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親から子どもへの贈与で税金が有利に!3つの非課税制度と節税のポイントを解説

伊藤亮太(FP)
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親から子どもへの贈与を、より効果的におこないたいと考えている方もいるでしょう。

そのような場合は、贈与税の基礎控除や、相続時精算課税制度を有効活用するのがおすすめです。

また、住宅取得資金、教育資金、子育て資金などの贈与で使える非課税制度を利用するのもよいでしょう。

本記事では、子どもへの贈与を検討している方に向けて、以下の内容について説明します。

  • 親から子どもへの贈与は贈与税の課税対象になること
  • 贈与税が課されないケースや非課税財産として扱われるケース
  • 親から子どもへの贈与で贈与税の負担を軽減できる非課税制度
  • 非課税制度を利用せずに贈与税を節税するための3つのポイント など

本記事を参考に、親から子どもへ贈与をする際の贈与税をできる限り節税できるようになりましょう

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親から子どもへの贈与は贈与税の課税対象になる!

親から子どもへの贈与は、贈与税の対象です。

贈与税とは、「個人」から財産を贈与により取得したときに課される税金のことです。

財産を贈与する親は、この「個人」に当てはまるため、贈与税の課税対象となります

贈与税が課されないケースや非課税財産として扱われるケース4選

親から子どもへの贈与は贈与税の対象になりますが、以下のような例外もあります。

  • 受贈額の合計金額が年間110万円以下である場合
  • 扶養義務者から生活費・教育費が支払われた場合
  • 受贈者が相続時精算課税制度を利用した場合
  • 受贈者が贈与税の非課税特例を利用した場合

ここでは、贈与税が課されないケースや非課税財産として扱われるケースについて説明します。

1.受贈額の合計金額が年間110万円以下である場合

贈与税には、年間110万円以下の基礎控除枠が設けられています

そのため、受贈額の合計金額が年間110万円以下であれば贈与税はかかりません。

なお、贈与税は「受贈額の合計金額」に対して課されるという点には注意が必要です。

たとえば両親からそれぞれ110万円を受け取った場合は、合計額が220万円になるため贈与税が課されます。

2.扶養義務者から生活費・教育費が支払われた場合

相続税法第21条の3において、贈与税の非課税財産が規定されています

そのひとつが「扶養義務者間の生活費・教育費に関する贈与で、通常必要と認められるもの」です。

たとえば、学費、教材費、文具日、交通費、修学旅行の参加費などは、非課税財産として扱われます。

ただし、その都度仕送りや支払いをする必要があり、まとまって支払った場合は贈与税の課税対象になり得ます。

3.受贈者が相続時精算課税制度を利用した場合

親から財産を受け取った子どもが相続時精算課税制度を利用すれば、2,500万円まで贈与税が非課税になります。

相続時精算課税制度の基本的な利用条件は、以下のとおりです。

相続時精算課税制度の主な利用条件

  • 贈与者が60歳以上の父母や祖父母であること
  • 受贈者が18歳以上の子どもや孫であること
  • 相続時精算課税選択届出書を提出していること

ただし、同制度によって非課税になった贈与税の合計額は、相続財産に加算され相続税の課税対象になります

相続時精算課税制度の仕組みやメリット・デメリットなどは、以下のページで詳しく解説しています。

4.受贈者が贈与税の非課税特例を利用した場合

贈与税には、親から子どもに贈与したときに利用できる非課税特例がいくつかあります。

親から子どもに贈与したときに使える非課税制度の例

  • 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税制度
  • 直系尊属から教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度
  • 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度

それぞれの条件はありますが、利用できた場合は1,000万~1,500万円程度の受贈額が非課税となります。

これらの制度の詳しい特徴については、次項で詳しく解説します。

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贈与税の非課税特例3選|親から子どもへの贈与で有利になる制度

