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生前贈与された財産を遺留分減殺請求で取り返す
2018年08月13日

生前贈与された財産を遺留分減殺請求で取り返す

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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「姉だけ生前贈与で土地をもらった」

「生前贈与で全ての財産を受け取ったら遺留分は返還しないといけないの?」

 

など、知らない間に財産を兄弟姉妹の誰かに分けているケース遺産を内緒で相続したい人は少なくありません。

 

生前贈与をしたら遺留分(身内(※)が亡くなった時にもらえる財産)の行方は返すべき・渡さなくてもいいのか気になりますよね。

 

ここでは、

 

  • 兄弟が生前贈与をした時に財産を取り返す方法
  • 生前贈与した財産を取り戻す期限
  • 生前贈与してもらった財産を渡さない対策

 

などについてお伝えし、財産トラブルを回避する手助けになれば幸いです。

 

 

既に被相続人(亡くなった時に財産を渡す人)の身の回りの世話をしている場合には、こちらの記事もチェックしてみてください。

寄与分を獲得したい人が知るべき8つの知識|認められるケースと事例

 

身内に財産を相続させたくない人がいるなら、こちらの記事がおすすめです。

「相続させたくない相続人」がいる時に使える4つの遺産を渡さない対策

 

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生前贈与とは生きている間に財産をもらえる制度

日本では、原則として自己の財産を自由に処分できる制度となっています。生前贈与も財産処分の1つの方法で、贈与できるものは現金や預金のほか、土地や建物なども含まれます。ほとんど全てのものを贈与できると言っても良いでしょう。
参考:生前贈与を活用して贈与税を大幅に節税する方法と注意点
 

遺言以外の相続対策

相続財産の処分には通常2つの方法が考えられますが、それが遺言と生前贈与です。

遺言することに抵抗を感じる人や、相続開始後の相続人間のトラブルを回避したいという場合には、生前贈与が非常に有効な手段となります。また、節税の意味でも使われることが多い方法でもあります。
 

生前贈与が使われる場面

生前贈与は、日常の様々な場面で使われます。教育資金の贈与や住宅等取得資金の贈与など、まとまったお金を援助する際の生前贈与が分かりやすいかと思います。ただし、生前贈与も「契約」であるため、後々のトラブルを防ぐためにも贈与契約書を残すことが望ましいでしょう。

贈与契約は贈与者の「あげる」という意思表示と受贈者の「もらう」という意思表示で成立する契約なので、口頭でも成立はします。

 

しかし、生前贈与が「名義財産」であると判断されれば相続税にも影響が出ますし、トラブルになった際も「いつ」「誰から誰に」「何を」贈与したか明確になっている書類があると非常に役立ちます。

贈与の事実を第三者に説明するためにも、できるだけ贈与契約書を作成しておきましょう。
 

贈与税との関係

生前贈与が注目されるのは、単に相続対策である理由だけではありません。上手に生前贈与を活用すれば、大幅な節税にも繋がるのです。
 

相続税

相続税基礎控除は、3000万円+(相続人の数×600万円)で決まり、基礎控除額を超えた部分についてのみ相続税が発生します。

相続開始前3年以内の贈与財産については、相続財産に加えて相続税を計算し、その代わり既に納めた贈与税額はその相続税額から控除されます。贈与税と相続税の二重課税を回避するために既に払い込んだ贈与税額を相続税額から差し引くことになっているので、贈与税の分損をするというわけではありませんのでご安心ください。

このため、生前贈与によって相続財産を減らしておけば、結果として相続税も抑えられる仕組みになっています。


参考:相続税を簡単に計算する方法と控除を利用した節税方法まとめ
 

暦年贈与の贈与税

もらう人が多ければ多いほど効果があり、一番簡単な手続きが現金の暦年贈与です。財産をもらった人のその年の合計額(複数の人からもらった場合でも、その合計額)が基礎控除110万円を超えると、その超える部分に贈与税が掛かります。

