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相続税が払えないときの対処法7選!滞納した場合のペナルティも解説

相続税が払えないときの対処法7選!滞納した場合のペナルティも解説
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相続税は原則として、相続開始から10ヵ月以内に現金で一括納付しなければなりません。

しかし、納税資金が準備できなかったり不動産中心の遺産で現金化できなかったりして、期限内の支払いが難しくなるケースは少なくありません。

相続税が払えないときには、延納や物納といった対処法があるため、状況にあわせて最適な手段を選ぶことが重要です。

当記事では、相続税が払えないときの具体的な対処法を7つ解説

払えずに放置したときのペナルティも解説するので、参考にしてください。

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相続税の基本|納付期限と現金一括払いの原則

相続税は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10ヵ月以内に、原則として現金で一括納付する必要があります。

例えば1月15日に死亡を知った場合、11月15日が申告・納付期限です。

納付期限までに遺産分割協議がまとまらない場合でも、法定相続分で仮の申告・納税が必要なので注意してください。

期限に間に合わないと延滞税などのペナルティにつながるため、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

相続税の納付方法

納付方法

利用条件

手数料

特徴

金融機関・税務署窓口

制限なし

なし

最も基本的な方法

クレジットカード

納税額:1,000万円未満

あり

24時間手続き可能

コンビニ

納税額:30万円以下

なし

バーコード付き納付書が必要

ダイレクト納付

(e-Taxによる口座振替)

