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相続放棄申述受理証明書の申請が必要なケース|申請方法や費用も解説

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相続放棄申述受理証明書とは、相続放棄をしたことを第三者に証明するための書類で、裁判所に交付申請すると発行されて何度でも再発行できます

似たものとして相続放棄申述受理通知書がありますが、これは「相続放棄の申請を受理したことを申請人に知らせる書類」です。

相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の手続きが完了すると裁判所から送付されますが、再発行はできません。

相続放棄申述受理証明書は、銀行にて相続放棄したことを証明する場合や、不動産の名義変更をする場合などに必要です。

本記事では、相続放棄申述受理証明書を申請する手順や必要な書類、費用などについて解説します。

相続放棄に不安がある方へ

相続の段階で親の借金が発覚するなどして相続放棄を検討しているが、本当に相続放棄をすべきかわからない...と悩んでいませんか?

結論からいうと、相続放棄を検討している場合は弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

 

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相続放棄申述受理証明書が必要なケース

相続放棄申述受理証明書が必要になるのは以下のケースです。

  • 相続登記(不動産の名義変更)をするとき
  • 金融機関などの債権者が要求してきたとき

なお、相続放棄申述受理証明書は相続放棄した人が利用することは基本的になく、ほかの相続人や金融機関などが使うものであり、必要になってから発行手続きをすれば問題ありません

相続登記(不動産の名義変更)をするとき

相続登記の際に、相続放棄をした相続人がいる場合には、相続放棄申述受理証明書が必要です。

相続放棄をしたことはほかの書類ではわからないため、相続放棄申述受理証明書を登記所に提出して、相続放棄があったことを証明しないと相続登記ができません。

提出を求められた場合は、自分で交付申請するか、相続登記をする方に依頼しましょう。

金融機関などの債権者が要求してきたとき

「被相続人に借金などの債務があり、相続人が相続放棄する」というケースもあります。

その場合、相続人が相続放棄をしたことは債権者には伝わらず、相続放棄後に督促状が届くことがあります。

督促状が届いても、相続放棄をしているため支払い義務はありませんが、被相続人の債務について相続放棄したことを証明するために相続放棄申述受理証明書が必要になる場合があります。

相続放棄をした本人(申述人)が相続放棄申述受理証明書を申請する際の手順

相続放棄申述受理証明書の申請手続きでは、「相続放棄をした本人がおこなう場合」と「それ以外の人がおこなう場合」で必要書類が異なります

相続放棄をした本人が申請する場合は、申請書・必要書類・手数料分の収入印紙などを準備して、郵送または窓口にて申請します。

申請書は、手続きをする家庭裁判所によって書式や名称が異なります。

事前に申請先の家庭裁判所で、相続放棄申述受理証明書の申請をしたい旨を伝えておくとスムーズに手続きできるでしょう。

申請方法

窓口で申請する場合、申請書や必要書類を揃えて提出すれば完了です。

郵送で申請する場合、必要書類・手数料分の収入印紙・返信先を記載して切手を貼った返信用封筒などを揃えて、家庭裁判所へ送付します。

そのあとは、3日~5日程度で証明書が届くのが一般的ですが、詳しい日数などは申請先の家庭裁判所に電話で確認しましょう。

必要書類

ここでは、相続放棄申述受理証明書の申請に必要な書類を解説します。

ただし、申請先の家庭裁判所や事案ごとに多少異なる場合があるため、都度確認しましょう。

窓口で申請する場合

郵送で申請する場合

・相続放棄申述受理証明申請書

・手数料150円分の収入印紙

・相続放棄申述受理通知書

・申述人本人の認印

・申述人本人の身分証明書

・相続放棄申述受理証明申請書

・手数料150円分の収入印紙

・相続放棄申述受理通知書の写し

・申述人本人の認印

・申述人本人の身分証明書の写し

・返信先を記載した返信用封筒

・返信用の82円切手(交付枚数が5枚以上の場合は92円以上の切手)

