ベンナビ相続 > 相続コラム > 生前贈与 > 【自分でできる】贈与税申告の方法と申告書の書き方まとめ
更新日:

【自分でできる】贈与税申告の方法と申告書の書き方まとめ

【自分でできる】贈与税申告の方法と申告書の書き方まとめ
注目 相続に関する弁護士相談をご検討中の方へ
電話・メールOK
夜間・休日も対応
累計相談数
21万件超
相続が得意な
弁護士から探せる
相続問題が得意な
弁護士を探す

贈与税の申告には期限が設定されており、早い段階で取り組み始めないと罰則が科せられる可能性もあります。

慣れない手続きで不安に感じる方もいるかもしれませんが、基本的には「申告書を書いて、ほかの必要書類とともに税務署に提出する」という流れで、手続き自体はそこまで複雑ではありません。

ただし、贈与税の申告が初めての場合は書類漏れや記載ミスなどが起こるおそれがあるため、本記事で正しい知識を身につけておきましょう。

本記事では、贈与税の申告方法や必要書類、申告漏れがあった場合の罰則や、申告内容に誤りがあった場合の修正方法などを解説します。

これから贈与税の申告をしようと考えている人は参考にしてください。

生前贈与について

弁護士に相談するメリットとは?

生前贈与は、相続前に財産を減らすことで、節税効果が期待できるという大きなメリットがある一方、相続人の間におけるトラブル原因にもなりやすいです。

 

その点、弁護士は、相続トラブルを解決する立場にあるため、生前贈与絡みの案件も扱うことが多く、豊富な経験を元に「どのような策をとれば良いか」アドバイスをすることが可能です。

 

・生前贈与に関する相続トラブルを未然に防ぎたい

・生前贈与が絡んだ相続トラブルに悩んでいる

 

このような方は、まず無料相談などを気軽に活用してみましょう。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す

1年間の贈与額が非課税枠を超える場合は贈与税申告が必要

贈与税には年間110万円の基礎控除があり、1月1日から12月31日までの1年間の贈与額が110万円を超える場合は贈与税がかかって申告手続きが必要です。

なお、贈与税には基礎控除のほかにも以下のような非課税枠・特例制度があり、贈与額が110万円を超えても贈与税がかからずに済む場合もあります。

種類

非課税枠

相続時精算課税制度

2,500万円まで非課税

住宅取得等資金の贈与

最大1,000万円まで非課税

扶養義務者間での生活費や教育費の贈与

必要範囲内であれば非課税

夫婦間のおしどり贈与(贈与税の配偶者控除)

最大2,000万円まで非課税

結婚・子育て資金の一括贈与

最大1,000万円まで非課税

教育資金の一括贈与

最大1,500万円まで非課税

ただし、上記のような特例制度によって贈与税が0円で済む場合でも、特例の適用を受けるために申告手続きが必要になることもあります。

贈与税の特例について詳しく知りたい方は、税理士に相談しましょう。

贈与税申告の期限は翌年2月1日~3月15日

贈与税申告の期限は、贈与を受けた次の年の2月1日〜3月15日です。

もし3月15日が土日や祝日などの場合は、その次の平日が申告期限になります。

たとえば2025年中に贈与を受けた場合、2026年3月15日は日曜日ですので、その次の3月16日が申告期限となります。

贈与税の申告をする際の手順

贈与税の申告をおこなう場合、基本的には以下のような流れで対応します。

  1. 贈与税の申告が必要か計算する
  2. 贈与税の申告に必要な書類を準備する
  3. 贈与税申告書を作成する
  4. 贈与税の必要書類を税務署に提出する

ここでは、各手続きについて解説します。

1.贈与税の申告が必要か計算する

まずは、1月1日から12月31日までの1年間の贈与額を確認し、基礎控除などの適用後の金額を計算して贈与税の申告が必要かどうか判断します。

場合によっては計算が複雑になることもありますが、そのような場合は税理士に相談してください。

具体的な計算の流れについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

2.贈与税の申告に必要な書類を準備する

次に、贈与税申告で必要な書類を準備します。

必要書類は「どの特例の適用を受けるか」によっても異なり、一例としては以下のとおりです。

1.暦年課税の場合(通常の贈与)

  1. 贈与税の申告書
  2. 本人確認書類(マイナンバーカード)
  3. 受贈者の戸籍謄本(特例税率が適用される場合)
  4. 評価証明書(土地などの評価が必要な財産の贈与を受けた場合) など