言い換えれば、生前から毎年110万円以下の贈与であれば、贈与税の申告をする必要がないということです。便利な基礎控除ですが、税務署によって税金逃れとみなされることもあるので、贈与額を110万円以上にして、少し贈与税を納めるという方法が非常に有効です。


参考:基礎控除枠の活用

納税していると贈与の実績が作られ、税務署から贈与そのものを否定されなくて済みます。例えばこの方法で3人に毎年120万円ずつ10年間贈与をした場合、贈与税は一人あたり(120万-基礎控除110万円)×10%=1万円という計算になります。

そうすると、10年間で贈与税は3人分30万円で済み、1200万円×3人分の相続財産を減らすことになりますから、その分相続税が軽減されます。

ただし、相続人や遺贈を受けた人への相続発生前3年以内の贈与は相続税の計算に持ち戻されることになります。つまり、例えば10年間贈与したところで相続が発生した(遺贈はない)場合、配偶者と子の3年分の贈与は相続税に持ち戻されますが、7年分は相続税がかかりません。

また子の配偶者や孫への贈与は10年分すべて相続税はかかりません。
 

居住用不動産の配偶者控除

婚姻期間20年以上の配偶者からの贈与であって、「居住用不動産」または「居住用不動産を取得するための金銭」の贈与は、2000万円(基礎控除含め2110万円)まで課税価格から控除できます。

相続前3年以内のものであっても、贈与税の配偶者控除額に相当する金額は相続税の課税価格に加算されない(持戻しがない)というメリットがあります。
 

教育資金の一括贈与

教育に充てるための資金は1500万円までを事前に贈与でき、贈与税も掛かりません。

こちらも将来持戻しはなく、一括で高額の現金贈与ができ、相続税の対策になります。ただし、もらった人が30歳になるまで教育資金用途であることを証明する資料の保管(領収書の管理など)の手間が発生するほか、実際に使い切れなければ贈与税は掛かります。
 
このように、生前贈与は節税の観点からも非常によく利用される制度だといえるでしょう。

 

 

生前贈与が絡む遺留分でよくある5つの質問

姉妹サイトである「あなたの弁護士」で投稿された質問で、弁護士が回答したものを5つまとめました。

遺留分については後述します。

 

Q1:生前贈与が行われていた場合の遺留分について

 

相談者:まほ様

 

相続人が私含め3人いるのですが、私以外の2人が生前贈与を受けていることが判明しました。
遺言は公正証書で私には相続させないとの記載があります。
遺留分を計算するときは生前贈与を含めて遺産総額を出すのでしょうか。
それとも生前贈与された金額は除いて、現在残っているものが対象になるのでしょうか。

参考:生前贈与が行われていた場合の遺留分について|あなたの弁護士

弁護士の回答一覧

回答弁護士:島津 守

A:生前贈与と遺留分

あなた以外の方も相続人となると、生前贈与は特段の事情のない限り遺留分減殺請求の対象となると考えられています。このように考えないと、遺留分を侵害された相続人が存在するにもかかわらず、減殺の対象となるべき遺贈、贈与がないためにその人が遺留分相当額を確保できないとすると遺留分の制度趣旨に反するからであるといわれております。


ですから、ご質問の場合には、生前贈与を含めて遺留分減殺の対象となる財産を算定することになるものと考えられます。


いずれにしましても、一度専門家にご相談されるべきでしょう。

引用:生前贈与が行われていた場合の遺留分について|あなたの弁護士

 

回答弁護士:大貫 憲介

A:遺留分の計算

配偶者と子2人が相続人で、ご相談者は、子と仮定します。


ご相談者の遺留分(A)は、
A={(相続開始時の資産)+(被相続人が贈与した財産の価額)-(相続債務の全額)}×1/2×1/2×1/2
となります(民法1029条)。

