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音信不通の兄弟との相続はどうなる?相続人が知っておくべき5つの選択肢

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まだ親は健在であるものの、近い将来相続が発生する可能性があるという方も多いのではないでしょうか。

音信不通の兄弟がいる場合の、相続の方法や問題点を知りたいと考えている方もいるでしょう。

できる限り少ない負担で相続を進めたいと考えるのは当然です。

一方で、音信不通の兄弟がいる場合の相続は簡単に進められるわけではなく、負担になる場合もあります。

音信不通の兄弟を探したり、必要な法的手続きを進めたりしなくてはなりません。

音信不通の兄弟がいる場合の相続を成功させるためにも、早い段階で弁護士に相談するのがおすすめです。

本記事では、音信不通の兄弟がいる場合の相続の問題点や解決策、よくある質問について解説します。

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音信不通の兄弟がいる場合の相続の問題点

音信不通の兄弟がいる場合の相続には、どのような問題点があるでしょうか?

ここでは、主な問題点2つをそれぞれ解説します。

1.相続(遺産分割協議)が進められない

遺産分割協議は、相続人全員の合意が必要な法的行為です。

亡くなった方が遺言書を残していない場合、相続財産の分配は相続人間で遺産分割協議をおこなって決めることになります。

しかし、連絡がつかない相続人がいると、遺産分割協議を開始することもできません

そのため、連絡がつかない相続人を探すことが先決です。

遺産分割協議ができず、相続を進められない場合は、以下にあげるようなデメリットが生じることになります。

遺産分割協議ができないことに伴う主なデメリット
  • 不動産などの遺産を相続できず、活用することができない
  • 相続遺産に含まれる不動産を売却できず、固定資産税や管理費用を支払い続ける必要が生じる
  • 時間の経過により、動産の貴金属や宝石などが紛失してしまう恐れがある

2.あとから遺産分割の無効や遺留分を主張されるリスクがある

音信不通の兄弟抜きで相続を進めた場合、あとから遺産分割の無効や遺留分侵害額請求をされてしまうリスクがあります

遺産分割協議は相続人全員の合意がない限り無効となります。

何らかの事情で遺産分割を進めたとしても、相続人全員が関与していない限り、遺産分割としては無効です。

また、遺言がある場合にも、音信不通の相続人がいると困ることがあります。

遺留分とは、相続人のなかでも被相続人の兄弟以外に最低限保障された遺産取得分です(相続人の兄弟=被相続人の子どもであれば、遺留分が保障されている)。

仮に遺言書とおりに相続をすすめても相続人の遺留分を侵害していれば、「遺留分侵害額請求」によって侵害された分を取り戻せます。

そのため遺言書の内容が音信不通となっている兄弟の遺留分を侵害していた場合、あとからそれを知った兄弟より遺留分侵害額請求をされるリスクがあるのです。

(遺留分侵害額の請求)

第千四十六条 遺留分権利者及びその承継人は、受遺者(特定財産承継遺言により財産を承継し又は相続分の指定を受けた相続人を含む。以下この章において同じ。)又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

