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相続で司法書士に依頼できることとその費用|メリットや依頼がおすすめなケースも紹介

ソルバ司法書士事務所
塩谷 賢一朗
監修記事
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  • 「相続財産のなかに不動産があるが、司法書士に相続登記を任せる場合はいくらかかるのだろう」
  • 「司法書士にはどんな相続手続きを任せられて、どのくらい費用がかかるのだろう」

相続登記などの手続きを司法書士に任せたいものの、どのくらい料金がかかるか分からず不安を感じていませんか。

司法書士には相続登記以外の手続きも依頼できるので、その費用も気になるところです。

本記事では、相続登記をはじめ司法書士へ依頼できる相続手続きの内容や司法書士費用の相場、司法書士に依頼すべきケースなどを解説しています。

本記事の内容を理解すれば、費用などの心配をせずスムーズに司法書士へ相談できるようになるでしょう。

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相続で司法書士に依頼できること

相続において、司法書士にどのようなことが依頼できるのかについて説明します。

もっとも依頼する人が多いのは相続登記

相続手続きで司法書士といえば、相続登記を連想する人が多いのではないでしょうか。

相続登記とは、土地や家など不動産の所有者が亡くなった際に、不動産の名義を変更する手続きを指します。

2024年4月1日から相続登記を義務化する法律が施行され、正当な理由なく登記をおこなわなかった場合は、10万円以下の過料が科せられる可能性もあるのです。

司法書士は不動産登記を得意としており、相続手続きにおいては多くの方が相続登記に関する手続きや書類の作成を司法書士に依頼しています。

相続登記を依頼できるのは、相続全般の対応が可能な弁護士をのぞくと司法書士のみです。

相続登記以外に司法書士へ依頼できること

相続手続きにおいて、司法書士に依頼できるのは相続登記だけではありません

下記のようなことも、司法書士へ依頼することが可能です。

  • 戸籍謄本などの収集をはじめとする相続人調査
  • 評価証明書や残高証明書の取得、信用情報機関への債務照会など相続財産調査
  • 相続放棄の申述書作成
  • 相続財産管理人選任の申立書作成
  • 遺産分割協議書の作成
  • 預貯金の解約払戻し
  • 株式や投資信託など、有価証券の名義変更や解約
  • 相続手続きに関する相談やアドバイス※相続人同士のトラブル解決や交渉はできない
  • 遺言や任意後見契約、家族信託契約など生前対策のサポート

依頼があれば、司法書士は生前対策から相続発生後まで、幅広く業務を任せることができます

ただし、相続放棄や相続財産管理人選任などは書類作成のみが対応でき、家庭裁判所への申立てを代理することはできません

相続について司法書士に依頼した場合の費用

相続手続きで司法書士に依頼した場合にかかる主な費用は、司法書士への報酬と実費です。

司法書士の報酬に定めはなく、自由に決めることができます。

そのため、依頼する司法書士によってさまざまです。

実費とは、相続手続きに必要な書類の手数料や相続登記にかかる登録免許税など、司法書士の報酬以外で発生する具体的な費用を指します。

ここでは、相続手続きについて司法書士に依頼した場合の費用はどのくらいか、おおよその相場を紹介します。

司法書士へ依頼する際の参考にしてください。

実際の費用は司法書士によって異なるので、あらかじめ見積もりをとるなどして確認する必要があります。

相続登記にかかる司法書士費用

相続登記では、「司法書士報酬」と、実費として「必要書類の取得費」「登録免許税」「不動産の調査費」が主にかかります。

金額は、依頼する司法書士によって変動しますが、おおよそ下記のとおりです。

内訳

金額

司法書士への報酬

6万円~13万円程度

※登記をする不動産の数や固定資産評価額により異なります。

実費

各種書類取得費用

1万円~3万円程度

▼証明書ごとの発行手数料(1通)

・戸籍謄本(戸籍全部事項証明書):450円

・除籍謄本(除籍全部事項証明書):750円

・改製原戸籍謄本:750円

・戸籍の附票の写し:200円~300円程度(※自治体により異なる)

・(除)住民票の写し:200円~300円程度(※自治体により異なる)

・固定資産評価証明書:200円~400円程度(※自治体により異なる)

登録免許税

固定資産評価額の0.4%

相続した不動産の調査費

2,000円~3,000円

各種書類の取得費用は、1通あたりで考えればそこまで大きい金額ではありません

ただし、相続登記は被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本、法定相続人の現在の戸籍謄本が必要です。