引用:生前贈与が行われていた場合の遺留分について|あなたの弁護士

 

回答弁護士:渋谷 徹

A:生前贈与と遺留分

共同相続人への贈与は特別受益として持ち戻しの対象となるので、算定の基礎財産として加算されることになります。

引用:生前贈与が行われていた場合の遺留分について|あなたの弁護士

 

Q2:遺産分割の対象資産について(12年前)

 

相談者

 

よろしくお願いします。
公正証書で、長男にすべてとあります。(明細は一切ないです。自筆のサインもありません。) 
相続人は、長男と長女の二人です。


父の固定資産の評価証明では、土地146.11m2と255.75m2と家屋86.63m2と93.54m2と102.55m2です。
生前贈与したのは、255.74m2とほぼ同じものです。


現金は、死亡日に全額引き出されていました。株券も不明です。
兄が、私に遺産分割すると言っているのは、146.11m2の土地と86.63m2の家屋です。この場合に、遺留分の4分の1に達しているのでしょうか。


メールで、遺留分減殺請求の宣言をしましたら、4分の1より少なるのにいいんか、するな!と怒って言ってきました。
生前贈与した土地と建物はどのように判断されるのでしょうか。

引用:遺産分割の対象資産について(12年前に生前贈与した土地は、考慮されるのですか)|あなたの弁護士

弁護士の回答一覧

回答弁護士:小森 貴之

A:遺産の範囲について

生前贈与した土地と建物は,原則として「特別受益」にあたり,遺産に組み込まれます。

この場合,公正証書遺言に生前贈与した土地と建物の「持ち戻しを免除する」などの記載があったり,その他の書面等で,生前贈与した土地と建物を遺産に含めなくていいという趣旨の記載があっても,遺留分算定の際には,遺産に含めて考えます。

そのため,生前贈与した土地と建物も含めたものを遺産として,遺留分を計算することになります。

なお,生前贈与した土地と建物が,「特別受益」に該当するかどうかは,専門家にご相談されたほうがいいと思います。

引用:遺産分割の対象資産について(12年前に生前贈与した土地は、考慮されるのですか)

 

Q3:孫への生前贈与について

 

相談者:しろくん

 

私は大学時代、祖父から下宿の家賃として毎月お金を振り込んでもらっていました。
社会人になって給料をもらうようになると、母から、


「大学の家賃は私の遺産分配分から払われているから、給料入ったら毎月返済するように」
と言われました。


祖父はまだ生きており、母の兄弟間で話し合った分配に従って、祖母から受けた贈与分は母に返済しなくてはいけないのでしょうか?

引用:孫への生前贈与について|あなたの弁護士

弁護士の回答一覧

回答弁護士:橘高 和芳

A:通常は扶養義務の履行と思われます

祖父からご質問者様へ下宿の家賃が支払われていた件について、金額の大小、祖父や父母の資産内容等にもよりますが、通常は、扶養義務の履行(民法877条1項)と解されますので、返済は不要でしょう(少なくとも、援助したわけではないお母様への返済は必要ないでしょう)。


もっとも、祖父がどのような意思で下宿代を送金していたかについては念のため確認しておいた方が良いでしょう。

引用:孫への生前贈与について|あなたの弁護士

 

回答弁護士:西田 広一

A:家賃

祖父はまだ生きており、母の兄弟間で話し合った分配に従って、祖母から受けた贈与分は母に返済しなくてはいけないのでしょうか?

祖父があなたに生前贈与したことになるでしょうから、お母さんの兄弟で話し合った結果に拘束されるいわれはないでしょう。

引用:孫への生前贈与について|あなたの弁護士

 

Q4:相続財産に計上されますか?

