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公開日:2019.9.5  更新日:2021.3.29

相続税申告の方法(流れ)と注意すべきポイント3つを具体的に解説

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
監修記事
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遺産を相続することになった場合、気になることのひとつが相続税に関すること。相続税法の改正によって、基礎控除額が以前より40%引き下げられました。このため、相続税申告をしなければならない人が増えました。

どの程度相続税を支払わなければいけないのか。」「どのように支払えばいいのか。」など疑問があるとなかなか手続きを進めることができません。しかし、相続税には申告の期限があるため、その期限を過ぎてしまうと、本来必要であった追納義務が発生するおそれがあります。

 

この記事では、相続税の申告が必要なケースと、手続き方法について紹介します。

 

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相続税の申告が必要な人

相続税は、亡くなった人の財産を相続もしくは贈与によって取得した場合に、取得した財産の価値を元に課される税金です。取得した財産の課税価格の合計額が、遺産に対する基礎控除額を超える場合に、相続税の申告が必要なります。

遺産に対する基礎控除額は後の「■相続税の計算方法」で詳しく述べます。

 

相続税申告が必要な人は全体の約5%。基礎控除額以下の財産を取得した場合は、申告の必要がありません

しかし、申告の必要がない状態であっても税務署から相続税納付の申告書などが送付されることがあります。この通知には、税務署が申告の必要性を調べる目的があります。

 

もし送られてきたら、取得した財産が基礎控除額以下であり申告が不必要である内容を記載した文書を作成して送付しましょう。

 

相続税申告の方法と流れ

次に相続税の申告をする際の流れをご紹介します。

相続税申告の流れ

相続税を申告するまでには、以下のような流れがあります。①〜③の手続きは相続財産を残した人が亡くなった翌日から3ヶ月以内に、下記の内容を行います。

①法定相続人の決定

相続税は、相続財産を取得した人が払うことになります。そのため残された相続財産を受け取る法定相続人を決めましょう。誰が相続するのかはっきりしていないと、相続税の申告はもとよりさまざまなことで親族間の揉めごとが発生しかねません。詳しくは「相続人になる4種類の法定相続人と相続人をラクに探す方法」をご覧ください。

②相続財産の把握

相続税を支払うかどうか、またその金額については相続財産の額によって異なります。そのため、亡くなった人がどのような財産を所有していたのか、またその価値を明らかにすることが必要です。財産は「・相続税がかかる財産の種類」で挙げたプラスの財産だけでなく、借金などのマイナスの財産も存在します。

財産を確認するための詳しい流れは「遺産相続の対象となる財産と金額の確認方法」をご覧ください。

 

③相続方法の選択

相続人と相続財産がはっきりした段階で、相続の方法を選択しましょう。相続の方法は『単純承認』『限定承認』『相続破棄』の3種類があります。残された相続財産によって、適当な選択をしましょう。詳しくは「遺産相続で覚えておくべき3つの方法とその特徴」をご覧ください。

④遺産分割協議書の作成

もし遺言が残されていなければ、相続財産は相続人で分割して相続します。どのように分配するのかを話し合うことを遺産分割協議といいます。この協議には、相続人全員の参加が必要です。遺産を“誰に・いくら”分けるかが決まったら、遺産分割協議書を作成しましょう。

詳しくは「遺産分割協議書の全て|サンプルと正しい書き方」をご覧ください。

 

⑤準確定申告を行う

亡くなった人も確定申告が必要で、その確定申告を準確定申告といいます。手続き方法は、通常の確定申告と同様。忘れずに行うようにしましょう。

相続税申告を行う時期

相続税の申告を準備し始めるのは、亡くなった人を送り出すための以下のようなことが終了してからです。

  • 通夜と葬儀
  • 遺言書の確認
  • 四十九日法要

相続税申告書を提出する締め切りは、相続財産を残して亡くなった方の死亡日の翌日からの10ヶ月目の日です。なお、申告期限の日が土曜日曜祝日であった場合は、これらの日の翌日が期限となります。

