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相続相談は区役所でできる|無料相談の利用方法や4つの注意点を解説

アシロ社内弁護士
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相続が発生すると親族間のトラブルが起きやすく、相続手続きにも対応しなくてはならないので、困ったときは区役所の無料相談を利用してみましょう。

ほとんどの区役所では定期的な無料相談をおこなっており、相続の悩みにも弁護士が対応してくれます。

しかし、相続問題の原因は家庭ごとに異なっているので、区役所の無料相談を利用する際は、以下のような疑問が生じてくるでしょう。

  1. 相続のことなら何でも相談できる?
  2. 相談するときに準備するものはある?
  3. 弁護士は自分で指名できる?
  4. どんなケースで弁護士に相談するとよい?
  5. 相続手続きは弁護士に依頼できる?

今回は上記のような悩みを解消するため、区役所に相続の相談をするときのポイントや、弁護士のサポートが必要になるケースをわかりやすく解説していきます。

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目次

区役所の相続相談では何が相談できる?利用条件も解説

区役所の相続相談では遺言書の作成方法相続手続きの手順法定相続人の範囲など、ごく一般的な相談に乗ってもらえます。

相談員は主に弁護士ですが、区役所によっては遺言書や遺産分割協議書の作成は行政書士、相続登記は司法書士など、分野別に分かれているケースもあります。

基本的には、個人が日常生活で直面する法律トラブルに関する相談を受け付けているため、身近な困りごとがあったときには利用してみましょう。

ただし、自治体によって異なりますが、訴訟・調停などで係争中の案件に関する相談、刑事事件に関する相談、法人や個人事業主の事業に関する相談などを対応不可としている自治体もありますので、自治体のホームページや相談予約時に確認してみましょう。

利用者も以下のように限定されているので、市のホームページをよく確認しておきましょう。

区役所の相続相談は誰が利用できる?

区役所の相続相談は以下の人が利用できる場合が多いですが、自治体によって異なりますので、詳細は自治体のホームぺージや相談予約時に確認してください。

  1. 区内に在住している人
  2. 区内の企業等に勤務している人
  3. 区内の学校に在学している人

ただし、別の市区町村に不動産を所有しており、相続登記の相談をしたいケースであれば、その市区町村の相続相談を受けられる場合があります。

なお、住民票や運転免許証など、身分証明の提示は特に求められません。

区役所の相続相談はどんな人におすすめ?

遺産相続が始まると、経験したことのない複雑な相続手続きや、相続人同士のトラブルに対応しなくてはならないケースがあります。

ある程度の基礎知識がなければ対応できないので、以下のような方には区役所の相続相談をおすすめします。

手続きに不安がある人

相続手続きには以下のような種類があり、必要書類の準備や作成、手順などが複雑になっているので、不安がある人は区役所の相続相談を利用してみましょう。

  1. 遺言書の作成
  2. 遺言書の検認
  3. 相続人や相続財産の調査
  4. 遺産分割協議
  5. 相続放棄限定承認
  6. 相続税申告や相続登記、預貯金解約など

