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遺産分割協議書を自分で作成したい|作成方法・記載事項・文例・リスクなどを解説

代表弁護士 野条 健人
監修記事
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亡くなった家族の遺産を分割する際には、相続人全員で「遺産分割協議書」を作成しなければなりません。

遺産分割協議書は、専門家に依頼せず自分で作成することもできます。

ただし、素人が作成すると相続トラブルに発展するリスクがあるため、基本的には弁護士などに作成を依頼することをおすすめします。

本記事では、遺産分割協議書を自分で作成する際に知っておくべき記載事項・文例・リスクなどを解説します。

遺産分割協議書を自分で作成しようとしているあなたへ

自分で遺産分割協議書を作成できるかわからず悩んでいませんか?

結論からいうと、遺産分割協議書は専門家に依頼せず自分で作成することはできます。

しかし、専門的な知識がないと協議書の内容に不備がある場合があり、相続トラブルを招いたり、相続登記などの手続きが滞る可能性があります。

トラブルにならない遺産分割を望む場合、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

また、弁護士に相談することで以下のようなメリットを得ることができます。

  • 自分で遺産分割協議書を作成する方法を教えてもらえる
  • トラブルにならない遺産分割について助言がもらえる
  • 依頼すれば、遺産分割協議書の作成を一任できる

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目次

遺産分割協議書は自分でも作成できる|ただしリスクが高い

遺産分割協議書は、被相続人の遺産を分割する方法を記載した、相続人や包括受遺者などが全員で締結する書面です。

相続後のトラブル防止に繋がるほか、相続登記や相続税申告などの際に必要となるため、遺産分割をする際は必ず作成しましょう

遺産分割協議書は、専門家に依頼せず自分でも作成できます。

ただし、遺産分割協議書の内容に不備があると、相続トラブルが再燃したり、相続登記や相続税申告などの手続きが滞ったりするおそれがあります。

そのため遺産分割協議書の作成は、基本的には専門家に依頼するのがおすすめです。

遺産分割協議書を自分で作成する際の流れ

遺産分割協議書を自分で作成する場合は、以下の流れでおこないます。

  1. 遺言書の有無を調べる
  2. 法廷相続人を調査して招集する
  3. 相続財産を調査して確定する
  4. 相続の方法を検討する
  5. 遺産分割協議をおこなう
  6. 遺産分割協議書を作成する

1.遺言書の有無を調べる

はじめに被相続人が残した遺言書があるかどうかを調べます。

もし遺言書がある場合には、その遺言書が有効であるかを確認します。

そして、全ての相続財産について分割方法が指定されているのであれば、遺言書に従い遺産を分配することになります。

したがって、遺産分割協議書の作成は不要です。

ただし、遺言書と異なる内容で遺産分配をおこなうことに相続人全員が同意する場合には、遺産分割協議書を作成する必要があります。

2.法定相続人を調査して招集する

遺産分割協議書は、相続人全員で締結しなければなりません。

そのため、あらかじめ被相続人の戸籍謄本を確認し、相続できる方を調査する必要があります。

また、遺言書で包括受遺者が指定されている場合は、包括受遺者も遺産分割協議書の当事者に含める必要があります。

包括受遺者とは、遺産を具体的に特定せず、割合のみを指定して遺贈(遺言による贈与)を受けた方のことです。

これに対して、遺産を具体的に特定して遺贈を受けた方のことを「特定受遺者」と呼びます。

相続人になるのは、被相続人の配偶者と、以下の相続順位の最上位にあたる方です。

把握漏れがないように、戸籍を辿って全ての相続人を確定しましょう。

  • 第1順位:子ども(代襲相続が生じた場合は孫・ひ孫など)
  • 第2順位:父母や祖父母などの直系尊属(親等の近い人が優先)
  • 第3順位:兄弟姉妹(代襲相続が生じた場合は甥・姪など)

