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非嫡出子とは|嫡出子との違いと相続におけるデメリット

弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
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非嫡出子(ひちゃくしゅつし)とは、法律上で婚姻関係を結んでいない男女の間に生まれた子供のことです。

一方、法律上で婚姻関係を結んでいる夫婦の間に生まれた子供は嫡出子と呼びます。

非嫡出子は、父親もしくは母親が認知することで相続権を得ますが、認知されないと相続人になることはできず、相続権もありません。

そのほかにも、非嫡出子と嫡出子では、相続の際の扱いが異なるケースがあります。

この記事では、相続における非嫡出子と嫡出子の違いや、非嫡出子であることのデメリットや問題点などを解説します。

非嫡出子で実の親の相続が開始した方へ

実の親の相続が発生したが、相続をする権利が無いのでは...と悩んでいませんか?

結論からいうと、非嫡出子であっても実の親の財産を相続する権利はあります。ただし、相続トラブルが発生する可能性があるため弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

 

弁護士に相談することで以下のようなメリットを得ることができます。

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後で分けるとしても、一旦相続放棄をして大丈夫でしょうか?
伯父(母の兄)が亡くなりました。 独身で子供はいません。 祖父母(母の父母)、母はすでに他界しています。 母は3人兄姉の末子です。 相続人は伯母(母の姉)、私、弟の3人です。 遺言書はありません。 全ての事を伯母が取り仕切ることになりました。 伯父所有の不動産、預貯金から諸費用等を引いて、伯母、私、弟で分けることになりました。 不動産、預貯金、諸費用等の額はこちらが聞いても一切教えてくれません。 自分と弟は相続放棄の手続きをするように言われ、署名捺印しました。 後で分けるとしても、一旦相続放棄の手続きをすることは一般的なのでしょうか? この方法で何か問題は無いですか?
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2世帯住宅同居の遺産分割について
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非嫡出子と嫡出子の違い

非嫡出子と嫡出子の違い

非嫡出子と嫡出子の違いは、婚姻関係のある夫婦の間に生まれた子供かどうかです。

ここでは、相続における扱われ方の違いについて解説します。

相続分の割合

相続分の割合

2013年9月5日に民法が改正されるまでは、非嫡出子と嫡出子で受け取れる相続分が異なっていました。

しかし民法が改正されたことで、現在はどちらも同じ額の相続が受けられます。

民法の改正の概要
1 法定相続分を定めた民法の規定のうち嫡出でない子の相続分を嫡出子の相続分の2分の1と定めた部分(900条4号ただし書前半部分)を削除し,嫡出子と嫡出でない子の相続分を同等にしました(注)。
2 改正後の民法900条の規定(以下「新法」といいます。)は,平成25年9月5日以後に開始した相続について適用することとしています。
(注)「嫡出でない子」とは,法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子をいいます。

【引用】民法の一部が改正されました|法務省

民法改正の背景には、2013年に最高裁判所によって「非嫡出子と嫡出子で相続分が異なることは、法の下の平等を定める憲法14条1項に反している」との判断が下されたことが影響しています。

相続割合の例

嫡出子・非嫡出子の法定相続分

例えば「被相続人の財産が1,200万円」という場合、民法改正前は以下のように分配していました。

  • 被相続人の配偶者:600万円
  • 子供A(嫡出子):400万円
  • 子供B(非嫡出子):200万円

一方、民法改正後の相続割合は以下の通りです。

  • 被相続人の配偶者:600万円
  • 子供A(嫡出子):300万円
  • 子供B(非嫡出子):300万円

嫡出子には3つの種類がある

嫡出子には3つの種類がある

摘出子には、以下の3種類に分類されます。

1:推定される嫡出子

摘出子推定とは、一定の時期に産まれた子供について摘出子であることを推定する制度です。

具体的には、婚姻して200日以降(200日目は含まない)に産まれた子供や、離婚(婚姻の解消)してから300日以内に産まれた子供などは嫡出子と推定されます。

(嫡出の推定)

