ホーム > 相続コラム > 遺産分割 > 国際相続とは|法務手続きや遺産分割・相続税問題を徹底解説
公開日:2019.9.6  更新日:2022.1.14

国際相続とは|法務手続きや遺産分割・相続税問題を徹底解説

弁護士法人樋口国際法律事務所
樋口一磨 弁護士
監修記事
001
注目 遺産分割に関する弁護士相談をご検討中の方へ
Person
電話・メールOK
夜間・休日も対応
累計相談数
9万件超
遺産分割が得意な
弁護士から探せる
遺産分割が得意な
弁護士を探す

国際相続(こくさいそうぞく)とは、相続財産や相続関係者が国境をまたぐ相続のことを指します。外国人が日本で亡くなった、被相続人が外国に暮らしていた、相続人が外国に暮らしている、相続財産が外国にあるなど、国際的な要素がかかわる相続で、渉外相続とも呼ばれます。

もし被相続人や相続人が日本人であれば、相続手続きに必要な戸籍謄本類を取得することにそこまで難しい証明は要求されないでしょう。ですが、日本に住所がない場合、これらの書類を用意するのにも様々な壁が存在します。

また、被相続人が日本国籍であれば、原則として日本の法律が適用され、それに沿った相続が行われます。しかし、相続財産が海外にある場合には、その国のルールややり方に沿って、手続きをする必要が出てくることもあります。

国際相続はそれぞれのケースによって方法も違ってくるため、かなり難易度の高い相続手続きになります。法律の知識はもちろん、英語などのコミュニケーション能力、交渉力、調査能力、書類作成の力量も必要になるでしょう。

近年、日本でも海外に資産を分散させるケースが多くなりました。それに伴って、国際相続に対応できる弁護士に相談するケースも増えてくるでしょう。今回は国際相続についての内容や、弁護士に相談・依頼する際に参考になる知識をご紹介していきます。

国際相続を弁護士に相談すべき理由とは

海外の資産相続がからむ『国際相続』は、被相続人の国籍などによって、日本の法律なのか、海外の法律で進めるのかが変わります。どちらの法律で処理するか、海外資産の相続手続きをどのように行うのかは、国内相続の実務知識はもちろん、海外での実績もある弁護士でないと対応できませんので、海外資産の相続問題でお困りの方は【弁護士へご相談】ください。

国際相続の基礎知識

国際相続では何が一番問題になるの?

遺産分割はどう進めればよいの?

検認裁判(プロベート)って何?

海外に不動産を持っている場合

相続税の扱いってどうなるの?

なぜ弁護士に相談する必要があるのか?

弁護士費用っていくらかかるの?

どんな弁護士に相談するのは良いのか?

この記事に記載の情報は2022年01月14日時点のものです

国際相続で海外に遺産がある場合の手続き

国際相続は、相続にかかわる人が海外にいたり、海外に遺産があったりする場合の相続のことを指します。

具体的には、被相続人や相続人の全員、または一部の人が外国人であったり、外国に居住している場合、あるいは関係者すべてが日本に居住する日本人の相続であっても、財産の全部または一部が海外にある場合は国際相続となります。

このような相続では、適用される法律が変わってくることから、難しい手続きが要求される可能性があります。まずは国際相続に関する基本的な手続きについて見ていきましょう。

国際相続の基本的な考え方

国際相続は「被相続人」基準で適用法律が決まる

日本では、外国人や海外の財産が絡む相続について、「法の適用に関する通則法」36条・37条が規定しています。

(相続)
36条 相続は、被相続人の本国法による。
(遺言)
37条 遺言の成立及び効力は、その成立の当時における遺言者の本国法による。
2 遺言の取消しは、その当時における遺言者の本国法による。

引用元:法の適用に関する通則法

日本における国際相続は「被相続人」基準で適用法律が決まります。被相続人が日本人である場合には、原則として日本の法律に沿った相続が行われることになります。

よって、単に相続人に外国人の方がいるというだけの場合には、財産の分け方についてはあまり複雑な問題は生じないかもしれません。もっとも、その相続人の戸籍や印鑑証明等に代わる書類を収集しなければならないなどの手間がかかります。

