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公開日:2021.1.5  更新日:2021.1.5

独身の人の財産は誰が相続するの?おひとり様の遺産相続を解説

アシロ社内弁護士
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独身の方が亡くなった場合、遺した財産は誰が相続するのでしょうか?今回の記事では、いわゆる「おひとり様」の相続人について、また相続人が誰もいないという場合の遺産の分配方法について解説します。

独身の方の遺産を承継する人の優先順位について、簡単に以下の表にまとめてありますのでまずはご覧いただき、より詳しくは記事中でご確認ください。

優先順位 法定相続人がいる場合 法定相続人がいない場合
1 直系卑属(子・孫) 債権者
2 直系尊属(父母・祖父母) 特定受遺者
3 兄弟姉妹 特別縁故者
4 財産の共有者
5 国庫
備考 【遺言書がない場合】
・最上位の法定相続人が全財産を相続する
・最上位の法定相続人が複数いる場合は人数で按分する
【遺言書がある場合】
・遺留分を侵害しない範囲で遺言書の内容が優先される
・相続財産管理人が選任された後、清算手続きに則って、上位から優先して清算・分配される

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独身者の法定相続人

まず独身の方の「法定相続人」について確認しましょう。法定相続人とは民法で定められた相続人のことで、特に遺言書などがなく、法定相続人がいる場合は、被相続人の財産は法定相続人が承継します。

この法定相続人には範囲と優先順位が定められています。配偶者は常に相続人となり、加えて優先順位が最も高い法定相続人が財産を承継します。独身の方の場合、当然ながら配偶者はいませんので、以下のうち最も優先順位が高い法定相続人が財産を受け取ることになります

相続の順位

法定相続人

第1順位

直系卑属(子・孫)

第2順位

直系尊属(父母・祖父母)

第3順位

兄弟姉妹

参考:法定相続分とは?計算方法は?遺産分割した時の割合を図解で解説

独身者の直系卑属が相続する場合

被相続人が独身者だとしても、子供がいる場合があります。独身者に子供がいる場合には、まずその子供が相続人となります。仮にその子供が被相続人よりも先に亡くなっていた場合、が代襲者として相続人となります。これを代襲相続と言います。

独身者で子供がいる場合、財産は子供がすべて相続することになります。子供が複数いる場合はその子供の人数で按分します

独身者の直系尊属が相続する場合

子供や代襲者がいない場合、被相続人の直系尊属が相続人となります。被相続人の直系尊属とは、父母祖父母のことを言います。父母、祖父母ともに健在の場合は父母のみが相続人となります。

このパターンでは親がすべて相続し、両親ともに健在の場合にはそれぞれ1/2ずつが法定相続分となります。

独身者の兄弟姉妹が相続する場合

直系卑属や直系尊属がいない場合には、兄弟姉妹が相続人となります。兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合には、その子供である甥姪が代襲者として相続人となります。兄弟姉妹の代襲相続は1代までと決まっていますので、再代襲は起こりません。

この場合も、兄弟姉妹がすべての財産を相続する形となります。兄弟姉妹が複数いる場合にはその人数で按分します。

独身者で法定相続人がいない場合は?

これまでご紹介した法定相続人が全くいないという場合、つまり、

  • 配偶者や子供がいない
  • 両親や祖父母がいない
  • 兄弟姉妹がいない

というケースでは、残された財産はどうなるのでしょうか?

この場合、利害関係人や検察官からの申立てにより相続財産管理人が選任された後、

  1. 債権者
  2. 特定受遺者
  3. 特別縁故者
  4. 財産の共有者
  5. 国庫

の順位で遺産を清算・分配することになります。相続財産管理人の選任から選任後の流れについては、以下の記事をご覧ください。

【関連記事】相続財産管理人は相続人がいない時に必要|報酬の相場や申し立ての流れ

①債権者への支払いに充てられるケース

まず、被相続人が債務を負っていた場合には、債権者に対して支払いがなされます。例えば被相続人が金銭を借りている場合や家賃などの支払いが未払いの場合、まず優先的にそれらの支払いが行われます。

②遺言で指定された特定受遺者が承継するケース

遺言により財産を渡すことを「遺贈」と言い、遺贈により財産を受け取る人のことを特定受遺者と言います。この遺贈は相続人に対しても、相続人以外の人に対しても行うことができます。つまり独身者で法定相続人がいないという場合にも、遺贈によって財産を自分の意思で承継させることができるのです

ただし、遺言で遺贈を行う際には、以下のような相続税には注意が必要です。

相続税額の「2割加算」に注意

相続税の2割加算とは、文字通り相続税額に相続税の2割に相当する金額が加算されるものです。

財産を取得する人が被相続人の一親等の血族及び配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額に相続税の2割に相当する金額が加算されます。つまり、

