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遺留分侵害額請求の弁護士費用相場|費用を抑える方法も解説

京都楓法律事務所
中村 洸士 弁護士
監修記事
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遺留分侵害額請求(いりゅうぶんしんがいがくせいきゅう)は、最低限相続できる財産、すなわち「遺留分」が侵害された場合に、他の相続人に対して請求することです。

遺留分は遺族の生活を保障することを目的の1つとしたものであり、遺留分が相続されなければ、生活に支障をきたすことも考えられます。

遺留分侵害額請求には法的知識が必要となるため、弁護士に依頼することをおすすめします。

ここでは、遺留分侵害額(減殺)請求の弁護士費用相場と、費用を安く抑える方法について、詳しく解説します。

※法改正(2019年7月1日施行)により、遺留分減殺請求は「遺留分侵害額請求」と呼ばれるようになりました。

遺留分請求の弁護士費用を知りたいあなたへ

遺留分請求をしたいけど弁護士費用がどれくらいかわからず悩んでいませんか?

結論から言うと、遺留分請求相談にかかる費用は事務所によって違うため、一概に相場と呼べるものはありません。

遺留分請求にかかる費用が不安な場合、まずは弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

また、弁護士に相談することで以下のようなメリットを得ることができます。

  • どれくらい費用がかかるか詳しく教えてもらえる
  • 依頼すれば、相続人と直接会わずに遺留分侵害の意思表示ができる
  • 依頼すれば、法律に基づいた主張で調停を有利に進められる

当サイトでは、遺留分侵害をはじめとする相続問題を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。

無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。

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遺留分侵害額(減殺)請求は、弁護士に相談することで、それまで悩んでいたことがすぐに解決できる可能性も高いです。まずは【弁護士に相談するメリット】を確認し、今後の対策を考えてみましょう。

