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2019年08月15日

不在者財産管理人とは|相続人の一人と音信不通の時の対処法

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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不在者財産管理人(ふざいしゃざいさんかんりにん)とは、その名のとおり行方不明の人(不在者)の財産を管理する人のことで、相続の場面では、行方不明となっている相続人がいる際にその相続人の財産を管理する人物のことです(民法25条~29条)。

 

通常、遺産分割協議は相続人全員が集まり話し合いによって協議します。しかし、相続人である一人が行方知れずになっており、連絡が付かない場合、遺産分割協議を行うことができません。そのようなケースで、行方不明の相続人に代わって遺産分割協議に参加するのが不在者財産管理人です。

 

本記事では、不在者財産管理人の選任条件と選任方法、また、不在者財産管理人の権限についてご説明いたします。

 

 

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相続人の誰かが行方不明な場合は

弁護士が不在者財産管理人になることも可能です

弁護士が不在者管理人になるメリットは?

  • 遺産分割協議をスムーズに進めたい
  • 相続争いが起きる可能性を事前に防ぎたい
  • 第三者が不在者管理人になるのは不安

 

上記のような悩みを抱えているなら弁護士に依頼するのをオススメします。弁護士が不在者管理人になれば法律に基づき話し合いをするためスムーズな遺産分割協議が可能です。依頼するかどうか考えているなら1度相談してみてください。

 

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相続人が見つからない場合の不在者財産管理人

冒頭でお伝えしたように、不在者財産管理人とは、相続の場面で、相続人が行方知れずになっており、相続を始められない場合に、行方不明の相続人の代理となる人物です。
相続の現場では、必ず相続人全員が集まらなければならないというわけではありませんが、相続人全員の同意がなければ遺産分割協議は終了しません。もし相続人が1人揃わなかったからといって、その相続人抜きで遺産分割協議をすることはできないのです。
 
そこで、家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申し立てることにより、不在者の相続人に代わって不在者財産管理人が遺産分割協議に参加することができ、相続を進めることができるようになるのです。

 

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不在者財産管理人の選任条件

ではまず、不在者財産管理人はどのような条件の方が選ばれるのでしょうか。
例えば、相続にA、B、C、Dがいたとして、Dと全く連絡が取れなかったとします。そこで、Dの不在者財産管理人にXが選任されました。
 
このXは、Aと親密な関係にあり、本来Dがもらうべき相続財産の一部がAに分割されました。そうなると、BとCはいたたまれませんし、実に不平等です。そこで、不在者財産管理人には以下のような選任条件があります。
 

“不在者”の条件はある程度長期間の行方不明から

まず、ここで言う“不在者”の定義ですが、行方不明からある程度の期間が経っていることが条件として言えます。言い換えると、「数日前には連絡がついていたのに、いざ相続が始まると全く連絡が取れなくなった」程度では行方不明とは言い切れないのです。

 

そもそも不在とは

「従来の住所又は居所を去った」ことをいい、当分帰来する見込みがない場合にこの条件を満たすことになります。その際生死不明であることは求められませんが、ほんの数日間音信不通であるといった場合には、不在者と言えるかどうかは微妙なところです。

 

戸籍謄本から相続人の「戸籍の附票」を請求

連絡が取れなくなった相続人が不在者に該当しない場合には、相続人調査で集まった戸籍謄本から、連絡の取れない相続人の「戸籍の附票」を請求することにより、現在の住所を知ることができます。その上で、手紙や電話での連絡手段を取り、相手からの返答を待つことになるでしょう。

 

長期間不在が明らかな場合は失踪宣告を利用

なお、あまりにも長期間不在であることが明らかに分かっている場合は、失踪宣告を利用し不在者の相続人を交えて遺産分割協議をすることもあります。

 

失踪宣告は、その人の生存が確認された最後の時から7年以上経っている場合に利用でき、失踪宣告がなされるとその人は法的に「死亡したもの」と扱われるため、これらの相続人を遺産分割協議に加えることで先の相続を進めることができます。
 

相続に利害関係のない第三者が一般的に選任される

不在者財産管理人に選任される人物は、一般的に利害関係のない第三者が選任されます。

 

後ほど詳しくご説明いたしますが、不在者財産管理人は不在者自身や不在者の財産を守るのがその役目です。したがって、相続の際に利害が対立するであろう人を不在者財産管理人にすることは、原則としてできないものと考えるのが良いでしょう。

 

