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生前贈与と住宅ローンの関係|非課税にできる金額と援助する時の注意点
2018年04月13日
生前贈与  弁護士監修記事

生前贈与と住宅ローンの関係|非課税にできる金額と援助する時の注意点

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「息子に子供が産まれ、家を購入するので少しだけ金銭面で手助けをしたい。」

 

余裕があるなら、かわいい息子のために住宅ローンのすべてを支払いたいところ。

 

しかし、全額援助すると余計な税金が取られてしまうのでは…と考えてしまいますよね。

 

実は、ある特例を使えば最大で3,700万円まで、税金がかかることなく援助をすることが可能です。

 

この記事では、

 

  • ある特例とは何なのか
  • 特例が使えないケース
  • 特例を使った・使わない場合に節約できる金額

 

などをお伝えします。

ご自身の子供が住宅ローンを組むときの手助けになれば幸いです。

 

住宅ローンの生前贈与で非課税になるのは最大3,700万円

息子の住宅ローンを相続時精算課税(1)の制度や住宅資金贈与特例(2)の特例を使うことで、最大3,700万円まで援助できる上に税金を支払わずに済むのです。

 

【相続時精算課税と住宅資金贈与特例で抑えられる税金の内訳】

 

  • 相続時精算課税の制度を使った場合:2,500万円まで
  • 住宅資金贈与特例の特例を使った場合:1,200万円まで
  • 2つの制度を使った場合の合計最大3,700万円まで

 

 

ただ、2つの制度を使うにはいくつかの条件を満たす必要があります。次項で紹介しますので、確認しておきましょう。

 

(1) 相続時精算課税

60歳以上の両親や祖父母から20歳以上の子または孫に財産を渡すときに選べる制度

 

(2) 住宅資金贈与特例

両親や祖父母などの直系尊属(父母や祖父母より前の世代で血の繋がりある人)から新築または増築するときに条件を満たすことで贈与税がかからない特例

 

相続時精算課税と住宅資金贈与特例を使える対象者

 

  • 生前贈与を受ける人は、年の1月1日に20歳以上
  • 生前贈与を受ける人は、贈与者の直系卑属

 

【参考】

 

住宅資金贈与特例を使うための条件

以下の条件を満たしていないと住宅資金贈与特例は使えません

 

  • 贈与を受けた年の所得税にかかる収入が2,000万円以下
  • 平成21~26年分までの贈与税の申告で『住宅取得等資金の非課税』の適用を受けていない
  • 結婚相手や親族から住宅用の家を受け取っていない
  • 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに住宅資金の全額を家屋に充てる(新築など)
  • 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに家屋に住む、または移住が見込まれる
  • 贈与を受けた時に国内にいること

 

【参考】受贈者の要件|国税庁

 

条件を満たしても相続時精算課税の特例が使えないケース

購入者が自己名義ですでに住宅ローンを組んでいるなら相続時精算課税の特例は使えません

 

相続時精算課税はあくまで直系尊属から直系卑属に対して住宅購入資金を贈与した場合に利用できる制度

 

相続時精算課税の特例を使って余計な税金を支払いたくないのであれば、住宅ローンの申し込みを取り消した方がいいかもしません。

 

相続時精算課税は節税にならない場合もある

相続時精算課税を使っても財産状況によっては節税できない可能性があります。

 

この税制はあくまで贈与税についての節税であり、相続税を優遇する制度ではありません

 

そのため、贈与財産を含む相続財産が相続税控除額()を上回ってしまう場合は、税金が加算されてしまい節税することはできませんので注意してください。

 

()相続税控除額

課税遺産額=課税価格の合計金額―基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)

 

【参考】相続税の総額の計算|国税庁

 

住宅資金贈与特例の特例を使うときの注意点

上記の通り、住宅資金贈与特例の特例を使えば最大1,200万円まで税金が控除されますが、特例を使うにはいくつかの注意点があります。

 

①あくまで金銭贈与が必要である

住宅資金贈与特例は、直系尊属から住宅取得等資金の贈与があった場合に適用される制度です。

 

金銭以外の株券や不動産の贈与は対象になりません。

 

②住宅資金贈与特例を使うときは贈与税の申告が必要である

税金の控除される住宅資金贈与特例を使う場合は、税務署に税務申告を忘れないでください。

 

申告を忘れてしまうと余計な税金を支払うことになりかねません。申告はしっかり行いましょう。

 

住宅資金贈与特例の特例期限は生前贈与を受けた翌年の3月15日まで

住宅資金贈与特例の特例を使ったなら、翌年の3月15日までに税務署に申告しましょう。

 

1日でも遅れてしまうと非課税になりません

 

申告を忘れるとペナルティを支払うことになる

税務署への申告をしない場合には加算税延滞税を支払うことになります。

 

加算税は50万円以下の場合は15%。50万円を超えた場合は20%です。

 

自身で期限が過ぎたことを申告すれば、加算税は5%まで抑えられます。

 

一方、延滞税は『納付すべき本税の額×延滞税の割合×期間(日数)÷365日』で算出できます。

 

申告を忘れると余計な税金を支払うことになりますので、期限には注意しましょう。

 

参考:延滞税の計算方法|国税庁

 

相続時精算課税の特例手続きのやり方

納税地の所轄税務署長に以下の書類を提出することで相続時精算課税の特例を使えます。

 

  • 相続時精算課税選択届出書
  • 贈与を受ける人の戸籍謄本
  • 贈与を受ける人が20歳以上だと証明する書類(住民票など)
  • 贈与する人の住民票
     

参考:相続時精算課税を選択する贈与税の申告書に添付する書類|国税庁

 

まとめ

子どもが住宅ローンを組むとき、最大3,700万円までの援助であれば税金をかけないで生前贈与の援助ができます

 

しかし、それには複数の条件を満たさなければなりません

 

また特例適用を受けるためには必ず税務署に申告をしてください。

 

申告忘れをすると特例の適用を受けられないばかりか、ペナルティを支払わなければならなくなりますので注意しましょう。

この記事を監修した法律事務所

Thum_umezawa
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

相続トラブルに巻き込まれてしまった方へ

何かと相続トラブルに発展するのは遺産の割合に不満がある・納得いかないケースです。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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