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遺言書の検認期日は欠席しても問題ない!検認手続きの概要と知っておきたい注意点

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裁判所から突然、遺言書の検認期日に関する通知が届き、驚いたという方もいるかと存じます。

遺言書の検認とは、遺言書の偽造・変更を防止するために必要な手続きで、遺言書を保管していたもしくは発見した相続人が裁判所に申し立てることでおこなわれます。

遺言書の検認が申し立てられると、相続人宛てに検認期日についての通知がおこなわれ、遺言書の検認に立ち会うことが可能になります。

しかし、遺言書の検認は、裁判所の開庁日である平日の日中におこなわれるため、出席が難しく、欠席しても問題ないのか、どのように対応すべきかと悩んでしまう場合もあるでしょう。

そこで本記事では遺言書の検認について、立ち会いに欠席できるかどうか詳しく解説します。

注意すべきポイントや立ち会うことへのメリットデメリットなども紹介するのでぜひ参考にしてください。

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遺言書の検認期日に欠席するとどうなる?

遺言書の検認期日に欠席できるかどうかは、検認の申立人本人である場合と、その他の相続人との場合で分かれます。

以下では、それぞれについて解説します。

申立人の場合|欠席すると検認ができない

遺言書の検認を申し立てた申立人本人は、遺言書を持参したうえで検認期日に必ず出席しなくてはいけません。

仮に申立人が欠席してしまうと、検認がおこなえないので注意が必要です。

ほかの相続人が検認期日に出席するつもりだった場合は、迷惑をかけてしまうことにもなるでしょう。

遺言書の検認をおこなわずに遺言書を開封してしまった場合、5万円以下の過料に科される可能性があります。

遺産相続の手続きやそのスケジュールにも影響を与えるため、遺言書を見つけたら速やかに検認手続きをおこなうことが必要です。

(遺言書の検認)
第千四条 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様とする。
2 前項の規定は、公正証書による遺言については、適用しない。
3 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、開封することができない。
(過料)
第千五条 前条の規定により遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処する。
引用元:民法 | e-Gov法令検索

申立人以外の場合|欠席しても罰則を科されることはない

申立人以外の相続人であれば、遺言書の検認期日についての通知が届いたとしても、遺言書の検認に欠席することは可能です。

申立人でなければ遺言書の検認期日出席する義務はなく、罰則もありません。

欠席の連絡をおこなう必要もなく、代わりに弁護士などの代理人に出席してもらうこともできます。

【申立人の方向け】遺言書の検認期日を欠席せずにすむようにするためのポイント2つ

申立人本人が遺言書の検認期日に欠席してしまうと、検認をおこなうことができません。

以下では、申立人が遺言書の検認期日に欠席しないためのポイントを紹介します。

1.確実に参加できる日を選ぶようにする

検認期日は裁判所が勝手に決めるのではなく、日程調整をしたうえで決定されます。

遺言書の検認の申し立てから、数週間~1ヵ月後を目途に裁判所から日程調整の連絡が来るので、その際に確実に参加できる日を伝えましょう。

なお、遺言書の検認は裁判所の開庁日である、祝日や年末年始を除く平日に限られます。

検認の日程は1ヵ月後以降を目途に設定されることが多いため、スケジュールを調整できるようにしておきましょう。

2.遺言書の検認の立会いを弁護士に依頼する

遺言書の検認の立会いを、弁護士に依頼する方法もあります。

弁護士に遺言書の検認について依頼することで、立会いの代行だけでなく検認申立書の作成や必要書類の取り寄せなども代わりにおこなってもらうこともできます。

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遺言書の検認手続きを弁護士に依頼する3つのメリット

遺言書の検認手続きを弁護士に依頼するメリットは以下の3つがあります。

1.検認手続きに必要な準備をおこなってくれる

遺言書の検認を申し立てるには、申立書の作成や遺言者・相続人全員の戸籍謄本の取り寄せなど、さまざまな対応が必要です。

個人でおこなうには手間と労力がかかり骨の折れる作業ですが、弁護士に依頼することでその負担を軽減することができます。

2.裁判所とのやり取りを任せることができる

遺言書の検認をおこなう際には、申立人本人が遺言書をもって裁判所に出向き、裁判官に説明をおこなう必要があります。

また、場合によっては追加書類の提出が必要になることもあるでしょう。

弁護士に依頼することで裁判官や裁判所とのやり取りを一任することが可能です。

手続きを熟知した弁護士なら、裁判所とのやり取りをスムーズにおこなってくれ、相続手続きを速やかに進めてくれるでしょう。

3.検認後に必要なアドバイスが受けられる

遺産相続の手続きは、遺言者の検認をおこなって終わりではありません。

遺言書の内容によってはさまざまな手続きが必要になったり、そもそも遺言書が遺言書としての要件を満たしておらず、どのように対応したらよいかわからなくなってしまったりという可能性も考えられます。

弁護士に依頼することで、遺産相続に関する全てを相談し、アドバイスをもらうことが可能です。

専門的な知識をもつ第三者がいることで、相続人間のトラブルを避けることにも繋がるでしょう。

申立人以外が遺言書の検認期日を欠席する2つのデメリット

申立人以外は、遺言書の検認期日に欠席することが可能です。

しかし、欠席することで被るデメリットも存在します。

以下では申立人以外が遺言書の検認期日を欠席する2つのデメリットについて紹介します。

1.遺言書の内容を確認するのが遅れてしまう

遺言書の内容は、遺言書の検認をもってはじめて明らかになります。

そのため、遺言書の検認に立ち会わないと、遺言書の内容を知るのが一歩遅れてしまうことになります。

2.遺言書の内容が知りたい場合は申立人に連絡を取る必要がある

遺言書の検認をおこなっても、裁判所からその内容を伝えてもらうことはできません。

申立人や検認に立ち会ったほかの相続人から情報を得る必要があります。

さいごに|申立人は必ず遺言書の検認期日に出席する必要がある!

遺言書の検認を申し立てた本人は、遺言者の検認期日に必ず立ち会う必要があります。

欠席してしまった場合、検認がおこなえず遺産相続が遅れる可能性があるので、忘れずに対応するようにしましょう。

一方で、申立人以外の相続人は、必ずしも遺言書の検認期日に出席する必要はありません。

ただし、遺言書の内容を知るのが遅れるうえ、内容を知るためには申立人やほかの相続人に確認が必要になるなど、デメリットが存在します。

遺言書の検認期日には弁護士が代理で出席することも可能です。

遺言書の検認や遺産相続手続きに不安がある人は、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。

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この記事の監修者
法律事務所エムグレン
武藏 元
弁護士歴10年以上にわたって多数の相続トラブル解決に尽力。多数のメディア出演、著書の執筆実績をもつ。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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