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相続で必要な残高証明書を銀行別に取得する方法を解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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相続では、以下のようなケースで残高証明書が必要です。

  • 相続税の申告が必要な場合
  • 通帳などを紛失していて預金を確認したい場合
  • 相続財産額の確認資料が必要な場合

残高証明書とは、相続発生時の被相続人の口座残高が全て記載された書類のことです。

口座残高は通帳などでも確認できますが、なかには通帳の記録と一致しない場合もあるため、相続の際は残高証明書を手に入れて確認するのが一般的です。

本記事では、被相続人の預貯金の調査方法や、預貯金を相続する際の流れ、各銀行の残高証明書の発行方法などを解説します。

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後で分けるとしても、一旦相続放棄をして大丈夫でしょうか?
伯父(母の兄)が亡くなりました。 独身で子供はいません。 祖父母(母の父母)、母はすでに他界しています。 母は3人兄姉の末子です。 相続人は伯母(母の姉)、私、弟の3人です。 遺言書はありません。 全ての事を伯母が取り仕切ることになりました。 伯父所有の不動産、預貯金から諸費用等を引いて、伯母、私、弟で分けることになりました。 不動産、預貯金、諸費用等の額はこちらが聞いても一切教えてくれません。 自分と弟は相続放棄の手続きをするように言われ、署名捺印しました。 後で分けるとしても、一旦相続放棄の手続きをすることは一般的なのでしょうか? この方法で何か問題は無いですか?
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亡き父から私への生前贈与は、母死亡の相続時に特別受益になりますか
父は昔、父所有不動産の一部を、私に生前贈与しました。父はもうかなり前に亡くなっていて、その際は父の財産をすべて母が相続しました。 そして先日母が亡くなりました。 この父から私への贈与ですが、今回の母の相続の際に、特別受益となることはあるのでしょうか。 相続人には私の兄弟がいますが、父からの贈与は受けていません。 不明な点かあるかと思いますが、どうぞよろしくお願いいたします。
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兄弟4人と、亡くなった兄弟1人の子供いる場合の遺産分割について
今年の3月に母の妹が亡くなったので、高齢の母に代わり遺産分割する際に必要な書類についてお伺いします。 亡くなった妹は未婚で子供がおらず、両親もすでに他界しております。 そして、母には亡くなった妹のほかに、弟(A)一人、姉(B)一人、妹(C)一人、そして弟(D)がいましたが亡くなっており、その弟の娘が二人います。 亡くなった妹には1000万円の預金があるそうで、これを分割するという事です。 また、亡くなった妹は未婚だったため、妹(C)が身の回りの面倒とかみていて、遺産分割の手続きも妹(C)が行うようです。 そこで母が必要な書類ですが、妹(C)からは、住所と名前、生年月日を書いた紙を送ってくれればあとは手続きやるから、と言われたというのですが、これはたぶん戸籍謄本のことでしょうか。 高齢の母は聞き取る力もあまりないもので、私が勝手に思ったことです。 また印鑑証明が必要とのことですので、つまりは戸籍謄本と印鑑証明だけ妹(C)に送ればよろしいでしょうか。 また戸籍謄本と印鑑証明は何か月以内のものとか期限はどのようになりますでしょうか。 こちらについて、どうかご教示いただければと存じます。 よろしくお願い致します。
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2世帯住宅同居の遺産分割について
親と二世帯住宅で40年同居の長男と姉2人が相続人 母は最期の10年は認知症。光熱費、固定資産税他、火災保険、家のメンテ等息子もち。土地(路線価1億)は母。建物は共有、遺言なし 母が無くなったとたん1人の姉が1/3を要求、自宅の他は現金が500万しかない。 家に住みたいなら代償金を出せと云われています。 長男はもう年金生活なので、5000万も6000万も資金はありません。 自宅を売りに出すしかないのでしょうか? 母は土地の他には預金600万と年金しか持って居なくて同居となりました。 1/3ずつは長男としては認める事はできず、せめて1/2.1/4.1/4と考えておりまさす。 同居、出してきたお金は考慮されないのてしょうか?
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相続における残高証明書の基礎知識

残高証明書には、口座残高だけでなく借入金などのマイナスの財産も記載されており、ほかの相続人や税務署を安心させる材料にもなります。

まずは、残高証明書に関する基礎知識を解説します。

残高証明書とは

残高証明書とは、一定時点での預貯金・有価証券・投資信託などの残高を証明する書類のことです。

残高証明書は金融機関が発行してくれて、相続の場合は「被相続人が亡くなった時点での残高証明書」が必要です。

注意点として、残高証明書には指定日時点での残高しか記載されておらず、過去の取引履歴までは記載されていません

もし過去の取引履歴なども確認したい場合は、入出金明細・取引明細を別途請求したり、被相続人の通帳を探したりする必要があります。

残高証明書のサンプル

預貯金の残高証明書は以下のような形式になっていて、申請者が指定した日付時点での預貯金残高や口座番号などが記載されています。

残高証明書

 