代襲相続とは、相続人が死亡・相続欠格相続廃除などによって相続を受けられない場合に、その子どもが代わりに相続人となる制度のことです。

相続人・包括受遺者が把握できたら、遺産分割協議をすることを全員に伝えましょう

なお、連絡のつかない相続人・包括受遺者がいる場合は、不在者財産管理人の選任申し立てなどの対応をおこなう必要があるため、弁護士に相談してください。

3.相続財産を調査して確定する

遺産分割協議の前に、分割対象となる相続財産を調査して確定する必要があります。

被相続人が死亡時に持っていた財産は、祭祀財産などの一部の例外を除き、全てが遺産分割の対象です。

たとえば、以下のものがあてはまります。

  • 現金
  • 預貯金
  • 有価証券
  • 貴金属類
  • 不動産(土地、建物)
  • 自動車
  • ゴルフ会員権
  • 貸付債権
  • 売掛債権 など

相続後に新たな遺産が見つかった場合、もう一度遺産分割協議をする必要があるため、漏れなく遺産を把握しましょう。

4.相続の方法を検討する

遺産分割の対象となる相続財産が確定したら、以下のいずれかの相続方法を選択します。

  • 単純承認
  • 限定承認
  • 相続放棄

単純承認は、プラスの財産とマイナスの財産を含めた全ての相続財産を相続する方法です。

プラスの財産がマイナスの財産よりも多いときに選択します。

限定承認はプラスの財産からマイナスの財産を差し引いたうえで、財産が余った場合に相続する方法です。

一方、相続放棄は相続財産を引き継ぐこと自体を放棄する方法です。

特にプラスの財産よりもマイナスの財産が多いときに有効な方法となります。

相続財産の内容に応じて、適切な方法を検討しましょう。

5.遺産分割協議をおこなう

相続財産の把握が完了したら、実際にどのように遺産を分けるかを話し合います。

相続人・包括受遺者が一堂に会して話し合うのが一般的ですが、それぞれ遠方にいる場合や人数が多い場合など、対面での協議が難しければオンラインでも問題ありません。

遺産分割に関する要望はそれぞれあるかと思いますが、早期・円満に遺産分割を完了するには、ある程度の妥協・譲歩も必要です。

どうしても譲れない部分と譲ってもよい部分を明確化して、建設的に話し合いをすることで早期解決に繋がります。

6.遺産分割協議書を作成する

遺産分割の内容が確定したら、相続人・包括受遺者の全員で遺産分割協議書を締結します。

相続後のトラブルや相続手続きの遅延を防ぐため、以下の点を明確な文言で記載しましょう。

  • 誰が相続するか
  • どの遺産を相続するか
  • どのくらい相続するか(預貯金などの分割できる財産の場合)

相続登記や相続税申告などの手続きの都合上、遺産分割協議書には印鑑登録された実印での押印が必要ですので注意してください。

なお、遺産分割協議書の書式は自由ではありますが、不備があると相続トラブルの再燃や、相続手続きに支障が生じる場合があります。

トラブルを未然に防ぐためにも、公正役場で公正証書にするのがおすすめです。

遺産分割協議書を自分で作成する際の記載事項と文例

遺産分割協議書には、主に以下の事項を記載します。

  1. 被相続人・相続人・包括受遺者の明示
  2. 遺産目録
  3. 誰が・どの遺産を・どのくらい相続するか
  4. 特別受益・寄与分の取り扱い
  5. 清算条項
  6. あとから遺産が発見された場合の取り扱い
  7. 署名・押印

各事項について、文例とともに解説します。

被相続人・相続人・包括受遺者の明示

相続に関する当事者として、被相続人と相続人を明示します。

包括受遺者がいる場合には、包括受遺者も当事者として記載しましょう。

(例)
被相続人○○(〇年〇月〇日死亡)の相続につき、相続人△△、相続人□□、包括受遺者◇◇は、次のとおり遺産分割をおこなうことに合意する。

遺産目録

遺産分割協議書には、遺産目録を添付して分割対象の財産を列挙するのが一般的です。

遺産目録については、ほかの財産と区別できる程度に、遺産を特定できる情報を記載します。

(例)

遺産目録

1. 不動産(土地)

所在:東京都〇〇区〇〇町〇丁目

地番:〇番地〇

地目:宅地

地積:〇〇平方メートル

2. 不動産(建物)