なお、相続放棄の申述時と氏名や住所などが異なる場合は、戸籍謄本や住民票なども必要です。

相続放棄申述受理証明申請書

相続放棄申述受理証明申請書については、「家事事件書類交付等申請書」などと名称が異なる場合もあり、詳しくは申請先の家庭裁判所に問い合わせましょう。

東京家庭裁判所の場合、以下のような形式になっています。

相続放棄受理証明書交付申請書

引用元:相続放棄受理証明書交付申請書 記入例|裁判所

基本的には所定の用紙の空欄を埋める形式のため、自力でも作成できます

申請書内の押印は認印でも可ですが、スタンプ印は不可ですので注意してください。

手数料150円分の収入印紙

収入印紙は申請書の所定欄に貼付します。

1通あたりの手数料になるため、複数請求する場合はそのぶん手数料がかかります。

ほかの相続人や利害関係人が相続放棄申述受理証明書を申請する際の手順

相続放棄申述受理証明書は、相続放棄をした本人以外でも「利害関係人」に該当する人などは申請できます

利害関係人とは、特定の事項について法律上の利益を有する人のことを指します。

相続放棄申述受理証明書の手続きに関しては、共同相続人・受遺者・被相続人の債権者などが利害関係人に該当します。

申請方法

基本的には相続放棄をした本人がおこなう場合と同様で、郵送・窓口どちらでも手続きできます。

利害関係人が申請する場合、必要書類が多いため余裕を持っておこなうとよいでしょう。

必要書類

利害関係人が相続放棄申述受理証明書を申請するために必要な書類を解説します。

窓口で申請する場合

郵送で申請する場合

・相続放棄申述受理証明申請書

・手数料150円分の収入印紙

・利害関係を証明する書類

・申請者の認印

・申請者の身分証明書

・相続放棄申述受理証明申請書

・手数料150円分の収入印紙

・利害関係を証明する書類

・申請者の身分証明書の写し

・申請者の認印

・返信先を記載した返信用封筒

・返信用の82円切手(交付枚数が5枚以上の場合は92円以上の切手)

なお、申請者が法人の場合は資格証明書の原本なども必要です。

相続放棄申述受理証明申請書

利害関係人用の申請書が別途用意されている裁判所もありますが、そうでない場合は通常の申請書を利用しましょう。

申請書の押印については、申請者が個人の場合は認印で足りますが、法人の場合は会社代表者の職印が必要です。

手数料150円分の収入印紙

相続放棄をした本人が手続きする場合と同様に、1通あたりの手数料として150円分の収入印紙が必要です。

利害関係を証明する書類

利害関係人が申請する場合、基本的には以下のような「相続人であることを証明する資料」や「債権者であることを証明する資料」などの提出が必要です。

相続人による申請の場合

債権者による申請の場合

・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本

・申請者の戸籍謄本 など 

・被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍)謄本

・債権の契約書

・被相続人の住民票(除票)、戸籍附票、契約時添付の印鑑登録証明書 など

必要な書類はケースによって異なるので、詳しくは申請先の裁判所に確認してください。

資格証明書の原本(申請者が法人の場合)

申請者が法人の場合は、資格証明書の原本の提出も必要です。

また、債権回収会社が申請する場合は「債権回収に関する委託証明書」の原本なども必要です。

なお、契約時から法人の合併や商号などが変更されている場合や、債権譲渡などにより債権者が変更している場合は、その証明となる法人の「登記事項証明書」や「債権譲渡通知書」なども準備しましょう。

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相続放棄申述受理証明書の取得費用

相続放棄申述受理証明書を取得する際は、手数料として1通あたり150円分の収入印紙が必要です。

郵送で請求する場合は、さらに返信用切手を返信用封筒に貼って同封する必要があります。

相続放棄申述受理証明書の発行手数料は全国一律ですが、返信用の切手代に関しては家庭裁判所によって異なる可能性があるので、申請前に請求先の家庭裁判所に確認することをおすすめします。

