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2020年05月25日

遺留分権利者とは|遺留分割合と遺留分が認められない時の対策

川崎相続遺言法律事務所
関口 英紀 弁護士
監修記事
Iryubun-kenri
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遺留分権利者(いりゅうぶんけんりしゃ)とは、遺留分を請求し受け取ることのできる権利を持つ兄弟姉妹以外の相続人のことを言い、妻と子が相続人のときは妻と子が、子がおらず、妻と父母が相続人の際は妻と父母が遺留分権利者となります。
 
もし被相続人が遺言書等により、自分の全財産を相続人では第三者に譲るような指定していたり、特定団体に寄付する旨の遺言書を残していた場合、子や配偶者などの法定相続人は、遺留分侵害額請求をすることによって、遺留分(相続できる最低限の遺産)を受取ることができます。
 
遺留分にはそれぞれ相続できる割合が法律で決められており、誰が遺留分権利者になるかによって変動します。今回は遺留分権利者が誰になるのか、そして受け取れる遺留分の割合がどう変わるのかをご紹介していきます。


 そもそも遺留分とは何かについては「遺留分とは相続人が必ずもらえる財産|割合と取り返す方法」をご覧いただければと思います。

 

※法改正(2019年7月1日施行)により、遺留分減殺請求は「遺留分侵害額請求」と呼ばれるようになりました。

 

自分が遺留分権利者かわからない・遺留分について知りたい弁護士に相談してみましょう

法律で、遺留分権利者はの受け取れる遺留分は定められています。

また遺言で”他の相続人に財産をすべて相続する”と記載されていても遺留分の請求は可能です。

遺留分権利者についてよくわからない、不明点があれば弁護士に相談してみましょう。

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気になることなどあれば、下記からお近くの弁護士を探して相談してみてください。

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遺留分権利者として遺留分を請求できる人

遺留分は、相続人に最低限確保しなければならない遺産のことで、遺留分を請求できる権利を有する者を遺留分権利者と言いますが、遺留分権利者になれる人は誰なのか、ご紹介していきます。

遺留分権利者になれる人

遺留分権利者になれる人は、以下の3つの項目に当てはまる方になります。
 
①配偶者
②子
③直系尊属(父母・祖父母など)
 
この時、子の代襲相続人も遺留分権利者となることができ、その代襲相続人も子と同じ遺留分を請求することができます。また、まだ生まれていない胎児でも、生きて生まれてくれば遺留分権利者となることができます。
 
ただ、相続人が兄弟姉妹の場合には遺留分はありません。その主な理由については「遺留分と兄弟の関係|兄弟に遺留分が認められていない理由とは​」をご参照ください。
 
【関連記事】
代襲相続と遺留分について知っておきたい注意点まとめ
相続における子供の遺留分に関して知っておくべき基礎知識

 

遺留分権利者ではない人

なお、遺留分は相続人のみに認められる権利ですので、下記の方は遺留分権利者とはなれませんので注意しましょう。
 
『相続欠格者』
『相続人廃除の扱いを受けた者』
『相続放棄をした者』
 
これらに加えて、遺留分を放棄した人も、遺留分権利者とはなれません。
参考:遺留分放棄をしても遺留分は増えない|遺留分放棄の手引き
 
【関連記事】
相続欠格|相続権を剥奪する相続欠格と相続人廃除の全て
相続放棄とは?期限や手続き方法と7つの注意点を解説​

 

遺留分の割合

遺留分の割合は法律で決まっており、各相続人の遺留分がどの程度なのかは下記の表に示したものになります。

 

相続人

遺留分の割合(総体的遺留分)

子供のみ

1/2

配偶者と子供

1/2

配偶者と直系尊属

1/2

直系尊属のみ

1/3

直系尊属だけの場合:3分の1を相続人の人数で分ける
配偶者だけの場合:2分の1すべてが配偶者の遺留分
子どもだけの場合:2分の1を子どもの人数で分ける
 
基本形は上記の表になりますが、ここでは子供が2人以上いた場合や、被相続人の父母など、相続する人のケース別の遺留分金額について、パターン別に表したものは「遺留分の割合|ケース別の遺留分獲得金額と計算例」をご覧ください。

 