第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。

2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

【引用】民法772条

2:推定されない嫡出子

一方、婚姻関係があっても、上記期間の範囲外で産まれた子供は、法律上嫡出子とは推定されません。

しかし、嫡出推定を受けない子供でも嫡出子として出生届を提出できるため、推定の有無で問題となる事例は多くありません。

3:推定の及ばない嫡出子

子供の出産時に夫が行方不明になっていたり、夫婦関係の断絶により離婚状態であったりする場合には、その子供が嫡出子であるかどうか判断できません。

このようなケースでは「推定されない嫡出子」として扱われますが、こちらも嫡出子として出生届を提出できます。

嫡出子と非嫡出子の判断時期

ここでは、嫡出子と非嫡出子の判断基準について解説します。

嫡出推定の考え方

嫡出子として推定されるのは、以下のようなケースです(民法772条)。

  • 婚姻関係を結んでから200日経過してから出産した
  • 離婚してから300日以内に出産した

出産後に婚姻関係を結んだ場合

出産後に婚姻関係を結んだ場合には、その子供は非嫡出子として扱われます。

親子関係であることを法律上で認めてもらうためには、父親による認知が必要です。

再婚時に連れ子がいる場合

再婚時に連れ子がいる場合には、その子供と新しい親は法律上の親子関係がありませんので認知できません。

法律上の子供として取り扱ってもらいたい場合は、養子縁組を結ぶ必要があります。

再婚禁止期間の考え方

女性には再婚禁止期間が設けられており、離婚後(婚姻関係の消失後)100日以内は新たに結婚できません。

再婚禁止期間は、「子供の父親が誰なのかを明らかにするために必要な期間」として定められています。

第七百三十三条 女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。

【引用】民法第733条

なお、離婚時に女性が妊娠していなかった場合には再婚禁止期間は適用されません。

また、再婚禁止期間中であっても、以下について医師が診断し、その書面を婚姻届とともに提出すれば受理してもらえます。

  • 離婚後一定期間、妊娠していないことが明らかなこと
  • 離婚後以降に子供を出産したこと
  • 離婚後以降に妊娠していること

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非嫡出子と認知の関係|問題点やデメリットとは

ここでは、認知の概要や、非嫡出子であることの問題点・デメリットなどを解説します。

認知とは?

認知とは、婚姻関係を結んでいない男女の間に生まれた子供について「実の子供である」と認めることを指します。

女性の場合、自分がその子供を出産したことは明らかであるため認知する必要はありません。認知は男性が行います。

手続きとしては、父親もしくは子供の本籍地にある役所に認知届を提出することで認知が受理され、子供や母親の同意は基本的には必要ありません。この手続きを任意認知と呼びます。

一方、出産前の子供を認知する場合は胎児認知と呼び、胎児認知では母親の同意が必要です。

認知で可能になることとそうでないこと

子供を認知した場合、以下の手続きが可能になります。

認知がなければ父親の財産を相続できない

非嫡出子とは「法律上親子関係が認められていない状態」であるため、認知されていない状態では父親の財産を相続できません。

父親による認知を受けることで親子関係が認定され、相続できるようになります。

認知がなければ父親に扶養請求ができない

認知されていない場合、その子供は父親に対して扶養請求できません。たとえ母親が「夫は子供の父親である」と確信していても、夫から否定されることもあります。

父親が認知しなければ子供は扶養を受けられないため、どうしても認知してもらいたい場合には認知の訴えを起こす必要があります。

この手続きによって父子関係が認められれば、裁判所の命令により認知の意思表示がされたことになり、扶養請求が可能です。

非嫡出子が嫡出子になるには?

非嫡出子が嫡出子に転換することを準正と呼び、準正には以下の2種類があります。

以下のどちらであっても、婚姻関係を結んだ後から嫡出子として認定されます。

  • 婚姻準正:認知後に両親が婚姻関係を結んだ場合
  • 認知準正:両親が婚姻関係を結んだ後に認知された場合

さいごに

民法改正によって、相続における非嫡出子のデメリットは解消された部分もありますが、認知の有無などによってはトラブルになることもあります。

相続トラブルを避けてスムーズに済ませるためにも、手続きなどで不安な点があれば一人で悩まず弁護士に相談することをおすすめします。

非嫡出子で実の親の相続が開始した方へ

実の親の相続が発生したが、相続をする権利が無いのでは...と悩んでいませんか?

結論からいうと、非嫡出子であっても実の親の財産を相続する権利はあります。ただし、相続トラブルが発生する可能性があるため弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

 

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  •   
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弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士 (第二東京弁護士会)
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
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本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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