区役所で弁護士などに相談すると、どのような相続手続きが発生し、どんな書類が必要になるのか教えてもらえます。

相続手続きの優先順位もわかるので、何から手を付けるべきか判断しやすくなるでしょう。

相続に関する基本的な知識を身に着けたい人

遺産相続では法定相続人や相続順位、法定相続分などを知っておく必要があるので、基本的な知識を身に付けたい方は区役所の相続相談を活用してください。

また、一定額以上の財産や不動産がある場合、相続税や土地・建物の権利関係も理解しておく必要があります。

相続に関する法律・税制は頻繁に改正されているので、最新版の基礎知識を身に付けたい方は、区役所の相続相談をおすすめします。

専門家への相談はハードルが高いと感じている人

専門家への相談にハードルの高さを感じている方は、区役所の相続相談からスタートしてみましょう。

区役所の相続相談は無料になっており、専門家への依頼を前提としていないので、誰でも気軽に利用できます。

ひとまず相続財産や相続人の状況などを伝えておけば、遺言書や相続対策の必要性などを診断してもらえるので、自己対応が難しいときだけ法律事務所を利用してください。

すでに相続が発生しているときは、必要な相続手続きや、相続手続きにかかる時間などを診断してもらうとよいでしょう。

区役所で相続の相談をするときのポイント

相続相談の運用は区役所ごとに異なっており、相談時間にも限りがあるので、利用するときは以下のポイントを押さえておきましょう。

相談したい要点をまとめておけば、限られた時間を有効活用できます。

相談日程や予約の有無を確認しておく

区役所の相続相談を利用するときは、市のホームページで相談日程や予約の有無を確認してください。

相続などの民事相談は週2~3回程度になっていることが多く、地方の場合は市役所しか相続相談を受け付けていないケースがあります。

また、人口の多い都市部は相続相談が予約制になっており、定員に達すると締め切られるので、次回の相談日まで待たなくてはなりません。

電話や専用フォームなど、予約の方法も市のホームページで確認しておきましょう。

相談に乗ってくれる専門家を確認しておく

区役所の相続相談では弁護士や司法書士が相談に乗ってくれますが、市のホームページに「民事相談員」などと記載されていたときは、市の職員が担当しています。

市の職員は複雑な相談に対応できないため、弁護士が担当する日に改めて相談するなど、二度手間になってしまう場合があります。

また、司法書士は紛争解決の対応範囲が限られているので、相続トラブルの相談であれば、弁護士が担当する日に予約を取ってください。

相談内容を明確にしておく

区役所で相続相談するときは、事前に問題点や不明点などを整理し、相談内容を明確にしておきましょう。

たとえば、遺留分の侵害が発生している場合、請求権に時効があることから、正確な侵害額と時効の完成時期を優先的に把握する必要があります。

侵害している相手と被相続人の関係を延々と話しても、侵害額の回収には一歩も近づかないので注意してください。

家系図や財産目録を作成しておく

区役所の相続相談を利用する場合、可能であれば家系図や財産目録を作成してください。

弁護士と一緒に家系図を見ながら相談すると、誰について話しているのか正確に伝わるので、勘違いが生じにくくなります。

たとえば、妻が夫を「おとうさん」と呼ぶケースは珍しくありませんが、第三者が聞くと、「夫」「実父」「義父」の誰を指しているのかわかりません。

また、財産目録があると、公平に遺産分割できるかどうか、相続税がかかるかどうか判断できるので、有効な相続対策を立てやすくなるでしょう。

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区役所で相続の相談をするときの4つの注意点

区役所の相続相談を利用するときは、以下の点に注意してください。

場合によっては市役所の法律相談を利用する、または法律事務所に直接相談した方がよいケースもあります。

1.その場で相続手続きの依頼はできない

区役所の相続相談では弁護士や司法書士が相談のみ対応するため、その場で相続手続きやトラブル解決は依頼できません。

弁護士の斡旋もおこなっていないので、相続手続きなどを依頼したいときは、担当弁護士の法律事務所へ出向くか、別の弁護士を自分で探すことになります。

すでにトラブルが発生しており、自己解決が難しいときは、最初から法律事務所に相談したほうがよいでしょう。

2.弁護士や司法書士は自分で選べない

区役所で相続の相談をする場合、自分で弁護士や司法書士は選べません。

また、担当の弁護士が相性の悪い相手だと、相談中にストレスを感じてしまうでしょう

弁護士や司法書士を自分で選びたいときは、ネットで法律事務所を検索し、直接相談したほうが確実です。

3.市役所の相続相談を利用したほうがよいケースもある

区役所の相続相談は回数が少ないので、都合のよい日と相談日が合わないときは、市役所の相続相談を利用してみましょう。

市役所は相続相談を毎日おこなっているケースがあるので、予約も取りやすくなっています。

ただし、相談時間が午後のみとなっている場合や、弁護士に相談できる曜日が指定されている場合もあるので、市のホームページは必ず確認してください。

4.時間や回数に制限がある場合がある

区役所の相続相談は30分程度になっており、同一案件の相談については、回数制限がある場合が一般的です。

同じ相続から発生する問題であれば、財産評価や相続税申告、遺留分の侵害なども1つの案件になるので注意してください。

時間をかけてじっくり相談したいときは、自分で法律事務所を探したほうがよいでしょう。

相続の相談は専門家に直接するのがおすすめ

相続の相談はどうしても時間がかかってしまい、その場で委任契約も結べないので、区役所で解決できない問題は専門家への直接相談をおすすめします。

「どの専門家に何を相談したらよいかわからない」という方は、以下を参考にしてください。

相続トラブルの解決や総合的なサポートなら「弁護士」

遺産相続の総合サポートが必要なときは、まず弁護士に相談してみましょう。

弁護士であれば、遺言書の作成から遺言執行までサポートできるので、思い描いたとおりの遺産相続を実現できます。

また、紛争解決は弁護士しか対応できないので、相続争いが想定されるようであれば、最初から弁護士に相談しておくとよいでしょう。

税理士登録をしている弁護士・登記申請実務を扱っている弁護士や、税理士や司法書士と密に連携している弁護士の場合には、相続登記や相続税申告も併せて依頼できるため、ワンストップですべて解決してもらえます。

