ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ) > 相続コラム > 土地・不動産相続 > 相続登記にかかる登録免許税はいくら?計算方法や納付の手順まで解説
更新日:

相続登記にかかる登録免許税はいくら?計算方法や納付の手順まで解説

川村 勝之
監修記事
注目 不動産相続に関する弁護士相談をご検討中の方へ
電話・メールOK
夜間・休日も対応
累計相談数
9万件超
不動産相続が得意な
弁護士から探せる
不動産相続が得意
な弁護士を探す

不動産を相続する際は、相続登記手続きをおこない、取得した財産の名義変更をおこないます。

手続きには、相続登記申請書や被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本などを準備し、あわせて「登録免許税」の納付も必要です。

登録免許税とは、不動産を登記・登録するときに課される税金で、登録免許税を納付しなければ登記申請は却下されます。

登録免許税を納付する際は、自分で相当額を計算して納付する必要があります。

計算方法を間違えて納付額が不足してしまうと、税務署から不足分を徴収されることもあるため、正しい計算方法を押さえておきましょう。

本記事では、相続登記の際に納付する登録免許税の計算方法や、支払いが免除されるケースなどについて解説します。

不動産の相続の無料法律相談
相続予定の不動産を名義変更せずに売却できますか?
一年半前に両親が亡くなり、 姉弟3人で実家(家、土地、田んぼ)を相続する事になりました。 みんな実家を離れて暮らしている為、売却したいと考えています。(実家は父親名義です) しかし、姉弟のうち1人(弟)と連絡が取れず、名義変更ができず相続も出来ずにいます。 このような場合、名義変更せずに実家を売却することは可能なのでしょうか?
詳細を見る
生前の不動産分与で孫1人にいくのを阻止できますか
高齢の父が姉家族の家で同居となり、手狭になる為、甥が出て父の家に住む事になりました。 昔から実家は私と姉の2人に分けると父が言っており、今回の同居が決まった春頃も、実家を査定した半額を、甥か自分が払うと父が私に言っていましたが、その後何も知らされず、先日父から、実家は甥である孫がもうすぐリフォームしてから住む(名義はどうなってるのかわかりません)、 私への分与は言った覚えはないし無いと言われ逆上されました。私には義兄が父をうまく転がしているとしか思えません。 姉とは意見の違いで2年前から疎遠です。 この場合、私の半額取り分の可能性はありますか? 又実家が私に知らされぬまま、姉家族の誰かの名義になっていた場合、私の反論の余地は法的には認められるのでしょうか。 お忙しい中申し訳ありませんが ご返答宜しくお願いします。
詳細を見る
売買によって所有者が変わった場合の、土地の時効取得について
現在私が居住している土地について、隣地の所有者から土地をはみ出してブロック塀などを 建てていると指摘を受けており、時効取得が成立するかを相談させて下さい。 土地の経緯としては、 1990年に駐車場として整備され、アスファルトが敷かれていました 2018年に私は駐車場の土地を購入し、アスファルトを剥がして家を建てました。     この時にコンクリートを打ったり、ブロック塀を建てたりしています。 2024年になって、隣地の所有者から土地をはみ出していると指摘がありました。 整理すると、 駐車場として28年間土地をはみ出してアスファルトが敷かれており、 駐車場が土地をはみ出していると知らずに、私が購入して5年以上が経過しています。 この場合、駐車場が開設された1990年に遡ると合計で約34年間土地をはみ出して占有していたことになります。 これにより土地の時効取得が成立するのでしょうか? それとも、私が占有を開始した5年間とみなされて事項は成立しないのでしょうか? 詳しい方がいらっしゃればお教え頂けると幸いです。
詳細を見る
相続できるものの一部相続放棄
昨年6歳で生き分かれた父親が死亡し遺産相続をすることになりました。実母とはその時離婚してそのあと再婚しています。私が2人兄弟、再婚相手も2人兄弟います。 預貯金と土地建物を相続できるようなのですが預貯金を4等分して相続する話はついていますが土地建物は時間がかかります。それまでにいろいろと税金や諸手続きをしないといけないようですが再婚相手の兄弟は大阪に住んでいて電話でのやり取りしかできません。なのでこちらで売却等をしてもらえないかと言われていますが自宅から離れていてままなりません。
詳細を見る
もっと見る

登録免許税の計算方法

登録免許税は国に納める税金です。

以下の計算式を用いて自分で算出し、金融機関を通じて現金で納付するか、収入印紙(3万円以下の場合)にて納付します。

オンライン申請の場合には、電子納付も可能です。

まずは計算の手順について確認しましょう。

登録免許税=不動産の価格(課税額)×税率0.4%

不動産の価格(課税価格)に税率0.4%をかけた額が登録免許税となります。

計算式は以下のとおりです。

  • 登録免許税=不動産の価格(課税価格)×税率0.4%(4/1,000)

なお、上記の計算式で算出する際、100円未満は切り捨てます。

課税価格は不動産の評価額

「固定資産評価証明書」に記載されている不動産の評価額が1,000円以上の場合、1,000円未満を切り捨てた額が不動産の価格、すなわち「課税価格」となります(国税通則法118条1項)。

つまり、不動産の評価額が236万8,540円の場合、1,000円未満は切り捨てられるため、課税価格は236万8,000円となります。

また、同一の申請書で複数の不動産の登記申請をする場合は、不動産の評価額を合計したうえで1,000円未満を切り捨てた額が課税価格となります。

たとえば、上記不動産に加えて134万6,320円の不動産の登記もおこなう場合、両不動産の評価額の合計は「236万8,540円+134万6,320円=371万4,860円」となり、1,000円未満を切り捨てて371万4,000円が課税価格となります。

