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公開日:2019.8.15 

二次相続とは|相続税のシミュレーション結果と税金を減らすための対策

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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二次相続(にじそうぞく)とは、両親が亡くなった時に受け取る相続のこと。

例えば、父が死亡した際に始まる通常の遺産相続(一次相続)を行った後に残された母も死亡したケースで、子供だけで行われる母の相続が二次相続にあたります。

残された子供が本当の意味で遺産相続を完了させるには、この一次相続と二次相続の両方を経験しなくてはいけないことになります。 この時、二次相続が一次相続よりも重要だと言われる理由としては、
  • 配偶者の減税軽減が使えないこと

  • 相続人の1人が減ることで相続税の課税額があがる

などがあります。

つまり、両親が健康な内に二次相続の対策をした方が金銭面でお得です。

二次相続対策をしなかった場合の遺産相続した時のシミュレーションをしてみたので参考にしてください。

【①一次相続の例】
被相続人(父)の遺産1億円、配偶者(母)と子2人の場合
■法定相続分:母:5,000万円、子1人:2,500万円
■相続税の基礎控除:4,800万円(3,000万円+600万円×3人)
→1億円 -4,800万円 = 5,200万円
■法定相続分で分けた場合の課税価格:母:2,600万円、子1人:1,300万円
■相続税率の適応:母:340万円、子:145万円(※相続税率
=課税額の総額:630万円
■各相続人の課税価格:母:315万円、子1人:157.5万円
■最終課税価格:母:0円配偶者控除)、子1人:157.5万円

【②二次相続の例】
配偶者(母)が亡くなられた場合、母の遺産額はもともと持っていた遺産(1億円とします)に父から取得した5,000万円を加えた1億5千万円となります。
■法定相続分:子1人:5,750万円
■基礎控除額:4,200万円(3,000万円+600万円×2人)=1億800万円
■法定相続分で分けた場合の課税価格:子1人:5,400万円
■相続税率の適応:子1人:920万円
■最終課税総額:子1人:920万円 総額1,840万円

二次相続の課税価格は子供1人につき約700万円も相続税が増えていることが分かっていただけたと思います。

今回は、二次相続への対策一次相続よりどうして税金が高いのかをお伝えし、1円でも相続税を減らす手助けができれば幸いです。

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二次相続対策として有効な7つの方法

では、実際に二次相続に備えるにはなにをすれば良いのか、具体的な二次相続対策を考えていきましょう。

①生前贈与を行う

一次相続の段階から、少しずつ配偶者や子へ贈与を行うといったことも効果的な二次相続対策です。毎年110万円までなら贈与税もかからない基礎控除がありますし、夫婦間でも家や土地の贈与の際に2,000万円までの非課税枠がありますので、活用しない手はないでしょう。

【生前贈与の関連記事】
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生前贈与で不動産を贈与する際に贈与税を抑える為の手順
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②一次相続による財産の取得金額を調整する

まずは、一次相続の際に配偶者への相続財産を減らしておくという方法があります。配偶者への分配を多くせず、子供に多めに相続分を確保しておくことで、トータルでの税額を減らすことにつながります。

表:母と子1人の場合

遺産総額

相続税額

二次相続対策なし

二次相続対策あり

一次相続

二次相続

通算の
相続税額

一次相続

二次相続

通算の
相続税額

母:100%

子:100%

母:50%

子:100%

子:0%

子:50%

5000万円

0円

160万円

160万円

40万円

0円

40万円

1億円

0円

1,220万円

1,220万円

385万円

160万円

545万円

③一次相続で住宅を子供に相続させる

もし同居している子どもがいれば、配偶者ではなく子どもに実家を相続させれば、小規模宅地等の特例が使えますので、大きな節税につながります。

二世帯住宅に立て直す

2014年以降、建物内部で行き来ができない完全分離型の二世帯住宅でも、小規模宅地等の特例対象になっています。お互いの生活スタイルを考えた時に、同居すべきか否かで悩まれた場合は良いかもしれません。