事前届出が必要

なし

e-Taxから直接納付可能

相続税は金融機関や税務署窓口での現金納付が最も基本的な方法です。

納付書に必要事項を記入し、現金と一緒に窓口へ提出します。

そのほか、専用サイトからクレジットカードで納付も可能です。

クレジットカードは実際の引き落とし日まで時間があるため、実質的に期限を先延ばしにできます。

ただし、1回の手続きにつき1,000万円未満かつカードの利用限度額内での利用に限られ、決済手数料(納付税額に応じて発生)がかかるので注意してください。

そのほか、コンビニ納付やe-Taxによる口座振替でも納付可能です。

相続税が払えない状況に陥る代表的なケース3つ

相続税が払えない状況は、相続財産の種類や評価額、相続人同士の関係性などさまざまな要因によって引き起こされます。

これから解説する3つのケースは、実際に多くの相談が寄せられる典型的なパターンです。

自身の状況がどのケースに近いかを確認することで、とるべき対策が見えやすくなります。

相続財産に占める不動産の割合が高い

相続財産の大半が不動産(自宅や土地など)で、納税資金に充てられる現金・預貯金が少ないと、相続税を払うことができません。

特に都心部では土地の評価額が高騰しており、高額な相続税が発生しやすい状況にあります。

路線価ベースで計算すると、数千万円単位の相続税額になることも珍しくないでしょう。

このケースでは、後述する延納や物納、不動産売却などの対策を検討する必要があります。

「土地を手放したくない」という気持ちと、現実の資金繰りとのバランスを冷静に判断するのが重要です。

想定よりも相続財産の評価額が高く、納税額が予想を上回った

生前に想定していたよりも、土地や非上場株式などの評価額が高額になり、準備していた資金では足りなくなるケースも起こり得ます。

土地の評価額は路線価に基づいて計算されるため、実際の売買価格(時価)との間にずれが生じることがあるためです。

また、経営していた会社の自社株(非上場株式)は、会社の業績や純資産額によって非常に高い評価額になることがあります。

生前から税理士などの専門家に依頼し、正確な財産評価をおこなっておくことが重要です。

遺産分割がまとまらず、口座から預貯金を引き出せない

相続人の間で遺産の分け方をめぐって対立し、遺産分割協議が期限内に成立しない場合でも、相続税が払えない状況に陥ります。

遺産分割協議が成立するまで、預金は相続人全員の共有財産です。

原則として、相続人の誰か一人が単独で引き出すことはできず、必要なお金を用意できない事態となります。

相続税の納付期限は、遺産分割協議の状況とは無関係に進行します。

話し合いがまとまらないことを理由に期限は延長されません

対策としては、後述する預貯金の仮払い制度や、納税資金の分だけ先に分割する制度が有効です。

相続税を払えないときの対処法7選

相続税を期限内に払えそうにないときは、分割で納付できる「延納」や、財産そのもので納める「物納」という特例制度を活用できます。

それぞれの要件やメリット・デメリットを理解し、最適な方法を選ぶことが重要です。

1.延納制度を利用する

相続税を現金で一括で納めることが難しい場合には、分割払いできる延納制度を使うことができます。

相続した財産のほとんどが不動産で現金が少ない場合に有効でしょう。

延納は以下の要件を満たしている場合に限り利用できます。

  • 相続税額が10万円を超えている
  • 金銭で一括納付することが困難な事由がある
  • 担保を提供できる(延納税額が100万円以下かつ延納期間が3年以下の場合は不要) 
  • 申告期限までに延納申請書を提出し、許可を受ける