法定相続人の数が多くなればなるほど、必要な書類の数も多くなり、その分の実費がかかる点は注意ください。

相続登記以外にかかる司法書士費用の相場

司法書士に依頼できる相続人調査、相続財産調査、遺産分割協議書の作成、相続放棄では、下記の予算感が相場となります。

ただし、下記の依頼内容も「司法書士報酬」「実費」に分かれます。

実費については、依頼先の司法書士に確認しましょう。

依頼内容

費用相場(報酬のみ)

相続人調査

2万円〜

※通数などで金額が変動するケースもある

相続財産調査

10万円〜30万円程度

遺産分割協議書の作成

4万円〜12万円程度

相続放棄

2万円〜5万円程度

相続について司法書士に依頼する3つのメリット

相続手続きを司法書士に依頼するメリットとして、以下3つが挙げられます。

  1. 正確に手続きをしてもらえる
  2. 時間の節約になるうえ負担を軽減できる
  3. 特定の相続人だけに負担が集中してしまうのを避けられる

1.正確に手続きをしてもらえる

相続手続きは複雑で、法律に関する深い知識が求められます。

その点、司法書士に任せれば正確に手続きを進めてくれるので安心です。

たとえば相続登記を司法書士に依頼すると、さまざまな資料から相続人も把握していなかった土地の共有持分を見つけることも多いです。

仮に相続人だけで手続きを進め、このことに気付かなかった場合、あとで相続登記の手続きを一からやり直すことにもなりかねません。

2.時間の節約になるうえ負担を軽減できる

相続手続きを司法書士に依頼することで、時間を大幅に節約できるうえに負担の軽減にもつながります

相続では、平日の日中に役所や金融機関を何度も訪れてさまざまな手続きをしなくてはなりません。

仕事や家事などで平日に時間をつくれない会社員や主婦の方などは、特に負担が大きいでしょう。

司法書士に依頼すれば、これら作業を全て代行してくれるので、依頼者はほかのことができるのです。

3.特定の相続人だけに負担が集中してしまうのを避けられる

司法書士に依頼すれば、特定の相続人だけに手続きの負担が集中してしまうことを避けられます

一般的には、相続人のなかから代表者を選び、その方が中心となって手続きを進めることが多いものです。

しかし、これによって不満が生じ、相続人トラブルの原因にもなりかねません。

司法書士に依頼すれば、こういった不安もないので安心して相続を進められます。

相続で司法書士以外の専門家に相談するのがよい場合

相続にかかわる士業は司法書士だけではありません

状況や依頼したい内容に応じて、相談すべき士業は変わります。

下記のような場合は、該当する士業へ相談するようにしましょう。

  • 相続人同士での争いがあるなら弁護士
  • 相続税申告や相続税対策について相談したいなら税理士

相続人同士での争いがあるなら弁護士へ

相続人同士の争いがある場合や複雑な法的問題が絡む場合は、弁護士に相談すべきです

法律上、相続トラブルが発生した際に、相続人と交渉したり説得したりして解決することが司法書士にはできません。

相続トラブルの解決は、士業のなかでも弁護士のみがおこなえる独占業務です。

弁護士に相談すべき具体的なケースとしては、以下のような状況が挙げられます。

  • 相続人同士が不仲で、話し合いに応じてくれない場合
  • 相続人間ですでにトラブルが生じている、または今後発生する可能性が高い場合
  • 遺産の価値が高額で、複雑な法的論点を含む場合
  • 潜在的なトラブルのリスクが高く、高度な法的知見を要する場合

弁護士は、相続に関する業務範囲が広く、不測の事態にも対応できるため、安心して依頼することができます。

相続税申告や相続税対策について相談したいなら税理士へ

相続税申告や相続税対策など税務面でアドバイスや対応が必要な場合は、税理士に相談しましょう。

相続税の申告が必要なとき

  • 相続財産が高額で、基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えそうな場合
    たとえば父親が亡くなり、配偶者と子ども2人が相続人になる場合は基礎控除額が4,800万円になります。このケースでは相続財産の総額が4,800万円を超えない限り相続税は発生しません。