所在:東京都〇〇区〇〇町〇丁目

家屋番号:〇番〇

種類:居宅

構造:鉄骨鉄筋コンクリート造2階建

床面積:1階〇平方メートル、2階〇平方メートル

3. 預貯金債権

金融機関名:〇〇銀行

支店名:〇〇支店

預金種別:普通

口座番号:〇〇〇〇〇〇〇

金額:〇〇〇万円

なお、遺産の種類が少ない場合は、遺産目録を省略して、本文でその都度遺産を特定することもあります。

誰が・どの遺産を・どのくらい相続するか

遺産目録で特定された遺産について、誰がどの遺産を相続するかを明記します。

(例)

〇〇は、別紙遺産目録第1項記載の土地を相続する。

預貯金などの分割できる財産については、どのくらい相続するかも明記しましょう。

(例)

別紙遺産目録第3項記載の預貯金債権のうち、〇〇〇万円分を〇〇が相続し、その余を△△が相続する。

遺産目録を作成しない場合は、遺産の内容を明記したうえで、誰がどのくらい相続するかを記載します。

(例)

下記の預貯金債権のうち、〇〇〇万円分を〇〇が相続し、その余を△△が相続する。

金融機関名:〇〇銀行

支店名:〇〇支店

預金種別:普通

口座番号:〇〇〇〇〇〇〇

金額:〇〇〇万円

 特別受益・寄与分の取り扱い

遺産分割の際には、「特別受益」と「寄与分」が問題になることがあります。

特別受益とは、相続人が被相続人から受けた遺贈および婚姻・養子縁組のため、または生計の資本として受けた贈与のことです。

特別受益が認められる場合、その相続人の相続分は減り、ほかの相続人の相続分が増えます。

寄与分とは、事業への協力や介護などにより、相続財産の維持・増加に寄与した相続人に認められるものです。

寄与分が認められる場合、その相続人の相続分は増え、ほかの相続人の相続分が減ります。

特別受益・寄与分を考慮して遺産分割をする場合は、相続後の紛争を防止するため、どのように考慮したのかを遺産分割協議書に明記しましょう。

(例)

〇〇が被相続人の事業を手伝い、相続財産の維持および増加に貢献したことに関する寄与分を、遺産総額の8分の1と定めたうえで、本書に基づく遺産分割をおこなう。

〇〇は、〇年〇月〇日付で、被相続人から生計の資本として〇〇〇万円の贈与を受けた。当該贈与は特別受益に該当することを前提として、本書に基づく遺産分割をおこなう。

清算条項

清算条項」とは、合意書面に定められた内容のほか、当事者間に何ら権利義務関係が存在しないことを確認する条項です。

遺産分割に関する紛争の蒸し返しを防止するため、遺産分割協議書には清算条項を記載しましょう。

(例)

本書の当事者は、遺産について、本書に定めるもののほか、当事者間に何らの債権債務関係がないことを確認する。

あとから発見された遺産の取り扱い 

遺産分割協議の時点では見つかっていなかった遺産や債務が、後日見つかるということもありえます。

遺産や債務が新たに見つかった場合、どのように分割方法を決めるのかについても定めておきましょう。

(例)

本書に記載なき遺産(債務を含む)の存在が後日判明した場合、当該遺産の分割方法は、相続人および包括受遺者全員の協議により別途定める。

本書に記載なき遺産(債務を含む)の存在が後日判明した場合、当該遺産は全て〇〇が取得する。

法定相続人全員の署名・押印

遺産分割協議書の末尾には、相続人・包括受遺者の全員で署名・押印をします。

(例)