相続税がかかる財産の種類

相続税がかかる財産は、以下のようなものです。

  • 相続や贈与によって取得した財産
  • 相続開始から3年以内に受け取った、暦年課税による贈与として取得した財産
  • 相続時精算課税によって取得した財産

具体的な財産の項目は、金銭として見積もることができるものすべてです。例えば以下のようなものが主となります。

  • 土地
  • 事業用財産
  • 住宅
  • 預貯金
  • 現金
  • 有価証券
  • 貴金属・宝石
  • 骨董品

相続税の計算方法

相続税の基礎控除額や税率は、相続税改正により2015年1月1日以前と以後では異なるため注意しましょう。

相続税の基礎控除額

[改正前]
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

改正後
3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

そのため、法定相続人が2人である場合の基礎控除額は、改正前『7,000万円』、改正後『4,200万円』と大きな違いが生まれています。

 

◇相続税の計算式

相続税は、土地や預貯金などの相続財産から債務(借金や未払金)を引いた、正味財産額が元になります。正味財産額から基礎控除額を引いたものが課税遺産の総額となります。

[計算例]
課税価格ごとに以下の表のような税率と控除額が定められています。
2,500万円を相続した場合:2,500万円×15%(税率)−50万円(控除額)=325万円
5,000万円を相続した場合:5,000万円×20%(税率)−200万円(控除額)=800万円
1億円を相続した場合:1億円×30%(税率)−700万円(控除額)=2,300万円

 


表 相続税の課税価格ごと税率

 

課税価格

税率

控除額

1,000万円以下

10%

なし

3,000万円以下

15%

50万円

5,000万円以下

20%

200万円

1億円以下

30%

700万円

2億円以下

40%

1,700万円

3億円以下

45%

2,700万円

6億円以下

50%

4,200万円

6億円超

55%

7,200万円

 

相続税を納税する方法を選択

相続税の納税方法は以下の3種類があります。それぞれに適した方法を採用しましょう。

  • ①現金での納付
  • ②預貯金口座からの振替で納税
  • ③延納や物納

相続税申告に必要な書類

相続税を申告するためには通常のケースでは以下のような書類が必要です。なお、相続時精算課税適用者または相続税の納税猶予等の特例の適用を受ける場合は、必要な書類が増えるため注意が必要です。

下記に平成27年度分のものをご紹介しています。平成26年のものを確認したい場合は、「こちら」をご参照ください。

 

相続税の申告書等の様式一(平成27年分用)

各種表番号

表及び付表名

適用年月日等

容量(KB)

第1表

相続税の申告書

平成27年分以降用

PDF/335KB

第1表(続)

相続税の申告書(続)

平成27年分以降用

PDF/305KB

第1表控用

相続税の申告書控用

平成27年分以降用

PDF/291KB

第1表(続)控用

相続税の申告書(続)控用

平成27年分以降用

PDF/272KB

第1表の付表1

納税義務等の承継に係る明細書(兼相続人の代表者指定届出書)

平成26年分以降用

PDF/1,080KB

第1表の付表2

還付される税額の受取場所

平成26年分以降用

PDF/1,816KB

第1表の付表3

受益者等が存しない信託等に係る相続税額の計算明細書

平成26年10月分以降用

PDF/1,504KB

第1表の付表4

人格のない社団又は財団に課される相続税額の計算明細書

平成26年10月分以降用

PDF/1,053KB

第2表

相続税の総額の計算書

平成27年分以降用

PDF/561KB

第3表

財産を取得した人のうちに農業相続人がいる場合の各人の算出税額の計算書

平成26年分以降用

PDF/551KB

第4表

相続税額の加算金額の計算書・暦年課税分の贈与税額控除額の計算書
(平成27年1月から3月までに相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税の申告に当たっては、「1 相続税額の加算金額の計算書」の5欄に記載される金額はありません。)

平成27年分以降用

PDF/1,818KB

第4表の付表

相続税額の加算金額の計算書付表(措置法第70条の2の3第10項第2号に規定する管理残額がある場合)