解決したい問題が複数あるときは、弁護士のアドバイスを受けておきましょう。

相続登記や不動産関連の手続きなら「司法書士」

法務局への登記申請は司法書士の専門業務(弁護士でも登記申請は可能ですが司法書士に依頼することが多い)なので、不動産の相続登記が必要なときは、司法書士に相談してください。

相続登記は提出書類が多く、不動産が複数あるときや、権利関係が複雑なときは自己対応が難しくなります。

また、相続登記は2024年4月1日から義務化されるので、相続人が決定してから3年以内に登記申請しなかった場合、10万円以下の過料になる可能性もあります。

過料のペナルティは過去の相続登記にも遡って適用されるため、ご先祖様名義の土地があるときは、早めに司法書士へ相談しておきましょう。

相続税申告や節税対策なら「税理士」

相続税申告や節税対策が必要なときは、税理士に相談してください。

相続開始前であれば、生前贈与や生命保険への加入、土地活用などの方法で節税できるため、場合によっては相続税がかからなくなる可能性があります。

相続税の節税対策には専門知識が必要なので、税理士に任せたほうが確実でしょう。

また、相続税は計算方法が複雑になっており、不動産や株式、投資信託などを相続する場合、相続税評価額も計算しなければなりません。

自分で相続税を申告すると、高確率で申告ミスが発生し、税務調査の対象になってしまうケースがあるので要注意です。

節税対策や相続税申告に不安があるときは、税理士のアドバイスを受けておきましょう。

書類作成のサポートなら「行政書士」

行政書士は書類作成や行政手続きをサポートしてくれるので、遺言書や遺産分割協議書の作成、相続人や相続財産の調査などを依頼できます。

ほかの専門家よりも費用が安いため、不動産相続や相続トラブルがなく、相続税もかからないようであれば、相続手続きは行政書士への依頼で完結するでしょう。

専門家に相続相談ができる窓口

区役所以外で専門家に相続相談したいときは、以下の窓口を利用してください。

どの窓口も弁護士に相談できるので、費用を節約したい、または相性のよい弁護士に相談したいなど、目的別に選択してみましょう。

法テラス|要件を満たせば無料相談・費用立替が可能

経済的な余裕がない方は、法テラスの民事法律扶助制度を利用できます。

収入や資産が一定額以下など、いくつかの要件を満たすと30分×3回の法律相談料が無料になり、弁護士費用の立替払いにも応じてもらえます。

法テラスの地方事務所は各都道府県に1ヵ所以上設置されているので、近くに法律事務所がない方でも相続問題を解決できるでしょう。

ただし、法テラスでは相談者が弁護士を指定できません

相続を専門としていない弁護士や、相性の悪い弁護士が担当する可能性があるので注意してください。

弁護士会の法律相談センター|身近な弁護士に相談できる

各都道府県の弁護士会では、弁護士会館や商業施設、オフィスビル内に法律相談センターを設置しているので、身近な弁護士に相談できます。

相談料は基本的に有料ですが、一部の法律相談センターは夜間にも対応しており、仕事帰りの相続相談も可能になっています。

ただし、法律相談センター内では委任契約を結べないので、相続手続きなどを正式に依頼したいときは、その弁護士が所属する法律事務所に出向く必要がある点は注意しましょう。

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無料相談や電話相談を利用したいときは、ベンナビ相続で弁護士を検索してみましょう。

ベンナビ相続には遺産相続に詳しい弁護士のみ登録されており、初回の法律相談料も無料です。

また、ほとんどの弁護士が電話相談やオンライン面談、出張相談に対応しているので、病気やけがで療養中の方や、法律事務所が遠い方でも相続の相談ができるでしょう。

弁護士の経験年数や相続トラブルなどの解決実績、弁護士費用などを比較して法律事務所を選びたい方は、ベンナビの活用をおすすめします。

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最後に|区役所で解決できない相続トラブルは弁護士に相談しよう

各区役所では相続の相談を受け付けているので、遺言書を作成するべきかどうか、遺留分の侵害にどう対処したらよいかなど、困ったときには利用してみましょう。

弁護士に相談すると、相続の状況に応じた解決策を提案してくれます。

ただし、その場で委任契約は結べないので、トラブル解決や相続手続きを任せたいときは、自分で弁護士を探す必要があります。

各弁護士には得意分野があるため、相続に詳しい弁護士を確実に、かつ効率的に探したいときは、ベンナビ相続を活用してください。

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この記事は、株式会社アシロの「ベンナビ相続編集部」が執筆、社内弁護士が監修しました。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
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本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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