  • 兄弟姉妹
  • 甥姪
  • 祖父母
  • 代襲相続人ではない孫
  • 被相続人の養子となった孫
  • 内縁の夫や妻

などは2割加算の対象となりますので注意しましょう。

③特別縁故者が承継するケース

相続人や特定受遺者ではなくても、被相続人と同一生計にあった人や療養看護に努めた人なども相続財産を受け取ることができる場合があります。そのような人のことを特別縁故者と言います。特別縁故者として認められるのは以下のケースです。

  • 療養看護をしていた人
  • 被相続人と生計を同じくしていた人(内縁関係など)
  • 特別の縁故があった人(親代わりなど)

また、被相続人が生前に関わりの深かった「法人」なども特別縁故者として認められる場合があります。ただし、特別縁故者になるには、相続人不存在が確定した後3か月以内に財産分与の申立てを行う必要があります

【関連記事】特別縁故者|相続財産分与の手続きと知っておくべき基礎知識

④財産の共有者に帰属するケース

不動産などを自分以外の人と共有名義にしているケースもあるかもしれません。

相続人がいないことが確定しており、上記で説明した、

  1. 債権者
  2. 特定受遺者
  3. 特別縁故者

のいずれも存在しない、あるいはそれぞれに対する清算や分配が済んでなお財産が残っている場合には、ほかの共有者に帰属すべきと判断した最高裁の判例があります。

【参考】最高裁判所裁判例
裁判年月日:平成元年11月24日
事件名:不動産登記申請却下決定取消
事件番号:昭和63(行ツ)40

⑤国庫に帰属するケース

債権者、特定受遺者、特別縁故者、財産共有者がまったくいないか、それぞれへの清算・分配が済んでも余りがある場合、残った財産は最終的に「国のもの」となります。

独身者の相続で重要な「相続財産管理人」とは

独身者の遺産を優先して分配すべき人がいないか、独身者に債務がないかどうかなどは、遺産の行方に関わる重要な事柄です。では、これらは誰が調べるのでしょうか?

相続人がいない場合に遺産を整理する人のことを「相続財産管理人」と言います。相続財産管理人は、利害関係人や検察官からの申立てを受け、家庭裁判所によって選任されます。多くの場合、弁護士が選任されます。

相続人がいても、財産のなかに借金などのマイナスの財産が多く、相続人全員が「相続放棄」をしたようなケースでは、債権者により相続財産管理人の選任の申立てが行われることもあります。

相続財産管理人は、

  • 相続財産や相続人の有無の調査
  • 被相続人の債務の清算
  • 特別縁故者への財産分与
  • 相続財産を国庫に帰属

などの一連の業務を行います。

【関連記事】相続財産管理人は相続人がいない時に必要|報酬の相場や申し立ての流れ

独身者の相続対策|遺言書の作成が重要

独身者の方の相続対策として一番大切なことは、遺言書を作成しておくことです。遺言書を残すことで自分の財産を誰に渡すのか、意志を明確にすることができます。

遺言書にもさまざまな様式があり、書き方によっては遺言が無効となってしまうケースもありますので注意しましょう。例えば自筆証書遺言の場合、

  • 自書でないもの
  • 日付がないもの
  • 財産の特定が不明確なもの

に関しては無効とされてしまう場合があります。意志通りに遺言が執行されるか心配だという場合には自筆証書遺言ではなく、公証役場で「公正証書遺言」を作成しましょう。

また、法定相続人がいる場合に法定相続人以外に財産を渡そうとする場合は、「遺留分」という法定相続人に保障された財産承継の権利にも配慮する必要があります。

独身者の遺言について詳しくは以下の記事をご覧ください。

【関連記事】独身一人暮らしの方の遺言書の書き方

まとめ

独身者の相続でも、特に何か特別なルールがあるわけではなく、法定相続人がいれば法定相続人へ遺産が承継され、法定相続人がいない場合には、相続財産管理人によって債権者・受遺者・特別縁故者などに対し、遺産の清算・分配が行われます。

強いて言えば、独身者の場合には法定相続人以外の人に財産を承継させる場面が多かったり、ニーズが強かったりするかもしれません。その場合に重要かつ有効になるのが遺言です。自分の意志がきちんと反映されるよう心して作成に臨みましょう。

遺言を有効に機能させるために、遺言書に詳しい弁護士に作成を依頼することもご検討ください。

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この記事の監修者
アシロ社内弁護士
弁護士登録後、地方で一般民事・家事、刑事事件を中心に様々な案件を手掛ける。次第に司法アクセスの改善に課題を感じ、2020年に当社に入社。現在インハウスローヤーとして多方面から事業サポートを行う。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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