 

相談者:あゆまさ

 

平成28年1月1日に父が亡くなり相続人は私(姉)と弟の2人です。遺産分割協議に於いて、東日本大震災で被災(罹災証明書は全壊です)した直後にお見舞金として亡くなった父より100万円貰いました。

このお見舞金は生前贈与として相続財産に計上されますか?。

引用:相続財産に計上されますか?|あなたの弁護士

弁護士の回答一覧

回答弁護士:橘高 和芳

A:特別受益と持戻免除

お父様から生前に受けられた贈与は、「生計の資本」としての贈与に当たるとおもわれますが(民法903条1項)、お父様のご意思としては、被災して大変な子供への見舞いと言う動機ですので、お父様が持戻しの免除の意思表示を黙示的にしたと認定される可能性があると思います(同条3項)。

 

したがって、相続財産に加算する必要ないと思われます。
ただ、この点については、まずは弟様と話し合われた方が良いと思われます。

(引用:相続財産に計上されますか?|あなたの弁護士)

 

回答弁護士:渋谷 徹

A:相続財産への計上?

争いになって審判になった場合、生前贈与と評価される可能性は高いと思われます。なお持ち戻し免除の黙示意思があったとの主張は想定されますがハードルは高いかと思います。

 

が、そもそも相互の協議で、未曽有の災害だったのでこれはこれで、と言うこともありかと思いますし、調停でもそういう方向での調整が考えられるでしょう。

(引用:相続財産に計上されますか?|あなたの弁護士)

 

Q5:遺留分の減殺請求と家屋の退去

 

相談者:頭の痛い相続人

 

父の生前、父が所有していた家屋に20数年前に、弟夫婦が増改築(家屋面積は増改築前と増改築後と同じ)して同居しておりました。
弟夫婦が両親の面倒を看ると言う事で同居をし、生前には父が父名義の田、畑の一部を生前贈与をしております。


その後、弟夫婦との折り合いが悪く、私の近くの特別養護老人ホームに入居し、父は老人ホームで亡くなりました。弟夫婦は増改築部分の所有権保存登記していないようで、増改築部分を含めて、家屋の登記内容を確認する限り父の所有となっていると思われます。


土地及び家屋の固定資産税は、父が負担しており、また、親子間での土地等の賃料は一切発生しておりません。土地は父の所有となっております。


その後、父が亡くなり、父の遺言状により私が全ての財産を相続することになり、私が所有権の移転登記を行いました。弟からは遺留分の減殺請求が届いております。


<質問>
1.減殺請求に対してはそれ相当の金銭で解決をしたいと思いますが、金銭での価額弁償を私から、一方的に弟に言い渡すことに問題ありませんか


2.家屋の増改築部分については、撤去し原状に戻し、増改築しているところから退去を要求することは可能でしょうか

その他、お気づきの事でアドバイスがありましたらよろしくお願いします。

引用:遺留分の減殺請求と家屋の退去|あなたの弁護士

弁護士の回答一覧

回答弁護士:橘高 和芳

A:遺留分について

1の質問について(価額賠償)
ご質問者様から、価額弁償するkとは可能です(民法1041条)。


2の質問について(退去)
既存建物と増改築部分の主従、亡くなられたお父様の意思(死亡後もしばらく無償で住まわせる意思だったか否かなど)などから判断することになりますが、ご質問者の立場に立てば、お父様の世話を見るという目的は達したから使用貸借は終了した旨や期限や目的も定めていないからいつでも退去請求できる旨を主張することになると思われます(民法597条2項、3項)。

 

この点は、弁護士に相談しながら、交渉、調停又は裁判の手段を選択していくことになると思われます。

引用:遺留分の減殺請求と家屋の退去|あなたの弁護士

 

 

 

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遺留分とは被相続人が亡くなった時にもらえる財産

遺留分とは、一定の法定相続人が最低限相続できる遺産の取り分のことを言います。この遺留分が保障されているのは、法定相続人のうち兄弟姉妹を除いた人(配偶者・子・直系尊属)となります。

