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秘密証書遺言とは|秘密証書遺言の特徴とその書き方
2016年01月19日

秘密証書遺言とは|秘密証書遺言の特徴とその書き方

Himitsu-yuigon

秘密証書遺言(ひみつしょうしょゆいごん)とは、被相続人以外には遺言内容を秘密にしておくことができ、間違いなく遺言者本人のものであることを明確にすることのできる遺言書です。
 
手数料として11,000円がかかり、遺言書を公証役場に持参することで作成できますが、秘密を守るだけなら公正証書遺言や自筆証書遺言でも可能なため、あまり用いられることのない遺言方法でもあります。
 
生前に所有する財産を誰にどの程度相続させるかの意思を表現する方法のひとつとしての「秘密証書遺言」ですが、今回ご紹介するのは秘密証書遺言の特徴や作成方法などについてご紹介します。
 

 

 【目次】
遺言書の3つの種類
自筆証書遺言
公正証書遺言
秘密証書遺言
秘密証書遺言を書く前に知っておくべきこと
秘密証書遺言を選択すると良い人
秘密証書遺言のメリット
秘密証書遺言のデメリット
秘密証書遺言の作成手順
①:手書きやパソコンで遺言内容を書く
②:遺言を封筒に入れて封をしてから押印する
③:2人の証人と一緒に公証役場に持参する
④:遺言者と証人が署名押印する
提出先
証人になれる人
秘密証書遺言を作成する際の注意点
相続の意向を明確にする
財産は特定して書く
全ての財産の相続者を指定する
借入金の負担者を指定する
遺言執行者を指定する
付言事項で遺言者の想いを記す
まとめ


 

遺言書の3つの種類

まずは知識として、遺言書にある3つの種類についてご紹介しておきます。
 

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、もっとも簡単で費用のかからない方法であるため、多くの遺言でとられる方法です。遺言者が遺言の全文を記載し、日付と氏名を自筆で書き、捺印すれば完成します。

注意点は、パソコンでの作成や代筆が認められず、全て自筆で書かなければいけないことです。自筆証書遺言に関する詳しい内容は「自筆証書遺言を書くために知っておくべきポイント」をご覧ください。
 

公正証書遺言

公正証書は、法律を専門とする公務員である公証人が作成した文書のことをさし、公文書とみなされるためお金の貸し借りなどその文書に効力を持たせたい場合に利用されます。

そのため、公正証書として遺言を残すことは、遺言の内容を安全で確実に残すことが可能となり、公正証書の原本は公証役場で保管されるため、紛失や変造の心配がいりません。詳しい内容は「公正証書遺言が最も信頼出来る遺言である理由とその書き方」をご覧くだしさい。
 

秘密証書遺言

今回ご紹介知る秘密証書遺言は利用されることが少ない遺言書の種類です。作成方法は、「秘密証書遺言を書く前に知っておくべきこと」で詳しく後述します。秘密証書遺言が利用される状況は、遺言者が遺言の内容を誰にも知られずにしておきたいと考えている場合です。
 
 

秘密証書遺言を書く前に知っておくべきこと

秘密証書遺言を書く
 

秘密証書遺言を選択すると良い人

過去の法改正により、現在秘密証書遺言を選択する利点などはあまりありませんが、しいてあげるとすれば、以下のものがあります。
 
・多額の財産をお持ちで、且つ安全性・確実性よりも公正証書作成費用の節約を優先したい方
・パソコンで遺言書を作成したい方
・誰かしらに代筆をお願いしたい方

 

秘密証書遺言のメリット

①:内容を秘密にできる

秘密証書遺言は、担当する公証人が遺言の内容を確認しません。そのため、誰にも遺言内容を知られたくない場合に非常に有効な方法となります。
 

②:偽造や変造を避けられる

秘密証書遺言を残す場合は、遺言を残す人が遺言書に封をして、証人が封紙に署名をします。この封が破られているケースや、開かれた跡が残る秘密証書遺言は法律上の効果が認められません。そのため、遺言書の偽造や内容の変造を避けることができます。
 

③:パソコンでも作成できる

秘密証書遺言は自筆証書遺言とは違い、遺言を自分で書く必要がありません。パソコンで遺言書を作成することや、他の人に代筆してもらうことが可能です。そのため、身体的な問題によって、自分で書くことができないお年寄りは助かります。

しかし、遺言書の署名と押印だけは必ず自分で行う必要があるため注意しましょう。
 

秘密証書遺言のデメリット

①:手続きに手間がかかる

秘密証書遺言は遺言者自身で遺言の内容を確認していることを、公証人によって認めて貰う必要があります。公証人への依頼には費用や手間がかかり、確認には2人の証人による立会いが必要です。この手続の手間は公正証書遺言と殆ど変わりません。
 