賃貸併用住宅にする

小規模宅地等の特例は賃貸住宅の土地にも適用されます。その場合の適用は50%ですが、大きな減額と言えます。賃料収入はローンの返済や納税資金にも活用できますので、親世代が元気なうちに建て替えることも有効な対策と言えます。

④相続する財産を現金化しておく

一次相続で、配偶者が取得した財産で預金化できるものは全て現金化しておくことで、二次相続による多額の納税資金に困らないようにするといった対策が取れます。

⑤相続する財産の種類を考える

不動産などで家賃収入を得ている場合、最初の相続で配偶者が取得すると配偶者の財産を増加させることになり、二次相続で相続税を増やす結果になりますので、最初に子供へ移転しておくことで、二次相続の税額を減らすことにつながります。

⑥母(父)が生命保険に加入する

配偶者に多額の現金が入った場合、生命保険に加入することで二次相続の際に保険金が支払われる納税資金となります。また、生命保険金は取得者には「500万円×法定相続人」の非課税枠がありますので、納税資金の確保と相続財産を減らす効果が期待できます。

⑦相次相続控除による優待規定を利用する

一次相続と二次相続との間が10年以内の場合で、二次相続で亡くなった人が一次相続で納めた税金のうち、一部を二次相続の相続人の相続税額から控除するという制度です。

相次相続控除が受けられる人

(1)被相続人の相続人であること
(2)相続の開始前10年以内に開始した相続により被相続人が財産を取得していること
(3)その相続の開始前10年以内に開始した相続により取得した財産について、被相続人に対し相続税が課税されたこと

相次相続の控除額

相次相続控除によってマイナスできる金額は、以下の式によって算出されます。

相次相続控除額 = A × (C/B - A)×(D/C)×((10 – E)/10)
※「C>B – A」の場合は、「C = B – A」とする

A:今回の被相続人が前の相続の際に課せられた相続税額
この相続税額は、相続時精算課税分の贈与税額控除後の金額をいい、その被相続人が納税猶予の適用を受けていた場合の免除された相続税額並びに延滞税、利子税及び加算税の額は含まれません。
B:被相続人が前の相続の時に取得した純資産価額(取得財産の価額+相続時精算課税適用財産の価額-債務及び葬式費用の金額)
C:今回の相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得したすべての人の純資産価額の合計額
D:今回のその相続人の純資産価額
E:前の相続から今回の相続までの期間(1年未満の期間は切り捨て)
参考:国税庁|相次相続控除


少々複雑でわかりにくのですが、詳しい計算例が「相次相続控除の計算」にありますので、参考にして頂ければと思います。

Q1:このたび、父が死亡しました。4年6カ月前には祖父が死亡しており、父は1,000万円の相続税を納めています。この場合、今回の私が納めるべき相続税額から控除できる相次相続控除はいくらになりますか。ちなみに、父が祖父から相続した純資産価額(相続財産から債務等を引いた後の額)は1億5,000万円で、今回の父から相続する全体の純資産価額は1億8,000万円で、私の今回の相続する純資産価額は9,000万円で相続税額は950万円です。

A1前回の祖父の相続においてあなたの父が納めた1,000万円の税額のうち、次の算式で計算した金額(300万円)が相次相続控除となります。 【前提】
「純資産価額」とは、相続した財産から債務・葬式費用を控除した額。 ・前回の祖父から父が相続した純資産価額1億5,000万円
・今回の父の全体の相続税の純資産価額 1億8,000万円
・今回のあなたの相続する純資産価額9,000万円
・前回の祖父の死亡から今回の父の死亡までの経過年数:4年6カ月(※2) 【相次相続控除の計算】
前回の父の相続税額1,000万円のうち次の算式で求めた額

※1カッコ内の計算が100/100を超えるため、この場合は100/100で計算します。
※2経過年数は、4年6カ月ですが1年未満を切り捨て4年で計算します。
参考:相次相続控除の計算

