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公開日:2019.8.14 

家や住宅取得等資金の贈与を受けた時の贈与税と節税に繋がる3つの知識

House3

直系尊属(親・祖父母)や兄弟などから家の贈与を受けたり、住宅を購入する為の資金の贈与があった場合、贈与税の課税対象になりますが、この贈与税の他にも住宅を取得した時点で、「登録免許税」や「不動産取得税」がかかってきます。

購入した時と違い、印紙税や消費税などはかかりませんが、不動産取得税と持ち主が変更になると登録免許税は必ずかかることは覚えておくと良いでしょう。ただ、住宅を立てるためにお金をもらうなどの場合は非課税となる制度がありますので、今回は、家を贈与された場合の税金と、税金を少しでも安く抑える為の知識をご紹介していきます。

まずは知っておきたい不動産の贈与があった場合にかかる税金

冒頭でもご紹介しましたが、不動産(家)の贈与があった時、「贈与税」「登録免許税」「不動産取得税」の3つが発生します。それぞれ非課税あるいは節税する為の制度がありますが、まずはそれぞれがどのような税なのかをご紹介していきます。

もし手っ取り早く控除する方法が知りたい場合は

1:贈与税をできるだけ抑える為に利用できる制度

2:贈与税以外の税金を軽減するための方法

をご覧ください。

贈与税

不動産に限らず、人から高額なもの(家など)を無償でもらった際にかかる税金を贈与税と言い、贈与税の課税対象者は「毎年1月1日から12月31日までの1年間」で、贈与財産の合計額に対する贈与税を「翌年2月1日より3月15日まで」の期間に確定申告をし、納税する義務があります。

無償でと言いましたが、時価より安い価格で財産を買った場合、例えば時価5,000万円のマンションを500万円で買った場合なども贈与税の対象になります。

贈与税の計算方法

贈与税の計算は・・・

課税価格 = 贈与財産価額 - 110万円(基礎控除)

税額 = 課税価格 × 税率 - 控除額

この2つの式を用いることで算出します。例えば、5,000万円の家を贈与でもらった場合の課税価格は、

5,000万円 - 110万円(基礎控除)=4,890万円】になります。税額に関しては、国税庁で下記の表のように決まっていますので、こちらを参考して計算することになります。

表:一般贈与財産用

基礎控除後の課税価格

税 率

控除額

200万円以下

10%

300万円以下

15%

10万円

400万円以下

20%

25万円

600万円以下

30%

65万円

1,000万円以下

40%

125万円

1,500万円以下

45%

175万円

3,000万円以下

50%

250万円

3,000万円超

55%

400万円

参考:贈与税の速算表

課税価格は4,890万円なので、税額は【4,890万円 × 55% − 400万円 = 2,289.5万円】になります。この税額表は兄弟間や夫婦間の贈与、親から子への贈与で、かつ子供が未成年者の場合に使用するものになります。

祖父母から孫への贈与の場合

では、祖父母から贈与された場合はどうなのかですが、【祖父母から孫に贈与され、その年の1月1日において20歳以上の者】への贈与は特例贈与と呼ばれ、下記の表を参考にします。

表:特例贈与財産用

基礎控除後の課税価格

税 率

控除額

200万円以下

10%

400万円以下

15%

10万円

600万円以下

20%

30万円

1,000万円以下

30%

90万円

1,500万円以下

40%

190万円

3,000万円以下

45%

265万円

4,500万円以下

50%

415万円

4,500万円超

55%

640万円

参考:贈与税の速算表

4,890万円 × 55% − 640万円 = 2,049.5万円

これに該当しない

・父母(直系尊属)から成人の子供への贈与

・兄弟から成人した兄弟への贈与

・祖父母から成人した孫への贈与

この3パターンに関しては、下記のように分類して計算していきます。

・父母(直系尊属)から成人のした子供への贈与:特例贈与

・兄弟から成人した兄弟への贈与:一般贈与

・祖父母から成人した孫への贈与:特例贈与

引用:国税庁|平成27年1月1日以後に贈与により財産を取得した場合の税額計算(暦年課税)

