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登録免許税がかかる不動産の課税標準と計算方法 | 節税する為の要件とは
2019年08月14日

登録免許税がかかる不動産の課税標準と計算方法 | 節税する為の要件とは

Tokeiie

登録免許税は不動産などの資産の名義を新しく登録したり、他の人に譲渡するときに課税されるもので、登録免許税法によって規定されています。登録免許税法は不動産の登記だけではなく、弁護士や弁理士の登録、特許権や実用新案権の登録、船舶の登記、事業免許など幅広く登録に関係する事柄をまとめた法律です。

参考: 登録免許税法

 

今回は登録免許税の中でも相続発生時に知っておいた方がいい不動産に関わる登録免許税をご説明いたします。具体的にどんなときに、どんな課税標準や税率を元に、どのような軽減措置があるのかを解説して行きますので、是非参考にしてみてください。

 

不動産に関する登録免許税とは

不動産を購入したときは必ず表題登記をし、そのあと任意で所有権保存登記をします。また売買や相続で不動産の所有者が移ることになれば所有者移転登記をすることになり、住宅ローンを組めば抵当権登記、住宅ローンが完済すれば抵当権抹消登記をしなければなりません。

 

最後には建物滅失登記をおこなうことになります。

 

不動産と関わる中で、不動産登記は無視することはできませんし、そして登記には登録免許税が課せられるケースも多いのです。登録免許税の算出方法は下記の通りです。

 

登録免許税額=課税標準額×税率

 

この式を各登記に当てはめていくことになります。

 

 

登記ごとの登録免許税の計算方法

課税標準額と税率を掛け算したものといっても、課税標準となるものや税率は何の登記かによって異なります。

 

表題登記

新築の建物の場合、「表題登記」という登記をする必要があります。不動産の所有権を得て1ヶ月以内に登記しなくていけませんが、原則、表題登記に登録免許税は課税されません。ですが、1ヶ月の期限を過ぎてしまうと10万円以下の過料に処される可能性があります。

 

表題登記には具体的にどのような情報が登録されるのか

まず「表題」とは、その建物がどこにあり、どんな構造で、どのくらいの広さなのかなどという建物の物理的な情報を指します。つまり、表題登記とは地番や建物家屋番号、床面積、構造などを登録するのです。

 

表題登記をおこなうことで登記記録がつくられ、所有者保存登記ができるようになります。

  • ※地番とは、土地一筆ごとに番号を振る制度のことで建物がどこにあるのかを示すもの。

  • ※建物家屋番号とは、建物を識別するために法務局により個々の建物へ振る番号のこと。

 

所有権保存登記

所有権保存登記は、所有権登記のなされていない不動産におこなうもので、誰の持ち物かを示すものです。所有権保存登記をするかどうかは任意ですが、所有権保存登記をしていないと相続や売買、抵当権の設定といった第三者対抗要件が必要となる行動ができません。

 

引用元:法務局|所有権保存登記申請書

 

所有権保存登記にかかる登録免許税の計算

登録免許税額の算出方法は前述のとおり、登録免許税額=課税標準額×税率という式です。こちらの式に各項目の課税標準額や税率を当てはめることになります。所有権保存登記の場合は下記のとおり。

 

所有権保存登記の登録免許税額=固定資産税評価額または法務局の認定価格×0.004

 

通常、新築の場合は固定資産税評価額が決定されていないので、地方法務局が出している新築建物課税標準価格認定基準表を使用します。

参考元:東京法務局管内新築建物課税標準価格認定基準表

 

課税標準額は1,000円未満の端数は切り捨て、登録免許税額は計算後に100円未満に端数が出た場合は切り捨てます。

 

計算例

ある不動産の法務局認定価格が20,001,234円のとき、所有権保存登記の登録免許税額はいくらか。

 

まず課税標準額が20,001,234円で1,000円未満に端数があるので切り捨てをするので

課税標準額=20,001,000円

 

所有権保存登記の登録免許税額=法務局の認定価格×0.4%だから

  1. 1:20,001,000円×0.004%=80,004円

  2. 2:80,004円で100円以下に端数があるのでこれを切り捨て

所有権保存登記の登録免許税額は80,000円です。

軽減税率を受けた場合の税額はこちら

 

 

所有権移転登記

建物の売買や相続、遺贈、贈与などにより、所有権が登記名義人から誰かに移動した場合の名義変更を所有権移転登記といいます。対象の不動産がすでに所有権保存登記がなされている場合におこないます。

 

引用元:法務局|所有権移転登記申請書

 

相続の所有権移転登記における登録免許税の計算

不動産を相続した場合にも所有権移転というかたちで登録免許税が課されます。

 

