弔慰金(ちょういきん)とは、死者を弔い遺族を慰める意味で贈る金銭のことで、葬儀などでお香を持ち寄って故人に手向けたことが発祥といわれており、お香や供花の代わりに渡すお金という意味合いがあります。
また、平成27年4月、第189回国会で「戦没者等の遺族に対する特別弔慰金支給法の一部を改正する法律」が成立したことに基づき、戦没者等の遺族に対して特別弔慰金が支給されることになりました。
弔慰金は、個人が支出する比較的少額のものと、企業等が支出するまとまった額のものという2種類があり、今回は主に後者の弔慰金についてご紹介いたします。
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平成27年4月1日の時点で、「恩給法による公務扶助料」や「戦傷病者戦没者遺族等援護法による遺族年金」等を受ける方がいない場合に、次の順番で遺族一人に支給されます。
1:戦傷病者戦没者遺族等援護法による弔慰金の受給権を取得した方
2:戦没者等の子
3:戦没者等の(1:父母(2:孫(3:祖父母(4:兄弟姉妹
4:1から3以外の戦没者等の三親等内の親族(甥、姪等)
順位 |
対象者 |
支給要件 |
|
1 |
弔慰金受給権者 |
配偶者の場合、次の要件を全て満たすこと。 |
|
2 |
転 |
子 |
|
3 |
父母 |
次の要件を全て満たすこと。 |
|
4 |
孫 |
||
5 |
祖父母 |
||
6 |
兄弟姉妹 |
||
7 |
父母 |
上記3以外の者 |
|
8 |
孫 |
上記4以外の者 |
|
9 |
祖父母 |
上記5以外の者 |
|
10 |
兄弟姉妹 |
上記6以外の者 |
|
11 |
上記以外の三親等内親族 |
戦没者等の死亡時まで引き続き1年以上戦没者等と生計関係を有していた者で、かつ、戦没者等の葬祭を行った者。 |
|
12 |
上記以外の三親等内親族 |
戦没者等の死亡時まで引き続き1年以上戦没者等と生計関係を有していた者で、戦没者等の葬祭を行わなかった者。 |
支給対象遺族は、戦没者等の死亡当時、生まれていなければなりません。また、基準日において、次のいずれかに該当するときは、特別弔慰金の受給権を有しません。
① 死亡している者
② 日本国籍を有していない者
③ 離縁により戦没者等と親族関係が終了している者
特別弔慰金以外の企業等から支給される弔慰金の額は、企業によって金額のバラつきが大きく、企業が加入する団体保険の有無にも左右されます。弔慰金制度をもつ企業は 76.0%、支給方法は「一律定額」と「勤続年数に応じて支給」する企業に分かれますが、「一律定額」とする企業のほうが若干多いようです。
下記にその弔慰金の相場を掲載しておきますので、参考にしてみてください。
|
一律定額 |
勤続年数に応じて支給する企業 |
||||
満1年 |
満5年 |
満10年 |
満20年 |
満30年 |
||
最高額 |
3500万円 |
950万円 |
1000万円 |
1000万円 |
5000万円 |
5000万円 |
最低額 |
2万円 |
1万円 |
1万円 |
2万円 |
3万円 |
3万円 |
中位額 |
100万円 |
10万円 |
10万円 |
20万円 |
30万円 |
30万円 |
|
一律定額 |
勤続年数に応じて支給する企業 |
||||
満1年 |
満5年 |
満10年 |
満20年 |
満30年 |
||
最高額 |
1000万円 |
500万円 |
800万円 |
800万円 |
2500万円 |
2500万円 |
最低額 |
2万円 |
1万円 |
1万円 |
2万円 |
3万円 |
3万円 |
中位額 |
30万円 |
10万円 |
10万円 |
20万円 |
25万円 |
30万円 |
|
一律定額支給の企業 |
||||
社員の配偶者 |
社員の子女 |
社員の両親 |
社員の両親 |
社員の配偶者の両親 |
|
最 |
50万円 |
10万円 |
10万円 |
10万円 |
10万円 |
最 |
5,000円 |
5,000円 |
5,000円 |
5,000円 |
5,000円 |
最 |
5万円 |
2万円 |
2万円 |
2万円 |
1万円 |
平 |
41,746円 |
25,000円 |
24,201円 |
23,054円 |
15,321円 |
弔慰金の支給を受ける際の手順を確認しておきましょう。
1:戦没者等の遺族に対する特別弔慰金請求書
2:第十回特別弔慰金国庫債券印鑑等届出書
3:戦没者等の遺族の現況等についての申立書
4:特別弔慰金請求同意書(同順位者がいる場合)
5:平成27年4月1日(基準日)現在の請求者の戸籍抄本
請求書類等は、市区町村の援護担当課に備え付けがあります。
提出していただく書類は請求者が過去に特別弔慰金の請求をしたことがあるかどうかで異なりますので、詳しくは市区町村援護課や福祉課など旧軍人の援護担当課に問い合わせてみてください。
25万円(5年償還)の記名国債の支給となります。償還金の受け取りは郵便局などで可能です。
平成27年4月1日から平成30年4月2日までが請求期間です。請求期限を過ぎると特別弔慰金は受けとれませんので、ご注意ください。
受け取りは郵便局でも可能ですが、請求先は各都道府県にある市区町村の援護課や福祉課など旧軍人の援護担当課になります。
詳しい場所は「市区町村の援護担当課一覧」をご参照ください。
平成27年4月の法案を受けて、国から償還額として25万円を、5年ごとに国債を交付することとが決定しました。そこで関心が高くなったのが、弔慰金は相続税の対象になるのかという問題ですが、基本的に国から支給される弔慰金は相続税の対象にはなりません。
被相続人の死亡によって受ける弔慰金や花輪代、葬祭料などについては、通常相続税の対象になることはないので安心してください。
しかし、相続税の対象となる場合も存在します。
1:被相続人の雇用主などから弔慰金などの名目で受け取った金銭などのうち、実質上退職手当金等に該当すると認められる部分は相続税の対象になる。
2:次に掲げる金額を弔慰金等に相当する金額とし、その金額を超える部分に相当する金額は退職手当金等として相続税の対象とする。
ここでいう普通給与とは、俸給、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当などの合計額を指しています。
厚生労働省などが、弔慰金などの振込をATMなどでお願いすることは、絶対にありませんし、「特別弔慰金」の支給のために、「手数料」や「登録料」などの振込を求めることは、絶対にありませんので、同様の内容で電話などが来た際はご注意ください。
いかがでしたでしょうか?
弔慰金の受け取りに特別な手順は特に必要ありませんが、期限が長く設定されていますので、うっかり忘れることが無いように注意しましょう。
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