令和〇年〇月〇日

〒〇〇〇-〇〇〇〇

東京都〇〇区〇〇町 〇〇〇-〇〇

 

アシロ太郎 相続人

アシロ花子 様

〇〇銀行〇〇支店

03-〇〇〇〇-〇〇〇〇

発行店 本店営業部 印

 

令和〇年〇月〇日 現在

取引種類

通貨

口座番号

金額

摘要

普通預金

 

0000000

¥500,000

 

定期預金

 

1234567

¥1,500,000

 

定期預金

 

7654321

¥5,000,000

 
     

以下余白

 

※この証明書の金額は訂正いたしません

相続で残高証明書が必要な理由

相続が発生して遺産分割協議をおこなう際は、被相続人の全ての財産を把握しておく必要があります。

不動産や現金はもちろん、銀行などに預けている金融資産も漏れなく把握しなければいけません。

たとえ通帳を持っていても、必ずしも現在の口座残高と一致するとはかぎりません。

現時点での正確な財産状況を把握するためにも、残高証明書が必要になるのです。

残高証明書を請求すると口座が凍結される

相続で残高証明書を請求すると、金融機関が口座名義人の死亡事実を確認したのち、財産を保全するために口座凍結の手続きがおこなわれます。

口座が凍結されると、それまで被相続人が支払っていた公共料金や家賃などの引き落としもできなくなります。

引き落とし先の変更前に口座が凍結されると支払いが遅延してしまうため、あらかじめ各種支払い状況を確認しておく必要があります。

残高証明書を請求するメリット

相続トラブルのひとつとして、「相続人の誰かが勝手に被相続人の口座から預金を引き出す」ということもあります。

しかし、残高証明書を請求すれば口座から自由にお金を引き出せなくなるため、勝手な使い込みを防止できるというメリットがあります。

なお、例外として入院費や葬儀費用などに充てるためであれば、口座からの引き出しが認められることもあり、詳しくは各金融機関に問い合わせてください。

【ケース別】被相続人の預貯金の調査方法

たとえ家族でも、被相続人がどこの金融機関にどれだけ口座を持っているのか正確に把握できていないこともあるでしょう。

財産目録などがあれば簡単に把握できますが、そのような資料もない場合は以下の方法で調査しましょう。

銀行の場合

銀行の預金口座については、名寄せをおこなうことで調査できます。

名寄せとは、被相続人名義の口座がないか銀行などに調査してもらう手続きのことです。

必要書類を準備したうえで各銀行に依頼すれば対応してくれます。

名寄せを依頼する際の必要書類

一例として、ゆうちょ銀行の場合は、戸籍謄本や本人確認書類などを準備することで無料で口座の有無を調査してくれます。

ネット銀行の場合

ネット銀行の場合、通帳やカードがないこともあるため発見が遅れる可能性があります。

なるべく速やかに発見するためにも、以下の方法でチェックしましょう。

メールボックスをチェックする

ネット銀行の場合、ダイレクトメールなどが残っている可能性があるため、メールボックスを確認しましょう。

パソコンやスマートフォンの利用状況をチェックする

パソコンやスマートフォンのブックマーク・お気に入り・銀行アプリなど、ネット銀行に関するものがないか確認しましょう。

銀行の通帳を記帳する

金融機関からネット銀行への送金や入金がないか、銀行の通帳を記帳して確認しましょう。

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被相続人の預貯金を相続する際の流れ

判例上は、被相続人の預貯金は、相続開始と同時に各相続人に分割されて帰属するものとされています。

しかし、実務上は、一部の相続人が単独で請求したところで、裁判を起こさないかぎり金融機関は対応してくれません。

これは、「第三者である金融機関にとっては、相続の事実が明らかかどうかを正確に把握するための証明がないから」というのが大きな理由としてあります。

したがって、被相続人の預貯金を相続する際は、名義変更・口座解約などの手続きをしてから、相続人同士で分け合うことになります。

金融機関によっても異なりますが、預貯金を相続する際は以下の書類を窓口に提出する必要があります。

  • 預金名義書換依頼書・相続届
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 被相続人の預金通帳・キャッシュカード・証書など
  • 遺産分割協議書・相続人全員の同意書(不要な場合もあります)

提出内容に問題がなければ、2週間~1ヵ月程度で手続きが完了します。

名義変更の手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。

【銀行別】残高証明書の発行方法

ここでは、各銀行の残高証明書の発行方法を解説します。

残高証明書を発行する際のポイント

残高証明書は、各銀行の窓口にて請求します。

その際、残高証明書の残高記録については「死亡日当日の時点」か「任意の日付の時点」のどちらかを選択できますが、相続では死亡日当日の時点での残高証明書を選択しましょう。