2.相続時精算課税制度の適用を受ける場合

  1. 贈与税の申告書
  2. 本人確認書類(マイナンバーカード)
  3. 相続時精算課税選択届出書(書式
  4. 受贈者と贈与者の戸籍謄本または抄本
  5. 贈与者の住民票の写し
  6. 贈与者と受贈者の戸籍の附票の写し など

3.住宅取得等資金の非課税の適用を受ける場合

  1. 贈与税の申告書
  2. 本人確認書類(マイナンバーカード)
  3. 受贈者の戸籍謄本
  4. 受贈者の源泉徴収票
  5. 対象住宅の契約の相手方がわかる書類
  6. 住宅性能等を証明できる書類 など

3.贈与税申告書を作成する

贈与税申告書は、申告手続きをおこなう際に共通して必要な書類です。

贈与税申告書はいくつか種類があり、多くのケースで必要になるのは以下の3つです。

  1. 申告書第一表(兼贈与税の額の計算明細書)(書式
  2. 申告書第一表の二(書式
  3. 申告書第二表(書式

申告内容によって必要になる様式は異なり、パターンごとにまとめると以下のとおりです。

申告の内容

使用する申告書

暦年課税のみ

第1表

相続時精算課税制度のみ

第1表、第2表

暦年課税+相続時精算課税制度

第1表、第2表

住宅取得等資金の非課税+暦年課税

第1表、第1表の2

住宅取得等資金の非課税+相続時精算課税制度

第1表、第1表の2、第2表

以下では、贈与税申告書の第一表、第一表の二、第二表の書き方を紹介します。

申告書第一表の書き方

「贈与税申告書第一表」の書式・書き方は以下のとおりです。

「贈与税申告書第一表」の書式・書き方

「贈与税申告書第一表」の書式・書き方

引用元:贈与税の申告書の書きかた|国税庁

申告書第一表の二の書き方

「贈与税申告書第一表の二」の書式・書き方は以下のとおりです。

「贈与税申告書第一表の二」の書式・書き方

「贈与税申告書第一表の二」の書式・書き方

引用元:贈与税の申告書の書きかた|国税庁

申告書第二表の書き方

「贈与税申告書第二表」の書式・書き方は以下のとおりです。

「贈与税申告書第二表」の書式・書き方

「贈与税申告書第二表」の書式・書き方

引用元:贈与税の申告書の書きかた|国税庁

4.贈与税の必要書類を税務署に提出する

贈与税の必要書類が準備できたら、受贈者の住所地の所轄税務署長に提出します。

各税務署の場所は、国税庁ホームページの「税務署の所在地などを知りたい方」で確認できます。

書類の提出方法としては、税務署窓口への持参・郵送・電子申告などがあります。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す