以上、本書成立の証として本書〇通を作成し、相続人全員が署名押印のうえ、各自1通を保管する。

〇年〇月〇日

【住所】

相続人【氏名】        印

【住所】

相続人【氏名】        印

【住所】

包括受遺者【氏名】  印

なお、相続登記や相続税申告などの手続きの都合上、押印は印鑑登録された実印でおこない、法定相続人全員の印鑑証明書を添付しましょう。

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遺産分割協議書を自分で作成する際の3つのポイント

遺産分割協議書を自分で作成する際には、以下のポイントを意識しましょう。

  1. 遺産分割協議書のひな型を活用する
  2. 遺産分割協議書の作成枚数について明記する
  3. 遺産分割協議書が複数枚になるときは契印や割印をする

各ポイントについて詳しく解説します。

1.遺産分割協議書のひな型を活用する

遺産分割協議書に決まった書式はないため、手書きやパソコンで自由に作成できます。

しかし、遺産分割協議書はあくまでも法律文書です。

内容に不備や記入漏れがあると、遺産分割協議の取り決めが認められないおそれがあります。

そのため、自分で作成する場合には遺産分割協議書のひな型を活用するのがおすすめです。

遺産分割協議書のひな型については、法務局のホームページで公開されています。

こちらを参考にしてください。

2.遺産分割協議書の作成枚数について明記する

遺産分割協議書には書類を何通作成するのか、誰が書類を保管するのかについて明記します。

あらかじめ記載しておくことで、のちのトラブル防止につながるからです。

基本的には法定相続人の人数分だけ書面を作成し、それぞれの相続人が書面を保管するようにしましょう。

3.遺産分割協議書が複数枚になるときは契印や割印をする

遺産分割協議書が2枚以上になるときには、製本したうえで製本テープと表紙・裏表紙にまたがるように契印をします。

また遺産分割協議書には、それぞれの書面が本物であると見分けられるように割印をします。

なお、契印や割印は法定相続人全員が実印で押すことが必須となっています。

遺産分割協議書を自分で作成した後の提出先

遺産分割協議書を自分で作成した後には、さまざまな相続手続きで提出を求められます。

代表的な手続きについては、以下のようなものがあります。

  • 預貯金の解約や名義変更
  • 有価証券の名義変更
  • 不動産の相続登記
  • 自動車の名義変更
  • 相続税の申告

各手続きの提出先と相続手続きの内容について、詳しく見ていきましょう。

預貯金の解約や名義変更は銀行など

預貯金を相続した場合には、口座の解約や名義変更の手続きに遺産分割協議書を利用します。

提出先は預貯金を預け入れている金融機関であり、戸籍謄本や印鑑証明書などの必要書類と合わせて手続きをおこないます。

有価証券の名義変更は証券会社など

上場株式や投資信託などの有価証券を相続した場合には、有価証券の名義を被相続人から自分のものに変更します。

有価証券の種類ごとの遺産分割協議書の提出先は、以下のとおりです。

  • 上場株式は証券会社
  • 投資信託は銀行または証券会社
  • 非上場株式は株式の発行会社

自分名義の証券口座を用意したら、遺産分割協議書と各証券会社所定の書類、被相続人や法定相続の戸籍謄本を使って、名義変更した株式を預けます。

不動産の相続登記は法務局

不動産や土地、建物を相続した場合は、法務局で相続登記の手続きをおこないます。

遺産分割協議書の原本を提出し、不動産の所有権を移転します。

令和6年4月1日より相続登記は不動産取得の事実を知ったときから3年以内におこなうことが義務化されています。

不動産を相続したら期限内に相続登記を忘れずにおこないましょう。

自動車の名義変更は運輸支局など

自動車を相続したら、管轄の運輸支局におこなって名義変更をおこないます。

遺産分割協議書の提出が求められた際にスムーズに対応できるよう、原本とコピーの両方を持参しておくとよいでしょう。

なお、相続した自動車を売却する場合や廃車する場合についても名義変更をおこなう必要があることに注意しましょう。

相続税の申告は税務署

相続税の申告は、相続税の申告義務が生じる場合に必要です。

被相続人が最後に住んでいた住所地を管轄する税務署で申告手続きをおこないます。

相続税の申告書には合わせて遺産分割協議書の添付を求められるため、遺産分割協議書を合わせて提出しましょう。

遺産分割協議書を自分で作成することの4つのデメリット

遺産分割協議書は、相続人が自ら作成することもできますが、以下のリスクがある点に十分注意しましょう。

  • 相続人・相続財産の把握漏れが生じる
  • 内容に不備が生じ、相続手続きが滞る
  • 遺産分割の方法について、相続人が揉めてしまう
  • 必要書類を自分で収集しなければならない