外国の法律が問題となりうる

被相続人が外国人の場合はもちろんのこと、被相続人が日本人であっても、相続財産の全部または一部が海外にある場合は、適用される法律が変わってきます。

言い換えれば、被相続人が外国人の場合はその母国法が、被相続人の財産が海外にある場合には日本とその国の法律が、それぞれ適用される可能性があるというわけです。

というのも、日本の民法の場合は、動産・不動産いずれも、日本にある限りは一律で日本の法律が適用されることになっています。

ですが、海外の法律では動産は○○の国の法律、不動産は○○の国の法律を適用するといったものや、そもそも財産の所在地の法律を一律適用とするといったもの、また税法上の取扱いの違いなど、様々な内容があります。

したがって、国際相続に該当する場合には、様々な法律を調べ、見比べた上での高度な手続きが要求されるということになるのです。

被相続人・相続人に海外居住者(外国籍の方)がいる場合

被相続人や相続人が外国人(外国籍)の場合、どこの国の法律が適用されるかが問題になります。

相続人が外国籍の場合

国際結婚をした日本人が、外国で生活をしている最中に死亡した場合の相続では、その相続は原則として日本の法律に則って行うことになります。

問題なのは、相続人の中に外国籍の方が含まれる場合です。結論としては、極端な話、相続人全員が外国人であっても、被相続人が日本国籍を有していれば日本の法律が適用されます

また、被相続人が相続開始時に外国で生活していたとしても、日本国籍を有していれば、原則として日本の法律が適用されます

被相続人が外国籍の場合

逆に、国際結婚をした日本人の配偶者(外国人)が死亡して発生した相続では、被相続人が外国籍となれば、その相続は配偶者(被相続人)の本国の法律に従うことが基本となります。

つまり、生活の拠点が日本で、また相続人が全員日本人であっても、日本の法律だけでは解決しないということです。

海外・外国に相続財産がある場合の相続

被相続人と相続人が、ともに日本国籍で日本に居住していても、相続財産が海外にあるケースでは面倒なことが起きます。被相続人が海外に資産を分散するため、海外金融商品や海外不動産などに投資をしている場合が考えられます。

この場合は、相続人の国籍・居住地、財産の所在によって、相続税の課税区分が変わってきます。

遺産分割の方法は?

相続財産が海外にある場合でも、被相続人が日本人である場合は、相続人同士で「遺産分割協議」をして遺産相続を行うという流れは変わりません。ただ、海外にある財産は日本の法律に従って遺産分割をしても、必ずしも遺産分割の効力が認められるとは限りません。

相続財産について、日本では動産・不動産またその所在の区別なく、日本の民法を適用するという『相続統一主義(※1)』を採用しています。

しかし、国際相続の場合は、これらを区別して考える『相続分割主義(※2)』を採用している国もあるということを踏まえなければなりません。

※1 相続統一主義とは

遺産の種類に関係なく被相続人の本国法を相続の準拠法にする制度。準拠法とは、国際私法の観点からどちらの国の法律に準拠(よりどころにしよう)と決める法律。

※2 相続分割主義とは

遺産の中に不動産があった場合は『不動産の所在地の法律を準拠法』とし、『それ以外の遺産は被相続人の住所地法を相続の準拠法とする』制度。住所地法とは国際私法の観点から、当事者の住所が存在する国を準拠法として決定するための法律。

したがって、まずは財産の所在を調べ、財産所在地の相続法を調べた上で、実際にどのような手続きが必要なのかを把握しなければならないのです。

なお、被相続人が在日外国人である場合には、遺産分割の方法から、まずは被相続人の本国法を調べてみる必要があると考えるべきです。

相続財産に不動産がある場合は要注意

日本の法律では、動産と不動産の区別をしない相続統一主義を採用しています。外国では不動産の相続は不動産所在地の法律によって処理すると定めている場合があります(遺産分割主義)。

アメリカなど英米法圏はこの主義を採用しており、相続分割主義を採用している国との間で国際相続が発生した際、国際私法の解釈だけでは解決しない場合があります。

相続統一主義の国

・被相続人の最後の住所地を基準とする住所地法主義
スイス、デンマーク など

・被相続人の国籍を基準とする本国法主義
日本、韓国、ドイツ、オランダ、ブラジル、イタリア など

相続分割主義の国

アメリカ、イギリス、フランス、中国 など

ただし、アメリカの場合は州によって取り扱いが異なる場合がありますので、より注意が必要になります。また、これらはあくまで参考程度の表ですので、最新の法制度と合致しない可能性があります。詳しいことは弁護士等の専門家への相談をおすすめします。

