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簡単に不動産取得税を計算する方法とよくある質問まとめ

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不動産を取得した際に都道府県から課税される税金を不動産取得税といいますが、以下のような疑問・不安を抱えている人も多いでしょう。

  • そもそもどのような不動産が課税対象になるのか?
  • 計算式がわからない
  • 非課税枠はどのような場合に適用されるのか など

この記事では、不動産取得税の計算方法のほか、非課税となるケースや申告方法なども解説します。

なお、不動産を相続するときの節税対策については以下の記事で解説しています。

相続した不動産の売却を考えている人には、以下の記事がおすすめです。

この記事に記載の情報は2024年08月16日時点のものです

不動産取得税とはなにか|不動産取得税がかかる場合

まず、自分が取得した不動産が課税対象になっていなければ、そもそも不動産取得税を計算する必要もありません。

ここでは、どのような場合に不動産取得税がかかるのかを解説します。

取得税の対象になる土地や行為

不動産取得税は、土地や家屋などの不動産所有権を取得した際に課税されます。

有償無償や登記の有無にかかわらず、売買・贈与・交換・新築・増築・改築などの行為によって取得した場合は課税対象になります。

不動産取得税がかからない非課税となるケース

不動産を取得した場合でも、下記にあてはまる場合は非課税となります。

  1. 公共的な用途に供される不動産の取得である
  2. 相続による取得である
  3. 法人の合併や分割による取得である
  4. 2年以内の債権消滅による譲渡担保財産の設定者への移転である

免税点というのもある

次のような場合でも不動産取得税は課されません。

  • 取得した土地の価格が10万円未満の場合
  • 売買や贈与などで取得した家屋の価格が12万円未満の場合
  • 新築・増築・改築した家屋の価格が23万円未満の場合

不動産取得税の計算をする5つのステップ

不動産取得税は以下のような計算式で算出します。

  • 不動産の価格(課税標準額)×税率–特例による控除額=不動産取得税額

不動産は家屋と土地の両方が該当するので、正確には「家屋にかかる税金+土地にかかる税金=不動産取得税」といえます。

以下では、各項目の求め方を解説します。

不動産の価格(課税標準額)の決定

不動産の価格とは、実際の購入価格や建築工事費などではありません。

総務大臣が定めた「固定資産評価基準」によって決定された価格のことで、原則として「固定資産課税台帳に登録されている価格」になります。

なお、2024年3月31日までに宅地や宅地と同等の扱いをされる土地を取得した場合には、課税標準額が2分の1になります。

つまり、3,000万円の宅地を取得した場合、1,500万円に減額して計算するということです。

これはあくまでも宅地などに適用されるものであり、家屋は対象外です。

居住用家屋の特例(課税標準額の特例)

取得した不動産が下記の要件を満たしている場合は、課税標準額のうち一定額を控除できます

新築の場合

新築の場合、家屋の使用用途は居住用・賃貸用どちらでもよく、床面積は50㎡以上240㎡以下である必要があります。

このような条件を満たしていれば、1,200万円が控除されます(長期優良住宅については2024年3月31日の取得まで1,300万円の控除となります)。

中古住宅の場合

中古住宅の場合、家屋の使用用途は自己の居住用である必要があり、床面積が50㎡以上240㎡以下で以下の要件も満たしていなければいけません

  • 1982年1月1日以後に新築されたもの
  • 新耐震基準に適合していると認められたもの

控除額は築年数で変わり、以下のとおりです。

  • 1997年4月1日以降:1,200万円
  • 1989年4月1日から1997年3月31日:1,000万円
  • 1985年7月1日から1989年3月31日:450万円
  • 1981年7月1日から1985年6月30日:420万円
  • 1976年1月1日から1981年6月30日:350万円
  • 1973年1月1日から1975年12月31日:230万円
  • 1964年1月1日から1972年12月31日:150万円
  • 1954年7月1日から1963年12月31日:100万円

居住用土地の特例

土地を取得後、一定期間内に敷地上に特例適用住宅の取得などをした場合には不動産取得税が減額されます。

項目

適用要件

 

特例対象となる住宅の敷地の用に供されている場合で次のいずれかに該当すること

新築の場合

先に土地を取得した場合

土地を取得してから3年以内に住宅を新築し、土地の取得者が住宅を新築するまで所有を続けている

先に住宅を取得した場合(同時も含む)