登録免許税

次に登場するのが登録免許税と呼ばれるもので、この不動産は自分の物になりましたと主張(登記)するための費用になります。

内容

課税標準

税率

軽減税率
(措法72)

土地の所有権の移転登記

贈与・交換・収用・競売等

不動産の価額

20/1000

建物の登記

贈与・交換・収用等

不動産の価額

20/1000

参考:国税庁|登録免許税の税額表

詳しい計算の手順は「登録免許税がかかる不動産の課税標準と計算方法 | 節税する為の要件とは」を参考にしていただければと思いますが、上記の表のように、贈与の場合の軽減措置はありません。

不動産取得税

登録免許税が、「私の物だと主張する為の費用」なのに対して、不動産取得税は、手に入れたことに対する税金だと思っていただければと思います。もっと正確に言うと「不動産を所有する権利を取得する費用」といって、登記の有無や有償・無償に関係なく収める県の税金になります。

課税価格は不動産の価格の3%で、固定資産評価額によって変わりますが、固定資産評価額の2分の1を課税価格とする特例措置に従って、仮に土地が2,000万円、家屋が300万円なら、

・建物:300万円×3% = 9万円

・土地:2,000万円÷2×3% = 30万円

不動産取得税は39万円になります。詳しい計算手順は「かんたんに不動産取得税を計算する方法とよくある質問まとめ」をご覧いただければと思います。

家を贈与する際に贈与税をできるだけ抑える為に利用できる制度

直系尊属や祖父母から贈与を受けて、贈与税がいくらになるのか、減税措置がどの程度あるかを見てきましたが、この贈与税をもっと安く抑えるにはどのような手段があるのかを掘り下げて行きましょう。

住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税を利用

これは、父母や祖父母など直系尊属からの贈与によって、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得、増改築をするためのお金をもらった場合に、一定の要件を満たせば贈与税が非課税となる制度です。

住宅取得等資金贈与の非課税を受ける為の条件

平成27年1月1日から平成33年12月31日までの間で、

  1. 贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること

  2. 贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること

  3. 贈与を受けた年の合計所得金額が2,000万円以下であること

  4. 平成21年分から平成26年分までに受けたことがないこと

  5. 配偶者や親族などから住宅用の家屋の取得をしたものではないこと

  6. 又はこれらの方との請負契約等により新築若しくは増改築等をしたものではないこと。

  7. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに新築等をすること

  8. 贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること

  9. イ 贈与を受けた時に受贈者が日本国籍を有しており、かつ、受贈者又は贈与者がその贈与前5年以内に日本国内に住所を有していたこと

  10. 贈与を受けた時に受贈者が日本国籍を有していないが、贈与者がその贈与の時に日本国内に住所を有していたこと

  11. 贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると見込まれること

この8つが必要になります。

参考:受贈者の要件

非課税限度額は?

表イ:ロ以外の場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日

省エネ等住宅

左記以外の住宅

~平成27年12月31日

1,500万円

1,000万円

平成28年1月1日~平成32年3月31日

1,200万円

700万円

平成32年4月1日~平成33年3月31日

1,000万円

500万円

平成33年4月1日~平成33年12月31日

800万円

300万円

表ロ:住宅用の家屋の新築等に係る対価等の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合

住宅用家屋の取得等に係る契約の締結日

省エネ等住宅

左記以外の住宅

平成31年4月1日~平成32年3月31日

3,000万円

2,500万円

平成32年4月1日~平成33年3月31日

1,500万円

1,000万円

平成33年4月1日~平成33年12月31日

1,200万円

700万円

相続時精算課税制度の利用

相続時精算課税制度(そうぞくじせいさんかぜいせいど)とは、60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の推定相続人である子又は孫に対して財産を贈与した場合に適応出来る特別控除を、2,500万円の限度額に達するまで控除出来る制度です。