窓口申請にかかる費用

郵送申請にかかる費用

・収入印紙代:1通あたり150円

・収入印紙代:1通あたり150円

・返信用切手代:交付枚数が1枚~4枚の場合は82円、 5枚以上の場合は92円~

相続放棄申述受理証明書は再発行できる

相続放棄申述受理証明書と相続放棄申述受理通知書には、次のような違いがあります。

 

相続放棄申述受理通知書

相続放棄申述受理証明書

発行方法

相続放棄の申述がおこなわれると1通発行される

必要に応じて申請書を提出し、手数料を支払って交付してもらう

手数料

0円

(相続放棄費用は別途)

150円/通

再発行

不可

可(再申請)

相続放棄申述受理証明書については、1通につき150円の手数料を支払えば、何度でも再発行が可能です。

一方、相続放棄申述受理通知書は、一度の相続放棄の申述につき1通発行されるものであり、再発行はできません。

相続放棄申述受理通知書の紛失が不安な方は、コピーを取っておくとよいでしょう。

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相続放棄申述受理証明書を取得する際の注意点

相続放棄申述受理証明書を取得する際は、以下の2点に注意しましょう。

相続放棄申述受理証明書を取得する際の注意点
  • 裁判所が相続についての情報を保存しておくのは30年間
  • 相続放棄申述受理通知書をなくした場合は申述の照会が必要

裁判所が相続についての情報を保存しておくのは30年間

裁判所が相続についての情報を保存する期間は30年間とされています。

30年を経過すると相続放棄申述受理証明書の発行ができなくなりますが、借金などの債権には5年~10年の時効があるので、あまり気にする必要はありません。

もし不安な場合は、被相続人の債務を含む財産調査をしっかりおこない、場合によっては弁護士や司法書士などに依頼するのもおすすめです。

相続放棄申述受理通知書をなくした場合は申述の照会が必要

利害関係人が相続放棄申述受理証明書の申請をする場合、申請書には事件番号を記載する欄が設けられています。

これは「相続放棄申述の事件番号」のことであり、相続放棄申述受理通知書に記載されています。

もし通知書をなくして事件番号がわからない場合は、申請前に相続放棄・限定承認の申述の有無について照会をおこなう必要があります。

以下のような書類を準備して、家庭裁判所の窓口または郵送にて手続きをおこないましょう。

  • 申請書(書式
  • 被相続人の本籍地が表示されている住民票除票
  • 照会者の資格を証明する書類(個人の場合は住民票、法人の場合は資格証明書または商業登記簿謄本)
  • 利害関係の存在を証明する書類の写し(金銭消費貸借契約書・不動産登記事項証明書・訴状など)
  • 委任状(代理人に委任する場合)
  • 返信用封筒、返信用切手(郵送する場合)

さいごに

相続放棄申述受理証明書は、相続登記する場合や債権者から要求された場合などに必要です。

「相続放棄をした本人」や「利害関係人」などの申請者によって必要書類は異なり、申請する際は書類不備などがないように注意しましょう。

なお、場合によっては相続放棄申述受理通知書でもよいというケースもあるため、提出を求められた際はどちらの書類が必要なのか一度確認してみることをおすすめします。

相続放棄に不安がある方へ

相続の段階で親の借金が発覚するなどして相続放棄を検討しているが、本当に相続放棄をすべきかわからない...と悩んでいませんか?

結論からいうと、相続放棄を検討している場合は弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

 

弁護士に相談することで以下のようなメリットを得ることができます。

  • 相続放棄をするべきかのアドバイスがもらえる
  • 相続放棄にどれくらいの費用がかかるかがわかる
  • 依頼すれば、相続放棄の手続きを任せることができる

当サイトでは、相続放棄をはじめとした相続問題を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。

無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者
法律事務所エムグレン
武藏 元
弁護士歴10年以上にわたって多数の相続トラブル解決に尽力。多数のメディア出演、著書の執筆実績をもつ。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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