発行できる人

残高証明書は、法定相続人であれば誰でも受け取ることができます。

なお、相続人以外の人が代理人として請求する場合、相続人の委任状が必要です。

法定相続人の定義や範囲などについては、以下の記事で解説しています。

発行手順

まずは、被相続人の口座がある銀行に電話をして、残高証明書の申請場所や必要書類などを確認しましょう。

もし通帳を紛失している場合は、入出金履歴を確認するために通帳の履歴が欲しい旨も伝えましょう。

通帳を紛失している場合は、残高証明書の発行前に口座の有無の確認手続きを指示されることもあります。

必要事項の確認などが済んだあとは、必要書類と発行手数料(1通あたり500円~1,000円程度)を準備して窓口へ提出します。

提出内容に問題がなければ、即日~1週間程度で残高証明書が発行されます。

必要書類

銀行によっても若干の違いはあるものの、基本的には戸籍謄本除籍謄本・印鑑証明書・本人確認証明書などが必要になります。

なお、場合によっては相続確認表などの提出を求められることもあるため、事前に確認してから窓口に向かいましょう。

ゆうちょ銀行の場合

請求方法 窓口に書類提出 (全国どこでも可)
残高証明書請求書の代理記載 可能
通帳の要否 必要
発行方法 窓口にて直接受け取り
発行日数 即日
発行手数料 1,100円
必要書類

✔被相続人と請求者である相続人の戸籍謄本・除籍謄本

✔請求手続きをする相続人の印鑑証明書・本人確認証明書

委任状を使用する場合の注意点

ゆうちょ銀行指定のものを使用する

✔記号番号は必ず記載し、複数ある場合で連番であれば「~」の使用も可

✔委任状の期限は1ヵ月で、それを過ぎると本人確認の電話がある

書類の原本還付 その場で可
名義変更書類 郵送 (窓口で相続届を提出する必要あり)

三菱UFJ銀行の場合

請求方法 窓口に書類提出 (全国どこでも可)
残高証明書請求書の代理記載 可能
通帳の要否 不要
発行方法 窓口にて直接受け取りまたは郵送
発行日数

✔3営業日程度

✔郵送の場合は1週間~10日程度

発行手数料 770円
必要書類

✔被相続人と請求者である相続人の戸籍謄本・除籍謄本

✔請求手続きをする相続人の印鑑証明書・本人確認証明書

委任状を使用する場合の注意点 なし
書類の原本還付 その場で可
名義変更書類 窓口にて手渡し

みずほ銀行の場合

請求方法 窓口に書類提出 (全国どこでも可)
残高証明書請求書の代理記載 可能
通帳の要否 不要
発行方法 郵送
発行日数 数日
発行手数料 880円
必要書類

✔被相続人と請求者である相続人の戸籍謄本・除籍謄本

✔請求手続きをする相続人の印鑑証明書・本人確認証明書

委任状を使用する場合の注意点 なし
書類の原本還付 その場で可
名義変更書類 窓口にて手渡し

三井住友銀行の場合

請求方法 窓口に書類提出 (全国どこでも可)
残高証明書請求書の代理記載 可能
通帳の要否 不要
発行方法 郵送
発行日数

✔数日

✔郵送の場合は1週間~10日程度

発行手数料 880円
必要書類

✔被相続人と請求者である相続人の戸籍謄本・除籍謄本

✔請求手続きをする相続人の印鑑証明書・本人確認証明書

委任状を使用する場合の注意点 なし
書類の原本還付 その場で可
名義変更書類 窓口にて手渡し

りそな銀行の場合

りそな銀行の場合、りそな銀行・埼玉りそな銀行・近畿大阪銀行でそれぞれ手続きが異なる可能性があります。

以下は、あくまで参考程度に留めてください。

請求方法

窓口に書類提出

(全国どこでも可。後日郵送の場合もある)

残高証明書請求書の代理記載

可能

(ただし、各支店で取り扱いが異なるため個別の確認が必要)

通帳の要否 支店によって異なる
発行方法 支店によって異なる
発行日数 支店によって異なる
発行手数料 880円
必要書類

✔被相続人と請求者である相続人の戸籍謄本・除籍謄本

✔請求手続きをする相続人の印鑑証明書・本人確認証明書

委任状を使用する場合の注意点 なし
書類の原本還付 その場で可
名義変更書類

郵送

(原則として、口座凍結届の際に相続人へ送付)

さいごに

残高証明書の発行手続きでは必要書類が多く、口座凍結なども考慮して対応しなければいけません。

しかし、残高証明書にて財産状態を正確に把握しておくことで、相続トラブルの防止にもつながるため、速やかに発行手続きを済ませておくことをおすすめします。

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この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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