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生前整理で安心な老後を|財産や身の回りのものを整理するコツ

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  • 「生前整理の具体的な進め方を知りたい」

大病の経験や親族の死などをきっかけに、生前整理を検討し始める方は少なくありません。

しかし、生前整理の必要性や手順を正しく理解できていないまま着手しても、作業をスムーズに進めることは難しいでしょう。

場合によっては、生前整理があまり意味のないものになってしまう可能性も否定できません。

そこで本記事では、生前整理のメリットや進め方などを詳しく解説します。

生前整理を上手に進めるためのポイントなども紹介するので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

注目】生前整理に際して

遺産を適切に遺したい方へ

生前整理をする際に、自分の財産がどうなるかは気になる点ですが、遺産を希望通りに遺すためには、法的に効果のある遺言書が必要です。

 

ご自身が亡くなられた後に家族間で不要なトラブルを起こさないためにも、遺言書に詳しい弁護士に相談してみましょう。

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生前整理とは|自分の死後を見据えて、財産や身の回りのものを整理すること

生前整理とは、死後を見据えて、財産や身の回りのものを整理することを指します。

まずは、生前整理の必要性や始めるべきタイミングなどについて詳しく見ていきましょう。

生前整理の必要性

生前整理の必要性は大きく2つに分けられます。

生前整理は、自分自身と残される家族のためにおこなうものであることを理解しておきましょう。

①あなたの希望を死後にも確実に叶えるため

生前整理は、自身の希望を死後にも確実に叶えるためにおこなうべきものといえます。

死後を見据えて身辺整理に取り組めば、誰にどの財産を残したいのかが明らかになるはずです。

特別な希望がある場合は、生前整理の一環として遺言を作成しておくのもよいかもしれません。

反対に、誰にも知られたくないものを所有している場合も、処分に踏み切るきっかけになるでしょう。

②残される家族などの負担を減らすため

残される家族などの負担を減らすことも、生前整理の必要性のひとつに挙げられるでしょう。

亡くなったあとに自身の財産を処分するのは、残された家族や友人などです。

財産を整理しようとしても、何がどこにあるのか誰にもわからない状態のままだと作業はスムーズに進みません。

死後を見据えて全ての財産を整理することは難しいですが、少しでも物を減らしたり、行き先が決まっていたりすれば、残された側の労力は大幅に軽減できるはずです。

生前整理・老前整理・遺品整理の違い

生前整理は、老前整理・遺品整理などと混同されることが多くありますが、それぞれ異なる役割があります。

生前整理とほかの方法との違いを正しく理解し、目的意識をもって取り組むようにしましょう。

  生前整理 老前整理 遺品整理
実施主体 自分 自分または家族 家族
実施目的

・自身の希望を死後に反映させる

・残された家族などの負担軽減

・残された家族の負担軽減

・老後の生活に必要なものを残す

・故人の財産処分

・遺族の心情整理

実施時期 生前ならいつでも 老いる前 家族の死後
実施内容 身の回りの整理・遺言書の作成 など 身の回りの整理・遺言書の作成 など 財産の処分や相続手続き

生前整理を始めるタイミング

生前整理を始める際に、決まったタイミングというものは存在しません。

さまざまな経験を重ねるなかで、生前整理の必要性を意識し始めたときに着手すれば十分です。

たとえば、30代を迎えたあたりからは子どもの進学を意識し、金銭面の整理を始める人が多くいます。