親族内から不在者財産管理人を選任したい場合は、相続人でない親族であることが大前提となり、被相続人の友人等を候補にしても良いかと思います。
 
また、不在者の親族とは連絡が取れる場合、そのまま不在者の親族が不在者財産管理人となるケースもあります。

なお、不在者本人が既に財産管理人を置いている場合には、裁判所は原則として干渉できません(民法25条2項)。同様に、不在者に法定代理人(親権者・後見人)がいる場合には、法律の規定によって不在者の財産が管理されることになるので、特別の措置は必要ありません。
 

候補がいない場合は家庭裁判所が専門家を選任する

もし被相続人や不在者の親族に適任の人物がいない場合は、家庭裁判所から弁護士や司法書士などの専門家が不在者財産管理人として選任されます。また、選任者として申し立てられた人物が適していないと判断された場合も、専門家が選任されるケースがあります。

 

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不在者財産管理人に与えられる職務

不在者財産管理人は、「財産管理人」ですから、不在者の財産を管理しなくてはなりません。それは職務となり、若干の手間がかかります。その分報酬も請求することも可能です。こちらでは、不在者財産管理人に選任された方が行うことを解説いたします。
 

不在者の相続財産の管理

不在者財産管理人は、その名の通り、不在者の財産を管理します(民法28条・103条)。能動的に財産を使うことはありませんが、維持や改良、返済のための支払いがある場合は、財産の一部から支払います。
 
しかし、不在者財産管理人が不在者の財産を自由に使えるというわけではなく、不正に使用したことが発覚した場合、不在者財産管理人の改任、損害賠償の請求、場合によっては業務上横領として刑事罰に問われることもあります。

※ここでいう改任=解任と考えていただいて問題ありませんが、条文上はこのような言葉が使われています(民法26条)。
 

財産目録の作成と裁判所への報告

不在者の財産を把握・管理したうえで、不在者の財産目録を作成し、裁判所へと報告する義務があります。裁判所への報告は定期的に行う必要があります。財産目録の作成については「財産目録を自分で作成する手順」をご覧ください。
 

不在者の相続財産の中から報酬が支払われることも

このように若干面倒な不在者財産管理人。さらには、弁護士や司法書士が選任された場合、ただ働きをしてくれるわけではありません。裁判所へ請求することにより不在者の財産の一部から報酬を受け取ることを認められることがあります。報酬の相場は一概には言えませんが、月1~5万円程度とされています。
 

不在者財産管理人の職務が終わる時

不在者財産管理人の職務はいつまで続くのでしょうか。「不在者が現れたとき」「不在者の死亡が確認されたとき」「不在者について失踪宣言がされたとき」この三種類のいずれかになった場合、不在者財産管理人の職務は終了です。
 
不在者が現れた場合は、そのまま不在者だった人物が財産を管理します。不在者が死亡、失踪宣言された場合は、不在者の相続人にその財産が相続されることとなります。
 
また、不在者財産管理人は、遺産分割協議だけで終了ということはありません。不在者の代わりに遺産分割協議を行ったのであれば、そのまま不在者の財産も管理しなくてはなりません。

 

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不在者財産管理人の手続き方法

それでは、こちらでは不在者財産管理人の申立方法を解説していきます。まず、大まかにまとめると、以下のようになります。下記で各項目について解説をいたします。
 

申立人

相続人など利害関係人、不在者の親族、債権者および検察官

申立先

不在者の住所、または居所を管轄する家庭裁判所

必要費用

・連絡用の郵便切手
・収入印紙800円

必要書類

・申立書
・不在者の戸籍謄本
・不在者の戸籍附票
・不在者財産管理人の候補者の住民票もしくは戸籍附票
・不在者の不在を証明する資料
・不在者の財産に関する資料
・申立人の戸籍謄本や賃貸契約書などの申立人との関係性を証明するもの

 

申立人

申立人は、不在者がいることで遺産分割協議が行えない相続人、不在者が相続できない恐れのある不在者の親族、遺産分割協議が行えないことにより債権回収ができない被相続人の債権者など、不在者がいることにより利害関係が生じる人物です。また、検察官が申立人となる場合もあります。
 

申立先

申立先は、不在者の住所を管轄する家庭裁判所です。被相続人の住所を管轄する裁判所ではありませんのでお気を付けください。
 

必要費用

費用は、収入印紙800円と郵便切手代のみとそこまでかかりません。不在者財産管理人が報酬を請求した場合、不在者に振り分けられた相続財産の中から支払われることとなります。
 

