遺産相続は人生のうちに何度もあるものではないので、初めて相続登記(不動産の名義変更)をするという人も多いのではないでしょうか。
相続登記というと難しく聞こえるかもしれませんが、ご自身で行えないわけではありません。
この記事では、
- 公正証書遺言があるときの相続登記はどんな書類が必要か
- 相続登記手続きの流れ
- 相続登記を専門家に依頼した場合にかかる費用
などをお伝えしていきます。ご自身で相続登記ができそうかどうかの判断材料にしていただければ幸いです。
相続登記の方法がよくわからないあなたへ
相続登記の方法がわからず悩んでいませんか?
結論から言うと、相続登記は自分ですることも可能です。
自分で登記手続きをするのが不安な場合、弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
弁護士に相談することで以下のようなメリットを得ることができます。
- 自分で相続登記する方法を教えてもらえる
- 相続登記に必要な書類について教えてもらえる
- 依頼すれば、相続登記申請書の作成などの業務を一任できる
当サイトでは、相続登記をはじめとする相続問題を得意とする弁護士を地域別で検索することができます。
無料相談はもちろん、電話で相談が可能な弁護士も多数掲載していますので、まずはお気軽にご相談ください。
この記事に記載の情報は2024年02月28日時点のものです
公正証書遺言がある場合の相続登記で必要な書類
公正証書遺言に基づいて名義変更をするときは以下の書類が必要です。
必要な書類
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取得する場所
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戸籍謄本(遺言者・遺言に記載のあった相続人)
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本籍地を管轄している市区町村役所
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不動産を相続する人の住民票
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住んでいる市区町村役所
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固定資産税評価証明書
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市区町村役所(※東京23区の場合:都税事務所)
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登記簿標本(不動産の登記事項証明書)
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法務局
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被相続人(亡くなった人)の住民票の除票
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被相続人が住んでいた市区町村役所
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相続登記を公正証書遺言に記すメリット
公正証書遺言に相続させたい不動産のことを記載することで以下のメリットを得られます。
- 公正証書遺言に相続させたい不動産を記しておけば検認手続き(※)が必要ない
- 遺言がない場合に比べて書類が少ない(遺産分割協議書などが不要なため)
- 被相続人の意思通りに不動産を相続できる
(※)検認手続き
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遺言書を家庭裁判所に提出する手続きのこと。
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相続登記の手続きの流れ
以下が相続登記の手続きの流れです。
- 登記事項証明書(登記簿標本)を取得する
- 戸籍・住民票・評価証明書などを集める
- 相続登記申請書類を作成する
- 相続登記を申請する(郵送でも可)
>相続登記の手続きについて詳しく知る
相続登記をしないことで生じるデメリット
相続登記に期限はありませんが、いつまでも手続きしないと以下のようなデメリットが起きます。
- 不動産の処分ができない
- 他の相続人の誰かに相続登記される可能性がある
- 次回の相続時に手間が増える可能性がある
デメリットを防ぐためにもできるだけ相続登記は早めに行いましょう。
ただし、2024年4月からは相続登記が義務化されます。
相続登記を専門家に依頼したときの費用
司法書士と弁護士に依頼したときにかかる費用についてお伝えしますので参考にしてください。
司法書士に相続登記を依頼したときの費用
司法書士に依頼したときにかかる実費と報酬の費用相場を表にまとめました。
実 費
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・法務局に納める登録免許税
(相続によって名義変更が必要な不動産の固定資産評価額合計×0.4%)
・登記事項証明書(不動産1個につき600円程度)
・戸籍謄本類の発行手数料
・郵便代
・定額小為替の発行手数料
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司法書士報酬
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具体的に○○円と明記はできませんが、大体5万円〜10万円未満。
また下記の要件によって増減します。
・相続によって名義変更が必要な不動産の場所と数
・単独所有と共有が混在していないかの有無
・亡くなった相続人の有無を調べる
・作成が必要な書類の内容等の事情 など
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>相続登記を司法書士に依頼すべきケースについて知る
弁護士に相続登記を依頼したときの費用
弁護士費用は、法律事務所によって異なります。
しかし、旧弁護士規程(平成16年3月31日まで定められていた弁護士の報酬規程)を利用している法律事務所も少なくありません。
以下に旧弁護士規程の弁護士費用の相場を表にまとめました。
法律相談
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初回法律相談料
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一般法律相談料
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書面による鑑定
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30分ごとに 5,000円から1万円の範囲内の一定額
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30分ごとに5,000 円以上、2万5,000円以下
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複雑・特殊でないときは、10万円から30万円の範囲内の額
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経済的利益の額
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着手金
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報酬金
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300万円以下の部分
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8%
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16%
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300万円を超え3,000万円以下の部分
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5%+9万円
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10%+18万円
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3,000万円を超え3億円以下の部分
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3%+69万円
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6%+138万円
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3億円を超え部分
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2%+369万円
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4%+738万円
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>相続登記を弁護士に依頼すべきケースについて知る
>相続登記にかかる費用を詳しく知る
まとめ
公正証書遺言があることで、遺言書なしの場合に比べて検認手続きが不要だったり、必要書類も少なかったりなどメリットがあります。
役所の人に聞きながら手続きすればご自身でも問題なく行えるでしょう。
しかし、ご自身で複雑な手続きをする自信がなかったり、手続きの手間を省きたい方は弁護士などの専門家に依頼することをおすすめします。
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