子どもが独立する40代~50代のタイミングで、子ども用品を処分し、夫婦2人での生活に必要なものだけを整理するのもよいでしょう。

会社を退職し、老後生活に突入した段階で遺言書を作成したり、葬儀方法を検討したりするのもひとつの方法です。

生前整理を始めるタイミングは個々に判断されるものですが、いずれにせよ判断能力や体力が十分あるうちに済ませておくことが重要です。

物を処分したり、財産を一から把握し直したりする作業には手間と時間がかかります。

いつまでも健康でいられるわけではないことを前提として、思い立ったときに少しずつでも作業を進めるようにしましょう。

生前整理のメリット

次に、生前整理をおこなう主なメリットを解説します。

メリットを事前に理解しておけば、作業のモチベーションも変わってくるはずなので参考にしてみてください。

①家族の負担を軽減できる

生前整理のメリットとしては、まず家族の負担を軽減できる点が挙げられるでしょう。

ご自身の身に何かあったとき、あとの対応を任されるのは家族です。

何がどこにあるのか整理されていない状況のなか、保険証書や預金通帳などを探すとなると、家族には大きな負担がかかってしまいます

病気や事故は突然訪れるものなので、いざというときに必要になるものは事前に整理し、家族と共有しておくようにしましょう。

②相続争いの予防にもなる

生前整理には、相続争いを予防できるメリットもあります。

被相続人の財産を、誰がどのように相続するかでトラブルに発展するケースは決して珍しくありません。

そのため、財産を整理して目録を作成したり、不動産などを現金化したりすることによって、争いの原因を少しでも減らしておくことが重要です。

場合によっては遺言書を作成し、各相続人の了承を得ておくのもよいでしょう。

③判断能力が落ちても安心

判断能力の低下に備えられる点も、生前整理のメリットといえるでしょう。

加齢が進むと判断能力は低下していくため、意図しているような財産の整理ができなくなるおそれがあります。

たとえば、保有しておくべきだった財産を処分してしまったり、キャッシュカードやパソコンなどのパスワードを思い出せなくなったりすることもあるかもしれません。

判断能力が低下する前から生前整理に取り組むことで、意図しない財産の整理がおこなわれるリスクを避けられます

④今後の人生を前向きに捉えられる

生前整理のメリットには、今後の人生を前向きに捉えられるようになる点も挙げられるでしょう。

不要なものを断捨離したり、家族に負担をかけないように財産を整理したりすると、将来に向けた準備が整っていく実感を得られるはずです。

ある程度の整理がついてきたころには、今後の人生に対する不安も軽減され、毎日をポジティブに歩めるようになります。

また、生前整理を進めながら、今後やりたいこともリストアップしていけば、新たな目標をもつこともできます

生前整理は、家族のためだけにおこなうものではありません。

自分自身のためにも、大きなライフイベントを迎えたタイミングなどを機に、生前整理に取り組んでみることをおすすめします。

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生前整理のデメリット

次に、生前整理のデメリットを2つ紹介します。

メリットだけでなくデメリットにも目を向け、しっかりと対策を講じたうえで生前整理に着手しましょう。

時間や労力がかかる

生前整理のデメリットとして、時間や労力を要する点が挙げられます。

生前整理では、目についた不要なものをただ捨てていけばよいわけではなく、保有している財産を洗い出し、今後の人生に必要なものを取捨選択していかなければなりません。

保有している物の種類や量にもよりますが、数日間をかけてようやく一区切りつけられるケースもあるでしょう。

生前整理は必ずしも一度に終わらせる必要はないので、心身ともに負担のかからない範囲で少しずつ進めていくことが大切です。

お金がかかる

お金がかかる点も、生前整理のデメリットといえるでしょう。

