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限定承認とは|限定承認を利用すべきケースと申立ての方法
2016年02月10日

限定承認とは|限定承認を利用すべきケースと申立ての方法

Genteisyounin

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限定承認(げんていしょうにん)とは、民法上の制度であり、相続人が遺産を相続するときに相続財産を責任の限度として相続することとされています。つまり、被相続人が借金を残していた場合、プラスの分だけを引き継ぎ、残りの負債(マイナス分の遺産)がプラスを超えない範囲で相続することができます。 このように、負債を相続したくないときに使われるケースが多いですが、現在はあまり利用されていないとされています。
 
一見便利な相続方法と言えますが注意点などもあり、相続放棄ともよくセットで考えられるため、詳しくご紹介していきます。
 

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【目次】
限定承認はどういった相続方法なのか?
限定承認のメリット
限定承認のデメリット
限定承認の現状
限定承認を行うべき3のケース
プラスとマイナスの財産がいくらあるか分からない場合
相続人の1人が家業を受け継いで再建をはかる場合
相続財産の中に家宝などがある場合
限定承認と相続放棄の違い
限定承認と相続放棄のメリットデメリットまとめ
限定承認の申立て方法
申述人
申述期間
申述先
限定承認の申述に必要な書類
申述費用
限定承認が受理された後の手続き
限定承認を行う際の注意点
みなし譲渡所得課税とは?
明らかにプラスの方が大きいと所得税の分だけ損をする
限定承認の期限
限定承認のまとめ


 

限定承認はどういった相続方法なのか?

まずは限定承認がどういった相続方法なのかを解説していきます。
 

限定承認のメリット

限定承認は、遺産相続を受けた人(相続人)がプラスの財産の範囲内でマイナスの財産の相続も承認するという方法で、被相続人が残したマイナスの財産(借金)の額が、プラスの財産よりも明らかに多い場合や、把握できていない借金が残っている可能性がある場合などに有効な相続方法です。
 
遺産相続をする場合、被相続人の財産にはプラスとマイナス、どちらが多いのか判断できないということは十分ありえます。後になって多額の借金が見つかり、負の財産の方が圧倒的に多かったという場合もあります。しかし、限定承認をすることで相続したプラスの財産よりも多いマイナスの財産は相続しなくても良いという手段が取れます。
 
また、最終的に債務よりプラスの財産のほうが多かった場合は残った財産もそのまま引き継げますので、その意味では便利な制度ということができます。
 
その他、プラスもマイナスの財産もすべて引き継ぐことを「単純承認」と言い、すべての遺産を引き継がないことを相続放棄と言います。相続放棄について詳しくは「相続放棄の申述手続きと相続放棄で負債をゼロにする全手順」をご覧ください。
 

居住用の不動産を残せる

もし相続人が相続放棄をした場合、被相続人が所有していた自宅不動産は、次順位の単純承認した相続人が所有することになります。もし相続人全員が相続放棄をすると、負債があればその自宅不動産を処分して清算するという流れになってきます。すなわち、自宅不動産に担保権が設定されている場合は競売され、担保権が設定されていない場合は処分され債権者への配当に充てられるということです。
 
つまり、相続放棄では自宅不動産も含め何もかもを放棄しなくてはいけませんが、もし家だけは残したいという強い希望がある場合は、限定承認をする価値があります。
 

限定承認のデメリット

①限定承認は相続人全員でしなければならない

限定承認は相続人全員の同意が必要なため、誰か一人でも反対している場合はできないというデメリットがあります。
 

②みなし譲渡所得税が発生して納税が必要になる

単純承認の場合は被相続人が取得した状態で相続するため相続税だけを気にすればよいのですが、限定承認の場合は、被相続人から相続開始時の時価での譲渡によって承継した財産とみなされることから、譲渡所得税が課税される可能性が高くなります。

 

