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相続で生前贈与を活用する際に知っておくべき4つのポイント

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自分が生きているうちに財産を贈与することで、親族の関係がこじれてしまうのを防げるのは勿論のこと、支払わなければならない相続税を節税することが出来ます。
しかし、ただ贈与すればよいというわけではありません。贈与の仕方を間違うと、相続税より税率の高い贈与税を支払うことになるかもしれないのです。

近年、将来の相続対策や相続税の節税対策として生前贈与を活用する人が増加傾向にありますし、やはり賢い方法で得をしたいという考えは皆共通なのでしょう。
ここでは生前贈与にまつわる、知って得する知識を解説していきます。

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この記事に記載の情報は2023年10月10日時点のものです

生前贈与は相続税対策の1つの手段

何も手続きせずに亡くなると、自身の持つ財産は自動で分配され、それに伴い多額の相続税がかかります。しかし生前(生きているうちに)贈与(贈る)することで、リスクなしで大いに節税効果が見込めるからこそ、生前贈与を行う人がここまで増加したのでしょう。

 

情報元:【しずなび】不動産コラム

 

相続税を支払う必要がある親世代では、半数近くもの人が生前贈与を希望しています。しかし、皆が皆生前贈与で節税できる、というわけではありません。詳しくここで解説していきましょう。

 

相続税と贈与税

節税を考えているのであれば、相続税と贈与税の違いはしっかりと覚えておくべきでしょう。基本的に相続税は、被相続人が亡くなって相続が発生したときの遺産を相続する人に課される税金のことです。


 


一方、贈与税は贈与者が生きているときに、受贈者に財産を無償であげることを互いが了解した上で成り立つものであり、個人からの贈与によって生じた財産に課される税金のことです。

 


 


なお税率は、相続税も贈与税も、相続や贈与でもらった財産が多ければ多いほど税率が高くなる累進課税であり、贈与税の方が高いです。ただし贈与税には、通常の贈与では110万円、相続時精算課税制度を活用した贈与には、2,500万円の控除があるという特例があります。

 

あくまでも贈与税は、相続税を潜り抜けた人に対して支払いの義務を伝えるものだと考えて下さい。この相続時精算課税制度については次の見出しで解説します。

 

生前贈与を行う4つの方法

生前贈与を行うにしても、節税を目的に行うわけですからやはり賢い方法で、お金をあげる側ももらう側も、いかに損をしないかを考慮した上で行いたいものです。

ここでは様々な生前贈与の方法を記載していきますが、生前贈与には「暦年課税」「相続時精算課税」という2つの課税方式があることを予め記載しておきましょう。

 

暦年課税とは1年間の贈与についてまとめて課税する方法で、特に申請がなければ自動的に暦年課税が適用されます。一方、相続時精算課税は選択式となっており、この制度を選択すると本人は暦年課税を選択に変更することが出来ません。

 

相続時精算課税制度を活用する

相続財産の前渡しという性質が濃い制度で、2,500万円の特例控除があり、この金額内であれば贈与税がかかりません。(2,500万円を超えると一律20%の贈与税を納めることになります。)

そして相続が発生した時に、その贈与額も相続財産に加えて相続税を計算します。その際、それまでに収めた贈与税額は、相続税額から差し引かれ精算されることになります。

 

【子供1人に3500万円を、相続時精算課税制度を活用して贈与した場合の具体例】

 

3,500万円-2,500万円=1,000万円
1,000万円(特別控除をした後の課税価格)×20%=200万円(贈与税額)

 

つまり、3,500万円の贈与を受けた場合の贈与税は200万円となります。

 


この制度の活用には、60歳以上の者から、その者の20歳以上の子や孫への贈与に対象者が制限されますが、贈与を受ける人数について制限はありません。また、税務署に対して手続きを行わなければなりません。具体的には、贈与税の申告期限までに贈与税の申告書と相続時精算課税選択届出書を税務署に提出することになります。

 

相続時精算課税制度はあまり利用されていないと言われていますが、その理由として、生前贈与自体が一般的でなかった点や、生前贈与を知っていても相続時精算課税制度はあまり知られていなかった点が挙げられます。

 

節税効果がそこまであるわけではないので、とにかく節税を目的としている人にとってはメリットに感じないでしょうし、一度選択すると通常の贈与税に戻れないという制度自体のデメリットが多く、敬遠される要因になっているのでしょう。

 

一般贈与の基礎控除を上手に活用する

生前贈与の方法のうちのひとつである、一般贈与(毎年毎年贈与していく方法)を活用する方法です。贈与を受ける対象者に制限がないので、子や孫だけではなく、それ以外の人にも財産を渡すことが出来ます。詳細は、「贈与税をゼロにする方2つの方法」でさらに詳しく解説していきます。

マイホーム贈与における配偶者控除を利用する

「配偶者がいる人に税金面で配慮をしてあげよう」という考えから生まれた制度です。婚姻期間が20年以上の夫婦で、妻が無収入もしくは「合計所得金額38万円以下」(年収103万円以下)であるという条件を満たせば、夫婦間での2,000万円の贈与が控除されます。

ただしそのお金の使い道は住むための不動産の購入に限られますが、これは基礎控除と一緒に使うことが出来るので、合計2,110万円の贈与ができることになります。

 

教育資金の一括贈与の非課税措置を活用する

直系尊属から贈与を受ける相手の教育にあてる資金としてならば、1,500万円までの贈与を非課税とする制度です。

贈与を行う側と信託会社の間で契約を結んで行われ、贈与を受ける側が30歳までという点が条件となります。

 