さらに、不動産を共有する場合は、当該不動産のうち移転した持分に相当する価格の1,000円未満を切り捨てた額が課税価格となります。

たとえば、236万8,540円の不動産の4分の3の持分を移転する場合、不動産の価格は「236万8,540円×3/4=177万6,405円」となり、1,000円未満を切り捨てて177万6,000円が課税価格となります。

なお、不動産の評価額が1,000円に満たない場合、課税価格は1,000円となります(登録免許税法15条)。

固定資産評価証明書は固定資産課税台帳で確認できる

「固定資産評価証明書」は固定資産課税台帳に登録されており、課税価格を計算するためには台帳の確認が必要です。

相続登記時は、固定資産評価証明書を添付するのが一般的です。

当該不動産を管轄する市区町村で発行されているので、本人確認ができる証明書等を持参しましょう。

登録免許税の計算例

ここでは、登録免許税の納付額について、具体例をあげて計算します。

計算例①:不動産を複数相続する場合

課税価格が334万5,000円の建物と、852万3,000円の土地を相続したケース」を考えてみましょう。

この場合、課税価格の合計は「334万5,000円+852万3,000円=1,186万8,000円」となり、これに税率0.4%をかけると「1,186万8,000円×4/1000=4万7,472円」となります。

100円未満は切り捨てるので、登録免許税は4万7,400円となります。

計算例②:不動産を共有する場合

次に、不動産を共有する場合で考えてみましょう。

上記建物の3分の1、上記土地の3分の2を相続した」とします。

この場合、建物の課税価格は「334万5,000円×1/3=111万5,000円」、土地の課税価格は「852万3,000円×2/3=568万2,000円」となり、両者の合計は679万7,000円です。

これに税率0.4%をかけると「679万7,000円×4/1000=2万7,188円」となり、100円未満を切り捨てて、登録免許税は2万7,100円です。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
不動産の相続に強い弁護士を探す

登録免許税の減免条件

登録免許税の減免条件

相続登記をする際、通常は登録免許税を納付しますが、税制改正により、特定の条件を満たせば相続された土地の登録免許税が免除されるようになりました。

免税措置を受けられるケースとしては、以下の3つがあります(租税特別措置法84条の2の3)。

  1. 土地を相続した相続人が、相続登記しないまま亡くなった場合
  2. 土地の評価額が100万円以下の場合
  3. 土地の表題部所有者が亡くなっており、相続人が所有権保存登記をおこなう場合

なお、各ケースには細かく要件が定められており、詳細は法務局ホームページで確認できます(法務局|相続登記の登録免許税の免税措置について)。

>登録免許税の免税措置について詳しく知る

申請書への記載が必要

登録免許税の免税措置を受けるためには、登記申請書を作成する際に以下のように記載する必要があります。

  • ①の場合:「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」
  • ②の場合:「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」
  • ③の場合:「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」

もし申請書に上記の記載がなければ免税措置を受けることができないので注意が必要です。

申請書の書式や記載例は、上記ホームページで確認しましょう。

登録免許税の納付方法

登録免許税の納付方法は以下のとおりです。

納税期限

相続登記には期限がないため、登録免許税にも期限は設けられていません

しかし、固定資産評価証明書に記載された不動産の評価額を基準に登録免許税の納付をおこなう場合、固定資産評価証明書の発行年度内(4月1日~翌年3月31日まで)に納付する必要があります。

不動産評価額は、建物の場合は3年に1度、土地の場合は実情に応じて変わる可能性があります。

そのため、固定資産評価証明書が発行された年度内が実質的な登録免許税の納税期限といえるでしょう。

なお、証明書は最新のものを準備する必要があります。

現金で納付

登録免許税は、原則として、金融機関を通じて現金で納付します(登録免許税法21条)。

銀行などの金融機関で登録免許税に相当する金額を納付し、その領収書を登記申請書に貼り付けて申請します。

3万円以下なら印紙で納付可能

登録免許税が3万円以下の場合は、収入印紙を登記申請書に貼り付けて提出することもできます(登録免許税法22条)。

収入印紙は郵便局で購入でき、大きな登記所であれば所内に印紙売場があるところもあります。

なお、申請書に貼り付ける余白がない場合は、別の用紙に貼り付けて申請書に綴じ込み、申請書との綴り目に申請人が契印しましょう。

まとめ

登録免許税は、相続登記の際に必ず納めなくてはならない税金です。

なお、不明点は各法務局にある相談窓口に問い合わせることもできます。

相談窓口では、相続登記に関する相談を無償で受け付けてくれるので、有効活用してください。

今すぐ無料相談電話相談OKの弁護士が見つかる!
ベンナビ相続で
不動産の相続に強い弁護士を探す

この記事をシェアする
この記事の監修者
リフト法律事務所
川村 勝之 (千葉県弁護士会)
相談者に選択肢を提示し、最も理想に近い解決法を共に考えることを心がけており、コミュニケーションの取りやすさに定評あり。税理士・司法書士・公認会計士などの他士業と連携したトータルサポートも魅力。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

土地・不動産相続に関する人気コラム

土地・不動産相続に関する新着コラム

ベンナビ相続
1分間の入力で
あなたの不動産の
価格を一括査定
一括査定に進む
相談内容から弁護士を探す
相談員

相談内容を選択してください

金アイコン
もらえる慰謝料を増額したい方
弁護士の方はこちら
損をしない相続は弁護士にご相談を|本来もらえる相続対策も、弁護士が適正に判断|あなたの状況に合った損をしない解決方法を、遺産相続に強い弁護士がアドバイスいたします。|お問い合わせ無料