身の回りのごみを捨てるだけであればお金はかかりませんが、財産といえるだけのものを処分するとなると、一定の費用負担が生じるケースがあります。

たとえば、家電や家具などを廃棄するには、自治体に対して処分費用やリサイクル費用を支払わなければなりません。

廃棄物の量が多い場合は業者に回収してもらう必要があるため、さらに料金がかかってしまいます。

そのため、生前整理をおこなうさいは、できるだけ支出を抑えられるように工夫することが重要です。

たとえば、自治体のごみ処理場などに持ち込めば、一定量の廃棄物を無料で処分できる場合があります。

業者に廃棄物の回収を依頼する際も、複数の見積もりをとって料金面をしっかりと比較するようにしましょう。

生前整理の進め方4つのステップ

ここでは、生前整理の進め方を解説します。

大きく4つのステップに分けられるので、一つひとつのポイントをしっかりと押さえておきましょう。

①身の回りのものを整理する

生前整理では、まず身の回りのものを整理することから始めます。

自身が所有するものを全て洗い出し、必要なものと必要ではないものに分類してください。

家財や衣類などのほかに、スマートフォンやパソコンに保存されているデータなど、目に見えないものを整理することも忘れないようにしましょう。

SNSなどを利用している場合は、生前整理のタイミングで退会を検討してみるのもよいかもしれません。

なお、必要ないと判断したものであっても、廃棄することに抵抗があればしばらく保管しておくとよいでしょう。

まずは、身の回りに必要なものとそうでないものが、どの程度あるのかを認識しておくことに意味があります。

②財産にかかわるものを整理する

いったん身の回りのものを把握できたら、財産にかかわるものを整理していきましょう。

財産の整理にあたっては、2つのポイントを意識することが大切です。

貴重品は一箇所にまとめておく

まず、貴重品は一箇所にまとめて保管してください。

万が一の際に使用する可能性があるので、すぐに見つけられる状態にしておかなければなりません。

たとえば、生命保険の保険証券や不動産の権利証、預金通帳などは防犯性の高い場所に保管しておきましょう。

保管場所を家族と共有しておくことも重要です。

また、長年使用していない銀行口座やクレジットカードがある場合は、早めに解約することをおすすめします。

お金に関するサービスの解約手続きは煩雑になるケースも多いので、家族に負担をかけることにもなりかねません。

財産は財産目録にしてまとめておく

保有している財産は、財産目録にしてまとめておくようにしましょう。

財産目録とは、財産の種類や価値を一覧表で整理したものです。

自分自身はもちろん、家族が財産を把握する際にも役立てられます。

もし財産目録を作成していなければ、ご自身が亡くなったあとに家族は一から財産を洗い出さなければならず、大きな負担をかけることになるでしょう。

特に、ネット銀行に預けたお金や電子マネー、暗号通貨などは目に見えないため、財産目録にもれなく記載してください。

なお、財産目録をパソコンで作成する場合は紙で印刷し、家族に渡しておくことで、データの存在自体に気づかれないリスクを回避できます。

③エンディングノートを作成する

財産の整理にめどがついた段階で、エンディングノートも作成しておきましょう。

エンディングノートとは、万が一のときに備えて自分の希望を書き記しておくノートのことです。

本人の希望が形あるものとして残されていれば、家族も記載内容に従って介護や財産の整理、葬儀などを進められます。

エンディングノートには、以下のような内容を書き残しておくとよいでしょう。

  • パソコンやスマートフォンのパスワード
  • 銀行・証券口座やキャッシュカードの暗証番号
  • 契約しているサービス
  • 親しい人の連絡先
  • ペットの取り扱い
  • 自分の生活習慣や食の好み、趣味
  • 介護の依頼先
  • 葬儀・納骨の方法
  • 遺言書の有無

