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相続財産の一部放棄はできない!相続したくない遺産がある場合の賢い対処法

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相続は、故人から受け継がれる財産全般が対象となります。

これには価値ある不動産やお金、遺品だけでなく、場合によっては借金や管理が困難な財産も含まれます。

そのため、相続人の中には特定の遺産は受け継ぎたいものの、負担となる財産は避けたいと考えるケースもあるでしょう。

しかし、日本の法律上、相続放棄をおこなう場合には遺産の一部だけを選んで放棄することはできません。

そこで本記事では、相続したくない財産を効果的に回避する方法に焦点を当て、具体的な生前対策や専門家によるアドバイスを紹介します。

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相続放棄では遺産の一部だけを放棄することはできない

冒頭でも解説したように、相続放棄をする場合には、遺産の一部だけを放棄することはできません。

相続というのは、相続人である権利を手放すための手続きです。

つまり、「相続人になるか、ならないか」のどちらかを決めなければならないのです。

相続放棄をおこなうと、その人が受け継ぐことになる全ての財産と債務から手を引くことになります。

相続放棄は、相続人が借金だけでなく、価値ある財産も放棄するリスクを伴います。

相続人が特定の遺産を受け継ぎたいが、それ以外は放棄したいと考える場合、ほかの法的手段を検討する必要があります。

次章では、そうした状況に対処するための具体的な方法を探ります。

【ケース別】遺産の一部を放棄したいときにできる対処法

ここでは、遺産の一部を放棄したいときにできる対処法について、ケース別に詳しく解説します。

1.借金・債務を相続したくない場合は限定承認をおこなう

借金やそのほかの債務のみを相続したくない場合、全財産を放棄する代わりに「限定承認」という手続きを利用することができます。

限定承認は、負債がプラスの財産を超えるおそれがあるときに選択する方法で、相続人は故人の財産内で債務を負担します。

これにより、自己の財産を使って債務を支払う必要がなくなります。

限定承認をおこなうには、相続開始を知ってから3ヵ月以内に手続きをする必要があります。

そのため、相続したくない債務がある場合は、できる限り早い段階で手続きをする必要があります。

2.不動産を相続したくない場合

不動産を相続したくない場合の方法として、3点を紹介します。

遺産分割協議でほかの方に相続してもらう

相続したくない不動産を、遺産分割協議でほかの方に相続してもらうという方法もあります。

遺産分割協議は、相続人同士で遺産をどのように分割するかを決める正式な手続きです。

この協議を通じて、特定の不動産を相続したくない相続人は、ほかの相続人がその財産を引き受けるよう提案することが可能です。

たとえば、ある相続人が都市部の不動産を引き受け、別の相続人が田舎の不動産を引き受ける、といった形で合意が成立することがあります。

ただし、遺産分割協議をスムーズに進行させるためには、相続人全員の同意が必要となります。

スムーズに協議が進まない場合は、弁護士など中立的な第三者が調停者として介入させることもおすすめです。

相続土地国庫帰属制度を活用する

一旦不動産を相続し、相続土地国庫帰属制度を活用するという方法もあります。

相続土地国家帰属制度とは、相続財産に不要な土地の所有権を国庫に帰属させることができる制度です。

不要な不動産を相続する可能性がある場合は、相続放棄をするのではなくこの制度の活用を検討することをおすすめします。

ただし、相続土地国庫帰属制度を活用するためには、いくつかの要件があります。

たとえば、建物のある土地である場合、この制度は利用できません。

登記費用や測量費用等の負担が生じる場合もあります。

相続土地国庫帰属制度を利用したい場合は、最寄りの法務局または地方法務局へ相談してください。

一度相続してから売却する

そのほか、不動産を一度相続してから売却するという方法もあります。

この手段をとることで、利益を得ることができる可能性があります。

なお、この場合は不動産の市場価値を評価し、適切な売却価格を設定することが重要です。

ただし、市場の状況や物件の特性により売却には時間がかかることもあるため注意が必要です。

相続人は売却期間と費用を理解し、適切に計画を立てる必要があります。

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相続したくない財産がある場合におすすめの生前対策2選

相続したくない財産がある場合は、被相続人の生前にいくつかの手続きをおこなうことがおすすめです。

ここでは、生前対策として2点を解説します。

1.生前贈与で財産を譲り受ける

財産の中に相続したいものとそうでないものがある場合、相続したい財産を生前贈与として譲り受けるという方法がおすすめです。

生前贈与とは、被相続人が生きている間に、財産を自分の意思で譲り渡す手続きの事を指します。

被相続人が自分の意思で相続させたい人に譲り渡すことができるため、被相続人が亡くなったあとに遺産分割をするよりも争いを避けやすいのが特徴です。

また、特定の財産のみを譲ることができるため、価値のある財産をあらかじめ相続させることが可能となります。

2.生命保険に加入しておいてもらう

相続財産に多額の債務や管理が困難な資産が含まれている場合、特定の相続人に金銭的な負担が集中しないよう、生命保険に加入しておいてもらう方法もあります。

故人が生命保険に加入していると、その死亡保険金は相続財産には含まれません。

つまり、相続人は、相続放棄をしても生命保険を受け取ることが可能なのです。

また、生命保険の受取人を指定することで、遺産の分配を事前に計画し、相続に伴うトラブルを避けることが可能です。

さいごに|相続したくない財産がある場合は弁護士に相談しよう

相続は複雑で、個々の状況に応じた適切な対応が必要となるケースも多いものです。

特に、相続したくない財産が含まれる場合の対応は簡単ではありません。

基本的に、相続の一部を放棄するという方法はとることができません。

ただし、本記事で解説してきたように、負債を相続しない方法や、不動産など特定の財産を相続しないという方法もあります。

しかし、手続きのなかには複雑なものもあります。

相続したくない財産がある場合、弁護士に相談することで、自分にとってベストな方法をアドバイスしてもらうことが可能です。

また、弁護士に依頼すると複雑な手続きも全て任せることが可能となります。

相続の問題に直面している場合は、時効をはじめとして権利行使に期間の制限がある場合も多いため、早めに弁護士に相談し、個々の状況に合わせた適切な計画を立てることが重要です。

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この記事の監修者
林奈緒子法律事務所
林 奈緒子 (第二東京弁護士会)
どのような事案であっても、依頼者様のご希望を伺った上で、それを考慮した最善の解決方法を一緒に考えさせていただきます。どうぞ安心してご相談ください。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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