譲渡税の税率

・長期譲渡所得:15%
譲渡した年の1月1日において所有期間が5年を超えるもの

・短期譲渡所得:30%
譲渡した年の1月1日において所有期間が5年以下のもの
 
この譲渡所得は、被相続人の準確定申告(相続の開始があったことを知った日から4ヵ月以内)によって申告・納税することになります。
 

限定承認の現状

限定承認はプラスの財産が多いのか、マイナスの財産が多いのかが不明な場合に有効な手段ですが、相続放棄に比べてこの限定承認が利用されるケースは、実はあまり多くありません。その理由としては、手続の複雑さという点が挙げられます。

相続放棄は放棄したい相続人が単独で手続きできるのに対し、限定承認は共同相続人全員で合意し申述手続きを行わなければなりません。
そのため、共同相続人のうち1人でも異議を唱えたり、既に単純承認や法定単純承認が成立しているようなケースでは、限定承認を利用することはできなくなります。また、元々共同相続人間の仲が良くないケースでは、このように足並みを揃えた手続きを所定の期間内に終わらせなければならないというのが、結構なハードルになっています。
 
したがって、限定承認は合理的な制度であるにもかかわらず、手続き面・税務上の観点から、実際にはほとんど利用されていないのが現状です。
 
 

限定承認を行うべき3のケース

プラスとマイナスの財産がいくらあるか分からない場合

特に被相続人の債務超過に陥っているのかどうかが不明な場合、とりあえず期限内に限定承認を行っておくのがおすすめです。
限定承認は、相続によって得たプラスの財産の限度においてのみ被相続人の債務および遺贈を弁済することを留保して相続を承認する制度なので、債務の調査を行った上で債務が超過している場合には、超過分については責任を負わずに済みます。
ただし、相続債務の保証人に関しては、債務全額について責任を負うことになるので混同しないようにしましょう。
 

相続人の1人が家業を受け継いで再建をはかる場合

​遺産を1人に集中させたい場合には、その人以外の相続人が相続放棄するという方法もありますが、先祖代々続く家業を存続したいのであれば、多少の負債があっても、限定承認を行い家業の再建をはかるという選択肢もあります。
もちろん明らかに事業再建が絶望的なら後述の相続放棄という選択肢でも良いのですが、相続人全員の見解が事業存続で一致している場合なら、限定承認を活用できるかもしれません。
 

相続財産の中に家宝などがある場合

遺産の中に宝石類や価値のある家宝が含まれている場合も、限定承認が役に立ちます。
前述のとおり、限定承認は相続財産の範囲だけ債務も引き継ぐという制度ですから、そもそも債務がなければ相続財産はそのまま承継できますし、仮に債務があったとしても、限定承認を行ったうえで宝石等の鑑定人評価額を弁済すれば、それらは競売にかけられずに手元に残すことができます。
 
 

限定承認と相続放棄の違い

相続放棄とは相続財産を一切受け取らないという宣言で、いくつかの必要書類を書いて家庭裁判所に提出することで完了します。相続放棄がよく使われるケースとしては、『被相続人の借金を相続したくない時』が一般的で、相続の開始があったことを知った日から 3カ月以内に家庭裁判所に申し立て、全ての財産を放棄することを伝えます。
 
相続放棄をした相続人は、初めから相続人でなかったものとみなされ、遺贈や遺留分の権利なども失います。また、相続放棄は代襲原因ではないので、その子や孫への代襲相続も発生しません。相続放棄の詳しい手順は「相続放棄の必要書類すべてと相続放棄をすべきでないケース」で解説していますので、参考にしていただければと思います。
 
 

限定承認と相続放棄のメリットデメリットまとめ

 

限定承認

相続放棄

メリット

・相続財産の範囲内のみで借金などを負担できる

・相続における一切の効力が自己に及ばない。

・被相続人が債務超過の状況にある場合に、
 相続人は自己の固有の財産を保護できる

・相続人は自己の固有の財産を保護できる。

 