贈与税申告後の納付方法

贈与税の納め方はさまざまあり、ここでは主な納付方法を解説します。

現金での納付

現金で納付する場合、納付書を添えて金融機関や受贈者の住所地を管轄している税務署の納税窓口などで納付します。

納付書は、税務署や税務署管轄内の金融機関で入手できます。

ダイレクト納付

ダイレクト納付とは、e-Taxでの申告後に即時または指定期日に口座引き落としで納付するという方法です。

注意点として、利用するためには事前に税務署にてe-Taxの利用開始手続きをおこない、専用の届出書の提出が必要です。

詳しい手続きの流れについては「G-2-2 ダイレクト納付(e-Taxによる口座振替)の手続」をご確認ください。

インターネットバンキング等での納付

インターネットバンキングやペイジーに対応している金融機関ATMで納付することも可能です。

注意点として、利用するためには事前に税務署にてe-Taxの利用開始手続きが必要です。

詳しい手続きの流れについては「G-2-3 インターネットバンキング等からの納付手続」をご確認ください。

クレジットカードでの納付

国税クレジットカードお支払いサイトから、クレジットカードで納付することも可能です。

注意点として、納付税額に応じて決済手数料がかかります。

詳しい手続きの流れについては「G-2-4 クレジットカード納付の手続」をご確認ください。

スマホアプリでの納付

スマートフォン決済専用サイトから、スマホ決済アプリで納付することも可能です。

注意点として、納付額が30万円を超える場合は利用できず、アプリによっては対応していないものもあります。

利用可能なアプリや手続きの流れなど、詳しくは「G-2-5 スマホアプリ納付の手続」をご確認ください。

コンビニエンスストアでの納付

国税庁ホームページ」にてQRコードを作成し、コンビニエンスストアで納付することも可能です。

注意点として、納付額が30万円を超える場合は利用できず、コンビニエンスストアによっては対応していないところもあります。

利用可能なコンビニエンスストアやQRコードの作成方法など、詳しくは「G-2-6 コンビニ納付(QRコード)」をご確認ください。

贈与税を適切に申告・納税しなかった場合の罰則

贈与税を適切に申告・納税しなかった場合、加算税や延滞税などのペナルティが課せられます。

ここでは、贈与税の申告・納税に関する主な罰則について解説します。

過少申告加算税|申告漏れがあった場合

過少申告加算税とは、本来納めるべき税額よりも少なく申告してしまった場合に課せられる税金です。

過少申告加算税の税率は以下のとおりです。

新たに納付すべき贈与税額

税務調査の事前通知前に自主申告した場合

税務調査の事前通知後&税務調査前に申告した場合

税務調査の事前通知後&税務調査後に申告した場合

「申告済みの金額」と「50万円」のどちらか多い方より少ない場合

なし

5%

10%

「申告済みの金額」と「50万円」のどちらか多い方より多い場合

なし

10%

15%

無申告加算税|申告しなかった場合

無申告加算税とは、申告期限内に申告手続きをおこなわなかった場合に課せられる税金です。

無申告加算税の税率は以下のとおりです。

贈与税額

税務調査の事前通知前に自主申告した場合

税務調査の事前通知後&税務調査前に申告した場合

税務調査の事前通知後&税務調査後に申告した場合

50万円以下の場合

5%

10%

15%

50万円を超える場合

5%

15%

20%

300万円を超える場合

5%

25%

30%

重加算税|隠蔽・詐称した場合

重加算税とは、以下のような悪質な不正行為をおこなった場合に課せられる税金です。

重加算税の税率は以下のとおりです。

  • 過少申告加算税が課せられるケースで、税金額を隠蔽または詐称して過少申告した:35%(過去5年以内に同じ税目に無申告加算税や重加算税を課された場合は45%)
  • 無申告加算税が課せられるケースで、税金額を隠蔽または詐称して期限内に申告しなかった:40%(過去5年以内に同じ税目に無申告加算税や重加算税を課された場合は50%)
     

延滞税|期限内に納税しなかった場合

延滞税とは、期限内に納税しなかった場合に課せられる税金です。

延滞税の税率は以下のとおりです。

  • 申告期限の翌日から2ヵ月以内:年7.3%(2025年1月1日~12月31日までは2.4%)
  • 申告期限から2ヵ月以降:年14.6%(2025年1月1日~12月31日までは8.7%)

贈与税の申告内容に誤りがあった場合の修正方法

贈与税の申告内容に誤りがあった場合、「実際よりも少なく申告してしまった場合」と「多く申告してしまった場合」で対応が異なります。

ここでは、それぞれのケースでの修正方法を解説します。

贈与税を少なく申告してしまった場合

贈与税の申告書の提出後に、実際よりも少なく申告してしまったことに気づいた場合は、修正申告書を提出して追加分の税金を支払うことになります。

国税庁ホームページでは「贈与税の修正申告書作成コーナー」が設置されており、修正申告書を作成する際は利用することをおすすめします。

贈与税を多く申告してしまった場合

贈与税の申告書の提出後に、実際よりも多く申告してしまったことに気づいた場合は、更正の請求(訂正申告)をおこなって認められることで支払い過ぎた分が還付されます。

手続きには期限があり、原則として「贈与税申告書の法定申告期限から6年以内」におこなう必要があります。

まとめ

贈与税を申告する際は、必要書類を準備して受贈者の住所地の所轄税務署長に提出する必要があり、提出方法としては税務署窓口への持参・郵送・電子申告などがあります。

なお、贈与税の申告手続きは「贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日まで」におこなわなければならず、ケースによって必要となる書類は異なります。

適切に申告手続きをおこなわないと加算税や延滞税などのペナルティが課せられることになるため、自力での手続きが不安な場合は一度税理士に相談することをおすすめします。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
遺産相続が得意な弁護士を探す
この記事をシェアする
この記事の監修者
江戸川葛西相続法律事務所
菊地 正志 (第一東京弁護士会)
当職は、税理士、公認会計士準会員の資格をもつ、会計に強い弁護士です。相続で株式や不動産の扱いにお困りの方や、遺産分割協議でもめている方は、当職へご相談ください。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

生前贈与に関する人気コラム

生前贈与に関する新着コラム

相談内容から弁護士を探す
相談員

相談内容を選択してください

金アイコン
もらえる慰謝料を増額したい方
弁護士の方はこちら
損をしない相続は弁護士にご相談を|本来もらえる相続対策も、弁護士が適正に判断|あなたの状況に合った損をしない解決方法を、遺産相続に強い弁護士がアドバイスいたします。