遺留分は、法律上その取得が保障されているものなので、生前贈与や遺言によってもこの権利を侵害することは原則としてできません。
参考:遺留分の全て|遺留分減殺請求を確実に成功させる全手順
 

遺留分の割合

遺留分は、相続人が直系尊属のみの場合は相続財産の3分の1、それ以外の場合には相続財産の2分の1が「総体的遺留分」として遺留分権者に保障されます。

遺留分がどの程度の割合になるのかは、下記のような規定があります。

  • 原則として、法定相続分の2分の1 ※

  • 父母(直系尊属)だけが相続人の場合に限り、法定相続分の3分の1

  • 兄弟姉妹には遺留分はない


※直系尊属だけが相続人の場合でなければ総体的遺留分が1/2になるので、遺留分権利者が複数いる場合は1/2にそれぞれの法定相続分を掛け合わせて個別的遺留分が算出できることになっています。

 

したがって、遺留分権利者が1人しかいないような場合には、例外的に総体的遺留分すべてをその人が取得することができるということになります。また、直系尊属だけが相続人の場合には、遺留分の計算は1/3(総体的遺留分)×(1/直系尊属の人数)で求めることができますので、こちらも例外的な計算になると言えます。
参考:遺留分の計算方法と割合|本来の遺留分を獲得する方法
 

相続人が配偶者と子のみ

総体的遺留分(全員の遺留分の合計)は相続財産の1/2です。

相続人

法定相続分
(配偶者は1/2、残りを子の人数で頭割り)

遺留分
(法定相続分の1/2)

配偶者

1/2

1/2×1/2=1/4

長男

(1-1/2)×1/2=1/4

1/4×1/2=1/8

長女

(1-1/2)×1/2=1/4

1/4×1/2=1/8

 

相続人が配偶者と直系尊属(父母)

総体的遺留分(全員の遺留分の合計)は相続財産の1/2です。

相続人

法定相続分
(配偶者は2/3、残りを直系尊属の人数で頭割り)

遺留分
(法定相続分の1/2)

配偶者

2/3

2/3×1/2=1/3

(1-2/3)×1/2=1/6

1/6×1/2=1/12

(1-2/3)×1/2=1/6

1/6×1/2=1/12

 

相続人が配偶者のみ

総体的遺留分(全員の遺留分の合計)は相続財産の1/2です。

相続人

法定相続分

遺留分
(法定相続分の1/2)

配偶者

100%

1/2

 

相続人が子のみ

総体的遺留分(全員の遺留分の合計)は相続財産の1/2です。

相続人

法定相続分
(子の人数で頭割り)

遺留分
(法定相続分の1/2)

長男

1/3

1/3×1/2=1/6

長女

1/3

1/3×1/2=1/6

次女

1/3

1/3×1/2=1/6

 

相続人が直系尊属(父母)のみ

総体的遺留分(全員の遺留分の合計)は相続財産の1/3です。

相続人

法定相続分

遺留分

100%

1/3×1/2=1/6

1/3×1/2=1/6

 

相続人が配偶者と兄弟姉妹

総体的遺留分(全員の遺留分の合計)は相続財産の1/2です。

相続人

法定相続分
(配偶者は3/4、残りを兄弟姉妹の人数で頭割り)

遺留分
※遺留分権利者が配偶者のみのため、

総体的遺留分全部を配偶者が取得

配偶者

3/4

1/2

1/4×1/2=1/8

なし

1/4×1/2=1/8

 
 

遺留分の計算方法

遺留分の対象となる財産は、被相続人に死亡時の相続財産だけでなく、生前に贈与した次のものも含まれます。
 

相続開始1年以内の贈与財産

被相続人の死亡の日から遡って1年以内の贈与は、誰に対する贈与であっても遺留分の基礎財産に含めて計算します。
 

遺留分を侵害することを双方が承知のうえで贈与した財産

相続開始から1年以上の贈与であっても、当事者双方が遺留分を侵害することを分かっていながら行われた贈与は、すべて遺留分の基礎財産に算入します。
 

相続人に対する一定の財産(特別受益)

