなると費用を請求されるのではないか」などと不安な方もいるでしょう。
基本的に弁護士との無料相談では「30分まで」「60分まで」などの時間制限が設けられており、時間を過ぎそうになると通常弁護士から声がかかります。
知らない間に時間を過ぎていて相談料を請求されるようなことは通常ないため、安心してご利用ください。
また、相談後に弁護士から強引に契約を迫られるようなこともありません。
依頼はせずに無料相談だけ利用することも可能ですので、依頼するかどうか迷っている方も気軽に相談してみることをおすすめします。
弁護士との相談前に準備しておくことはある?
弁護士との相談前の準備として、以下のような情報をメモなどにまとめておきましょう。
相談のときに準備しておくとよいもの
- 相談に至るまでの経緯
- 相続人や相続財産の概要
- 遺産分割で自分が希望する内容
- 遺産分割などの相続手続の不明点・疑問点 など
相談状況や希望内容などを事前にまとめておくことで、弁護士側もスムーズに状況を把握でき、速やかに適切なアドバイスを受けることができます。
さいごに|遺産分割で悩んだら、まずは弁護士との無料相談がおすすめ
弁護士なら、遺産の分割方法や遺留分などのアドバイスが受けられるだけでなく、代理人として遺産分割協議・調停・審判などの対応を一任することもできます。
遺産相続は非常にデリケートな問題であり、法的な知識がないと話し合いが進展せずに感情的なトラブルが起きたりして、親族同士の関係が悪化してしまうおそれもあります。
遺産分割に関する悩みや不安がある方は、できるだけ早期に弁護士に相談することをおすすめします。
ベンナビ相続では、遺産分割が得意な全国の弁護士を掲載しています。
お住まいの地域を選ぶだけで対応可能な弁護士を一括検索でき、初回相談無料の事務所も多く掲載しているので、まずは一度利用してみることをおすすめします。