相続の所有権移転登記における登録免許税額=固定資産税額×0.004

 

課税標準額が1,000円未満の端数がある場合は切り捨てです。その後税率をかけたあとに100円未満の端数があれば同様に切り捨てします。

 

計算例

相続によって所有移転登記をおこないます。固定資産税評価額が24,321,012円のとき、登録免許税額はいくらでしょうか。

 

  • 課税標準額は1000円未満の端数があれば切り捨てなので24,321,021→24,321,000
  • 固定資産税評価額×0.004なので
  • 24,321,000円×0.4=97,284円

 

計算結果の100円未満に端数があれば切り捨てなので、相続の所有権移転登記における登録免許税額は97,200円です。

軽減税率を受けた場合の税額はこちら

 

遺贈と贈与の所有権移転登記における登録免許税の計算

遺贈と贈与での課税標準はともに固定資産税額で、税率も同じく0.002です。遺贈とは遺言により、相続人以外の人へも財産を相続させることのできる方法のことです。

 

遺贈・贈与の所有権移転登記における登録免許税額=固定資産税額×0.02

 

税率が0.02となっていますが、法定相続人への遺贈の場合は0.004の税率です。通常の相続と同じと考えればいいでしょう。

 

遺贈と贈与の登録免許税以外に課される税
  • 遺贈:相続税、不動産取得税
  • 贈与:贈与税、不動産取得税

遺贈には包括遺贈と特定遺贈というものありますが、特定遺贈のみ不動産取得税が課されます

 

  • 包括遺贈:全財産の○○%をAさんに遺贈する、といった割合で示して相続させる
  • 特定遺贈:具体的にどの財産を相続させるかを示す方法

 

売買における建物と土地における所有権移転登記の登録免許税の計算

売買では建物か土地によって課される税率も軽減税率も異なります。

 

建物の所有権移転登記における登録免許税額=固定資産税評価額×0.02

土地の所有権移転登記における登録免許税額=固定資産税評価額×0.015

 

課税標準額に1,000円未満の端数があれば切り捨て、課税標準計算後の数値に100円未満の端数がある場合、それを切り捨てます。

 

計算例

固定資産評価額が30,005,432円だった場合

  1. 1:1000円未満は切り捨てなので、課税標準額は30,005,000円
  2. 2:固定資産税評価額×0.015%で
  3. 3:30,005,000円×0.015=450,075円
  4. 4:100円未満の端数は切り捨てなので450,000円

土地の所有権移転における登録免許税額は450,000です。

 

抵当権設定登記

抵当権は、住宅ローンなど借り入れをしたときにそのお金を返済できなくなってしまったときの担保として土地や建物を設定することです。そして抵当権設定登記は抵当権設定において必要な情報を登記簿に記載することなのですが、このときにも登録免許税が課されます。

抵当権設定登記における登録免許税の式は下記のとおりです。

 

抵当権の設定登記における登録免許税額=債権金額×0.004

 

課税標準額となるのが債権金額でそこに0.004をかけるというもので、課税標準額は1,000円未満の端数がある場合、切り捨てです。

 

抵当権設定登記の計算例

債権の額が1,000万円であれば債権金額×0.004だから

10,000,000円×0.004=40,000円

抵当権の設定登記における登録免許税額は40,000です。

軽減税率を受けた場合の税額はこちら

 

抵当権抹消登記

住宅ローンを完済しても自動的に登記簿から抵当権が消されるわけではありません。別件でのローンの審査が通りにくくなるので、所轄の法務局へ抵当権の抹消をおこなう必要が出てくるのですが、このときにも登録免許税が課税されます。

登録免許税額は不動産ひとつにつき1,000です。

 

土地1つ、建物1つならば1,000円×2で2,000円になります。

 

建物滅失登記

建物滅失登記は建物を解体処分したときに1ヶ月以内に行う登記です。その建物の存在が無くなったということを登記簿上でも示すために行うものになります。建物滅失登記をしても他の登記と異なり、登録免許税は課税されませんし、他の税金も発生しません

 

1ヶ月の期限内に建物滅失登記を済ませないと10万円以下の過料が発生したり、建物が消滅したという事実が判明しないので、固定資産税がそのまま発生し続けたりとデメリットがあるので、きちんとやっておきましょう。

 

登録免許税を節税するための軽減税率

登録免許税には軽減措置があり、税率を下げることができます。どのようなものか見ていきましょう。

所有権保存登記の軽減を受ける

登録免許税の軽減税率にはいくつか種類があります。

  • 住宅用家屋の所有権の保存の登記に係る登録免許税の軽減措置:税率1,000分の1.5 (平成32年3月31日まで)
  • 認定長期優良住宅:税率1,000分の1 (平成30年3月31日まで)
  • 認定低炭素住宅:税率1,000分の1 (平成30年3月31日まで)