②:費用がかかる

公正証書遺言よりは安いですが、秘密証書遺言を作成するために手数料が11,000円かかってしまいます。
 

③:2人の証人が必要

秘密証書遺言の手続きを受ける場合に、2人の証人が必要です。証人となれる人には条件がありますが詳しくは「証人になれる人」で後述します。ちなみに、証人は遺言の内容を確認するわけではないため、遺言の内容が知られてしまうことはありません。
 

④:紛失するおそれがある

秘密証書遺言は公証人に確認をしてもらい、作成した記録が公証役場に残りますが、遺言書の管理は自身で行わなければなりません。万が一紛失してしまうと、作成にかかった労力とお金が無駄になってしまうため注意しましょう。
 

⑤:遺言の確認には家庭裁判所の検認が必要

遺言者が亡くなったあと、すぐに秘密証書遺言の中身を確認することはできず、家庭裁判所の検証を受けなければなりません。秘密証書遺言では、自筆証書遺言と同様で、内容が遺言書について法律で定められている方式で記載されているかどうか、確認してもらう必要があります。

そのために家庭裁判所の検認を受けるのです。検認には一定の手間と時間が必要になるため、その期間は待っていなければなりません。
 

秘密証書遺言の作成手順

作成手順
 

①:手書きやパソコンで遺言内容を書く

秘密証書遺言は、最低限遺言を残す人の署名押印が自筆でなされていれば、他の内容が手書きである必要がありません。記載する内容は、自筆証書遺言と同様で、印鑑は認印の仕様が可能です。
 

②:遺言を封筒に入れて封をしてから押印する

遺言書が書ければ、そのまま封筒に入れて封をしましょう。その後、遺言書に利用した印鑑と同様のもので封に封印をしてください。もしこの印鑑に異なるものを利用すると、遺言が無効となってしまうため注意が必要です。
 

③:2人の証人と一緒に公証役場に持参する

2人の承認と一緒に、①と②で作成した遺言書を公証役場へ持って行きます。公証人と2人の証人の前でその遺言書を提示し、自分の遺言書であることを証明するために、氏名と住所を申述しましょう。
 

④:遺言者と証人が署名押印する

公証人が遺言書を提出した日付と遺言を書いた人の申述を封紙に記入します。その封紙に遺言を書いた人と2人の証人が署名押印したら秘密証書遺言の完成です。
 

提出先

住所地の公証役場【全国公証役場所在地一覧
 

証人になれる人

証人は遺言の内容を知ることができるため、信頼のおける人物を選びましょう。また、以下の内容に該当する人は証人になれないため注意してください。もし身近に証人になれる人がいなければ、弁護士などに依頼することが可能です。

①:相続人となる人
②:未婚の未成年者
③:受遺者およびその配偶者と直系血族
④:秘密証書遺言の作成を担当となる公証人の配偶者と4親等内の親族
⑤:公証役場の関係者


遺言書のサンプルや参考を知りたい方は「ケース別の遺言書の書き方」をご覧ください。

 

秘密証書遺言を作成する際の注意点


 

相続の意向を明確にする

遺言は正しい方法で書くようにしましょう。法定相続人に対しては相続させる、法定相続人以外の人に対しては遺贈すると書くことが正しい方法です。
 

財産は特定して書く

記載する財産は正しく詳しく書きましょう。以下の例をご参考にしてください。

◇預貯金:銀行名、支店名、口座の種類、口座番号を書く
◇不動産:登記簿の記載を間違いなく書く
◇株式:銘柄や株数を間違いなく書く

 

全ての財産の相続者を指定する

遺言を残す人の財産の取り分などを、相続人同士が揉めないように、全ての相続財産の継承者を必ず指定しましょう。
 

借入金の負担者を指定する

相続財産に借入金などの負債がある場合、その負債の負担者も指定して書いておきましょう。この負担者を指定しないと、相続人の法定相続分に応じた割合で債務を分担することとなります。こうなると、相続税の債務控除が相続人全員に対して控除されてしまい、債務負担する相続人の相続税金額が増えてしまうため避けたほうがいいでしょう。
 

遺言執行者を指定する

遺言内容の遂行を円滑にするために、遺言執行者を遺言で指定しましょう。指定には住所と指名を明記する必要があります。
 

付言事項で遺言者の想いを記す

相続財産の分配比率の理由や、遺言者が葬式の方法や、亡くなったことを誰に知らせて欲しいのかなどについて、秘密証書遺言を残した理由などを書き添えておくことができます。

これらに法的拘束力はありませんが、遺族にとっては亡くなった人の想いが知れる大切な記載内容となるでしょう。
 
 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

遺言者が何らかの理由で、遺言内容を知られたくない場合に有効なのが秘密証書遺言です。多少の手間や費用がかかってしまいますが、自筆で作成する必要がなく偽造の心配がないことがおわかりいただけたでしょうか。今回の記事が遺言の選択の助けになれば幸いです。

 

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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