必要書類

必要書類は、不在者、不在者財産管理人に選任する人物、申立人の3人の書類を集める必要があります。また、不在であることの証明や不在者の財産が分かる書類(不動産登記証明書や通帳写しなど)も必要となります。
 
そのうえで、申立書を記入し裁判所に提出します。裁判所が不在であると認めた場合、不在者財産管理人が選任されます。通常、申立人が選任した人物が選ばれますが、裁判所がその人は適していないと判断した場合、弁護士・司法書士などの専門家が選任されることもあります。
 
申立書の記入例は、「裁判所:不在者財産管理人選任申立書記入例」を参考にしてください。

 

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不在者財産管理人が遺産分割協議に参加する場合は別の手続きが必要

不在者財産管理人の申立は、あくまで「不在者の財産を管理する権利」を得るための申請です。厳密に言うと、不在者財産管理人が遺産分割協議に参加することは権限外の行為なのです。
 
そこで、不在者財産管理人として、「権限外行為許可」を裁判所から得なくてはなりません。申立先や必要書類は上記と変わりませんが、不在者財産管理人権限外行為許可の申立書が別途必要となります。
 
不在者財産管理人権限外行為許可の記入例は「裁判所:不在者財産管理人権限外行為許可記入例」をご覧ください。
 

 

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まとめ

いかがでしょうか。相続時に必ず全員の相続人が揃うとは言い切れません。長期間音信不通となっている相続人がいる場合、不在者財産管理人が不在者の財産を管理するということがあります。

 

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【迷っている方へ】弁護士に相談するとどんな風に相続問題が解決する?

 

相続トラブルを解決し遺産を多く受け取る方法とは?

相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。

 

これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。

 

相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。

 

相続トラブルの金額

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。

 

遺産分割に関する調停事件の推移

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

 

相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?

相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。

 

相続人の数

<参考資料:国税庁 統計年報>

 

相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。

 

トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。

 

弁護士を介入させると費用が高くつくイメージがありますが、結果的にはトラブルを解消できるだけではなく、相続面でも優位に働き、金銭的にもメリットを得られることが多くなります。

 

 

相続に強い弁護士の選び方と相続相談の具体例

相続に際し、雇うのは弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
最大のメリットが得られる弁護士の選び方は、以下を参考にしてください。

 

 

  • 1、相続が得意な弁護士を選ぶ

    相続トラブルの解決実績が豊富だったり、相続問題に注力していたりする弁護士を選びましょう。

  • 例えば、医者に「内科」「外科」「皮膚科」「耳鼻科」…と専門分野があるように、弁護士にも「相続」「離婚」「借金」「企業法務」…といった得意分野があります。

  • 相続があまり得意でない弁護士に依頼しても十分なメリットを受けられない可能性があるため、相続を得意とする弁護士に依頼することが大切です。

  • 2、初回相談料の安い弁護士を選ぶ

    初回相談は自分と相性の良い弁護士を選ぶチャンスですので、1件だけではなく複数と話をしてみましょう。

  • 件数を重ねるために初回の相談料を必ず確認しましょう。(相談無料〜3000円程度をオススメします)

  • 3、近隣の弁護士を選ぶ

    相続の弁護士は全国対応していることも多いのですが、やはり対面での関係性構築や急な事態に対応できる近隣の弁護士事務所が最善策といえるでしょう。

 

 

相続で弁護士が介入するデメリットは、あまりありません。

 

あえて挙げるなら、依頼に費用がかかる点でしょうか。

 

しかし、以下の費用対効果の例をご覧いただけば、実際には費用がデメリットとはならないことが、おわかりいただけると思います。

 

不公平な遺言書に対し弁護士を通じて遺留分を主張した例

3,000万円の遺産を遺して親が世を去った。全財産をほかの相続人に相続させる旨の遺言書があり、このままでは自分は一切遺産を受け取ることができない。

弁護士に依頼した結果

遺留分侵害額請求により、自分の遺留分割合である8分の1の遺産を受け取ることができた。

費用対効果

自分が受け取ることができた遺産は375万円。弁護士費用は84万円。そのまま泣き寝入りしていれば1円も受け取ることができなかったが、結果的に弁護士費用を差し引いても291万円を手にすることができた。

また、相続トラブルに関しては、初期費用(着手金)はかかるものの、費用の大部分は成果報酬方式です。


つまり依頼料はデメリットにならないのです。

 

>>費用対効果の高い弁護士とは?

 

簡単かつ早急に信頼できる弁護士を選ぶ方法

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使い方も簡単なので、近隣の事務所を確認だけでもしてみることをおすすめします。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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