ここでは、親(直系尊属)から子どもへの一括贈与をした際に利用できる贈与税の非課税制度について説明します。

1.住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税特例

親から新築や中古住宅を購入するための費用を受け取った場合、最大1,000万円まで贈与税が非課税になります。

非課税限度額は取得する建物の種類によって異なり、以下のようになっています。

  • 省エネ等住宅の場合:1,000万円
  • 上記以外の住宅の場合:500万円

なお、同特例を利用するためには、床面積などの条件を満たしている必要があります。

2.教育資金の一括贈与を受けた場合の非課税特例

親から教育資金を受け取った場合は、最大1,500万円まで贈与税が非課税になります。

教育目的によって非課税限度額が異なり、以下のようになっています。

  • 学校等の場合:1,500万円
  • 学校等以外(塾や習い事)の場合:500万円

なお、同制度を利用する際には、事前に金融機関で専用口座を開設し、税務署に届け出ておく必要があります。

3.結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税制度

親から結婚資金や子育て資金を受け取った場合は、最大1,000万円まで贈与税が非課税になります。

非課税限度額は、お金の使い道が結婚か、子育てかで異なります。

  • 結婚の場合:300万円
  • 子育ての場合:1,000万円

結婚・子育て資金の贈与である場合にも、金融機関で専用口座を開設し、税務署に届け出る必要があるでしょう。

親から子どもへの贈与でできる限り贈与税を節税するための3つのポイント

贈与税の非課税制度などを活用するほか、以下のような方法でも贈与税を節税できます。

  • できる限り早い段階から贈与をする
  • 子どもが複数いるならそれぞれに贈与をする
  • 将来、価値が上がりそうな財産から贈与をする

ここでは、親から子どもへ贈与をする際にできる限り贈与税を節税するためのポイントを説明します。

1.できる限り早い段階から贈与をする

贈与税には、毎年110万円の基礎控除額があります。

そのため、早い段階から贈与を始めたほうが、より多く基礎控除額の恩恵を受けられるようになります。

なお「毎年110万円振り込む」などの贈与をしている場合、税務署に連年贈与と判断される可能性があります。

連年贈与と判断されると、毎年の贈与が1回の贈与として扱われてしまい贈与税の課税対象になってしまいます

2.子どもが複数いるならそれぞれに贈与をする

贈与税の基礎控除は、受贈者1人ずつに設けられています

そのため、子どもが複数いる場合は、それぞれに贈与することで、より効率よく贈与を進められます。

また、それぞれに贈与をしておくことで、相続が発生した際の特別受益のトラブルも防げるでしょう。

3.将来、価値が上がりそうな財産から贈与をする

不動産や株式などを贈与する場合は、将来、価上がりそうなものから選ぶのがおすすめです。

不動産や株式などの評価額は「時価」で決まり、この時価は時間の経過とともに変化します。

時期を適切に見極めることで、基礎控除の範囲内や低い贈与税率で贈与をおこなえるかもしれません。

親から子どもに対して贈与で非課税制度を利用する際の注意点

住宅取得資金・教育資金・子育て資金などを受け取り、非課税制度を利用する際は贈与税申告が必要になります。

贈与税申告の大まかな手順は、以下のようになっています。

贈与税申告の流れ

  1. 贈与税申告に必要な書類を用意する
  2. 税務署に贈与税の申告書などを提出する
  3. 期限までに申告した贈与税額を納付する

贈与税の申告期限は、贈与を受けた翌年2月1日から3月15日までなので、早めに準備をしておきましょう。

贈与税申告のやり方や申告書の書き方などは、以下のページで詳しく解説しています。

さいごに|親から子どもへの贈与のことなら税理士に相談しよう!

親から子どもへの贈与は、相続税の課税対象になります

しかし、親子間での贈与では非課税制度もあるため、より有利に贈与を進めることもできるでしょう。

親子間の贈与のことや贈与税のことで不安や疑問などがあれば、税理士に相談することをおすすめします。

非課税制度を利用できるのか、相続税の観点から贈与が有効なのかなどのアドバイスがもらえるでしょう。

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この記事の監修者
伊藤亮太FP事務所
伊藤亮太(FP)
資産運用・社会保障(特に年金)・保険を中心に提案を行っている。講演会や執筆物も多数。Webコンサルティングも行っており、幅広い提案が可能。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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