平成33年12月31日までに、父母又は祖父母からの贈与により、自己の居住の用に供する住宅用の家屋の新築、取得又は増改築等(以下「新築等」といいます。)の対価に充てるための金銭(以下「住宅取得等資金」といいます。)を取得した場合で、一定の要件を満たすときには、贈与者がその贈与の年の1月1日において60歳未満であっても相続時精算課税を選択することができます。

引用元:相続時精算課税選択の特例

2,500万円の限度額に達するまで何回でもできるというのが魅力で、暦年課税に比べるとより多くの贈与税の節税につなげることができます。

5,000万円を贈与した場合の計算例

・暦年課税の場合(一般税率を採用)

式:(贈与額-110万円)×税率-控除額

=(5,000万円 − 110万円)×55%-250万円

= 2,439万円(贈与税額)

・相続時精算課税制度の場合

式:(贈与額-2,500万円)×20%

=(5,000万円-2,500万円)×20%

= 500万円(贈与税率)

このように、相続時精算課税制度を利用すると、2,000万円近い贈与税対策が出来ることがお分かりいただけたかと思います。

参考:暦年課税(従来の生前贈与)と相続時精算課税制度の比較

贈与税以外の税金を軽減するためには?

残念なお知らせとなり恐縮ですが、登録免許税は「贈与」においては軽減税率などの制度はありません。購入などにおいては0.1%〜0.2%程度の軽減措置はあるものの、贈与においては「登録免許税」の項目でご紹介したようにないと思っていただくのが良いでしょう。

一方、不動産取得税においては「免税点」という考え方がありますが、

  • 取得した土地の価格が10万円未満の場合

  • 売買や贈与等により取得した家屋の価格が12万円未満の場合

  • 建築した家屋の価格が23万円未満の場合 など

こういった要件を満たす場合は非課税となりますが、県によって基準が違うのと、あまりにも低い価格のため、結果的に利用できないといっていいかもしれません。

ただ、専門家であれば何かしらの節税案を持っている可能性がありますので、少しでも節税に繋がる知識を得たいのであれば、税理士などに相談してみることをおすすめします。

不動産の贈与をする際の注意点

最後に、不動産の贈与を行う場合に知っておいたい注意点をご紹介しておきます。

定額贈与を続けると税務署に睨まれる

暦年課税で1年ごとに110万円の基礎控除の範囲内で贈与を続けることは賢いやり方ではありますが、毎年決まった月などに110万円ぴったりの入金が続くと、相続時に「税金を逃れる為にやっている」と判断されることがあります。

事実、税金を逃れるためにやっているのですが、場合によっては税務署から脱税の疑いをかけられる危険性もゼロではありません。そのため、数年に一回はあえて110万円を超える金額を贈与して、ちゃんと税金を納めていますという実績を見せるのもひとつ、有効な手段です。

贈与をしたつもりに注意しよう

贈与は、贈る側と受け取る側の認識が必要で、子どもや孫の口座に毎年内緒で振り込んでいていても、受け取った人が贈与と認識していないと贈与が成立しない可能性もあります。さらに、ある程度は使った形跡がないのも贈与とは認められないため、ずっと貯金しておくというのも危ないということを覚えておくと良いでしょう。

まとめ

家を贈与された場合の贈与税について解説して行きましたが、結論として、大きな節税効果をねらうなら「相続時精算課税制度」を利用するのがおすすめです。

短期でできますし、贈与する相手も自由に決められますので、今後住宅や不動産を贈与する機会があるのであれば、覚えておくと良いかもしれませんね。

【関連記事】

相続時精算課税制度を活用して贈与税対策をする手引き

生前贈与で不動産を贈与する際に贈与税を抑える為の手順

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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