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生前贈与のメリットとデメリット|相続と贈与の違いをわかりやすく解説
2018年03月02日
生前贈与  弁護士監修記事

生前贈与のメリットとデメリット|相続と贈与の違いをわかりやすく解説

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生前贈与(せいぜんぞうよとは、その名のとおり『生きている間に財産を誰かに贈る』法律行為です。贈与は基本的にいつでも・誰でもできます。

 

この記事では、生前贈与のメリットとデメリットを中心に、相続と生前贈与の関係などについてもご紹介します。

生前贈与のメリットとデメリット

生前贈与は手軽に利用でき、税法上も特例が多いのでメリットが大きいのですが、デメリットもしっかりと把握しておくことが大切です。

 

まずは生前贈与のメリットとデメリットを整理しましょう。

 

メリット

生前贈与が得だと言われる最も大きな理由が『贈与税のほうが相続税よりも税率が低い』ことがある、すなわち節税効果が見込めることです。

 

贈与税の課税システムは『暦年贈与』と『相続時精算課税制度』に分けられますが、暦年贈与を選択すれば1年あたり110万円まで贈与税は発生しません。相続時精算課税制度を選択すると、対象の相手からの贈与は累計2,500万円まで贈与税が課税されなくなります(これを超えると一律20%の贈与税がかかります)。

 

また、2015(平成27)年以降は、直系尊属(祖父母や父母)から20歳以上の直系卑属(子や孫)への贈与について『特例税率』という通常の贈与税よりも低い税率が設定されていますし、住宅取得等資金の特例や教育資金一括贈与特例など多くの特例措置がありますから、この部分でも節税効果があるのです。

 

加えて、生前贈与をはじめとする贈与行為は、贈与者が相手を自由に選択できるので、特定の財産を確実に指名した相手へ承継したい場合には非常にメリットが大きいといえます。相続でもある程度はこの希望を反映させることができますが、せっかく作った遺言に不備があれば内容が実現できないおそれがありますし、場合によっては相続争いに発展してしまう可能性もあります。

 

したがって、節税効果や特定財産の確実な承継ができる点が、生前贈与の大きなメリットといえます。

 

デメリット

生前贈与のデメリットは、多かれ少なかれ贈与税などの各種税金がかかるケースが多いという点にあります。

 

特に土地・建物といった不動産の場合には、贈与の際に名義変更(登記)を行うのが一般的ですが、不動産の登記手数料と登録免許税・不動産取得税などの費用が発生します。相続による名義変更なら登録免許税0.4%・不動産取得税なしに対し、登録免許税や不動産取得税に限れば、通常の贈与だとそれぞれ評価額の2%~3%ほどが課されてしまうので、不動産の生前贈与には余分な費用がかかると言えなくもないでしょう。

 

また、被相続人の死亡前3年間に生前贈与されたものは相続時に遺産に含めて計算されるため、遺産分割や相続税の計算の際に注意しなければなりません。

 

そして、税率の高い相続税の課税逃れのために暦年贈与を使い続けると、税務署から厳しい調査を受けるリスクもあります。

 

生前贈与は気軽に利用できる反面、税金関係の手続きをしっかり行わないと後々大きなトラブルを招く危険があるといえます。

 

生前贈与と相続の違い

生前贈与は相続と深い関係があります。というのも、贈与税も相続税も同じ『相続税法』という法律で規定されているうえ、一定の生前贈与は相続の『遺産分割(ないし各相続人の相続分)』や『遺留分』といった部分で考慮されることになるからです。

 

生前贈与と相続は以下の点で違いがありますが、いずれにしても税金の手続きは必要です。

 

生前贈与

 

相続

贈与者の生存中

行われる時期

被相続人の死後

贈与者と贈与者が決めた相手

対象になる人(当事者)

被相続人の相続人と受遺者

贈与税

課税される税金

相続税

贈与を受けた人

課税される人

相続人・受遺者

贈与の翌年の2月1日~3月15日

税金の手続き時期

被相続人の死後10ヶ月以内

 

生前贈与できる財産と生前贈与のやり方まとめ

生前贈与ができる財産は、現金や預貯金、土地・建物(不動産)、有価証券(株式)、宝石や絵画等の動産など、実にさまざまな種類があります。現金などを後々使える形で贈与しておきたい場合には、生命保険契約を利用した生前贈与なども人気を集めています。

 

生前贈与のやり方は贈与する財産によって少しずつ異なりますが、基本的には『贈与契約書を作ること』、『税金の手続きを忘れないこと』が大切です。

 

贈与契約書を作ることで後々の親族間トラブルを防ぐこともできますし、税務調査が入った場合の安心感も大きくなります。

 

贈与契約書は簡単なものでも作っておくのがおすすめなので、以下のひな型を参考に作成してみてください。2通作成し、割印をして各自が1通ずつ保管するとよいでしょう。

 

贈与契約書

 

贈与者○○は、受贈者△△に、以下の財産を贈与する。

 

1.現金 □□円

2.土地 (※登記簿の物件番号が分かれば併記してもよいでしょう)

所在 ○○○○

地番 ○○

地目 ○○

地積 ○○

 

平成○年○月〇日

 

贈与者 住所 

    氏名 ○○ 印

 

受贈者 住所

    氏名 △△ 印

 

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まとめ

いかがだったでしょうか。

 

生前贈与に限らず、誰かに財産を贈ったり譲ったりする行為には税金が発生します。贈与税の方が相続税よりも税率が低いですし、直系血族間での贈与ならばそうでない贈与と比べて低い税率が適用されるなどお得なことも多いので、この機会に生前贈与もぜひ検討してみてください。

 

本記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。

この記事を監修した法律事務所

Thum_umezawa
弁護士法人プラム綜合法律事務所
梅澤康二 弁護士
アンダーソン・毛利・友常法律事務所を経て2014年8月にプラム綜合法律事務所を設立。企業法務から一般民事、刑事事件まで総合的なリーガルサービスを提供している。

相続トラブルに巻き込まれてしまった方へ

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相護士ナビ編集部

本記事は相続弁護士ナビを運営する株式会社アシロの編集部が企画・執筆を行いました。 ※相続弁護士ナビに掲載される記事は弁護士が執筆したものではありません。 ※本記事の目的及び執筆体制についてはコラム記事ガイドラインをご覧ください。
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