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解決策1.音信不通の兄弟を探す

音信不通の兄弟がいる場合の相続では、音信不通の兄弟を見つけることで解決できる可能性があります。

ここでは、音信不通の兄弟を探す方法をそれぞれ解説します。

自力で探す

音信不通の兄弟を自力で探すためには、まず戸籍謄本を取得します。

戸籍を確認することで、兄弟の本籍地をたどることが可能です。

なお、この場合は取得すべき戸籍謄本の数が多くなることがある点は注意してください。

確認が必要な戸籍謄本が、1ヵ所の役所で全て取得できることはむしろまれです。

遠方の役所へ赴く必要があれば、交通費もかかりますし、郵送で取得する場合でも時間と郵送費がかかります。

戸籍謄本を収集するだけで、たいへんな労力になることもあるでしょう。

さらに本籍地がわかっても、そこに音信不通の兄弟が住んでいるという意味ではありません。

次に、戸籍の附票を取得する必要があります。

戸籍の附表には戸籍が作成されてから現在までの住所の履歴が記載されているので、住民票上の住所を確認できるのです。

これで、音信不通の兄弟が今どこに住んでいるかわかる可能性があります。

探偵に依頼する

探偵事務所や興信所は、犯罪に関連する内容でなければ基本的に相談に乗ってくれます。

遺産分割協議をすすめるために、音信不通となっている兄弟の居所を探してもらうことも可能です。

ただし、探偵は人探し調査の専門家ではありますが、弁護士と異なり戸籍などによる調査はできません

相続人が住民票上の住所に所在していないなどの場合には、探偵等に頼らざるを得ない場合もあります。

弁護士に依頼する

相続人が法的な問題を抱えているときは、弁護士に相続人調査をあわせて依頼することもできます。

弁護士は受任している事件に関連する内容であれば、戸籍などを請求して相続人調査をすることが可能です。

弁護士に遺産分割協議などの対応を依頼する際に、相続人の所在がわかっていない場合には相続人調査も合わせてしてもらえる場合が多いです。

なお、弁護士に相続人調査だけを依頼することはできないので注意してください。

相続問題の対応などを、あわせて依頼する必要があります。

解決策2.法的手続を活用する

音信不通の兄弟を自力で探すことが困難な場合は、法的手続きを活用する手段もあります。

ここでは、法的手続きの方法についてそれぞれ解説します。

不在者財産管理人を選任する

音信不通の兄弟を探すことができないが、遺産分割協議を進める必要がある場合、裁判所に「不在者財産管理人」を選任してもらう方法があります。

不在者財産管理人とは、行方不明者の財産を管理する権限を持つ人のことで、家庭裁判所によって選任されます。

不在者財産管理人は、行方不明者の権利や利益を守るための役割を果たさなければならないので、申立人の意向に沿って活動する訳ではありません。

したがって、不在者財産管理人を選任するのが適切かどうかは検討が必要です。

なお不在者財産管理人を選任する場合、報酬を支払う必要がある可能性があるので注意してください。

失踪宣告を申し立てる

音信不通の兄弟の遺産分割協議を進めるには、失踪宣告を申し立てる方法もあります。

失踪宣告は、一定の期間生死不明の人物を法律上は死亡したとみなす制度で、家庭裁判所への申し立てが必要な手続きです。

失踪宣告が認められれば、その当該相続人を亡くなったとみなして被相続人の遺産分割協議をおこなうことができますが、数次の相続が発生することで事案が更に複雑になってしまう可能性もあります。