平成27年4月分以降用

PDF/109KB

第5表

配偶者の税額軽減額の計算書

平成21年4月分以降用

PDF/727KB

第6表

未成年者控除額・障害者控除額の計算書

平成27年分以降用

PDF/616KB

第7表

相次相続控除額の計算書

平成21年4月分以降用

PDF/542KB

第8表

外国税額控除額・農地等納税猶予税額の計算書

平成27年分以降用

PDF/514KB

第8の2表

株式等納税猶予税額の計算書

平成27年分以降用

PDF/1,193KB

第8の2表の付表1

非上場株式等についての納税猶予の特例の適用を受ける特例非上場株式等の明細書

平成27年分以降用

PDF/1,406KB

第8の2表の付表2

非上場株式等についての納税猶予の特例の適用を受ける特例非上場株式等の明細書(所得税法等の一部を改正する法律(平成21年法律第13号)附則第64条第2項又は第7項の規定の適用を受ける株式等がある場合)

平成27年分以降用

PDF/2,278KB

第8の2表の付表3

非上場株式等についての納税猶予の特例の適用を受ける特例相続非上場株式等の明細書

平成27年分以降用

PDF/1,362KB

第8の3表

山林納税猶予税額の計算書

平成27年分以降用

PDF/890KB

第8の3表の付表

山林についての納税猶予の特例の適用を受ける特例山林及び特例施業対象山林の明細書

平成25年4月分以降用

PDF/679KB

第8の4表

医療法人持分納税猶予税額・税額控除額の計算書

平成26年10月分以降用

PDF/1,370KB

第8の4表の付表

医療法人の持分の明細書・基金拠出型医療法人へ基金を拠出した場合の医療法人持分税額控除額の計算明細書

平成26年10月分以降用

PDF/1,193KB

第8の5表

納税猶予税額等の調整計算書

平成26年10月分以降用

PDF/899KB

第9表

生命保険金などの明細書

平成21年4月分以降用

PDF/349KB

第10表

退職手当金などの明細書

平成21年4月分以降用

PDF/346KB

第11表

相続税がかかる財産の明細書(相続時精算課税適用財産を除きます。)

平成21年4月分以降用

PDF/248KB

第11の2表

相続時精算課税適用財産の明細書・相続時精算課税分の贈与税額控除額の計算書

平成24年4月分以降用

PDF/521KB

第11・11の2表の付表1

小規模宅地等についての課税価格の計算明細書

平成27年分以降用

PDF/138KB

第11・11の2表の付表1(続)

小規模宅地等についての課税価格の計算明細書(続)

平成27年分以降用

PDF/130KB

第11・11の2表の付表1控用

小規模宅地等についての課税価格の計算明細書控用

平成27年分以降用

PDF/106KB

第11・11の2表の付表1(続)控用

小規模宅地等についての課税価格の計算明細書(続)控用

平成27年分以降用

PDF/97KB

第11・11の2表の付表1(別表)

小規模宅地等についての課税価格の計算明細書(別表)

平成27年分以降用

PDF/801KB

第11・11の2表の付表2

小規模宅地等、特定計画山林又は特定事業用資産についての課税価格の計算明細書

平成27年分以降用

PDF/1,202KB

第11・11の2表の付表3

特定受贈同族会社株式等である選択特定事業用資産についての課税価格の計算明細

平成27年分以降用

PDF/432KB

第11・11の2表の付表3の2

特定受贈同族会社株式等について会社分割等があった場合の特例の対象となる価額等の計算明細

平成21年4月分以降用

PDF/1,032KB

第11・11の2表の付表4

特定森林経営計画対象山林又は特定受贈森林経営計画対象山林である選択特定計画山林についての課税価格の計算明細

平成27年分以降用

PDF/613KB

第12表

農地等についての納税猶予の適用を受ける特例農地等の明細書

平成21年12月15日
相続開始以降用

PDF/382KB

第13表

債務及び葬式費用の明細書

平成21年4月分以降用

PDF/278KB

第14表

純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産価額及び特定贈与財産価額・出資持分の定めのない法人などに遺贈した財産・特定の公益法人などに寄附した相続財産・特定公益信託のために支出した相続財産の明細書
(平成27年1月から3月までに相続又は遺贈により取得する財産に係る相続税の申告に当たっては、「1 純資産価額に加算される暦年課税分の贈与財産価額及び特定贈与財産価額の明細」の措置法第70条の2の3に係る注書の適用はありません。)