住宅を新築した人が、新築後1年以内に土地を取得している

中古住宅の場合

先に土地を取得した場合(同時も含む)

土地を取得した人が、取得後1年以内に住宅を取得している

先に住宅を取得した場合

住宅を取得した人が、取得後1年以内に土地を取得している

税額の計算

固定資産税評価額×1/2×3%−税額控除額

税額控除額は、次の(a)(b)のうち金額の大きい方が適用される

(a)4万5,000円

(b)(土地1m²あたりの固定資産税評価額×1/2)×(住宅の床面積×2[200m²が限度])×3%

不動産取得税の税率

不動産取得税の税率は以下のとおりです。

  • 家屋:4%
  • 土地:4%

しかし、2024年3月31日までの取得については以下の軽減措置が適用されます。

  • 家屋(住宅用):3%
  • 土地:3%

計算例

ここでは、「2013年2月に土地200㎡を取得して、同年6月に長期優良住宅ではない床面積180㎡の住宅を新築した」という場合の計算方法を解説します。

なお、土地の価格は3,000万円、家屋の価格は2,000万円と仮定します。

まずは家屋(2,000万円)から計算する

この場合、家屋は新築であるため1,200万円の控除が適用され、不動産取得税の計算式は以下のとおりです。

  • 家屋の不動産取得税額=2,000万円–1,200万円×3%=24万円

土地(3,000万円)の不動産取得税を計算

この場合、土地の課税標準額は2分の1になり、不動産取得税の計算式は以下のとおりです。

  • 土地の不動産取得税額=3,000万円×1/2×3%=45万円

さらに、居住用土地の特例が適用され、税額控除額について(a)と(b)のどちらの方が大きいのか計算します。

  • (a):4万5,000円
  • (b):(3,000万円÷200㎡×1/2)×200㎡×3%=45万円

上記のとおり(b)が採用され、最終的に土地の不動産取得税額は45万円–45万円=0円となります。

家屋の不動産取得税額(24万円)と土地の不動産取得税額(0円)を合計し、結果的に納める金額は24万円になります。

不動産取得税の申告方法

ここでは、不動産取得税の申告方法を解説します。

申告の時期と方法

不動産を取得した日から一定の期間内に「不動産取得申告(報告)書」などの申請書類を作成し、市役所や町村役場、または管轄の県税事務所に提出してください。

具体的な提出期限については都道府県によって異なります。

期限内に申告書などを提出しないと、不動産取得税の軽減措置や課税免除などの適用が受けられない可能性があります。

不動産取得税の納税方法

県税事務所から送付される納税通知書に記載されている日までに、金融機関・県税事務所の窓口・コンビニエンスストアで納付してください。

納税通知書の送付時期は、不動産を取得してから約4ヵ月~6ヵ月後が一般的です。

納税期限を過ぎてしまうと、延滞金などが発生したり財産を差し押さえられたりすることもあるため、早めに対応しましょう。

生前贈与や相続で取得した不動産はどうすべき?4つのケースとあなたが考えるべきこと

生前贈与や相続によって不動産を取得することになっても、今後その不動産をどう扱うのか、決めかねている人も多いと思います。

主な選択肢としては、次の4つが考えられます。それぞれどのような特徴があるのかを見たうえで、あなたが考えるべきことを解説していきます。

  1. 自分や家族・親族が住む
  2. 売却する
  3. 活用して収益化する
  4. そのまま放置する

 

ケース1|自分や家族・親族が住む

生前贈与・相続で取得した家に、あなた自身やご家族・親族が住むというケースです。自分たちの暮らしに活用できるならそれに越したことはありませんし、これといったデメリットもありません。

ただし住んでみた結果、次のような状況になっている場合は、住み替えも選択肢に入れてみてもいいかもしれません。

家屋が古くなっていて修繕に費用がかさむ

→売却額次第では新しい家を買ったほうが最新設備で快適に暮らせる

土地・家屋が狭小で住みづらい

→立地によっては高く売れる可能性あり。売却したお金でより広い家を買えるかも

立地が悪くて生活スタイルが変わってしまった

→生活スタイルが変わったことで結果的に費用がかさんでいるなら、現金化したほうが得

住み替えのときは、住み替え前の家を売却して、新居の購入資金や引っ越し資金に充てるのが一般的です。住み替えを検討するなら、まずは家の査定を受け、どのくらいの金額で売れそうなのかイメージをつけておきましょう。売却の流れや査定については、こちらをご覧ください(←クリックするとページ下部へ移動します)。