相続税の計算が複雑なとき

  • 不動産や株式など、評価が難しい財産がある場合
  • 相続人が多く、分配方法が複雑な場合

相続税の節税対策を考えたいとき

  • 将来の相続に備えて、事前に対策を立てたい場合
  • 節税をしたい場合

相続税の申告が必要かどうか判断できないとき

  • 財産の評価額が不明確で、申告の要否がはっきりしない場合

相続は税務申告以外にも遺産分割などの法的手続きが必要になることが非常に多いです。

そのため、まず弁護士や司法書士に相談し、必要に応じて税理士を紹介してもらうという流れも効率的だといえます。

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相続で司法書士に相談することをおすすめする場合

相続で司法書士に相談をおすすめする場合は、下記のようなケースが挙げられます。

相続の権利関係が複雑なケース

相続の権利関係が複雑である場合、相続人調査や相続財産調査も複雑で難易度が高くなります。

時間がかかったり不正確だったりすると、あとでトラブルになりかねません。

早い段階で司法書士へ依頼し、正確かつ迅速に調査を進めてもらうとよいでしょう。

財産に不動産が含まれているケース

司法書士は相続登記のスペシャリストです。

相続財産に不動産が含まれる場合は、司法書士への依頼が推奨されます。

相続人の人数が多いケース

相続人数が多い場合、戸籍謄本の収集だけでかなりの重労働です。

司法書士に戸籍謄本収集から依頼することがおすすめです。

不動産が遠方にあるケース

不動産の相続登記は、不動産の所在地を管轄する法務局で手続きをしなければなりません。

遠方の場合は郵送やオンラインによる申請も可能ですが、不備があれば何度も書類を送り直さなければならないなど、手間がかかることもあります。

はじめから司法書士へ依頼したほうが、スムーズに進められるでしょう。

相続人に行方不明者がいるケース

遺産分割協議は相続人全員でおこなう必要があります。

相続人に行方不明者がいる場合は、相続人の住所の調査から対応できる司法書士にまずは相談してみましょう。

相続人に未成年がいるケース

未成年は自分で相続手続きをおこなえないため、親が代理人として手続きをしなければなりません。

しかし、親権者も相続人である場合は互いの利害が相反することから、ほかに代理人をたてなくてはなりません。

こういったケースでも司法書士へ相談することが推奨されます。

離婚した元パートナーとの間に子どもがいるケース

離婚後の連絡先や住所を知らない場合でも、司法書士に依頼すれば前妻との間にいる子どもの連絡先を調べることが可能です。

仕事・家事・介護で、関係役所の窓口に行く暇もないケース

司法書士は必要書類の収集から対応できますので、忙しい人は早めに司法書士への相談をおすすめします。

相続について相談する司法書士を選ぶ際のポイント

相続登記などを依頼する場合は、手続きを円滑に進めるためにも信頼できる司法書士を選びたいものです。

以下、司法書士を選ぶ際のポイントをみていきましょう。

  • 相続業務の経験が豊富
  • 他士業との連携がシームレス
  • 複数の司法書士と面談して、相性をチェックする。

司法書士によっても得意分野が異なります。

相続手続きを依頼する際は、その経験が豊富な司法書士に依頼したほうが良いのはいうまでもありません。

司法書士の公式サイトなどで、相続登記をはじめとした相続手続きに注力しているかをチェックするとよいでしょう。

また相続手続きでは、相続トラブルの解決や相続税申告など司法書士では対応できない業務もあります。

その点、ほかの士業と連携し、スムーズに引き継ぎをしてくれる司法書士へ依頼すれば安心です。

そのほか、司法書士を選ぶ際は相性も重要な要素と言えます。

相続手続きでは、長い期間にわたって何度も司法書士と連絡し合い手続きを進めなくてはなりません

相性が悪い司法書士に依頼してしまうと、そのことが負担となり手続きが円滑に進まなくなることもあります。

また相続手続きを進める過程で、相続人のプライベートに関わるデリケートな問題にふれる機会も少なくありません。

そんなとき相性の良い司法書士であれば、事情を正直に話しやすくストレスにもならないでしょう。

司法書士との相性をチェックするためにも、複数の司法書士と面談することが推奨されます。

さいごに|相続の相談は適切な専門家へ

本記事では、司法書士に相続手続きを依頼する際の費用や、司法書士に依頼したほうがよいケースなどについて紹介しました。

司法書士に相続を依頼する相場は、相続登記であれば報酬として6万円~13万円程度、そのほかに実費がかかってきます。

司法書士は相続登記だけでなく、依頼人の調査なども対応できますので、相続手続きを円滑に進めるためにも頼りになります。

ただし、司法書士でも対応できない領域はあります

たとえば相続に関する紛争が発生していれば、介入できるのは弁護士のみです。

また相続税の手続きに関してサポートが必要な場合、相談先は税理士になります。

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この記事の監修者
ソルバ司法書士事務所
塩谷 賢一朗
都内某司法書士法人へ入所後、グループのマネージャーや統括責任者等を歴任し、2023年4月独立開業。ベストな道を案内し、100%安心・喜んでいただける仕事を追求することをモットーに取り組んでいます。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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