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公開日:2019.9.9 

非嫡出子とは|嫡出子との違いと相続する際のデメリット

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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非嫡出子(ひちゃくしゅつし)とは、法律上で婚姻関係を結んでいない男女の間に生まれた子供のことを指します。一方、婚姻関係を結んでいる夫婦の間に生まれた子供を嫡出子といいますが、そこにはどのような違いがあるのでしょうか?

今回は、非嫡出子と嫡出子の違い、また、非嫡出子であることのデメリットや問題点などについて、解説していきます。

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非嫡出子と嫡出子の違い

非嫡出子と嫡出子の違いは、婚姻関係のある夫婦の間に生まれた子供であるかどうかです。また、以下のような違いもありますので、ここで解説していきます。

相続分の割合

非嫡出子と嫡出子では、2013年9月5日の法改正まで、受け取れる相続分に違いがありました。しかし、これでは同じ母親から生まれたにもかかわらず、摘出子と非嫡出子の相続財産に差が出てしまい不公平だという観点から、民法が改正されました。現在は非嫡出子も法定相続分で違いはありません。

民法の改正の概要
1 法定相続分を定めた民法の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1と定めた部分(900条4号ただし書前半部分)を削除し,嫡出子と嫡出でない子の相続分を同等にしました(注)。
2 改正後の民法900条の規定(以下「新法」といいます。)は,平成25年9月5日以後に開始した相続について適用することとしています。
(注)「嫡出でない子」とは,法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子をいいます。

参考:法務省

民法の改正によって、非嫡出子であっても、嫡出子と同じ額の財産を相続できるようになりました。

引用元:非嫡出子の相続をする際の注意点と相続争いを避けるコツ

相続割合の例

たとえば、上の画像と同じ親子関係で、死亡した被相続人に1,200万円の財産があった場合で考えてみましょう。改正前の民法であれば、配偶者には半額の600万円、嫡出子には6分の2の額である400万円、非嫡出子には6分の1の額である200万円が法定相続分です。

しかし、民法改正後は、配偶者には同じく半分の額である600万円の相続が、嫡出子と非嫡出子には4分の1の額である300万円が、それぞれに相続されるようになります。

この民法改正の背景には、最高裁による、当時の民法では法の下の平等を定める憲法14条1項に違反しているという判断があります。

第十四条 すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

引用元:憲法第14条

なお、この改正の影響を受けるのは、2013年以降に被相続人が死亡した事案です。

嫡出子には3つの種類がある

摘出子には、以下の3つの種類があります。

1:推定される嫡出子

摘出子推定とは一定の時期に生まれた子供について摘出子であることを推定する制度です。

具体的には、婚姻して200日以降(200日目は含まない)に生まれた子供、また、離婚(婚姻の解消)をした日から300日以内に生まれた子供は法律上嫡出子と推定されます。

(嫡出の推定)

第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

引用元:民法772条

2:推定されない嫡出子

一方、婚姻関係があっても、上記期間の範囲外で生まれた子供は、法律上嫡出子とは推定されません。

しかし、嫡出推定を受けない子供でも、嫡出子として出生届を提出することは可能ですので、推定の有無で問題となる事例は多くありません。

3:推定の及ばない嫡出子

子供の出産時に夫が行方不明になっていたり、夫婦関係の断絶により離婚状態であったりする場合には、その子供が嫡出子であるかどうかを判断することができません。こういったケースでは、『推定されない嫡出子』として扱われます。ただし、こちら嫡出子として出生届は可能です。

嫡出子か非嫡出子の判断時期

嫡出子か非嫡出子の判断基準について、ここで解説していきます。

嫡出推定の考え方

嫡出子として推定されるのは、民法第772条にもあるように、

  • 婚姻関係を結んでから200日経過してから出産した
  • 離婚してから300日以内に出産した

などのケースです。

出産後に婚姻関係を結んだ場合

出産後に婚姻関係を結んだ場合、その子供は非嫡出子として扱われます。親子関係であることを法律上で認めてもらうためには、父親の認知(※)が必要です。

※認知とは

婚姻関係にない男女の間に生まれた子を、父(母)が自分の子であると認めること。

詳しくは『認知とは』で解説します。

再婚時に連れ子がいる場合

再婚時に連れ子がいる場合、その子供と新しい親の間には法律上の親子関係はありませんので、認知することはできません。法律上の子供として取り扱いたい場合は、養子縁組が必要です。

再婚禁止期間の考え方

女性には、再婚禁止期間が設けられています。離婚後(婚姻関係の消失後)100日以内は新たに結婚してはならないという法律です。

第七百三十三条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

民法第733条

再婚禁止期間は、子供の父親は誰なのかを明らかにするために必要な期間として定められています。しかし、離婚時に女性が妊娠していなかった場合には、再婚禁止期間は適用されません。

この際、

  • 離婚後一定期間、妊娠していないことが明らかなこと
  • 離婚後以降に子供を出産したこと
  • 離婚後以降に妊娠していること

これらについて医師が診断を行い、その書面を婚姻届とともに提出することで、再婚禁止期間中であっても婚姻届を受け取ってもらうことが可能になります。

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非嫡出子と認知の関係|問題点やデメリットとは

ではここで、親子関係を認めてもらうための『認知』について、また、非嫡出子であることの問題点やデメリットについて、解説していきます。

認知とは?

