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遺留分侵害額請求の時効・期限はいつまで?

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遺留分侵害額請求には以下のような時効があり、いずれかが成立すると本来であれば請求できたお金が受け取れなくなります

  • 相続が開始してから10年
  • 相続の開始と遺留分の侵害を知ったときから1年
  • 遺留分侵害額請求の意思表示をしてから5年

遺留分の請求を検討している人は、できるだけ早めにおこなうことをおすすめします。

(遺留分侵害額請求権の期間の制限)

遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。

引用元:民法第1048

(債権等の消滅時効)

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。

一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。

引用元:民法第166条1項1

遺留分侵害額請求を検討している人の中には、「時効成立が迫っている」という人もいるでしょう。

本記事では、遺留分侵害額請求の時効期間や、時効を止める方法などを解説します。

なお、2019年7月の民法改正により、遺留分減殺請求は「遺留分侵害額請求」へ名称変更されました。

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遺留分侵害額請求の時効は3種類ある

遺留分侵害額請求の時効は3種類あり、ここではそれぞれの時効期間について解説します。

①相続が開始してから10年

被相続人が亡くなってから10年が経った場合、自動的に遺留分侵害額請求権は消滅します。

これは除斥期間といい、例外的な場合を除き、相続開始から10年を過ぎると遺留分は請求できなくなります

②相続の開始と遺留分の侵害を知ったときから1年

「被相続人が亡くなったこと」と「自分の遺留分が侵害されていること」を知ってから1年が経ち、遺留分の侵害者が時効の援用をおこなった場合、遺留分侵害額請求権は消滅します。

これは消滅時効といい、時効期間を過ぎたからといって自動的に権利が消滅するわけではなく、請求される側が時効を主張する必要があります。

③遺留分侵害額請求の意思表示をしてから5年

遺留分侵害額請求の意思表示をしてから5年が経った場合、遺留分侵害額請求権は消滅します。

これは金銭債権の消滅時効にあたり、意思表示後に何もしないままでいると金銭の請求ができなくなります

なお、2020年3月31日以前におこなわれた遺留分侵害額請求については、時効期間は10年です。

遺留分侵害額請求の時効を止める方法

ここでは、遺留分侵害額請求の時効の止め方について種類ごとに解説します。

遺留分侵害額請求権の除斥期間を止める方法

遺留分侵害額請求権の除斥期間については、基本的に止めることはできません

したがって、被相続人が亡くなってから10年が経過する前に請求する必要があります。

遺留分侵害額請求権の消滅時効を止める方法

遺留分侵害額請求権の消滅時効については、遺留分侵害額請求の意思表示をすれば止めることができます

その際は内容証明郵便を送付する方法が一般的で、遺留分の侵害者が複数いる場合はそれぞれに送付します。

金銭債権の消滅時効を止める方法

金銭債権の消滅時効については、金銭の支払いを求めて裁判を起こすことなどで止めることができます。

また、遺留分の侵害者が金銭の支払い義務について認めた場合は、時効の進行が振り出しに戻ります

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遺留分侵害額請求と遺言・遺贈・贈与に関する注意点

ここでは、相続の際に遺言・遺贈・贈与などの有効性について争う場合の注意点を解説します。

遺言の有効性を争う場合

遺留分について争う際、「被相続人の遺言書は無効である」と主張して遺言無効確認の調停・訴訟などがおこなわれるケースもあります。

ただし、遺言無効確認訴訟などを起こすだけでは、遺留分侵害請求の意思表示がなされたとはいえませんので、遺留分侵害額請求の時効は止まらない可能性があります。

遺言の有効性について争う場合も、遺留分侵害請求の意思表示については、内容証明郵便を送るなどの対応を取りましょう。

遺贈や贈与の有効性を争う場合

遺贈や贈与の有効性について争う場合も同様で、内容証明郵便を送るなどして遺留分侵害額請求の意思表示を明確におこない、時効を止める措置を取りましょう。

さいごに

遺留分侵害額請求の時効は3種類あり、消滅時効については内容証明郵便の送付や訴訟提起などによって止めることができます。

自分では適切に対応できるか不安な方は、相続問題が得意な弁護士に一度相談してみることをおすすめします。

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この記事の監修者
磯野・熊本法律事務所
熊本 健人 (大阪弁護士会)
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本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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