ただし、延納期間中は利子税が発生するため、最終的な納付額は多くなる点に注意が必要です。

延納申請の手続きは、申告期限までに延納申請書と担保提供関係書類を税務署へ提出します。

手続きなしで分割払いはできないので、必ず期限内に申請を済ませてください。

2.物納制度を利用する

延納でも金銭での納付が困難な場合には、不動産や株式などの相続財産そのもので税金を納める物納制度が利用できます。

あくまでも延納による納付が不可能なときの最終手段ではありますが、相続財産に現金が含まれず、自身の預貯金からも捻出できない場合などに有効です。

ただし物納できる財産は種類・順位が決まっており、好きな財産を物納できるわけではありません

《物納申請財産》

第1順位

・不動産、船舶、国債証券、地方債証券、上場株式等

・不動産および上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの

第2順位

・非上場株式等

・非上場株式のうち物納劣後財産に該当するもの

第3順位

動産

物納を利用するには、延納同様、期限内に申請手続きをする必要があります。

手続きは複雑で、却下されることも珍しくないため、税理士か弁護士に相談して進めるとよいでしょう。

3.相続した不動産を売却する

相続税が払えない場合には、相続した土地や家などの不動産を売却し、代金を納税資金に充てる方法もあります。

まとまった現金を確保でき、維持管理の手間からも解放される点がメリットです。

一方デメリットとしては、買い手が見つかるまでに時間を要する可能性がある点が挙げられます。

相続税の納付期限(相続開始から10ヵ月以内)までに売却代金を得られなければ納税に間に合わないため、早めに売却手続を進めることが重要です。

また、相続した不動産は、相続登記が完了していなければ売却できません。

遺産分割協議がまとまらず登記が遅れると、その分売却までの期間が延びる可能性があります。

売却により、相続税の減額に有効な小規模宅地の特例ができなくなることもあります。

遺産分割が未了の場合は、売却に際して相続人全員の同意が必要となる点にも注意しましょう。

4.金融機関からお金を借りる

金融機関(銀行や消費者金融)のローンを利用して納税資金を借り入れる方法もあります。

比較的スピーディに資金を確保でき、相続した財産を手放さずに済む点が大きなメリットです。

特に不動産を売却したくない場合や、時間的余裕がない場合に有効な手段といえるでしょう。

ただし、借入額に応じた利息や返済負担が生じるほか、審査内容によっては希望額を借りられない可能性もあります。

また、借り入れ後の返済計画が家計を圧迫するリスクも考慮しなくてはいけません。

返済状況によっては、今後、住宅ローンなどほかのローン審査に通りにくくなったりするリスクもあります。

利息負担や返済計画を踏まえ、将来的な資金状況に無理が生じないかを慎重に検討してください。

5.相続放棄をする

もし相続財産の中に借金や債務が多くある場合には、相続放棄も選択肢のひとつに入ります。

相続放棄は、一切の財産を相続しない手続きです。

相続税の支払いも原則必要なくなり、借金などのマイナスの財産を相続しなくて済みます。

しかし、預貯金や不動産などのプラスの財産も相続できなくなるので、手放したくない財産がある場合やプラスの財産が多い場合には向いていません。

相続放棄は家庭裁判所への申述が必要な法的手続です。

「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヵ月以内」に手続きを完了させる必要があります。

期限を過ぎると、原則として相続放棄はできなくなるため、早めの決断が必要です。

ただし相続放棄はほかの相続人や親族にも影響が及ぶため、一人で決めずに親族と相談しましょう。

6.預貯金の仮払い制度を利用する

遺産分割がまとまらずにお金が足りない場合は、預貯金の仮払い制度を利用しましょう。

預貯金の仮払い制度は、遺産分割協議が成立する前でも、凍結された被相続人の預貯金から一定額を引き出せる制度です。

あくまで一時的な資金確保ではありますが、以下のいずれか低いほうを上限にお金を引き出して納税資金に充てられます。

・相続開始時の預貯金額の3分の1 × 払戻しを受ける相続人の法定相続分

・金融機関ひとつあたり150万円

手続きは各金融機関の窓口でおこない、戸籍謄本など相続関係を証明できる書類が必要です。

なお、家庭裁判所で仮処分の手続きをする方法であれば、上限額はありません。

しかし利用要件は厳しいため、150万円以上の仮払いを希望する方は弁護士に相談しましょう。

7.納税資金の分だけ遺産分割協議をおこなう

遺産全体の分割協議が難航している場合には、納税に必要な預貯金の部分だけを先に分割する「一部分割」も有効です。

納税期限に間に合わせるために必要な資金を確保でき、不動産などの分割が難しい財産は、時間をかけて協議を続けられます。

ただし、相続人全員の合意が必要である点はほかの遺産分割と同じです。

後々のトラブルを防ぐため、一部分割の合意内容は必ず書面(遺産分割協議書)に残しておきましょう

口頭の合意だけでは、あとから「言った・言わない」の争いになる可能性があります。

相続税が払えないとどうなる?滞納した場合のペナルティ

相続税を期限までに納付しない場合、本来の税額に加えて延滞税や加算税といった重いペナルティが課され、最終的には財産を差し押さえられる可能性があります。

種類

状況

課税額

無申告加算税

期限までに申告しなかった場合

5%~30%課税

延滞税

納付期限までに税金を納めなかった場合

年2.4%~年8.7%課税※

重加算税

意図的に申告せず、事実を隠蔽や財産隠しをした場合

40%課税

※令和7年の税率

まず、納付期限の翌日から「延滞税」が発生します。

2ヵ月を境に税率が大きく上昇するため、延滞してしまった場合でも、できるだけ早く納付することが重要です。

また、申告状況に応じて無申告加算税や重加算税も課される場合があります。

さらに、督促が届いても放置し続けると、不動産や預金が差し押さえられ、強制的に換価される可能性もあります。