国際相続を弁護士に相談すべき理由とは

海外の資産相続がからむ『国際相続』は、被相続人の国籍などによって、日本の法律なのか、海外の法律で進めるのかが変わります。どちらの法律で処理するか、海外資産の相続手続きをどのように行うのかは、国内相続の実務知識はもちろん、海外での実績もある弁護士でないと対応できませんので、海外資産の相続問題でお困りの方は【弁護士へご相談】ください。

国際相続が発生した場合に備えておくべきこと

海外に相続対象になりうる財産を所有されている方は、ご相続人が相続が発生した場合に困らないよう、あらかじめ備えておく必要があります。突発的な事故や病気などで財産の管理が難しくなることもあるでしょう。

今のうちから配慮しておくことも重要といえますね。

まずは財産目録の作成を進めておく

財産目録」とは、相続財産に何があるのかが一覧できる表のことです。プラスの財産はもちろんのこと、借金、負債といったマイナス財産などもすべて記入しておくことが望ましいです。

日本では作成される方はあまりいらっしゃいませんが、相続トラブルの回避をしたいのであれば作成をおすすめしています。これが国際相続であればなおのことですね。


【簡単3ステップ】財産目録を作成したい方必見!

財産目録かんたん作成ツール

⇒ 財産目録で全ての財産内容を管理すると、共同相続人による財産隠しの予防ができるかもしれません。

検認裁判(プロベート)の有無について確認する

財産の把握ができたら、国際相続の相続手続きにおいて、検認裁判(プロベート)と呼ばれる裁判手続きが必要となる国かどうかの確認をします。プロベートとは、被相続人の財産をどう分けるか裁判所上で決めていく手続きのことで、下記のような手順で進んでいきます。

  • 裁判所が人格代表者を任命
  • 人格代表者が裁判所管理の下で遺産分割を進め、諸経費も支払う
  • 裁判所による遺産分割の許可をもらう
  • 相続財産を受け取る

検認裁判が行われると、被相続人の財産は「遺産財団」として扱われ、裁判所から任命された人格代表者が日本でいう「遺言執行者」または「相続財産管理人」として、手続きを進めることになります。

国際相続における相続税の問題

海外に財産があるケースでも、『居住無制限納税義務者』に該当する場合は、国内海外問わずすべての財産に相続税がかかります。海外の財産が相続税の課税対象とならないのは、被相続人及び相続人それぞれが10年を超えて日本に居住していないケースなどに限られます(制限納税義務者)。

(1) 居住無制限納税義務者

 相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者であって、その財産を取得した時において日本国内に住所を有するもの。

イ 一時居住者でない個人

ロ 一時居住者である個人(その相続又は遺贈に係る被相続人(遺贈をした人を含みます。)が、一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除きます。)

引用元:国税庁

非居住無制限納税義務者』(財産を取得した時に日本国内に住所を有しない者)に該当する場合、相続・遺贈で取得した財産は非課税となりますが、下記の条件を満たす必要があります。

  1. 日本国籍を有する個人である場合
  • 相続または遺贈に係る相続開始前10年以内に日本国内に住所を持っていたことがある個人
  • 相続または遺贈に係る相続開始前10年以内に日本国内に住所を持っていたことがない、一時居住被相続人または非居住被相続人である場合を除く個人
  1. 日本国籍を有しない個人である

参考:国税局

国際相続を弁護士に相談する場合に見るべきポイント

国際相続は深い相続知識が求められますので、遺産相続分野を得意とする弁護士を選ぶことは大前提です。基本的には以下の項目を参考にしながら、遺産相続が得意な弁護士かどうかをご判断いただくのがよいでしょう。

  1. 海外相続・国際相続の実績があること
  2. 現地の専門家(税理士など)にコネクションがあること
  3. 遺産相続に関する著作・実績のある弁護士
  4. 相続税のことまで考慮して遺産分割を行ってくれる弁護士
  5. 依頼時の費用を明確に説明してくれるか
  6. 依頼者に不利な情報も教えてくれるか
  7. 対応や返信が早いかどうか

まとめ|専門知識を持つ弁護士を探そう

国際相続に関する内容は以上になりますが、調べれば調べるだけ、手続きが複雑かつ非常に手間のかかることがわかると思います。もし外国に財産がある場合や相続人・被相続人が外国籍の場合は、一度弁護士に相談していただくことをおすすめします。