軽減措置を受けられる要件は下記の3つです。

  • 床面積が50㎡以上
  • 住宅の新築または取得してから1年以内に登記をすること
  • 本人が主として居住用に使う家屋であること

認定長期優良住宅と認定低炭素住宅については以下のサイトを御覧ください。

【参考元】

一般社団法人 住宅性能評価・表示協会|長期優良住宅について

一般社団法人 住宅性能評価・表示協会|低炭素建築物認定制度について

計算例

住宅用家屋の所有権の保存登記の軽減税率は1,000分の1.5なので課税標準×0.0015

ある不動産の法務局認定価格が20,001,234円のとき、課税標準額は20,001,000円なので

  1. 1:20,001,000円×0.0015=30,001.5円

  2. 2:30,001.5円で100円以下に端数があるのでこれを切り捨て軽減税率を受けた場合の額は30,000円です。

本来の所有権の保存登記の税率1,000分の4で計算したときは80,000円なので、軽減税率下では50,000円低くなります。

 

認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅の軽減税率は1,000分の1なので課税標準×0.001

ある不動産の法務局認定価格が20,001,234円のとき、軽減税率を使用すると課税標準額は20,001,000円なので

  1. 1:20,001,000円×0.001=20,001円

  2. 2:20,001円で100円以下に端数があるのでこれを切り捨て軽減税率を受けた場合の額は20,000円です。

通常の税率1,000分の4で計算した80,000円と比べると60,000円低くなります。

 

所有権移転登記の軽減をうける

建物の売買では登録免許税を減らすことができます。

所有権移転登記の軽減税率は下記の通りです。

  • 住宅用家屋の所有権の移転の登記に係る登録免許税の軽減措置:新築・中古ともに1,000分の3 (平成32年3月31日まで)
  • 認定長期優良住宅:共同住宅1,000分の1 一戸建1,000分の2 (平成30年3月31日まで)
  • 認定低炭素住宅:1,000分の1(平成30年3月31日まで)
  • 土地の所有権の移転の登記に係る登録免許税の軽減措置:1,000分の15(平成31年3月31日まで)

 

中古住宅の所有権移転登記の軽減を受けられる要件

  • 床面積が50㎡以上
  • 購入後1年以内
  • 築20年以内もしくは耐火建築で25年以内
  • 本人の居住用の住宅である

 

計算例

住宅用家屋の所有権の移転の登記の軽減税率1,000分の3なので課税標準×0.003

固定資産税評価額が24,321,012円のとき、課税標準額は24,321,000円なので

24,321,000円×0.003=72,963円

軽減税率を受けた場合の額は72,900円です。

 

認定長期優良住宅の軽減税率は共同住宅は1,000分の1、戸建ては1,000分の2なので

それぞれ24,321,000円×0.001=24,321円  24,321,000円×0.002=48,642円

共同住宅は24,321円 戸建ては48,642円です。

 

認定低炭素住宅の軽減税率は0.001%なので

24,321,000円×0.001=24,321円

軽減税率を受けた場合の額は24,321円です。

建物所有権の移転登記の通常の税率1,000分の20で計算すると486,420円ですので、軽減税率を使うとそれぞれ大きく減額します。

 

土地の所有権の移転の登記に係る登録免許税の軽減措置

土地の所有権の移転の登記の軽減税率1,000分の15なので課税標準×0.015

固定資産税評価額が24,321,012円のとき、課税標準額は24,321,000円なので

24,321,000円×0.015=364,800円

軽減税率を受けた場合の額は364,800円です。

 

抵当権設定登記の軽減を受ける

住宅取得資金の貸付け等に係る抵当権の設定の登記に係る登録免許税の軽減措置:新築・中古ともに1,000分の1(平成32年3月31日まで)

下記の条件満たすことで軽減税率が適用されます。

  • 本人の居住用の住宅である
  • 床面積が50㎡以上

中古住宅である場合

  • 築20年以内もしくは耐火建築で25年以内

計算例

債権の額が1,000万円であれば債権金額×1,000分の1だから

10,000,000円×0.001=10,000円

軽減税率を受けた場合の額は10,000です。

通常の税率1,000分の4で計算すると40,000円なので30,000円低くなります。

 

まとめ

この記事では不動産におけるどのような登録免許税が存在するのかをお伝えいたしました。不動産の始まりと終わりである表題登記と建物滅失登記では課税されず、その他では課税されると考えると覚えやすいかもしれません。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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