遺留分の計算方法

遺留分がいくらあるのかを計算する場合、「遺留分の基礎となる財産」を確認することから始まります。この「遺留分の基礎となる財産」とは、被相続人が相続開始時に持っていた財産に、贈与などの財産を加えた額から、債務を差し引いて算定した財産のことです(民法1029条1項)。


 遺留分の割合は基本的に、法定相続人が親などの直系尊属だけの場合は「遺留分算定の基礎となる財産」の3分の1、それ以外の場合は2分の1になります(民法1028条)。

計算例

相続人:子供3人
遺産額:5000万円
相続開始前の1年間にした生前贈与:2000万円
債務:4000万円の場合
 
遺留分算定基礎財産 5000万円+2000万円-4000万円=3000万円
子供全員の遺留分 3000万円×1/2(遺留分割合)=1500万円
子供1人あたりの遺留分 1500万円×1/3(法定相続分割合)=500万円 
   

相続人

全員の遺留分

相続人の遺留分

配偶者

子供

父母

兄弟

配偶者のみ

1/2

1/2

×

×

×

配偶者と子供

1/2

1/4

1/4

×

×

配偶者と父母

1/2

2/6

×

1/6

×

配偶者と兄弟

1/2

1/2

×

×

×

子供のみ

1/2

×

1/2

×

×

父母のみ

1/3

×

×

1/3

×

兄弟のみ

×

×

×

×

×

 
詳しい基礎財産を算定する流れなどについては「遺留分の計算方法と割合|本来の遺留分を獲得する方法」をご覧ください。
 
【関連記事】生前贈与は特別受益に当たる?財産の範囲・遺留分が増えるケースまとめ​

 

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遺留分権利者はいつ判定されるのか|遺留分権利者となるタイミング

遺留分権利者になれるかどうかの判断は、被相続人が遺言書を作成した時期ではなく、相続が開始した時点で判断することになります。もし、遺言書を作成した後に子供が生まれ、遺産相続が発生した場合は、その子も遺留分権利者として扱われます。

ただ、遺留分は贈与や遺贈があったことを知ってから1年間、相続開始から10年間の間に請求しないと時効となってしまいますので、請求するのであれば、できるだけ早めに取り組んでいただくのが良いかと思います。

 

(遺留分侵害額請求権の期間の制限)
第千四十八条 遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。
引用元:民法第1048条


 

遺留分侵害額(減殺)請求の方法

もし遺留分を侵害されたことがわかった場合、遺留分を侵害している相手方に対して遺留分侵害額(減殺)請求(いりゅうぶんしんがいがく(げんさい)せいきゅう)をすることによって、遺留分を取り返すことができます。
参考:遺留分侵害額(減殺)請求とは|侵害された財産を取り戻す制度を徹底解説

 

遺留分侵害額(減殺)請求の手順

遺留分侵害額(減殺)請求では、まずは自分の遺留分がどのくらいあるのかを確認しておく必要がありますので、遺言書の内容の確認し、誰が相続人となるのか、そして何が相続財産に当たるのかを調査しておく必要があります。
 
大まかな手順としては以下のとおりです。
1:相続人の調査
2:遺留分の計算
3:内容証明郵便で請求する
4:遺留分侵害額(減殺)請求調停で請求する
5:遺留分侵害額(減殺)請求裁判を起こす
 
調停や裁判となると、弁護士や申立ての費用などが発生してきますので、なるべく内容証明郵便で通知を行い、その後の話し合いで解決できるのが理想です。しかし、相手が応じないことも十分考えられますので、その場合は「遺留分侵害額(減殺)請求を弁護士に相談するメリットと解決までの流れ」を参考にしながら、どうするのがベストな選択なのかをご判断いただくのが良いでしょう。

 

遺留分侵害額(減殺)請求の費用

・収入印紙代:1200円分
・連絡用の郵便切手(申し立てる裁判所で異なる)全国の裁判所検索
 

弁護士に依頼する際の費用の目安

・相談料:0円〜1万円(1時間)
・遺留分侵害額(減殺)請求意思表示代理費用:15,000円~30,000円
・着手金: 300,000円程度
・報酬金:取得できた遺留分の4~16%程度
参考:遺留分侵害額(減殺)請求を弁護士に依頼した場合の費用は?