エンディングノートの内容に決まったルールはないので、基本的には自分自身に関することを自由に書いていけば問題ありません。

見た目にこだわると途中で挫折してしまう可能性があるため、体裁を気にせずに思いついたことを書き進めていくのがコツです。

また、定期的にノートを見直し、情報を更新していくことも心がけましょう。

④遺言書を作成する

生前整理の中で、遺言書を作成しておくのもよいでしょう。

財産目録やエンディングノートとは異なり、遺言書には法的効力があります

財産の相続方法などを遺言書で指定しておけば、遺産相続を巡る親族間の争いも防止できるはずです。

なお、遺言書には、自筆証書遺言公正証書遺言の2種類があります。

どちらも要件を満たせば法的効力が発生しますが、より確実に遺言を実現させたい場合は公正証書遺言を作成してください。

法律の専門家である公証人が遺言を作成するので、不備によって無効になるリスクがありません。

また、原本を公証役場で保管してもらえるので、偽造や紛失の心配がない点もメリットといえます。

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生前整理を上手におこなうための4つのポイント

生前整理をおこなう際は、以下の4点を意識しておきましょう。

  • 一気に整理しようとしない
  • 家族や周りと一緒におこなう
  • プロに任せる方法もある
  • 家族信託に利用もある

やり方を誤ると、かえって家族に迷惑をかけてしまう可能性もあるので、焦らず慎重に取り組むことが大切です。

一気に整理しようとしない

生前整理をおこなう際は、一気にやりきろうとするのはおすすめできません。

時間的な余裕をもって取り組まなければ、本来残しておくべきだったものを処分してしまったり、途中で投げ出したりしてしまう可能性があります。

また、生前整理では単に物を処分するだけではなく、財産目録やエンディングノートの作成など、やるべきことは数多くあります。

生前整理に取り掛かる前に「やることリスト」を作成し、おおまかなスケジュールを立てたうえで、少しずつ作業を進めるようにしましょう。

家族や周りと一緒におこなう

生前整理は、できるだけ家族や親しい友人などと一緒におこなうことをおすすめします。

本人が忘れていた財産の存在を指摘してもらえるほか、預金通帳や印鑑の場所なども作業の中でスムーズに共有することができます。

また、相続に関する話し合いの機会はなかなか設けられにくいものですが、生前整理をきっかけにすれば、自然な流れでご自身の希望を伝えられるはずです。

プロに任せる方法もある

生前整理は、プロに任せるのもひとつの方法です。

人によってはやるべきことが広範囲に及び、体力的・時間的に1人でおこなうのが難しいケースもあるかもしれません。

無理して作業を進めようとすると、最後までやり遂げられない可能性もあるので、プロの力を借りることも検討してみてください。

一から生前整理を任せたい場合は、生前整理の専門業者に相談してみましょう

料金は整理の対象となる部屋の大きさなどによって変動することが多く、1Kなら3万円~4万円、1LDKなら5万円~10万円が目安です。

ある程度整理が終わり、いらなくなった物の処分だけを任せたい場合は、不用品買取業者に依頼することをおすすめします。

家族信託の利用もあり

生前整理とあわせて、家族信託を進めておくのもよいでしょう。

家族信託とは、信頼できる家族や友人に財産の管理・運用・処分を託せる制度のことです。

たとえば、子どもに預貯金を信託しておけば、自身が認知症になった場合でも、子どもの判断で預貯金を介護費用に充てることができます。

また、家族信託では、自身が亡くなったあとの財産の取り扱い方なども指定できます。

そのため、相続方法などにこだわりある場合は、遺言の代わりに活用することも可能です。

ただし、家族信託では誰に財産の運用を任せるのか、どの財産を信託するのか、何年続けるのかなど、細かな条件指定をおこなわなければなりません。

判断を誤ると家族に迷惑がかかる可能性も出てくるので、まずは弁護士に相談し、客観的な視点で最適なプランを提案してもらうのもひとつの方法といえます。

さいごに

生前整理は自身の死後、家族にかかる負担を抑えるための有効な手段です。

残された家族がスムーズに財産を処理できるように、積極的に取り組んでみてください。

ただし、生前整理は自分自身のためにおこなうべきものでもあります。

生前整理によって、残りの人生を歩む準備が整った実感を得られると、毎日を前向きに過ごせるようになるはずです。

判断能力や体力があるうちであれば、生前整理をいつ始めても問題ありません。

ご自身が必要性を感じたときに、身の回りのちょっとした整理からでも着手してみることをおすすめします。

当記事を読み終わった方に

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⇒ 何かあった時に遺産を残せる遺言書を作りたい方は確認しておきましょう。

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参考:【終活「資産整理」編】元気なうちにまとめよう!残された家族の負担を減らすための大事な作業 | 特選街web

参考:生前整理を円滑に進めるために:業者選びと自分でできる準備 | 解決・空家サポート株式会社

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この記事の監修者
弁護士法人ネクスパート法律事務所
寺垣 俊介 (第二東京弁護士会)
2016年1月に寺垣弁護士(第二東京弁護士会所属)、佐藤弁護士(東京弁護士会所属)の2名により設立。遺産相続、交通事故、離婚などの民事事件や刑事事件、企業法務まで幅広い分野を取り扱っている。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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