解決策3.遺言書を残してもらう

相続がすでに発生していなければ、被相続人に遺言書を残しておいてもらうことで対策することもできます。

遺言書の内容どおりに相続をすすめるなら遺産分割協議が不要となり、音信不通の兄弟に同意してもらう必要もないからです。

ただし、ほかの相続人の遺留分を侵害するような内容の遺言の場合、あとからそれを知った相続人から遺留分の請求を受ける可能性はあります。

一方で遺言書と異なる内容で相続をすすめたいときは、遺産分割協議が必要となります。

この場合、音信不通の兄弟に参加してもらう必要が生じるので注意してください。

解決策4.法定相続分どおりに登記する

音信不通の兄弟がいる場合、そのままでは遺産分割協議をおこなうことはできません。

しかし、遺産が不動産の場合、法定相続分どおりに相続登記をすることはできます

ただし、遺産分割協議をおこなうことなく、法定相続分どおりの登記をすることが適切なケースは限られていますので、注意してください。

たとえば、相続財産に含まれる不動産を売却して得たお金を相続人間で分配したかったとしましょう。

しかし法定相続分どおりに登記をしたとしても、不動産全部を売却するには、音信不通となっている兄弟の同意を得なくてはならないのです。

この場合、不動産全部を売却するには、不在者の財産管理人や失踪宣告の手続きを利用する必要があります。

解決策5.相続放棄をおこなう

相続の開始を知ったときから3ヵ月以内であれば、相続放棄手続きによって相続人としての地位を放棄することが可能です。

音信不通の兄弟を探す負担をしたくはなく、相続したい遺産もないのであれば相続放棄を選ぶ方法もあります。

相続問題が得意な弁護士はベンナビ相続で探そう

相続問題は相続人同士のトラブルや紛争の原因になりやすいものです。

そのような場合は、相続問題に詳しく、信頼できる弁護士に相談することが有効です。

弁護士であれば相続人調査や遺産分割協議、遺言書の作成サポートなどの対応を依頼できます。

しかし、どの弁護士が相続問題の実績が豊富か、どうやって探せばいいのか、わからない方も多いでしょう。

そこでおすすめなのが、全国の弁護士を検索できるポータルサイト「ベンナビ相続です。

ベンナビ相続には、相続問題に注力する弁護士が多数登録されています。

地域別・無料相談可否などでの検索も可能なので、希望にあう弁護士を簡単に探せるでしょう。

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音信不通の兄弟がいるときの相続に関するよくある質問

本項では、音信不通の兄弟がいるときの相続に関してよくある以下の質問について解説します。

  1. 音信不通の兄弟が見つかったが連絡しても応じてくれない場合はどうすればよい?
  2. 音信不通だった兄弟が亡くなっていたことがわかったらどうすればいい?

Q.音信不通の兄弟が見つかったが連絡しても応じてくれない場合はどうすればよい?

音信不通の兄弟が見つかったものの、連絡しても応じてくれず、遺産分割に関して相続人との話し合いができない場合、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。

調停を申し立てると、家庭裁判所から相続人に対して調停の通知が届きます。

その通知を受け取った相続人は、家庭裁判所に出頭して調停委員と話し合わなければなりません

このようにして、遺産分割の合意を目指すことができます。

なお、調停を申し立てる前に、弁護士に依頼して内容証明郵便を送るなどして、相続人との話し合いの可能性を探る方法も考えられます。

Q.音信不通だった兄弟が亡くなっていたことがわかったらどうすればいい?

音信不通の兄弟が亡くなっていた場合、その兄弟に子どもがいれば「代襲相続人」となる可能性があります。

代襲相続とは相続人が亡くなっていた場合に、その子どもが代わりに相続人になることです。

遺産分割協議をおこなうのであれば、代襲相続人にも参加してもらう必要があります。

さいごに|相続トラブルは弁護士に相談しよう!

音信不通の兄弟がいる場合、相続がスムーズに進められなる可能性があります。

音信不通の兄弟を探したり、場合によっては法的手続きも進めたりしなくてはなりません。

相続人同士でトラブルが発生したり、相続問題が長期化したりする可能性もあります。

自分だけで手続きをおこなうのが不安であれば、専門家である弁護士のサポートを求めることを強く推奨します。

相続問題を得意とする弁護士を探す場合は、全国の弁護士を検索可能なポータルサイト「ベンナビ相続」が便利です。

「ベンナビ相続」であれば、都道府県別・主要都市別にお住いの地域で活動する弁護士を簡単に探せます

無料相談や休日相談の可否などの条件を指定して弁護士を検索することも可能です。

音信不通の兄弟がいる場合の相続のことで不安があれば、なるべく早く弁護士に相談しましょう。

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この記事の監修者
山村忠夫法律事務所
山村 真登 (京都弁護士会)
上質かつ満足度の高いリーガルサービスを幅広いお客様に提供する目的のもと設立。税理士や司法書士、公認会計士、不動産業者などの専門士業と連携し、いかなる相続問題に対しても迅速、柔軟かつ、専門的に対応可能。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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