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公正証書遺言がある場合、遺産分割協議書は必要?不要?相続の基礎知識

銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士
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被相続人が公正証書遺言を作成していた場合、基本的に遺産分割協議書は不要です。

公正証書遺言は証明力や執行力が高い遺言書であり、どのように財産を分ければよいかが記載されています。

公正証書遺言がある場合は、遺言内容に則って財産を分ければよく、わざわざ遺産分割協議書を作成する必要はありません。

トラブルなくスムーズに相続手続きを済ませるためにも、公正証書遺言や遺産分割協議書の意味合いや、相続手続きの進め方などについて、ポイントを押さえておきましょう。

この記事では、公正証書遺言がある場合の遺産分割協議書の必要性や、相続手続きの流れなどを解説します。

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公正証書遺言がある場合は遺産分割協議書が不要な理由

公正証書遺言は、法律の専門家である公証人が作成する遺言書であり、被相続人が個人で作成する遺言書よりも高い証明力や執行力を有しています。

一般的な相続手続きでは、遺産分割協議をおこなって財産の分け方を決定し、遺産分割協議書を作成します。

しかし、公正証書遺言がある場合は、遺言によって財産の分け方が決まっているため、わざわざ遺産分割協議書を作成する必要がありません。

遺産分割協議はおこなわず、遺言通りに相続手続きを進めることになります。

公正証書遺言がある場合の相続手続きの流れ

被相続人が公正証書遺言を残していたのかどうかすぐにわからない場合は、全国の公証役場で、無料で確認できます。

相続人や正規の代理人であれば、有料ではありますが閲覧可能です。

公正証書遺言が見つかった場合は、相続手続きの進行役である「遺言執行者」を選びます

基本的には、遺言執行者についても遺言書に記されていますが、もし記載されていない場合は相続人の中から決定します。

ただし、相続手続きで失敗しないためには法律知識が必要であり、素人では対応が難しい場合もあります。

トラブルなくスムーズに進めたい方は、相続問題に注力している弁護士に対応を依頼することをおすすめします。

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そもそも公正証書遺言とはどんな遺言書?遺産分割協議書との違い

ここでは、公正証書遺言と遺産分割協議書について、それぞれどのような書類なのか解説します。

公正証書遺言とは「公証役場の公証人に作成してもらう遺言書」のこと

公正証書遺言とは、法律の専門家である公証人が立ち合って、公証役場にて作成する遺言書のことです。

被相続人が個人で作成する遺言書よりも、証明力や執行力などの効力が優れているという点が特徴で、公正証書遺言を作成した後は、公証役場にて20年間保管されます。

被相続人が個人で作成した遺言書の場合、遺言書を見つけたら未開封のままで家庭裁判所に持っていき、開封しなければいけません。

一方、公正証書遺言であれば、裁判所に持っていく必要はなく、すぐに開封して相続手続きに移ることができます。

遺産分割協議書とは「遺産分割協議の合意内容をまとめた書類」のこと

遺産分割協議書とは、遺産分割協議の合意内容をまとめた書類のことです。

遺言書がない場合は、財産の分け方などについて相続人同士で遺産分割協議をおこない、遺産分割協議書を作成することになります。

遺産分割協議にあたっては、以下のような準備が必要です。

①相続人を調査する

相続人が全員揃っていない状態で遺産分割協議をおこなった場合、その協議は無効になるため、把握漏れがないように入念に調査する必要があります。

②相続財産を調査する

相続財産は、土地や建物などの不動産・預貯金・車・貴金属・有価証券などの資産だけでなく、借金などの負債も含まれます。取りこぼしがないように、徹底的に調査する必要があります。

なお、遺産分割協議書については作成義務がなく、口約束だけで済ませることも可能です。

ただし、合意内容について書面化していないと、後々「言った言わない」などのトラブルに発展する恐れもあるため、作成したおいたほうが安心です。

公正証書遺言に関するよくある質問|Q&A形式で解説

ここでは、公正証書遺言に関するよくある質問について、Q&A形式で解説します。

Q.公正証書遺言に従って財産を受け取ることになりましたが、財産を親戚と分けたい場合はどうすればよいでしょうか?

A.相続人全員の合意が取れれば、相続内容は変更可能です。

あくまでも遺言書は「故人の遺志を尊重する」という程度のものであり、遺言内容に強制力はありません。

自分の希望内容を他の相続人に伝えて、全員が納得してくれれば、親戚と分け合うことも可能です。

ただし、その際は遺産分割協議をおこなって、遺産分割協議書を作成することになります。

Q.遺産分割協議後に公正証書遺言が見つかった場合、どちらが優先されるのでしょうか?

A.ケースバイケースでの判断になります。

たとえば、相続人全員が協議内容に納得していれば、遺産分割協議で決まった通りに相続手続きを進めても問題ないでしょう。

一方、公正証書遺言のほうが有利な相続内容になっていたりして、相続人の一部が遺産分割協議の無効を主張した場合には、交渉や裁判などをおこなって争うことになります。

何らかの事情で公正証書遺言と遺産分割協議書の2つが存在する場合、相続に関する専門的な知識が求められます。

素人だけでは判断が難しいこともありますので、弁護士にサポートを依頼するのがおすすめです。

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最後に|相続手続きが不安な方は弁護士にサポートを依頼しましょう

被相続人が公正証書遺言を作成していた場合、遺言内容に則って財産を分けることになります。

基本的に遺産分割協議書を作成する必要はなく、遺産分割協議もおこないません

ただし、例外として、公正証書遺言には記載されていない財産が見つかった場合や、相続人全員が遺産分割協議をおこなうことに同意している場合などは、遺産分割協議をおこなって遺産分割協議書を作成することもあります。

相続では、遺産分割協議後に遺言書が見つかったり、相続人同士で争いになったりなど、思わぬ形でトラブルになることもあります。

自力で相続手続きを進められるかどうか不安な方は、弁護士にサポートを依頼しましょう。

弁護士であれば、依頼者に代わって相続手続きを進めてくれますので、依頼者の負担が大きく軽減されます。

中には初回相談無料の事務所もありますので、まずは一度詳しく話を聞いてみることをおすすめします。

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この記事の監修者
銀座さいとう法律事務所
齋藤健博 弁護士 (東京弁護士会)
相談者の心に寄り添う活動を心がけている。相続だけでなく、離婚・刑事など様々な分野の相談が可能。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
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本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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