・相続手続きは行わなくてよい。

デメリット

・被相続人から相続人への時価による
 譲渡があった場合は譲渡所得として課税対象になる

・相続財産は一切相続できない

・手続が面倒

適用する

・相続財産が借金などで超過状況にあるか否か不明な場合

・相続財産が借金などの超過状況にあることが明らかな場合

判断基準

・どうしても相続財産の中で必要なものがある場合

申し立て

・相続人全員が共同で申述

・各相続人単独でも可

 
 

限定承認の申立て方法

家庭裁判所へ限定承認の申述をする際の手順をご紹介します。
 

申述人

限定承認を行う際は、相続人全員が共同して申述を行います。
 

申述期間

民法により、自己に相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないなりません。
 

申述先

被相続人の最後の住所地にある家庭裁判所です。
管轄裁判所の一覧はこちら
 

限定承認の申述に必要な書類

①限定承認の申述書限定承認申述書のサンプル
①申述人の戸籍謄本(相続人全員)各1通※相続放棄者を除く
②被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本と住民票の除票各1通
③財産目録(債務を含む)1通

 

申述費用

・収入印紙:800円
・連絡用の予納郵便切手(裁判所によって異なる) 
 

限定承認が受理された後の手続き

限定承認者は相続財産の清算手続を行う必要がありますので、限定承認者の場合は5日以内、相続財産管理人の場合は選任後10日以内に、限定承認をしたことと債権の請求公告(官報掲載)の手続をして頂きます。掲載までの流れはこちらをご覧下さい。
 
 

限定承認を行う際の注意点

限定承認は民法上かなり便利な制度といえますが、税法上の非常に危険な注意点として、「みなし譲渡所得課税」がかかります。(所得税法第59条)
 

みなし譲渡所得課税とは?

みなし譲渡所得課税とは、資産を無償や低額で譲渡(贈与・相続・遺贈)した場合に、収入金額の計算上の特例として、時価による資産の譲渡があったものとみなし税金をかける行為です。限定承認が行われると、被相続人は相続人に対して「現金以外の財産を時価で売却し収入があった」とみなされ、その財産の取得費などを差し引いた所得に対して所得税が課税されることになります。
 
そのため、含み益がある財産(例えば、購入したときより値上がりしている土地や宝石・絵画など)がある場合、限定承認をすると被相続人には所得税がかかることになり、相続人は被相続人の所得税について準確定申告をもって所得税の申告・納付をする必要があります。
 

明らかにプラスの方が大きいと所得税の分だけ損をする

もちろん被相続人に対しての所得税は債務となりますが、増額した債務は限定承認でプラスの財産を超える場合は切り捨てられます。そのため、被相続人がマイナスの財産のほうを多く持っている場合は、相続人にデメリットはありません。
 
ただし、被相続人が明らかにマイナスの財産よりプラスの財産のほうを多く持っている場合、所得税の分だけ損をすることになりかねません。言い換えれば、現金以外の相続財産があった場合の限定承認は濫用すべき制度ではないと言えます。
 
そのためには、被相続人の財産がどの程度あるのかを把握しておくことが最も重要なことになります。単純承認で済むのであればわざわざ限定承認の申述をする必要はありませんので「親の借金額を把握する方法」を参考に、マイナスの財産をチェックしてみてください。

 

限定承認の期限

限定承認を選択する場合、遺産相続の開始を知った日から3ヶ月以内に、被相続人の住所地の家庭裁判所へ「限定承認の申告」をする必要があります(民法915条、924条)。また、限定承認は相続人の全員が共同で申請しなくてはいけません(923条)ので、相続人のうち一人でも「限定承認は嫌だ。他の相続方法にしよう」と言い出せば、他の相続人も限定承認ができなくなる危険性があります。

 

限定承認のまとめ

いかがでしたか?
 
限定承認について触れてきましたが、相続放棄と合わせて、状況に応じて最善の方法を選んでいただければと思います。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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