平成27年分以降用

PDF/1,871KB

第15表

相続財産の種類別価額表

平成26年分以降用

PDF/282KB

第15表(続)

相続財産の種類別価額表(続)

平成26年分以降用

PDF/284KB

第15表控用

相続財産の種類別価額表控用

平成26年分以降用

PDF/258KB

第15表(続)控用

相続財産の種類別価額表(続)控用

平成26年分以降用

PDF/259KB

参考:相続税の申告書等の様式一覧(平成27年分用)

 

相続税の修正申告書(平成27年度版)

各種表番号

表及び付表名

適用年月日等

容量(KB)

第1表

相続税の修正申告書

平成27年分以降用

PDF/612KB

第1表(続)

相続税の修正申告書(続)

平成27年分以降用

PDF/539KB

第3表・第8表2

財産を取得した人のうちに農業相続人がいる場合の各人の算出税額及び農地等納税猶予税額の計算書

平成27年分以降用

PDF/543KB

第3表(続)
第8表2(続)

財産を取得した人のうちに農業相続人がいる場合の各人の算出税額及び農地等納税猶予税額の計算書(続)

平成27年分以降用

PDF/526KB

第5表の付表

配偶者の税額軽減額の計算書(付表)

平成21年4月分以降用

PDF/881KB

第8の2表

株式等納税猶予税額の計算書

平成27年分以降用

PDF/1,322KB

第8の3表

山林納税猶予税額の計算書

平成27年分以降用

PDF/1,035KB

第8の4表

医療法人持分納税猶予税額・税額控除額の計算書

平成26年10月分以降用

PDF/1,393KB

第8の5表

納税猶予税額等の調整計算書

平成26年10月分以降用

PDF/1,031KB

第11・11の2表の付表1

小規模宅地等についての課税価格の計算明細書

平成27年分以降用

PDF/606KB

第15表

相続財産の種類別価額表

平成26年分以降用

PDF/325KB

参考:相続税の申告書等の様式一覧(平成27年分用)

 

相続税の申告先

・相続税申告の流れ」で紹介した作業と、相続税の計算および申告に必要な書類の作成が済んだら、亡くなった人の居住地の税務署に申告をしましょう。この申告は該当者が亡くなった日の翌日から10ヶ月以内に行わなければなりません

相続税の申告で注意すること

最後に相続税を申告する際の注意点を確認しておきましょう。

土地を相続する場合

土地を相続する場合は、その価値を金額換算しなければなりません。土地の評価は例年7月に国税庁から公表される『路線価』を参考にします。しかし、7月より前に相続が起きれた場合は、前年分の路線価を参考にしましょう。

債務と葬式費用の把握

相続財産を残して亡くなった人の、債務と葬式費用は相続財産から差し引くことができます。差し引いたことによって、相続財産が減少し基礎控除額内に収まる可能性もあるため、計算をし忘れないように注意しましょう。

相続財産として抜けやすい項目

相続財産を残して亡くなった人の財産はすべて把握しなければいけません。その中で抜けやすい項目は以下のようなものです。

  • ○亡くなった人が子供の名義を使って預けていた預金
  • ○亡くなった人が住んでいた老人ホームから戻ってきた入居一時金
  • ○亡くなった人が所有していた借地権

まとめ


必要書類が多数あり、手続きが難しい印象を受けたかもしれません。しかし、1つひとつ手順を踏んで準備していけば、1人で行うことも可能です。

もし不安に思うようであれば、税理士への依頼も検討してみましょう。

 

 

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KL2021・OD・157

この記事の監修者
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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