この記事に記載の情報は2023年12月05日時点のものです

遺留分侵害額請求を弁護士に依頼した際の費用と内訳

遺留分侵害額請求を弁護士に依頼する前に、一般的にどのぐらいの費用がかかるのかを確認しておきましょう。

異常に高額な弁護士に依頼することがないよう、注意が必要です。

弁護士費用に相場はない

適正料金かどうか知るためには、相場を確認しておくことが大切です。

しかし、弁護士費用には相場がありません

現在は各法律事務所が自由に料金を設定できるため、弁護士費用はピンキリです。

ただし、旧報酬規定を参考に料金を設定している事務所が多いため、旧報酬規定を確認することで、おおよその相場がわかります。

相談料

弁護士に依頼する前に、まずは相談して弁護士との相性を確認しましょう。

相談料については、以下のとおりです。

基本は1時間1万円

相談料は1時間につき1万円程度が相場です。

30分ごとの料金設定になっていることもあれば、1時間ごとの料金設定になっていることもあります。

30分5,000円、1時間8,000円といったように、時間が長いほど単位時間あたりの料金を安く設定している事務所もありますので、事前に確認しておきましょう。

無料相談の事務所も多い

無料相談を受けている事務所も多いので、少しでも費用を抑えたい方におすすめです。

ただし、何度でも無料で相談できるわけではなく、多くは、1回30分限り無料、1時間限り無料など、利用制限がかけられています。

相談した際にそのまま依頼した場合のみ、相談料が無料になることもあります。

事務所によって規定が細かく定められているため、十分に確認したうえで相談しましょう。

着手金

着手金は、弁護士に依頼して実際に動いてもらう際に支払うものです。

着手金は、一般的な事務所であれば、依頼によって得られるであろう利益に応じた金額とすることが多いため、正確な金額はなかなか想定できません。

ただ、一般的な遺留分侵害額請求であれば、10万~30万円程度が相場です。

なお、着手金は案件に着手する際に支払う費用であり、依頼の結果に左右されるものではありません。

良い結果にならなかった場合でも着手金は返金されない点に注意しましょう。

意思表示

遺留分を請求する際には、最初に意思表示が必要です。

遺留分を侵害されているため、返還を求めることを相手方に伝えます。

伝える方法に規定はありませんが、裁判になったときに意思表示をしたことが証明できる「配達証明付内容証明郵便」で郵送するのが一般です。

遺留分侵害額請求の意思表示代理費用の相場は、1万~2万円程度です。

なお、内容証明の発送業務は別料金となっていることがあります。

成功報酬

遺留分侵害額請求後、遺留分が返還されれば成功といえます。

成功した際には、着手金とは別に成功報酬の支払いが必要です。

成功したときのみ費用が発生する弁護士事務所もありますが、その場合は報酬金が高く設定されている傾向があります。

成功報酬は、遺留分侵害額請求によって得た利益の数%+100万円など、利益に応じて変動することが一般的です。

利益の15%などシンプルな計算方法となっている事務所もありますが、遺留分の金額に応じて細かく設定されている事務所もあるため、事前に確認しておきましょう。

調停や裁判に発展した場合

調停や裁判に発展した場合は、着手金と成功報酬が別途必要となります。

遺留分の金額にもよりますが、調停の場合の着手金は30万円程度とする事務所が多いでしょう。

成功報酬は、利益の4~16%程度かかると想定しておいてください。

この場合も、遺留分の請求が成功しない限り報酬の支払いは発生しないことがほとんどです。

裁判の場合も調停と同じく着手金は最低30万円、成功報酬は4~16%かかると考えておきましょう。

その他雑費

ほかにも、出張費事務手数料実費などがかかります。

訴強制執行などの手数料は1回につき10万~15万円、このほか実費として裁判収入印紙、郵便代、交通費などが内容に応じて必要となります。

よほど遠方でないかぎり、調停や訴訟の日当旅費は取らないのが一般的です。

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【依頼内容別】遺留分侵害額請求の弁護士費用

ここでは、以下のケースを想定し、500万円の遺留分侵害額請求をおこなう場合の弁護士費用の参考例を紹介します。

被相続人:父

相続人数:3人 (母、兄、弟)

財産総額:4,000万円

遺留分額:500万円

ケース1|意思表示のみ依頼

遺留分侵害額(減殺)請求の意思表示のみ弁護士に依頼し、当事者同士での話し合いで解決した場合。

  • 1万円:相談料(1時間)
  • 2万円:遺留分侵害額請求意思表示代行費用

総額3万円
 

ケース2|調停で解決

話し合いでは解決せず、調停で解決した場合。

  • 1万円:相談料(1時間)
  • 20万円:着手金
  • 80万円:成功報酬

総額101万円

ケース3|訴訟で解決

調停で解決せず、訴訟で解決した場合。

  • 1万円:相談料(1時間)
  • 20万円:着手金(調停)
  • 10万円:着手金(裁判)
  • 80万円:成功報酬

総額111万円

依頼する弁護士によって費用が異なるため、これ以上かかることも考えられますし、逆にこれ以下に抑えることも可能です。

弁護士の質や予算などとあわせて、よく考えるようにしましょう。

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遺留分侵害額請求の弁護士費用が払えない!安く抑える方法は?

遺留分侵害額請求を弁護士に依頼したくても、費用を支払えないケースがあります。

多くの場合、遺留分侵害額請求によって得た利益に応じた報酬額となるため、支払えないはずはありません。

しかし、利益を生活費や学費などに充てるケースでは、弁護士費用を支払えないことがあるのです。

このような場合は、弁護士費用を安く抑えるために、次のような方法をおすすめします。

無料相談などを活用して詳細費用を確認しておく

無料相談の際に、着手金や成功報酬、出張費、実費などの費用を細かく確認しておき、最も安く済む弁護士に依頼する方法があります。

ホームページに詳細な料金体系を掲載している弁護士事務所もありますので、確認しておきましょう。

着手金の分割払いに対応できるか相談してみる

原則、着手金が支払われてから案件に着手するため、着手金を支払えない場合は依頼できません。

しかし、着手金の分割払いが可能な事務所もあります。

分割での支払にしておき、遺留分侵害額請求の成功によって得た金額から残債を清算できるとする事務所もあります。

ただし、分割払いには利息が加算されることもあるため、詳しい話を弁護士に聞いておきましょう。

調停や裁判などになった場合、利息によって返済額が高くなります。

【関連記事】弁護士に支払う着手金の後払いは可能? 弁護士費用が支払えない場合の対処法

法テラスの民事法律扶助制度の活用を相談

法テラスの民事法律扶助制度を利用すれば、1つの事案につき3回まで無料相談できます。

ただし、民事法律扶助制度が利用できるのは、次の条件を満たした場合に限ります。

月収が一定額以下

単身者の場合は18万2,000円以下(大都市に住んでいる場合は20万200円以下)、2人家族の場合は25万1,000円以下(大都市に住んでいる場合は27万6,100円以下)となっています。