支払いが難しいと感じた段階で、延納や物納、分割売却などの手段を検討し、早めに専門家へ相談しましょう。

相続税には非課税枠がある

相続税には非課税枠(基礎控除額)があるため、相続した財産が一定額以下の場合、相続税はかかりません。

基礎控除額の計算式は以下のとおりです。

3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

例えば、法定相続人が配偶者と子二人(計三人)の場合、基礎控除額は4,800万円(3,000万円+600万円×3人)となります。

遺産総額が4,800万円以下であれば、相続税は発生しません。

ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを利用して納税額がゼロになる場合、申告は必要です。

申告しないと延滞税などが発生するため、特例制度を適用する場合は申告を忘れないようにしましょう。

相続税のトラブル解決は「ベンナビ相続」

相続税の納税や遺産分割でトラブルが生じた際は、相続問題に詳しい弁護士を探せるポータルサイトの活用も有効な手段のひとつです。

「ベンナビ相続」は、相続問題に特化した弁護士を地域や相談内容で検索できるサービスです。

無料相談や電話・オンライン相談に対応している法律事務所も多く掲載されており、専門家を見つけやすい仕組みになっています。

弁護士に相談すると、法的な観点から自身の状況に合った最適な解決策のアドバイスを受けられます。

遺産分割の交渉や調停・審判の代理など、弁護士でなければ対応できない業務もあります。

相続でトラブルが起きたときや、相続人同士で揉めそうなときにはベンナビから弁護士に相談しましょう

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相続税に関してよくある質問

ここでは、相続税が払えない状況に関して多く寄せられる質問にお答えします。

個別の事情については税理士や弁護士にご相談ください。

Q. 専業主婦で収入がなくても相続税は払う必要がありますか?

自身の収入の有無にかかわらず、一定額以上の財産を相続した場合は納税義務が発生します

相続税は個人の所得ではなく、相続した財産の価値に対して課税される税金です。

給与所得がないことと、相続税の納税義務は別の問題です。

納税資金は相続財産から支払うのが基本となります。

現金が不足する場合は、本記事で解説した延納や借入などの対処法を検討しましょう。

なお、配偶者には「配偶者の税額軽減」という特例があり、法定相続分または1億6,000万円のいずれか大きい金額まで相続税がかかりません。

申告すれば納税額がゼロになるケースも多いため、専門家に相談することをおすすめします。

Q. 自宅の土地や家を売らずに納税する方法はありますか?

土地や家を売りたくない場合、延納制度を利用するか、金融機関から不動産担保ローンなどで借り入れて納税する方法がおすすめです。

延納制度では、自宅を担保に提供することで、最長20年の分割払いが認められるケースもあります。

金融機関からの借入では、自宅を担保に納税資金を調達し、返済していく形です。

いずれの方法も、自宅の評価額や自身の返済能力によって利用可否が異なります。

具体的な判断には、税理士や金融機関への相談が不可欠です。

Q. 相続財産が自社株ばかりで現金がありません。どうすればよいですか?

非上場株式(自社株)の納税は非常に専門的な問題です。

延納や物納のほか、「事業承継税制」の利用も視野に入れて税理士に相談してください。

延納や物納は、他の財産と同様に要件を満たせば、自社株を担保とした延納や、自社株による物納が認められる可能性があります。

事業承継税制は、後継者が一定の要件を満たすことで、相続税の納税が猶予・免除される特例制度です。

計画的な申請と届出が必要となるため、できるだけ早い段階で準備を始める必要があります。

Q. 相続税の納付書はいつどこで手に入りますか?

納付書は税務署から自動的に送付されません

相続税の申告書を作成する際に、自身で入手・作成する必要があります。

入手方法は2つです。

  • 税務署の窓口で直接もらう
  • 国税庁のWebサイトからPDF形式でダウンロードして印刷する

納付書は、申告書に基づいて納税額や納税者情報などを記入して作成します。

税理士に依頼している場合は、通常は税理士が作成してくれます。

納付書は金融機関や税務署に提出する重要書類です。

記入ミスがないよう、慎重に作成してください。

まとめ

相続税が払えない場合、以下の対処法を検討しましょう。

  • 延納制度を利用する
  • 物納制度を利用する
  • 相続した不動産を売却する
  • 金融機関からお金を借りる
  • 相続放棄をする
  • 預貯金の仮払い制度を利用する
  • 納税資金の分だけ遺産分割協議をおこなう

重要なのは、納付期限(相続開始から10か月以内)を意識して早めに行動すること

期限を過ぎると延滞税が発生し、放置すれば財産の差押えに至る可能性もあるため注意してください。

「どの方法が自分に合っているかわからない」「手続きが複雑で不安」という場合は、相続税に強い税理士や弁護士へ相談するのがおすすめです。

専門家のサポートを受けると、最善の解決策を見つけることができます。

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この記事の監修者
江戸川葛西相続法律事務所
菊地 正志 (第一東京弁護士会)
当職は、税理士、公認会計士準会員の資格をもつ、会計に強い弁護士です。相続で株式や不動産の扱いにお困りの方や、遺産分割協議でもめている方は、当職へご相談ください。
ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
編集部

本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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