この制度を活用すれば、例え祖母から孫2人、ひ孫1人にそれぞれ1,500万円、計4,500万円を贈与しても、贈与税はかかりません。その分相続財産が減ることになり、結果的には相続税も減ることになります。

 

贈与税をゼロにする2つの方法

310万円以下(110万円の基礎控除を差し引くと200万円以下)の金額であれば、贈与税率は10%になります。

つまり310万円を子供に贈与すると、110万円を控除した200万円に10%をかけた20万円が贈与税になる計算です。

 

多くの人が、この10%の贈与税ですら払いたくないと考えています。きちんとこれまで何百万円、何千万円の所得税を払ってきた人であれば、なおさらでしょう。やはり贈与は無税で行なうに越したことはありませんし、その方法として通常必要なお金を贈与する方法と、110万円に抑えて贈与する方法の2つがあります。

 

使ってなくなるお金”か“今すぐ使うか貯めるかを選べるお金”かがこの2つの大きな違いになりますが、ここではそれぞれを詳しく解説しましょう。

 

通常必要なお金を贈与する(“使ってなくなるお金”)

生活費や養育費をあげた場合には、贈与税がかかりません。あくまでも、金額の多い少ないには関わらず“通常必要”であることが条件となります。

例えば、大学生の息子に300万円あげたら、お小遣いとしてはあまりにも多額すぎるため、贈与税がかかります。しかしその息子が入学金を含めて初年度で1,000万円を超えるような大学に入学したとしたら、教育費としてあげても贈与税がかかることはありません。

 

また、都内でセキュリティが完備されたマンションで一人暮らしするからという理由で年間500万円の仕送りをしても、体調を壊したからという理由で病院代として高額な仕送りをしても税金はかかりません。普通に考えて、必要になる金額であれば全く問題はないのです。

 

110万円に抑えて贈与する(“今すぐ使うか貯めるかを選べるお金”)

例え通常必要ではない金額を贈与する場合でも、実は1年間(1月1日~12月31日)で1人110万円までは、税金がかかりません。

ただし、もらう額が110万円までなので、例えば大学生の息子が父親から年間110万円、母親から110万円贈与されると計220万円になるので、贈与税がかかります。逆に贈与する側は、子供2人に対して各110万円ずつ贈与しても全く贈与税はかかりません。

 

例えば、4人の子供に対して年間110万円の贈与を10年間行うと、4,400万円の贈与を無税で行うことが出来るのです。

 

自分の財産と向き合いながら、どのような控除を活用し、どのような方法で生前贈与を行うかをじっくり検討し、より自分に合った、損をしない贈与方法を見つけるようにしましょう。

 

参考:110万円の贈与(暦年贈与)が相続税対策になる仕組みと行う場合の注意点

 

税務署が贈与でないと指摘するケース7つ

税務署が贈与を認めないケースの大半が、現金と預貯金です。

中でもとくに「それは名義預金だ」とみなされるケースは特に多いので注意しましょう。自分では相続対策がきちんと出来ていると思っていても、実際には対策になっていなかったということでは、報われません。

 

下記で解説する事例以外にも、実は…というケースが多々ありますし、贈与を説明できるか否かの判断はむずかしいところです。

 

①へそくりを贈与したケース

夫からもらった生活費をがんばって節約して貯めたへそくりですから、妻としては自分のものと感じて当然かもしれません。しかし税務署は、もらったものではなく預かっただけと判断します。

②受贈者本人が自由に使えないケース

現金の贈与が認められるには、受贈者が自由に使えることが大前提です。銀行口座に毎年110万円入金していても、窓口にいくのは贈与者で、通帳と印鑑も贈与者が所持しているのでは、贈与ではなくただの名義預金(実際は贈与者のもの)とみなされてしまいます。

③成年になっても親が管理しているケース

受贈者である子供が未成年の場合は、贈与者である親が銀行に入金したり、通帳や印鑑を管理したりしても良いとされています。

しかし、子供が成年したら通帳と印鑑は引き渡し、次からの入金は子供が行なうようにしましょう。そのまま親が管理していては、過去のぶんも含め全て名義預金と指摘されます。

 

④未成年の口座から出金したケース

子供が未成年のうちは親が口座を管理しても問題ありませんが、一度でも親が引き出してしまうと贈与とはみなされなくなってしまいます。生活費に困り一時的に親が引き出してそのあとに戻したという例もありますが、これも名義預金とみなされてしまいます。

⑤口座の名義変更をしていないケース

受贈者である子供が婚姻等により性が変わった場合は、すぐに名義変更をしましょう。旧姓のまま口座に贈与をし続けていては、子供は実際には使っていないと考えられるため、これも名義預金と指摘されやすいのです。

⑥子供の口座が親の近所にしかないケース

親の近所にある金融機関に子供の口座があり、その口座に贈与していて、子は別居していて近所にはその金融機関がないといった場合。ふだん使わない口座に子供が自分で預けたとは、説明しづらいものです。子供が普段使用している口座に預けたり、移し替えたりすることが重要です。

⑦保険そのものを贈与したケース

契約者を親から子供へ変更しことで「贈与した」と考える人は多いです。しかし税務上はあくまで保険料負担者のものなので、契約者を変更しただけでは贈与になりません。言い換えれば、保険契約そのものは贈与できないということになります。

まとめ

財産の相続は自分だけの問題ではありませんし、遅かれ早かれ、いつかは向き合って考えなければならないことです。自分の資産総額や、贈与をする相手は誰が適正かなど自分だけで判断するのは難しいことと思いますので、そのような際には法律事務所やファイナンシャルプランナー等に相談してみましょう。

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ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)編集部
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本記事はベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)を運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※ベンナビ相続(旧:相続弁護士ナビ)に掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。

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