夫婦間の紛争の場合を除き、配偶者の収入を合算します。

保有資産が一定額以下

預貯金、タンス預金、有価証券、不動産(遺留分侵害額請求に関係がない不動産のみ)を合計した保有資産額が一定額以下であることが条件です。

単身者の場合は180万円以下、2人家族の場合は250万円以下が基準となっています。

勝訴の見込みがあること

勝訴の見込みがない場合には、遺留分侵害額請求ができません。

たとえば遺留分を受け取っているのに受け取っていないと申告していた場合、裁判に持ち込まれた際に勝てる見込みはないといえます。

民事法律扶助の趣旨に当てはまる

報復的感情を満たすことが目的の場合などは、民事法律扶助の趣旨に当てはまらないため無料相談ができません。

【関連記事】法テラスは本当に無料?無料相談できる条件を解説

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遺留分を弁護士に相談してから解決までの流れ

遺留分侵害額請求に関する相談から依頼、解決までの大体の流れを確認しておきましょう。

電話やメールで面談予約

まずは、電話やメールで面談の予約をとる必要があります。

いつでも相談できるわけではないため注意しましょう。予約の際、次のような情報を弁護士に伝えることが大切です。

  • 遺留分侵害額請求に関する相談をしたい旨
  • どのような事情で自分に相続されなかったのか
  • 他の相続人は一部の相続人に遺産が相続されていないことを知っているのか
  • 予想される遺留分の額
  • 誰に対して遺留分侵害額請求をするのか

できるだけ詳しく内容を伝えておくことで、面談時に具体的なアドバイスを得られます。場合によっては、弁護士に依頼することなく解決するでしょう。

面談で詳細の相談|依頼内容の確認

相談時には、依頼内容の確認として次のようなことを中心に説明を受けることになります。

  • 遺留分侵害額請求に成功する可能性
  • 調停や裁判へと持ち込みになった場合の勝訴の可能性
  • 遺留分を取り戻すための最適な解決方法の提示
  • どのぐらいの費用がかかるか

説明を受けてから、実際に依頼するかどうかを決めましょう。

その場で答えを出す必要はありませんので、一旦持ち帰って家族で話し合ってから依頼先を決めることをおすすめします。

有料相談と無料相談の違いは?

有料相談と無料相談で相談内容に違いはありません

相談料が無料の場合があるのは、弁護士の利益の多くが着手金と成功報酬で賄われているためです。

相談料を無料にすることで、依頼される可能性が高くなります。

相談料が有料か無料かということよりも、弁護士によって相談の質が異なります。

複数の弁護士に相談して、依頼先を決めるとよいでしょう。

受任|遺留分侵害額請求の意思表示

遺留分侵害額請求の意思表示をおこないます。

その後、遺留分をもらいすぎている相続人と、自分の代理である弁護士が話し合います。

相続人と顔を合わせることなく話を進められることも、弁護士に依頼するメリットです。

場合によっては調停や審判をおこなう

話し合いで解決しない場合は、家庭裁判所で調停をおこないます。

調停委員が相続人それぞれの言い分を聞き、双方当事者から提出された資料を見たうえで、解決の糸口を探し、それぞれにアドバイスします。

弁護士は調停委員に対し、法律に基づいた主張ができるため、有利に進められるでしょう。

調停でも解決しない場合は、遺留分を請求する側が訴訟提起をおこない、訴訟に移行することとなります。

解決|かかる期間は?

状況によって、解決までにかかる期間は大きく異なります。

遺留分侵害額請求の意思表示によって速やかに解決した場合は、1~2ヵ月で済むでしょう。

調停の場合は、調停の回数によっても異なりますが、平均して約1年ほどかかります。

裁判になれば、平均1年程度の期間がかかります。

取り戻した遺留分で事業を興す準備を進めているなどの場合は、余裕をもって遺留分侵害額請求をおこなうことが大切です。

最後に

遺留分侵害額請求は、弁護士に依頼することで速やかな解決が期待できます。

費用は弁護士によって異なりますが、旧報酬規定を参考に費用を決めている事務所が多くみられます。

相談料、着手金、成功報酬、出張費、実費などさまざまな料金が発生するため、十分に費用を用意しておくほか、弁護士への相談時に料金体系をしっかりと確認しつつ、いくらくらいまでなら払えるかといったご自身の希望を伝えてみるのもよいでしょう。

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この記事の監修者
京都楓法律事務所
中村 洸士 弁護士 (京都弁護士会)
遺産相続の豊富な経験と多数の実績を持ち、わかりやすい説明に定評がある。特に遺留分の請求を得意とし、遺言書などで本来の財産より少ない割合となっていたものを、依頼者が最大限確保できる交渉を行う。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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