例えば相続人に対する結婚資金や住宅取得資金等の贈与は、特別受益と呼ばれ、何年前のものであっても遺留分の基礎財産に組み込まれます。
 
これらの財産を相続財産に足したうえで、上記の割合に則って遺留分が決定されます。
 

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生前贈与と遺留分の関係

遺留分と生前贈与の関係では、遺留分の算定基礎となる財産を決定する際に、生前贈与が特別受益になるかどうかが問題となるケースが多くあります。

生前贈与であっても「扶養の範囲内」と判断される贈与は特別受益にはあたりませんから、遺留分算定の基礎に組み込まれることはありません。ここでは、遺留分と生前贈与の関係について、具体例をご紹介いたします。
 

遺留分侵害となる行為

遺留分の侵害にあたるケースは、相続人が現実に受ける相続利益が、算定された遺留分の額に満たない状態である場合です。

例えば、上記の不仲な父が妹へほとんど生前贈与していたという事案など、明らかに特定の相続人へ損害を与える目的でなされた贈与がある場合や、孫に与えるという名目で実質的にはその親である自分の子へ贈与をなしている場合なども、遺留分侵害となる行為といえます。

このような場合であっても贈与は法的に無効にはなりませんし、遺言書で遺留分を侵害する内容の遺言が遺されていたとしても遺言書は無効になりません。そのため、遺留分を侵害されている人が「遺留分減殺請求」によって、自分の遺留分を取り戻さなければならないのです。
 

遺留分減殺請求権を使うなら時効に気をつける

遺留分減殺請求とは、遺留分を侵害された相続人が行使することのできる、遺留分を取り戻すための権利です。その方法としては、遺留分を侵害している人に対して「私の遺留分を返してください」と通知して、話し合いや調停、裁判によって実際に請求することになります。

通知の際は、【口頭・電話・FAX・メールなど】でも効果は発生しますが、後日裁判等になった際に証明が難しくなるため、証拠保全の意味も兼ねて内容証明郵便を利用するのが良いでしょう。

ただし、遺留分減殺請求には時効があります。


自分の遺留分が侵害されていると知ったときから1年で遺留分減殺請求権は時効消滅し、また遺留分が侵害されていることを知らなかった場合やそもそも相続が発生したこと(亡くなったこと)を知らなかった場合でも、死亡から10年で遺留分の権利は消滅します。

したがって、できるだけ早く、少なくとも被相続人の亡くなった日から1年以内に通知・請求をするのがお勧めです。

 

特別受益がある場合の遺留分について

生前贈与が特別受益と判断されると、その贈与がいつ行われたかを問わず、また当事者の善意・悪意を問わず、特別受益分については遺留分算定の基礎財産となります。(特別受益と判断されずとも、死亡前1年以内の贈与は原則として遺留分算定の基礎財産となります。)

特別受益とは、特定の相続人が、被相続人から婚姻や生計の資本等として生前贈与や遺贈を受けているときの利益のことを言いますが、額が少額であるなど「扶養の範囲内」の贈与は特別受益にはあたりません

また、被相続人が特別受益の利益を承認している(持戻しを免除している)場合は、相続分算定の際にはこれを基礎財産に算入しないことになっていますが、遺留分算定の際には持戻し免除の有無にかかわらず基礎財産へ算入するという違いがありますので、混同しないように注意しましょう。

 

【関連記事】
不公平を是正する特別受益|計算方法と知るべき注意点
遺留分減殺請求で自分がもらえる財産を取り戻す手引き

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

生前贈与は節税の観点からも非常に役立つ制度ではありますが、遺留分算定の際には厄介な問題に変わる場合もあります。遺留分は法が認めた一定範囲の相続人の正当な権利なので、知識として抑えておくのが大切です。

本記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。
 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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