1.相続人・相続財産の把握漏れが生じる

遺産分割協議を相続人だけでする場合、その前段階である相続人や相続財産の把握に漏れが生じるケースがあります。

相続人や相続財産の把握漏れが生じると、遺産分割協議をやり直す必要が生じて、相続手続きの混乱を招く可能性があります。

このような事態を防ぐためにも、専門家に対応を依頼するほうが安心でしょう。

2.内容に不備が生じ、相続手続きが滞る

遺産分割協議書の内容は原則として自由ですが、分割方法の記載に不備があると、相続登記や相続税申告などの手続きが滞る可能性があります。

スムーズに相続手続きを進めるためにも、たとえ自身で遺産分割協議書を作成する場合でも、その内容について専門家のチェックを受けることをおすすめします。

3.遺産分割の方法について、相続人が揉めてしまう

遺産分割では、相続人の間で意見が対立するケースがよくあります。

素人同士では論点を十分に整理できず、感情的な争いが生じやすいためです。

なかなか話し合いがまとまらず、遺産分割協議が長期化してしまうことも少なくありません。

客観的な立場である弁護士に依頼すれば、論点を整理したうえで冷静に話し合いを進めてくれて、早期解決に至る可能性が高まります。

当事者だけで遺産分割トラブルを解決するのが難しい場合は、弁護士への相談を検討してください。

4.必要書類を自分で収集しなければならない

遺産分割協議書を自分で作成する場合には、被相続人の戸籍謄本や除籍謄本、改正戸籍謄本などの必要書類を自分自身で収集しなければなりません。

そのため、時間や手間がかかります。

また、必要書類が不足していた場合には、遺産分割協議自体をやり直す必要も出てきます。

弁護士に依頼すると、被相続人の戸籍謄本などの必要書類を代わりに収集してくれます。

必要書類を自分で収集する余裕がない場合は、弁護士に相談してみるのがおすすめです。

遺産分割協議書を自分で作成する際によくある質問

最後に遺産分割協議書を自分で作成する際によくある質問について見ていきます。

  • 遺産分割協議書は必ず作成しなければいけませんか?
  • 遺産分割協議書はいつまでに作成すべきですか?
  • 遺産分割協議がまとまらない場合はどうすればよいですか?
  • 遺産分割協議書はどこで入手できますか?

遺産分割協議書は必ず作成しなければいけませんか?

遺産分割協議書は必ず作成しなければいけないわけではありません。

たとえば法定相続人が自分一人だけであれば、そもそも遺産分割協議の必要がないため、遺産分割協議書の作成は不要です。

また、法定相続人全員が相続放棄した場合についても、相続人ではなかったことになるため、遺産分割協議書を作成する必要はありません。

遺産分割協議書はいつまでに作成すべきですか?

遺産分割協議書の作成に期限は設けられていません。

ただし、相続税の申告が必要な場合には、相続開始の翌月から10ヵ月以内に遺産分割協議書を添付したうえで、申告する義務があります。

したがって、相続税の申告期限までには遺産分割協議書を作成しておく必要があるといえるでしょう。

遺産分割協議がまとまらない場合はどうすればよいですか?

遺産分割協議で話が上手くまとまらない場合には、遺産分割調停を家庭裁判所に申し立てます。

遺産分割調停では調停委員が相続人の間に入り、話し合いをサポートします。

そして遺産分割について合意を目指すのです。

なお、それでも成立しない場合には、家庭裁判所の審判に移行し、裁判所の判断で遺産分割の方法を決定します。

このような場合には、弁護士に依頼して調停や審判の手続きをサポートしてもらうのがおすすめです。

遺産分割協議書はどこで入手できますか?

遺産分割協議書はどこかで入手するものではなく、自分で作成するものです。

自分で作成する場合には、ひな形やテンプレートを参考に手書きやパソコンで作成します。

自分で作成することが難しい場合には、弁護士などの専門家に作成を依頼するのがおすすめです。

さいごに|遺産分割協議書の作成は弁護士に相談を

遺産分割協議書は自分でも作成できますが、相続トラブルに発展するリスクがあるため注意が必要です。

遺産分割協議書の作成を依頼できる専門家は複数ありますが、弁護士であればどのような案件にも対応できます

無料相談を実施している場合もあるので、まずは一度弁護士に相談してみましょう。

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この記事の監修者
かがりび綜合法律事務所
代表弁護士 野条 健人 (大阪弁護士会)
地元に根差した法律事務所で、地域とのつながりをベースにした親身な対応に定評あり。遺産分割などの相続トラブルのほか、生前対策にも力を入れ、財産管理や「終活」に関する豊富な知見を有する。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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