二次相続の相続税が高い理由

二次相続において最も大きな問題とされるのが相続税についてです。冒頭でもご紹介しましたが、二次相続における子の課税価格はかなり大きいものですが、どうしてこのような事が起きるのか、詳しく解説していきます。

相続税法の改正による増税

平成27年から相続税法が改正されたのが大きな要因ですが、具体的には以下の2点が変更になりました。

基礎控除額の変更

  1. 平成26年まで:「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」
  2. 平成27年から:「3,000万円+600万円×法定相続人の数」

二次相続では、法定相続人がまた1人減ってしまいますので、控除額が600万円も減ることになります。

相続税率の変更

【平成26年まで】

【平成27年以後】

取得金額

税率

控除額

取得金額

税率

控除額

1,000万円以下

10%

1,000万円以下

10%

3,000万円以下

15%

50万円

3,000万円以下

15%

50万円

5,000万円以下

20%

200万円

5,000万円以下

20%

200万円

1億円以下

30%

700万円

1億円以下

30%

700万円

3億円以下

40%

1,700万円

2億円以下

40%

1,700万円

3億円超

50%

4,700万円

3億円以下

45%

2,700万円

 

6億円以下

50%

4,200万円

6億円超

55%

7,200万円

相続人が減少したことによる基礎控除の低下

相続税における基礎控除は、法定相続人の数によって変動しますので、単純に考えて600万円の減額で税率が上がる場合もあります。

1億6千万円の配偶者控除が使えない

配偶者控除とは、相続が発生して遺産分割が行われた際に、

  1. 配偶者が法定相続分で所得した財産か

  2. 1億6千万円までの取得金額

なら、相続税がかからないという制度です。一次相続であれば母などが取得した遺産分の配偶者控除が利用できたのですが、二次相続ではもう両親はいないので、控除されなかった分がダイレクトでのしかかってきます。

参考:相続税の配偶者控除とは|配偶者の相続税を軽減する方法

小規模宅地等の特例が利用できない可能性もある

平成22年度の税制改正によって、「小規模宅地等の特例」の適用範囲が狭まりまったのも痛い変化です。小規模宅地等の特例とは、被相続人の自宅の330平米まで、評価額を80%減額しても良いとう大きな制度です。

簡単に言えば、330平米までの自宅の評価額が5,000万円なら、8割引きの1,000万円で評価しても良いということです。相続において不動産としての相続は大きな相続税対策になりますので、重宝したい制度です。 二次相続でもし別居している子(持ち家あり)が取得する場合は、小規模週宅地等の適用が受けられず100%の価額で評価され、課税価格が大幅に増える可能性があります。二次相続時には子供も結婚して、家を持っている可能性は十分に考えられますので、該当している方は要注意です。

まとめ

 
二次相続はいつ起こるかわかりませんし、そういった状況がいつ起こるかも人それぞれですので、いつ起きてもいいように、しっかりとした事前対策をとって頂ければと思います。

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相続トラブルで一番多い金額は5,500万円以下です。

 

これは相続トラブル全体の約75%にあたり、さらに1,000万円以下だけに絞って見ても、全体の32%を占めています。

 

相続トラブルはお金持ちや、ましてテレビの出来事では決してないのです。

 

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

さらに、下の表を見ると遺産分割調停、すなわち遺産分割トラブルが右肩上がりで増えてきていることがわかります。

 

遺産分割に関する調停事件の推移

<参考資料:平成25年度司法統計>

 

 

相続における自己解決と弁護士介入の違いとは?

相続するのはあなただけではありません。相続人の平均人数は3名程度です。

 

相続人の数

<参考資料:国税庁 統計年報>

 

相続人が多いほど、相続トラブルが発生しやすく複雑になるのは避けようのない事実です。

 

トラブル回避のために重要なのは、早めに専門知識のある第三者を介入させることです。一般的に専門知識を持つ代表格といえば相続問題を得意とする弁護士です。

 

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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