認知とは、婚姻関係を結んでいない男女の間に生まれた子供を、『実の子供である』と認めることをいいます。女性の場合、自分がその子供を出産したことは明らかなので、認知する必要はありません。認知は男性が行います。

その際は、父親もしくは子供の本籍地にある役所に認知届を提出することで、認知が受理されます。基本的には子供や母親の同意は必要ありません。これを『任意認知』といいます。

一方、認知する子供が出産前である場合は『胎児認知』と呼ばれ、母親の同意が必要です。

認知で可能になることとそうでないこと

認知することで可能になることについて、非嫡出子のデメリットも交えながら解説していきます。

認知がなければ父親の財産を相続できない

まず、非嫡出子とは、法律上親子関係が認められていない状態です。ですので、そのままでは子供は父親からの相続を受け取ることができません。父親からの認知により、非嫡出子は父親との親子関係が認定されるのです。

認知がなければ父親に扶養請求ができない

認知されていない場合、その子供は父親に扶養請求をすることはできません。母親は夫がその子供の父親であると確信していても、夫からそれを否定されることも考えられます。

父親が認知しなければ子供は扶養を受けることができないため、どうして認知をしてもらいたい場合には、『認知の訴え』を提起する必要があります。

この手続きで父子関係が認められた場合には、裁判所の命令で認知の意思表示がされたことになります。

非嫡出子が嫡出子になるには?

非嫡出子が嫡出子に転換することを『準正』といいます。

準正には以下の2種類があります。

  • 婚姻準正

 →認知された後に両親が婚姻関係を結んだケース

  • 認知準正

 →両親が婚姻関係を結んだ後に認知されたケース

婚姻準正、認知準正のどちらであっても、婚姻関係を結んだ後から嫡出子として認定されます。

まとめ

今回は、嫡出子と非嫡出子について解説してきました。非嫡出子としてのデメリットは、法改正後はほとんどなくなりました。ですが、非嫡出子がいることで相続トラブルに発展することも考えられます。

しっかりと親子関係が認められるよう手続きをとるとともに、その際は一人で悩むことなく、専門家へ相談されることをおすすめいたします。

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参照元一覧

法務省

文部科学省

相続トラブルを解決し遺産を多く受け取る方法とは?

相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。

 

これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。

 

相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。

 

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。

 

遺産分割に関する調停事件の推移

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

 

相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?

相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。

 

相続人の数

<参考資料:国税庁 統計年報>

 

相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。

 

トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。

 

弁護士を介入させると費用が高くつくイメージがありますが、結果的にはトラブルを解消できるだけではなく、相続面でも優位に働き、金銭的にもメリットを得られることが多くなります。

 

 

相続に強い弁護士の選び方と相続相談の具体例

相続に際し、雇うのは弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
最大のメリットが得られる弁護士の選び方は、以下を参考にしてください。

 

 

  • 1、相続が得意な弁護士を選ぶ

    相続トラブルの解決実績が豊富だったり、相続問題に注力していたりする弁護士を選びましょう。

  • 例えば、医者に「内科」「外科」「皮膚科」「耳鼻科」…と専門分野があるように、弁護士にも「相続」「離婚」「借金」「企業法務」…といった得意分野があります。

  • 相続があまり得意でない弁護士に依頼しても十分なメリットを受けられない可能性があるため、相続を得意とする弁護士に依頼することが大切です。

  • 2、初回相談料の安い弁護士を選ぶ

    初回相談は自分と相性の良い弁護士を選ぶチャンスですので、1件だけではなく複数と話をしてみましょう。

  • 件数を重ねるために初回の相談料を必ず確認しましょう。(相談無料〜3000円程度をオススメします)

  • 3、近隣の弁護士を選ぶ

    相続の弁護士は全国対応していることも多いのですが、やはり対面での関係性構築や急な事態に対応できる近隣の弁護士事務所が最善策といえるでしょう。

 

 

相続で弁護士が介入するデメリットは、あまりありません。

 

あえて挙げるなら、依頼に費用がかかる点でしょうか。

 

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3,000万円の遺産を遺して親が世を去った。全財産をほかの相続人に相続させる旨の遺言書があり、このままでは自分は一切遺産を受け取ることができない。

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遺留分侵害額請求により、自分の遺留分割合である8分の1の遺産を受け取ることができた。

費用対効果

自分が受け取ることができた遺産は375万円。弁護士費用は84万円。そのまま泣き寝入りしていれば1円も受け取ることができなかったが、結果的に弁護士費用を差し引いても291万円を手にすることができた。

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つまり依頼料はデメリットにならないのです。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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