ケース2|売却する

初めから売却を考えている人もいるでしょう。売却すればまとまった現金が入ってくるので、その後の生活設計もしやすくなります。

ただし、立地によっては売却に時間がかかったり、かなり安値を付けられてしまう可能性があります。できるだけ高値でスムーズに売却するためには、仲介を依頼する不動産会社選びが重要になってきます。

ケース3|活用して収益化する

土地や家屋を活用して、賃貸住宅や施設の経営をし、収入を得るプランです。経営がうまくいけば、いわゆる「不労所得」が長期的に入ってくるので、家計の大きな助けになるでしょう。

ただし、不動産の活用はハードルが高いのも事実です。不便な土地だと借り手を見つけるのに苦労するかもしれませんし、今の家屋を利用しようにも何らかの修繕・改修が必要になるケースが一般的です。つまり、初期投資が必要なのです。

この初期投資分を回収できるような、収益化プランを立てていかなければなりません。うまくいかないと、いつまでも赤字が続いてしまう可能性もあります。不動産の投資・運用に関する知識がない人にとっては、それなりにリスクの大きな選択といえるでしょう。

不動産を売却した場合/活用した場合の比較

 

売却した場合

活用した場合(賃貸住宅経営など)

初期費用

・仲介手数料

・各種税金

・その他諸費用

数十万円~数百万円単位が一般的

・建築費用

・各種手数料

・各種保険料

・その他諸費用

数千万円~数億円単位が一般的

継続的にかかる費用

なし

維持・管理費

短期的な利益

売却収入

なし

長期的な利益

なし

家賃収入など

節税効果

なし

あり

赤字リスク

なし

あり

 

上手に活用できる自信がなければ、不動産を売却してまとまったお金に換えるほうが安全です。

リスクを理解したうえで不動産の活用を目指すなら、活用プランを作っている複数の業者に一括で資料請求・見積を依頼し、どんなプランがあるのか、本当に利益が出るのか、よく吟味したうえで決めましょう。

ケース4|そのまま放置する

使用予定や活用予定がないので、とりあえず不動産をそのままにしておく、というケースですが、これはおすすめできません。固定資産税・都市計画税がかかり続けるからです。

また、実際には不動産の維持・管理費用も必要になります。維持管理が適切に行われないと、国から「特定空き家」に指定され、固定資産税が通常の6倍、都市計画税が3倍になる可能性があるのです。

こんなにかかる!不動産を放置したときの年間費用

(例:1,500万円の価値がある空き家の場合)

費目

特定空き家に指定された場合

最低限の維持・
管理をした場合

固定資産税

14.7万円

2.45万円

都市計画税

3.15万円

1.05万円

維持・管理費

10万円

合計

17.85万円

13.5万円

10年分に換算

178.5万円

135万円

放置はNG。売却か活用を検討すべき

前述の通り、生前贈与や相続で取得した不動産をそのままにしておくのは、お金が出ていくばかりなので得策ではありません。早めに売却で現金化するか、活用での収益化を目指しましょう。

まずは売却を検討してみるのがおすすめです。活用にはリスクがともなう一方、売却なら一度にまとまった現金が入ってくるため、リスクは非常に小さいといえます。

生前贈与・相続で取得した不動産には、基本的にローン残債がないことも、売却するうえでの大きなメリットになります。ローン返済途中の不動産を売却する場合、売却によるローン完済を目指す必要があるため、売却額で妥協できないケースが多いでしょう。そうすると、必然的に売却成立の難易度は上がります。

その点、生前贈与・相続で取得した不動産は、あまり金額にシビアになる必要はないため、売却しやすいのが特徴です。そのまま持っていてもお金がかかるので、多少安くても早めに売却したほうが得、という判断もあるでしょう。

もちろん、許容範囲を超えて安値で売る必要はありませんし、「売るならできるだけ高値」を目指すのも当然のことです。親や親族から受け継いだ大切な不動産ですから、家族でしっかり話し合う必要がありますね。

最後に

あくまでも記事内で解説した計算方法はシンプルなものであり、不動産取得税の正確な金額を知りたい場合は税理士などに相談することをおすすめします。

相続した不動産の売却を考えている人は、以下の記事もおすすめです。

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ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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