 

遺留分侵害額(減殺)請求には時効と期限があるので注意が必要

遺留分権利者しか侵害額(減殺)請求をすることができないのは当然ですが、遺留分侵害額(減殺)請求権は、遺留分を侵害されたことを知ったときから1年間、相続の開始のときから10年たった時に時効消滅しますので注意が必要です。
参考:遺留分侵害額請求(減殺請求)の時効は最短1年|起算点と中断方法は?

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。遺留分権利者についてまとめると、「①配偶者」「②子」「③直系尊属(父母・祖父母など)」になります。もし遺留分権利者として遺留分侵害額(減殺)請求をする場合は、意外と手間がかかりますし、侵害した相手も要求に応じない可能性もありますので、一度、弁護士へ無料相談をされることをおすすめします。
参考:相続の無料相談先を比較|問題解決のプロを選ぶ

 

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【迷っている方へ】弁護士に相談するとどんな風に相続問題が解決する?

 

相続トラブルを解決し遺産を多く受け取る方法とは?

相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。

 

これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。

 

相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。

 

相続トラブルの金額

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。

 

遺産分割に関する調停事件の推移

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

 

相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?

相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。

 

相続人の数

<参考資料:国税庁 統計年報>

 

相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。

 

トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。

 

弁護士を介入させると費用が高くつくイメージがありますが、結果的にはトラブルを解消できるだけではなく、相続面でも優位に働き、金銭的にもメリットを得られることが多くなります。

 

 

相続に強い弁護士の選び方と相続相談の具体例

相続に際し、雇うのは弁護士なら誰でもいいというわけではありません。
最大のメリットが得られる弁護士の選び方は、以下を参考にしてください。

 

 

  • 1、相続が得意な弁護士を選ぶ

    相続トラブルの解決実績が豊富だったり、相続問題に注力していたりする弁護士を選びましょう。

  • 例えば、医者に「内科」「外科」「皮膚科」「耳鼻科」…と専門分野があるように、弁護士にも「相続」「離婚」「借金」「企業法務」…といった得意分野があります。

  • 相続があまり得意でない弁護士に依頼しても十分なメリットを受けられない可能性があるため、相続を得意とする弁護士に依頼することが大切です。

  • 2、初回相談料の安い弁護士を選ぶ

    初回相談は自分と相性の良い弁護士を選ぶチャンスですので、1件だけではなく複数と話をしてみましょう。

  • 件数を重ねるために初回の相談料を必ず確認しましょう。(相談無料〜3000円程度をオススメします)

  • 3、近隣の弁護士を選ぶ

    相続の弁護士は全国対応していることも多いのですが、やはり対面での関係性構築や急な事態に対応できる近隣の弁護士事務所が最善策といえるでしょう。

 

 

相続で弁護士が介入するデメリットは、あまりありません。

 

あえて挙げるなら、依頼に費用がかかる点でしょうか。

 

しかし、以下の費用対効果の例をご覧いただけば、実際には費用がデメリットとはならないことが、おわかりいただけると思います。

 

不公平な遺言書に対し弁護士を通じて遺留分を主張した例

3,000万円の遺産を遺して親が世を去った。全財産をほかの相続人に相続させる旨の遺言書があり、このままでは自分は一切遺産を受け取ることができない。

弁護士に依頼した結果

遺留分侵害額請求により、自分の遺留分割合である8分の1の遺産を受け取ることができた。

費用対効果

自分が受け取ることができた遺産は375万円。弁護士費用は84万円。そのまま泣き寝入りしていれば1円も受け取ることができなかったが、結果的に弁護士費用を差し引いても291万円を手にすることができた。

また、相続トラブルに関しては、初期費用(着手金)はかかるものの、費用の大部分は成果報酬方式です。


つまり依頼料はデメリットにならないのです。

 

>>費用対効果の高い弁護士とは?

 

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この記事の監修者
川崎相続遺言法律事務所
関口 英紀 弁護士 (神奈川県弁護士会)
遺産分割など揉めやすい問題の交渉、調停、訴訟から、生前の相続対策として遺言や家族信託の活用についてまで幅広く対応。相談者の事情に合わせたオーダーメイドの解決を目指しており、多くの実績がある。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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