 

【最短30秒】ユーザーアンケートに回答する

 

 
 相続弁護士ナビでは、よりよいコンテンツを提供するためにアクセスいただいたユーザーの声を募集しております。
 8問選択式の簡単なアンケートですので、ぜひご協力ください。
 
アンケートに回答する
 
東京
神奈川
千葉
埼玉
大阪
京都
Office info 3581 w220 終活弁護士 武内優宏 (法律事務所アルシエン)

●豊富な実績で安心●書籍執筆実績多数!●相続問題は『終活弁護士』武内にお任せを!遺言に納得いかない/遺産の分割で揉めているなど、他の相続人の感情面も踏まえサポート!《解決事例掲載中!詳細は写真をクリック

事務所詳細を見る
Office info 202005191848 28581 w220 弁護士大村隆平(雨宮眞也法律事務所所属)

●過去に解決した相続事件は150件以上●相続事件に専念し(相続事件以外は扱っておりません)、相続事件の対応には自信あり●経験(知識)と若さ(親しみやすさ)を両立させている点が弁護士大村の強みです

事務所詳細を見る
Office info 202003191314 10771 w220 シャローム法律事務所

【弁護士歴15年の弁護士が在籍】【休日相談|調布駅から徒歩3分】【遺産分割/遺産の取り分に納得できない方】不当な遺産分割の請求を受けている方、ご相談下さい。当事務所が正当な利益をお守り致します。

事務所詳細を見る
Office info 202104151851 31171 w220 弁護士法人トライデント

●高額な遺産分割でお悩みの方●《預金・株・不動産》など分割方法が複雑になる遺産分割もお任せください。所属弁護士5名全員、公認会計士の資格を所持/法律と会計の両面から適切な遺産獲得に自信がございます

事務所詳細を見る
東京都の弁護士一覧はこちら
弁護士費用をカバーする保険「ベンナビ弁護士保険」
弁護士費用を補償

親族・親戚間の遺産争い・兄弟間での遺留分の争い・相続放棄による争い・遺言書に起因する争いなど、遺産相続トラブルが発生した際に、専門家に相談したくても費用がネックになり、自分で解決しようとして余計に問題がこじれてしまうというケースが多くあります。

いざという時のための保険が弁護士費用保険です。
遺産相続トラブルに限らず、労働問題や離婚トラブル、交通事故など様々な法律トラブルでも利用可能です

弁護士費用保険について詳しく見る ≫

KL2021・OD・157

この記事の監修者
弁護士法人樋口国際法律事務所
樋口一磨 弁護士 (東京弁護士会)
【国際性の絡む相続】を中心に多くの相談・解決実績がある。北米・EU圏などアジア圏以外の地域にも多くのコネクションを有し、アメリカでの実務経験を活かした海外不動産の相続、金融資産の処理などが得意。

遺産分割に関する新着コラム

遺産分割に関する人気コラム

遺産分割の関連コラム

海外資産の相続・国際相続を弁護士に相談すべき理由
国際相続に詳しい法律事務所に依頼するメリットとは?

国際相続は、被相続人の国籍などによって、日本の法律なのか海外の法律で進めるのかが変わります。日本と外国、どちらの法律で処理するのか、海外資産の相続手続きをどのように行うのかは、国内相続の実務知識はもちろん、海外での実績もある弁護士でないと対応できません。

 


国際相続に詳しい弁護士に依頼すると・・・
・被相続人が持つ海外資産の価値を試算してくれる
・現地の専門家と協力して手続きを代行してくれる
・海外の専門家でないと扱えない不動産の売買も依頼できる
相続税の計算、節税の方法も協力してくれる など

 


当サイト『相続弁護士ナビ』では、国際相続に詳しい弁護士も掲載しておりますので、海外資産の相続問題でお困りの方はご活用ください。

SNSで記事をシェアする

相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
遺産分割

遺産分割をもっと知りたいあなたに

Icon search white 相談内容から弁護士を探す
Category souzokutrouble normal Category tsukaikomi normal Category isanbunkatsu normal
Category iryubun normal Category souzokuhouki normal Category yuigon normal
Category daisyusouzoku normal Category seinenkouken normal Category fudosan normal
Category souzokunin normal Category souzokuzaisan normal Category souzokutouki normal
Category shintaku normal Category jigyoushoukei normal
Sidebar writer recruit